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    <description>バンド企画</description>

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      この企画は終了しました    </description>
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    <title>2-4</title>
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    <description>
      -あらすじ
　翌日、美織に会いに行く怜梧。
　美織は怜梧の顔を見るや否や取り付く島もなく去っていくが、怜梧はなんとか引き止める。
　バンドへの勧誘をする前に、この前のことを謝る怜梧。しかし、美織はお前が謝る必要はないと言う。
　わけがわからない怜梧に、美織はもうベースはやらないと言い切る。
　怜梧は理由を問うが、当然教えてもらえない。
　が、どうにも釈然としない怜梧は美織が未練たらたらの様子であることを見抜く。
　そこで怜梧はとっさに、そこまで言うならもう一度お前がベースを弾きたくなるような曲を弾いてやると言い放つのであった。

----

　『ベースって、なんだ？』

　いつの話だったろうか。
　確かあれは……初めての文化祭もとうに過ぎ、着々と押し寄せる秋の匂いが香り始めた頃だ。
　俺と慎二郎は、まあこの時からおかしな縁により同じクラスに身を寄せていた。
　後にその縁は、もはや予想通り2､3学年も適用されたわけだが。

　そして、何の変哲もない平凡なある日のこと。
　俺と慎二郎は机を並べて弁当をもりもり消費していた。
　
【慎二郎】「なぁ怜……」

【怜梧】「ん……？」

【慎二郎】「ベースって、なんだ？」

【怜梧】「なんだよ急に」

【慎二郎】「いやな、たまたま遊んでた女の子が軽音部でな、ベースがどうたら言ってたんだよ」

【怜梧】「……うん」

【慎二郎】「やっとうちの部活に救世主が出てきた！ってすっげー喜んでてなー」

【怜梧】「それで？」

【慎二郎】「で、俺はふと思ったんだ。ベースってどういう楽器なんだ？ってな」

【慎二郎】「ベースってさ、見てくれはギターと似てるもんだから違いがわかんねーんだよ」

【怜梧】「……似てるかあ？」

【慎二郎】「そりゃ多少なりとも音楽やってるお前はそう思うだろーよ。でもこれパンピーの質問だぞぉ？」

【怜梧】「お前パンピーだったの？」

【慎二郎】「今知った風に言うなよっ！！」

【怜梧】「んー……そうだなぁ……」

【慎二郎】「どうだ？」

【怜梧】「ギターと違ってベースは4弦だから……って言ってもわかりにくいよな」

【慎二郎】「わかりにくいな」

【怜梧】「……あぁあれだ。並べてみたらわかるけど、ネックが長くて……まぁ要するに、ギターより長い」

【慎二郎】「長いのか？」

【怜梧】「あとは……なんだろうな」

【慎二郎】「こう、ないのか？もっとわかりやすい……音の方とかさぁ」

【怜梧】「あぁ、低音部を司る重要なパートで……」

【慎二郎】「…………」

【怜梧】「ほら、ギターってさ、ぎゅいいいーーーん！！じゃん」

【慎二郎】「おお！そうだな。ぎゅいいいーーーんピロピロソーファーラウェイ！だ」

【怜梧】「うるせえよエレファントノイズ」

【慎二郎】「で、ベースはどうなんだ？」

【怜梧】「……べん」

【慎二郎】「べん？」

【怜梧】「ほら、べんべんぼぼんぶぉぉぉぉんだ」

【慎二郎】「べんべんぼぼ……なんだって？」

【怜梧】「べんべん…………いや、なんでもない」

【慎二郎】「んーまだわかんねぇな」

【怜梧】「ったくどう説明すりゃいいやら……」

【慎二郎】「ま、説明しにくいってもんなのはわかったさ。無理して頭捻らなくてもいいんだぜ？」

【怜梧】「…………」

【怜梧】「いや…………」

【慎二郎】「……怜？」

　ああなんだ。簡単じゃないか。
　バンドにおける、ベースの意義。
　それを説明するのに、今この状況で最も適したもの。

【怜梧】「―――それだよ」

　そして、俺は指差した。
　慎二郎の持つ……”それ”に。

【慎二郎】「……はぁ？」



　ぽかんとする慎二郎の手には、まだ半分も食べていないフレンチトーストが、ほのかに甘い香りを漂わせていた。


・
・
・    </description>
    <dc:date>2008-01-27T01:23:47+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/viperogeband/pages/20.html">
    <title>スタッフ</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/viperogeband/pages/20.html</link>
    <description>
      *べにお
-企画主においてシナリオ担当。他にも素材管理など
紅緒なのか紅男なのかは適当に想像しといてください。

