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電子妖精の開発:スーパー妄想コーナー」の最新版変更点

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 *電子妖精の開発:スーパー妄想コーナー・目次
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 #contents
 
 #right(){[[電子妖精の開発・本編へ>電子妖精の開発]]}
 
 
 
 **とある国民の妄想・その1
+
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+}
 
 暗緑の壁面に電子が波打つ。
 ここは第2バッジシステム、オペレータールーム。
 打鍵と通信の音声と喧騒で湧き立つ、電子の鉄火場。
 
 一人の女性オペレーターが、
 食い入るように通信用ヘッドセットのイヤフォン部分へと手をあてがい、
 通信先の悲鳴にも似た報告を聞いている。
 焦燥をあらわに振り返った彼女の口から迸るのもまた、悲鳴にも似た報告であった。
 
 「ダメです……
  第六百七十三防壁、突破されました!」
 
 その報告を受け取る位置。
 部屋の後部中央、一段盛り上がった室長席で、
 男が、口元を隠すように、両手を組みながら、呟いた。
 
 「やむをえん。
  アレを出せ」
 「そんな……沙嵐一人では、まだ早過ぎます!」
 「構わん。
  ここでバッジが落ちれば、どの道、後はない。
  我々に負けて良い戦いなどというものはないのだ」
 「く……!」
-
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-}
 
 オペレータールームの正面を占める暗緑の壁面に、輝きが灯る。
 巨大な液晶スクリーン上に現れたのは、ターバン姿の、まだ羽根も広がりきらない少年妖精。
 画面奥から禍々しい手がいくつも伸びてくる。
 果敢に腰から小さなサーベルを抜き放ち、少年妖精は手を切り払うも、やがて壁際に追い詰められ……
 
 /*/
 
 「……なあんてシステムがあったらいいと思うのよ、俺。
  名付けて千夜一夜物語! どう、西国っぽいでしょ?」
 
 チーズバーガーをかじりながら、同僚相手に得意げに人差し指を立てて見せたのは本物の第2バッジ専属男性オペレーター。
 
 「どうせ情報を画像化出来るんなら、
  情報戦の時のランプたん、バッジ運行時のランプたんとかの特別なケースにも、
  それぞれ"女王"みたく、画像化出来たり、名前がついてもいいと思うんだよなー」
 「ていうかお前、なんでやられてるシーンを想像してネタを話すんだよ、縁起でもないな」
 「てへへー」
 
 #right(){&anchor(A){目次へ}}
 
 
 
 **とある国民の妄想・その2
 
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 「時間だ」
 「やりますかー」
 「目にものをみせてやる」
 
 
 ─────────────
 
 室内にアラートが鳴り響いている。オペレーター達は画面に流れてくる文字を目で追いながらコンソールを叩く。忙しそうだ。
 
 「誰かこの煩い警報を止めろ!状況は!?」
 「何者かがシステムに侵入を試みています。四ヶ所からの同時ハッキングです。ランプ1、2が自動起動。プログラム『サウザー』『沙嵐』発動。防壁を張り追跡しています」
 「システムが一新されたとたんこれか。食い止めろ!バッジ2を狙ったと言うことは空から攻撃がくるぞ!死守するんだ!」
 「頑張ってます。中継ポイントが国外にも点在している模様ー。『沙嵐』よりランプ3、4の起動要請です」
 「防壁及びダミー多数製作。エンドレス入りました。『サウザー』は脅威が無くなるまで防壁を張り続けます。これで時間は稼げますね」
 「3と4も?ニューワールド中探す気か?
 (国外からか。ならば何処かに制圧の為の部隊をだしてもらうか?いや、しかし、)
 ランプ3、4そして5起動!3と4はプログラム『沙嵐』。5は『フィー』ハッカーの脳ごと焼ききってやれ!」
 「了解!ランプ3、4起動。ランプ2、3、4プログラム『沙嵐』にて連動します。ランプ5起動。プログラム『フィー』待機させます」
 
 
 ────────────────
 
 
 ─ シャーーーン─
 
 ─シャシャシャーーーーン─
 
 ─鳴り響け我が腕輪よ─
 ─世界の端から─
 ─世界の端まで─
 ─ 鳴り響け─
 
 ─シャシャシャーーーーン─
 
 
 ───────────────
 
 
 ─聴こえる─
                  ─聴こえる─
 ─私の舞台は何処?─
 ─早く私を踊らせて─
 ─聴こえる─
           ─聴こえる─
 ─私の舞台は何処?─
 ─私の踊りで皆に火をつけるの─
 ─早く私を踊らせて─
 
