●ヴァルハラ学園(第二期)
――《神族》とは、すべての民族に共通する「神」の概念の総称であり、不老不死かつ不定形。
そして無法であり無性。
森羅万象に対して時には優しく、時には辛辣であった。
踊り疲れた私と彼女は騒乱のような宴の会場から抜け出して、二人外に出た。
永遠の暗闇に希望を開けたような夜空。互いの顔は良く見えない。
――どうして、こんな学校を?
私がずっと訊けずにいた万感の問い。反して彼女は笑ったような気配さえあった。
『私たちが、先の戦いで揉み消した命は数え知れない』
いつか聞かれるその言葉と問いに対する答えを、彼女はずっと前から用意していたのかもしれない。
『償いなど、永遠に可能とはならなくても、せめて、せめて――』
最終更新:2013年10月16日 22:25