「ふはは。これで、全ての人民は渡野様の前にひれ伏すのだ。」 「クッ!この世界を渡すわけにはい・か・・な・・・い・・・」 「あーお前たちは帰っていいぞ!俺様は今日上機嫌なんだ。釈放してやる!」 俺とミサトさんは兵士達に外へと追い出された。 なにも出来なかった自分・・・その思いが自分の心を苦しめた。 「ありがとう、龍渡。嬉しかった!」 ミサトさんが辺りに響くくらい大きな声で言った。 「さあ、帰ろう。」 ミサトさんの声は俺の傷ついた心を癒していく。でも・・・ 「帰れないよ、俺のせいなんだ。全て・・・」 「ううん、そんなことない。それに、悪いのは私の方よ。ドジっちゃったしね。」 俺はミサトさんに強引に連れて行かれるように、本部の方へと戻っていった。 -------------------------------------------------------------------------------- ―本部― 「おーい。ミサトと龍渡、大丈夫かー?」 そう、最初に言ってくれたのは、俺達のチームの責任者のタッペイさんだ。 「うん、大丈夫よ。それより、状況は・・・?」 「あー。かなり、やばいぞ。町では一部の男が女体化し始めている。町はパニックになりそうだ。」 「そう、分かったわ。急がないとね・・・」 「それより、龍渡。お前、元気ないな。」 「俺のせいで、皆に・・・」 すると、その時、遠くから声がした。 「おーい。りゅっちーとミサちゃん。大丈夫?」「おーい。」「だから、俺がスパイ愛人として、渡野の所へ(ry)」 見覚えのある声達。それらは、俺達の方を向くと、ニンマリ、と笑った。 嬉しい。こんなにも多くの人達に・・・ 俺はここに居ていいのだろうか?いや、きっといいに違いない。こいつらがいる・・・それだけで、俺はいい。 -------------------------------------------------------------------------------- ―対策会議― 「さあ、これからのことについてだが・・・ガイ、最上層部と連絡は取れているのか?」 「いや、取れていません!さっきから、ドコを探してもいないんです・・・」 「やっぱりな、実は俺は前から思ってたんだ。あいつらは怪しいって・・」 「俺もだぜ。」「私もよ。」「兄貴、俺も俺も!」 「皆で集まる時、冷たい顔をしている奴らいただろ、龍渡。 お前のことをまだ信用できてなかったから言えなかったんだが、あいつらは多分うまく出来たロボットなんだ! 本当に女体化していたのは、俺らのメンバー機動六課の7人だけだった。」 続いて、ミサトさんが喋る。 「あいつらの目的は、私達を見張ることね。さらに、社会にも問題にならないようにする。 あなたを保護して来い、と最上層部に命令された時も怪しい、と思ってたのよ。 でも、逆らうと、恐ろしい目に合う気がして・・・私達は何も出来ずにいた・・・ 今、ここには7人の味方がいるわ。きっと7人でなら、アイツらも倒せる!」 「まあ、そういうこった。ラッキー7なんて言うしな。 龍渡、お前とミサトさんで本拠地に乗り込んで来い。俺たちは後方支援に回る! お前もさっきの借り、返したいだろ!お前ならできる!きっとだ!」 俺は、熱意が沸いてきた。よし、いっちょやってやるか! 「よし、龍渡、行こう!」「オッス!」 -------------------------------------------------------------------------------- 俺達は町の中心街を通り抜けていく。 町には、女体化が始まった人もいて、大パニック状態となっていた。 「うわー。大変なことになってるな。やっぱり、アイツは早く倒さないと!」 「そう、早く倒さないと。でも。渡野の気持ちも分かったりするけどね。。 全ての女を自分の下に置く。。これは、男の人の夢・・とてもなく幸せな・・」 「ミサトさん・・??」「いや、ごめん。気にしないで」 「ふー。ここよ。ここから、行くの。」 「でもどうやって?ここはただの崖だよ?」 「あのね、実は話さなくちゃいけないことがあるの。 実はね、私、魔法使いなの・・」 魔法使い?そんなことってあるのか?予兆全然なかったのに・・ 「えっ!ミサトさん、魔法使えるの?でも、どうして・・・」 「コレはなるべくなら、隠しておきたかった。でも、もうそんな余裕はない。 それで、どうして魔法使いになったかというとね。 少し昔の話なんだけど、ある年齢までに処女を脱出しなかったら、魔法使いになる、っていう現象が報告されたの。 そうなった人は、ごく一部だったんだけど、私はそれだった。。 渡野はね、魔法使いになりたかった。でも、なれなかった。 そして、すごい科学者になったの。その技術で今のようなことを始めた・・そう言われてるの。」 そんなことがあったのか・・渡野、ミサトさん。 魔法使いになれなかった者、魔法使いになれた者。 「さあ、飛ぶよ。“ラピュタ!!”」 