*絵描き
-キャラクターデザイン・原画担当。
リアルに名前がわからない不思議な人。

現在スタッフ２名で奮闘中。


**スタッフ急募は[[トップページ]]参照。    </description>
    <dc:date>2008-01-27T01:22:04+09:00</dc:date>
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    <title>進行情報</title>
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    <description>
      *シナリオ
現在第2話執筆中。
3月までには共通ルート終了まで持っていく予定。（べにお）


*CG
現在キャラクターデザイン作成中。
出来次第立ち絵作成に移行。


*スクリプト
これもCGと同じくスクリプタが現在いないので動きなし。    </description>
    <dc:date>2008-01-27T01:20:30+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/viperogeband/pages/37.html">
    <title>2-3</title>
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    <description>
      あらすじ
**俺は裏切っちゃいない。そしてそれをもう一度、あの子に信じてもらいたい。

-未だメンバーが２人しかいない中練習を始める怜梧とかなか。
　かなかの上達にあまり期待はしていなかった怜梧だが、練習していると意外と飲み込みがいいことに気づく。

　再びメンバー探しをする二人（+α）。
　が、やはりベース担当の枠が美織しかいないので、なんとかして説得しなければいけない。
　美織を怒らせてしまったままなので近づくのも危うい状況だが、怜梧はもう一度美織に会いに行くのであった。

----

　…………。

【怜梧】「…………」

【かなか】「っ…………」

　じゃ～ん！

【怜梧】「…………」

【かなか】「～～っ…………」

　じゃじゃじゃじゃ～！

【怜梧】「…………」

【かなか】「…………」

【かなか】「あ、あのさぁ！」

【怜梧】「んー？」

【かなか】「え、い、いやぁ～……その……」

【かなか】「な、なんで何も言わないのかなぁ～って」

【怜梧】「いや、邪魔しちゃ悪いかなって思ったんだけど」

【かなか】「だからって何も言わないでじっと見られると……」

【怜梧】「そうか？俺の視線なんかいちいち気にしなくたっていいのに」

【かなか】「う、うん、それはそうなんだけど……」

　そう言って東海はもじもじしてしまう。視線も宙を彷徨っているようだ。
　まあ、最初のうちはこっ恥ずかしいのかもしれないけど、俺が見てるだけで恥ずかしがっていたんではライヴでどうにもならない気がするんだが。

　…………。

　ふと、窓の外の蒼穹に目を向ける。
　相も変わらずセミの鳴き声が響いていた。
　先日のベーシスト勧誘で見事山波美織を怒らせてしまった（らしい）俺たちは、メンバー探し以外で現状況でできることを模索した結果、とりあえずは東海のギター練習をしようということになった。
　俺自身、人にギターを教えるのは初めてだったからどうなるもんかと心配していたんだが……。

・
・
・

　数日前。
　時刻はいつもと同じ、放課後での話だ。

【怜梧】「で、ギター持ってきたんだっけ？」

【かなか】「うん、お兄ちゃんから借りたんだ」

【怜梧】「へぇ……」

　じぃぃっ。

　東海から手渡されたギターケースを開ける。
　はてさて、どんなギターなんだろうか……。

【怜梧】「…………」

【かなか】「ど、どう？」

【怜梧】「これは……」

　中から出てきたのは、レスポールタイプのギターだった。
　ペグが左右３つずつ対称に配置されたヘッドに、曲線を描くそのフォルム。
　ヘッド部分のブランドロゴを見てみると……。

【怜梧】「んーと、フェルナンデスか」

【かなか】「ふぇるなんです？」

【怜梧】「メーカーの名前だよ。ほら、ここに書いてあるだろ？」

【かなか】「あ、ホントだ」

　フェルナンデスのレスポールタイプのギターだから……確かバーニーっていうんだっけか。
　とりあえず、見た感じ不備もないし練習には充分使えそうだな。

【怜梧】「……あれ？」

【かなか】「どうしたの？」

【怜梧】「いや……」

　持ち上げてみると、すぐその違和感に気づいた。

【怜梧】「結構……軽いな」

【かなか】「うん。この前高峰君に渡されたやつよりずっと軽くてびっくりしちゃったよ」

【かなか】「案外ギターって、重そうに見えて軽いんだね」

　いや……そうじゃない。
　むしろレスポールなんて少し重い方だ。
　女の子が持つにはちょっと大変なんじゃないかと思うのが普通だろう。

　けど、これは違う。
　持ち上げて初めてわかるが、随分軽量化されてる。
　加えてカラーリングだって、映えるようなオレンジ色だ。
　ここまで意識された作りだと、まるでこのギターが元々女の子用に作られたやつじゃないかと思える。

