44発目 いぬーーん

感想

あかねちゃんの愛犬コジャックにハッチが名犬ぶりを見せ付ける。
コジャック、あかねちゃんの家、鬼豚毒象が初登場。

作品冒頭、あかねちゃんの放つフリスビーをジャンプ一番で咥えるコジャック。
彼女のコジャックに対する愛情は並々ならぬものがあるようで、「あたしの愛犬」に対して「犬」呼ばわりするなと複雑な要求を小鉄に突きつけるほどである。
単純に考えれば、理不尽な事を言っているだけともとれるが、小鉄程度の輩がというニュアンスも想定できる。(少なからず軽蔑の念は有るだろう。)

さて犬は飼い主に似るということわざがあるが、今作ではその言い伝えを小鉄&ハッチが体言していく。いや、正確にはハッチの行動を小鉄が後追いしているのだが。

さて、そっくりコンビ・小鉄とハッチの行動を並べてみよう。

  • ハッチがベンチに頭をぶつける→小鉄が自転車の右ハンドルに頭をぶつける
  • ハッチが木の枝をゲートに引っかけ通行不能に→小鉄が業を煮やし、別の方法で試すもギブアップ
  • 二者ともあかねちゃんに馬鹿にされて路上を転がる
  • ハッチがドブに落ちる→小鉄が電柱に頭をぶつける

錚々たるものだ。特に2つ目は小鉄が犬以下の知性であるという事が露見してしまった最悪の事件であろう。枝を横にさえすれば通り抜けられるというアイディアだけが先んじてしまい、結果が伴わなかった今回のケース。3目並べが激弱である事が後に発覚するが、目先のポイントだけにしか着目しない小鉄らしいといえばらしい事例である。

さて、小鉄を散々馬鹿呼ばわりしたのに引け目を感じたのか、あかねちゃんは小鉄を自宅に招待する。ここで「あかねちゃんち行くの初めてだよ」という小鉄のセリフ、また犬小屋誤認ネタがあるが、普通に考えれば464発目の思い出話と鑑みて矛盾を感じる所である。
整合性を取ろうとするならば、

  • 「あかねちゃんち」と言うのが「家の中」という解釈。
  • 464発目のあかねちゃんの家にはコジャックの犬小屋は存在しないので、今回小鉄が犬小屋をあかねちゃんの部屋だと誤認したのは、新たに自分の部屋を家屋に併設したのではという発想があったから
  • 「で・・・でかすぎるー」発言は犬小屋に対して

という解釈でいける・・・かな。まあ小鉄は馬鹿であるし、特に二番目については蛇足かもしれない。

しっかし読裏新聞の契約販売員・鬼豚毒象のネーミングのモノ凄さについては浜岡先生の個人的な恨みのほどを感じざるを得ないね。「おもいきって朝夕90部ずつの契約 決めてやっか」というセリフも面白かった。オチは微妙。

個人的評価 ★★★☆☆

作者評

「当時、はじまった犬の漫画にぶつけるつもりでやったがうまくいかず。」
山口まさかずの「忍犬ずびまろ」の事だろうか?学園ギャグものらしいから被ってるといえば被ってるね。ターゲットはちょい上っぽいけど。なお、94年43号で連載を終了している。

最終更新:2012年06月11日 02:34