「キミはさ、きっと僕の外見が好きなだけなんだよ。中身の伴わない、ただの虚像がさ」 「そんなことっ…………!」 「ない?本当に言い切れる?」 「そ、んな…こと…」 「ブランド品感覚で僕と付き合いたいならやめといた方がいいよ」 「…………………………」 「それと……一つ教えておいてあげるよ。実は、僕は……」 「ゲイ、なんだ」 「まーたそんな露出高い服着て…」 そこから先は坂を転げるように思えた。 「別にいいじゃない。ほら、可愛いでしょ?」 今まで友情以上の執着を感じなかったアイツ。 「よかねーよ。大体見たらひっぱたくくせに…」 何故か、その何処かぼんやりとした… 「えっちな目付きで見るからだよ」 だけど真摯な姿に 「それを決めるのはお前だろーが」 惹かれていたんだろう。 「……まぁね」 「ね、喬介」 「ん?」 「僕のこと、どう思う?」 「珍しく詰まらず言えたな」 「僕だっていつまでもそのままじゃないさ。で、どう思う?」 「………………」 「………………」 「く、……腐れ縁?」 「…………ふぅ」 「なんで溜め息吐いてんだ、コラ」 「なんでもないよ」 「………………」 「ふぅ……」 「……なんか疲れた。すげー疲れた」 「で?」 「で?ってなんだよ……少し寝る。膝貸してくれ」 「うん、いいよ」 「…………」 「相変わらず良い寝付きで」 「………………」 「…………んっ」 この恐ろしく鈍感な友人に気付いて貰えるまで……僕はこの思いを忍び続けようと思う。 しかし、普段無感動な彼が既に自分の初めての唇を奪われていると知ったら、 一体どんな表情をするんだろうか。 少し、見物だと思う。