感想
扉絵のほぼ半数の面積を小鉄をメインとして大鉄、それに次いで裕太のイラストが占めている。
前回に続きここからも大鉄の準主役な風格が見受けられる。
小鉄が友人とゲームをしていると裕太絡みで大鉄が乱入し、大敗してテレビ破壊そして逃亡という筋だが、今回も新キャラクター紹介がメインであろう。
上田信彦、鈴木フグオ、本田スカイウォーカー、小枝(名前不明)が初登場する回である。後者の二人は無印の最終話でネタにされるほどの消滅っぷりを今後晒していく事になるが、一番没個性に思われたノブが最も長命でよく動くキャラクターになったのは改めて興味深いことである。
ざっくりと役割的に言えば本田の「真面目っぽいキャラ」をノブが食って、小枝の「無口キャラ」を仁が食ったという感じであろうか。(ちなみに、4巻での作者の言及によれば、本田の無口キャラが仁に食われたとある。)また、前者のデザインはまるっきり花丸木に引き継がれている。(そもそもの原型は当時アシスタントであった樋田和彦氏らしいが。)最近「大食いキャラ」がフグオからノムさんに移行しつつあるのも同じような現象だろう。
さて家庭内での争いの代表格といえばチャンネルの覇権争いだが、このエピソードでも晴郎と小鉄の争いが描かれている。(結果は小鉄が殴り倒して終了)
あれだけヲタっぷりを発揮するのだったら、自分の部屋にテレビぐらい設置してありそうなものだがそうでもないようだ。
シリーズ通してコンピューターの所有なども仄めかされないし、案外古風?なのかもしれない。
テンポよく暴力と口撃が繰り広げられる佳作。大沢木親子キックコンボといい、「うるせーなフグチリ」といいフグオに対する不条理な扱いが最高。
個人的評価 ★★★☆☆
作者評
「やる気とは裏腹にパワーが空回り。」
あんまり納得がいってない様だけど、一読者としては普通に面白かったっすよ!
最終更新:2012年06月05日 02:40