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-}
 
 ─────────────────
 
 
 「見つけました!でも、ここは?」
 「どうした?」
 「四ヶ所ともレンジャー連邦国内です!しかも、ここは、政庁?」
 「間違いないか?」
 「間違いありません!」
 
 
 ドカッと腰を下ろして盛大なため息をつく。
 ‘また’やられたな。
 
 「はぁ~。そういうことか。『フィー』中止。ランプ2から5まで停止させちゃって。後、電話一本繋いでくれ」
 
 
 
 このあと電話のスピーカーからは歓喜の声が聞こえてきてオペレータールーム中に響きわたったのであった。
 
 #right(){&anchor(A){目次へ}}
 
 
 
 **とある国民の妄想・その3
+
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+}
 
 まるで砂嵐の中にいる様な先の見えない防御壁に舌打ちをする。
 どう攻撃を仕掛けるか…ここに到達するまでもてこずり、チームで挑んだメンバーも気が付けは片手で足りる人数にまで減ってしまった。
 
 情報という名の星々が輝くネットワークの宇宙に浮んだ白い広大な砂漠を持つ星の中で、ハッカーと呼ばれる彼らは途方に暮れ、そして恐怖に生唾を飲み込み誰もが悪態をついた。
 …オアシスはもうすぐだと言うのに。
 痛みさえ覚える光の粒が生き物の様に押し寄せる中次々と壁を崩す為の手を投じるが、一つ消すと光は複数に分裂するプログラムで、消せは消すほど、手を投じれば投じるほど踏み込む難易度が跳ね上がる。
 「くそったれ!」
-
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-}
-
 横を向けば近くにいたはずのメンバーが見えない、そして周囲は焼けつく光の粒の嵐渦。
 このままでは侵食される!
 彼は身の危険を感じてギリギリでログアウトをした、これがテストの為のハッキングというのを忘れて…。
 
 「お疲れ様でした」
 穏やかな女性の声とモニターから溢れる光に「ここは現実なのだ」と彼はぼんやりと意識を戻して行く。
 息が荒い、首に取り付けたプラグとコードが熱を持っている気がしていた。
 「ひでえもんだ…だれだあんなプログラム組んだのは」
 全身が重いのは、汗で水分が失われた為だと脳内に届くヘルスチェックデータで分かる、彼は側に控えていた彼女に水を頼むと、直ぐにハッキングデータを分析に回したのだった。
 
 情報戦の評価値をあげる為に挑んだ、レンジャー連邦ハッカー部隊全員による実戦さながらの『バッジシステムネットワークセキュリティー攻略作戦』。
 これは先に行われたナニワアームズ藩国で行われた情報戦移行、敵は難易度80超という数値を叩き出して来た事を踏まえて行われたテストであった。
 軍ではその脅威に対してどうしたものかと頭を抱えたが、敵が防御壁を破っても破ってもそれより早く次の防御壁を作り続けるプログラムを考案し、ついぞ先日、開発中の軍専用のサポートセキュリティシステムである電子妖精に組み込んでみたのだ。
 砂嵐の様な防御壁、という比喩は砂漠の国に暮らす彼らならではの畏怖を込めた表現ではあったが、正にその通りとデータを受け取った開発者も頷く表現である。
 敵のフィールドに持ちこまれるのは勝率を確下げる事を意味しており、常に敵が動きにくい戦場を維持する必要があるのはネットワークの世界も同じ事。
 電子の世界では人の及ばない速度世界が存在する。しかし、意思を持たない敵を相手にする時「生」ある人は迷い思考する、というロスタイムを生んでしまう為に不利に陥りやすいのだ…。
 レンジャー連邦の電子妖精はあくまでもオペレーターとの連携無しには動かないものだが、一旦指令を受ければ局面に合った行動を自ら選びだし、自動で防御ラインを構築しそして侵入者を撃退する事が出来る。
 オペレーターはランプに住まう妖精のマスターだ。
 彼らは厳しい審査の元選ばれ、大統領府の監査を受けながらマスターである資格を誇りに職務を送る事になる。
 