僕達はまるで風船のように、空へと舞い上がっていった -------------------------------------------------------------------------------- ―敵の本拠地― 「いやーそれにしても、ここは複雑だな。さっきから、同じ所行ったり来たり・・」 「大丈夫、地図があるから・・実は前にここをスパイしたことがあるのよ、そのときの地図。 でも、あれ、おかしいな・・ここには壁があるはずなのに?」 「ミサトさん、それ、何年前の地図?」 「えーと5年前。」 「おいおい、5年も前・・・」 そのとき、場内アナウンスのような声が響き渡った。 「ふふふ、またやって来たのかね。今度は生かしておくわけにもいかない。」 「その声は・・・渡野ね!!」 「そのとおり。この前は私の部下が君達のことを逃がしたと言うじゃないか。私はそんなぬるいことはしない。」 「おい、渡野!このド変態!さっさと出て来い!」 「ド、ド変態!?それは私が最も嫌うwordだ。 どうやら、私を本気にしてしまったようだな・・」 変な機械音がしたかと思うと、足元の床がなくなり、俺達は落ちていった・・ -------------------------------------------------------------------------------- 「いててて、ここはドコだ?」 「ふっ!そこで、大人しくしてるがいい。」 俺は辺りを見回した。ここは牢屋だ。隣にも、通路を挟んだ向かいにも、部屋がある。。 ミサトさんがいないことに気付く。。ドコだ?どこに居るんだ? はっと気付く。そうか、ミサトさんは渡野に連れていかれたんだ! だとしたら、ミサトさんの身が危ない!早く、ここから脱出しないと。。 そのとき、廊下から足音がした。。番兵だ。 「おい、お前か?龍渡って言うのは?」 「ち、違います。私、龍子って言うんです。人違いなんです。」 「はっ?だって、お前、男物の服着てるじゃん。」 「今日、村で男装大会があって・・・それで、この服を着ているんです。」 「いや、お前。男だろう?」 「ひどい、お父さんにもそんなこと言われたことないのに!龍子、悲しくなっちゃう。」 「それはねーよwお前、ドウ見ても男だし。」 あー。疑い深い奴だ。仕方ないので、俺はアイツの口に無理やりキスをし、あっけに取られているところで鍵を奪い取り、脱出した。 まってろよ、ミサトさん。。 -------------------------------------------------------------------------------- 「ふふふ、まずは手始めにお前からだ。三郷。お前をずっと前から欲しかった。 他の男などどうでもいい。。」 「あんたにだけは喰われたくないな。こっちにもプライドって物がある!」 -ドグゴォーン。手前の壁が吹っ飛び、歩いてきたのは・・・龍渡だ!- 「ミサトさん、待たせたな。俺が来たからにはもう大丈夫・・・ってえー!!」 渡野は直径30cmもあるだろうマシンガンを持って、ミサトさんへと向けていた。 「ようやくお出ましか。おい、少年。お前の取る選択肢は2つしかないぞ! お前の命と引き換えに、三郷を助けるか、お前ら2人とも死ぬか・・そのどちらかだ!」 「ちょっと、、ミサトさんと話をさせてくれないか・・」 「まあ、いいだろう。3分間待ってやる。まあ、答えは1つしかないよなもんだがな!」 俺はミサトさんの所へ歩き出した。 「おい、3分経ったぞ。答えはどうだ? お、おい。何をやろうとしている。2人で手を握って!何が目的だ!」 -------------------------------------------------------------------------------- -‐''''"´ ̄``ヽ、 ____ / _ ヽ //´ __,,>、 /  ̄ ̄ { /::/ / ̄:::::::::::::::\ l _ィニニア二二二ニヽ、j._ /::::l/::::::::::::::::::::::::::::::::l | 0Lj/-‐-レノ ノ_ヽ:::`ヽ l:::::::::::/l/lノノ/_イ:::::l レ:r、/ イ゚テ ピト`|::| l:::::::::/ rtテ、 .ィtq l::::::| l:lヘ '" ,j '"/ノ |::lヘ!j ´ ,j !;:::/ ヽヽ、 r‐-, /' レリー 、 ,...., lノ/ lヽ、  ̄ / `ヽ、lヽ 、  ̄ /´ _,r┴‐-`v´-‐j-、__ , -‐-、_r┴─'ー‐チト パトス!! / ̄/:.:.:.:| ̄ ̄`T ̄´|:.:.:.:l´ `ヽ / ヽ ̄`ー-‐'´`''''⌒ヽ / ,':.:.:.:.:.l l l:.:.:.l \ _r‐、-、-、r, 、 ', |:.:.:.:.:.:.! ! !:.:.l ,. -‐ゝ/// 〉 〉 〉 〉 〉 ! 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