 電磁波を遮断する個室の並ぶ一角、その部屋の中心に置かれた黒いボックスにノートPCを繋げ、システムのチェックをしていた彼女はほほ笑む。
 ここはL.A.M.Pの置かれた秘密の場所。
 その開発者である彼女とその側に立つ男性も名を知られる事はない。ここではそう言う事になっているのだ。
 「そこをサポートするのが電子妖精なんです。普段はオペレータの作業効率を上げたり、他システムとの誤差を埋めるために働いてくれますが、それは本職ではありません。」
 モニター上には可愛らしい妖精が羽を休める様に座っている。
 正式にはモニターの中、デスクトップマスコットよろしく時々ランダムに動いているのだが、これがこちらの指示を待っている様で微笑ましい。
 この姿は過酷な仕事をする職員の癒しになる様にしつらえた物で、自分の使うPCモニタでは好きな姿で見える様カスタマイズできるのだ。
 彼女の電子のパートナーは赤毛の少年型、ややサイバーなスタイルが特徴で、透明な羽をパタパタ動かして待機していた。
 「この電子妖精『沙嵐』が誇るのは膨大な情報を処理する能力と速度です。電子の世界での速度はハッキングに対して高い抵抗力を生みますからね。」
 「ここでも速度ですか…、スピード勝負とは良く言いますがねえ。」
 「ええ、ここでもですよ。」
 彼女の答えに苦笑する男性、口元が柔和な笑みの形に動く。
 「さて、このセキュリティーも万全ではありません。その時はどうしましょうか。」
 「ああ、その時は…」
 中には情報戦絶対成功という特殊を持つ存在もあるのだ、そういった相手に対してはどんな分厚い壁を作っても潜入をされてしまうだろう。
 そういった時の対処もセキュリティの重要な一つであった。
 「はい、ここを押して下さい」
 「ここ?」
 彼女は黒いボックスの脇にある赤いボタンを指さした。
 ボタンは赤だけではない、何色かあって順番に並んでいるのが見えたが、彼はとりあえず指示されたボタンを押してみた。
 『第一システム強制切り離し作動』
 音声案内の後、直ぐに正面から何か基盤の様な物が飛び出し、静かに稼働していたボックスがにわかに騒ぎ出す。
 「!?」
 彼は驚きながら数歩後ろ下がり指示を出した彼女の顔を見た。
 「直ぐに第二システム起動しますよ。外部より潜入され侵食された第一システムはダミーシステムとして敵にはそのまま稼働している様に見えますが、こちらでは次のシステムが起動し、侵食された部分を修復して正常に働くシステムになっています。」
 「ふむ…、とかげの尻尾切りみたいですね。」
 「えー、ランプの精の魔法と言って下さいー。」
 と彼女は楽しそうに笑い、自分のPCを使ってボックス全体を再起動さると、L.A.M.Pの第一システムをメイン設定に戻す。
 「敵は自分が魔法にかかっている事に暫く気付かないでしょう、その間沙嵐は嘘の情報を敵に送り続け、一定の時間になったら自動的に…敵に気付かれシステムを解析される前に敵のハッキングシステムを巻き込んで消滅するのです。面白いでしょう?今のは手動ですが、ハッキングに沙嵐が気付いたら自動でも稼働するんですよ。」
 「すごいですね…」
 彼は自分の身の丈を超える黒い箱を前にして、深く息をついた。
 
 ハッカー達が恐れる砂の嵐を起こした妖精の正体は、金で入れられた文字だけが魔法のランプの面影を残すコンピューター。
 静かな室内は人工の灯りだけが白い壁と黒いボックスを照らす部屋で、そんな中、彼と彼女はノートパソコンのモニターでくるくる動く電子の妖精を見つめた。
 普段は愛嬌のある妖精の姿を取っているが、その実は彼らは主人に忠実な恐ろしいランプの精でもある…。
 「ここは正に電子妖精が住まうランプ…か。」
 彼は小声で呟く、どうしてか他に誰もいないのに声をひそめなくてはいけない気がしたのだ。
 
 レンジャー連邦のどこか誰も知らない秘密の場所で、L.A.M.Pと呼ばれる住処から電子の宇宙を舞う遊撃手が、静かに飛び立つ時を待つ。
 そう、ランプを主人が擦る時が来るまで。
 
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 **とある国民の妄想・その4
 
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 「これって好きに外見設定カスタマイズできるんだなあ」
 軍に勤める割にはひょろっとした体型の銀縁眼鏡の青年はどこか気の抜けた声をあげ、隣の席の同僚をがっくりさせた。
 
 「お前…ちゃんと大事な所を見ろよ。」
 丁寧にまとめられたマニュアルを片手に基本操作の項を順番に見ていた同僚は、がっちりとした作りの顔をしかめる。
 眼鏡の青年の方はと言うと、丁寧に纏められたマニュアルの最後の方をじーっと読んでいたが、あっと言う間にデスクの脇に置いてキーボードをカタカタと始めた。
 「オレハッカー上がりだからざっくり読めば分かるの。」
 彼は大統領府からの監査を受け、空軍の特殊情報管理センターに勤める事になった元ハッカー。
 他のメンバーももちろん彼と同じ様に厳しい基準をクリアした者ばかりだが、大体が空軍にもとから努めていた人ばかりである。
 同僚の青年も軍の中で優秀な人材であったが、この不真面目そうな青年の様にまではいってはいない。
 眉間に皺を寄せながらも、流れる様なブラインドタッチと圧倒的な処理能力に歯ぎしり。
 「へえ、プログラムのすき間レベルでしかカスタマイズできないと思ったら…」
 「ああ…上の方で作業中の癒しになる様にとか言って、無駄に力を入れたという噂だ」
 後にバッジシステム指令部の女性職員や、男性職員にも大好評となる電子妖精外見カスタマイズは、同僚には今の所不評であった。
 大柄な体を窮屈そうに椅子に納めた彼は、もくもくとマニュアルを読み続ける。
 「パーツごとに細かく選択できるのか、へーえ、カラー、スーツ、音声… お、動物タイプもあるな。」
 そこでぴくりと同僚の大きな肩が僅かに動いたが…。
 「まあ…やっぱクールなのがいいな、メタルシルバーのスマートな妖精ちゃんっと」
 余りにも小さな動きだったので青年は気付かず、そのまま楽しそうに自分好みの妖精の姿を作り、デスクトップに呼出しては歓声を上げた。
 「いやいやこれいいわ、便利なだけじゃないねえ」
 「う、うるさいぞ!」
 眼鏡の青年はマニュアル掴む拳をプルプルさせているごつい同僚の姿に眉尻を下げる。
 見た目が怖い、凄く怖い。
 「悪い、あーっと、えーっと、俺休憩してくるわ。」
 「どの位出ているんだ…。」
 ここは軍の重要機関の中で、外出の際は行き先と時間を申告する義務があり、そして実際の入出時間も出入口を通る際に自動記録されていた。
 もちろん同僚の彼も規則に乗っ取った事項を確認したのだが…少しおかしい。
 「あ、っと昼まだだから30分で…いやにじゅ…」
 「ゆっくりでいい。」
 「は?」
 「30分といわず規定の1時間休め。」
 「はあ…じゃあそうするよ。」
 「そうするといい。」
 眼鏡の青年は首をかしげつつも、お固い同僚の言う通りに1時間で休憩時間を申請して部屋から出る事にした。
 「じゃあ」
 「ああ」
 
 部屋に残ったのは同僚の一人(もともとこのワーキングスペースは2人用なのである。)
 その彼は眼鏡の彼がドアから離れたのを確認すると、手にしていたマニュアルの最後の方を穴が空きそうな勢いで読み出す。
 「こ…これは…!!!!」
 3ページわたり記載される電子妖精カスタマイズの項のある一ケ所に衝撃を受けた青年。
 漫画なら背景に稲妻が入ったであろうシーンである。
 「…奴が戻るまであと40分、急がねば。」
 彼は呟く。
 そうしてマニュアルを閉じると、猛然とモニターとキーボードに噛り付いたのだった。
 
 余談だが数ある妖精の中で「クリームたん」と言うオフホワイトの可愛い子猫型電子妖精が、女性職員の密かな人気を集めるのだが、その持ち主がごつくて頭の固い誰かということについては…誰も触れたりはしなかった。
 そう、この電子妖精外見カスタマイズは、過酷な任務に付くバッジシステム職員の癒しの為に用意されたものなのだ。
 
 「… だから笑うんじゃない!」
 「ぶはははははは、クリームたん最高、腹いてえ!」
 「笑うなー!!!!!!」
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