【怜梧】「これ、東海のお兄さんが持ってたの？」

【かなか】「うん、そうだよ。家にホコリ被って置いてあったってさ」

【怜梧】「そか……」

　男の人がこれを持ってるって事がどうも気になるが、東海が扱いやすいと予想したのを選んでくれたことには変わりないか。
　悪い意味もないだろうし、ありがたく使わせてもらうとしよう。
　そうして、東海の練習は始まった……。

・
・
・

　とまぁ、特訓が始まったわけだけども。

【かなか】「むむむ……」

【怜梧】「…………」

　悶々と唸る東海に対して、俺はただぼーっと見ていることしかしない。
　いや、正確に言えば”それしかすることがない”んだな。
　そりゃなぜかって、この娘、恐ろしく飲み込みが早いのである。

　ギターを始めるに当たって、最初にすべき練習はこれといって決まっていない。
　言うなれば、あれこれ言われてやるより、ギターに触れていることが何よりも大事ってことなわけで。
　つまり、コード譜を覚えるも良し、いきなりTAB譜を読みながら一曲弾けるまで練習するも良しというわけだ。
　
　で、俺も最初の時点で東海に何から始めたいかと聞いてみたところ。

【かなか】『家でお兄ちゃんにコード譜なんて弾き語りするんじゃねえんだから、弾きたい楽譜探してそれ見て手豆作ってこいって言われたんだけど……』

　と、返される始末だ。
　なんつーか……それは東海の今の実力をわかって言ったんだろうか。
　いや、自分の妹のことくらい、兄が知っててもおかしくないか。
　確かに文化祭に間に合わせなきゃいけないのは必然だし、それまでパワーコードくらいが弾けるようになればそれなりに形にはなる。
　そう考えると、コードを覚えるという過程を初めからすっ飛ばした方がいいのかもしれない。

　そうして、東海は後日楽譜を持ってきた。

【かなか】『えっと、外国のバンドの曲みたい』

【怜梧】『なんてバンド？』

【かなか】『んーと、羅門さん達？』

【怜梧】『……オーケーわかった』

　確かにこのバンドの曲は比較的簡単な方だし、いいチョイスだな。
　というか、これパンクだし。
　東海本人はこのバンドのことはよく知らないみたいだけど、まぁいいか。

　……。

　俺と東海しかいない教室に、ぎこちない旋律が流れている。
　お互い体中にねっとりと汗をかいていた俺たちは、いつしか午後の晴れやかな時間が過ぎるのも忘れかけていた。

【かなか】「―――ねぇ」

【怜梧】「……ん？」

　ふと、東海がギターを弾く手を止めて、問いかけてきた。

【かなか】「この前のこと、なんだけど……」

【怜梧】「…………？」

　この前のこと……？
　抽象的に言われた俺は、それがどのことを指しているのかがすぐにはわからなかった。

【かなか】「……山波さんのこと」

【怜梧】「……。あぁ……」

【かなか】「怒らせた、ままなんだよね？」

【怜梧】「……あぁ」

【かなか】「……どうするの？」

【怜梧】「どうするのって……」

　あの子がベーシストである以上、このまま怒らせたままにしておくわけにはいかない。
　なんとか誤解を解いてバンドに誘わないと……。

【怜梧】「…………」

【かなか】「……高峰君？」

　でも……待てよ。
　じゃああの子がもしベーシストじゃなかったら。
　俺は……このまま事態を放っておいたんだろうか。
　
　いや、違う。
　仮にあの子がそうでなくても、俺に対しての怒りが誤解ってことに変わりはないはずだ。
　このまま誤解されっぱなし、っていうのも、なんだか気分が悪い。
　それに……納得がいかない。
　だから……。

【怜梧】「そりゃ……謝る」

【かなか】「もう一度会いに行くの？」

【怜梧】「ああ。なんとかして、頼み込んでみる」

【かなか】「そっか……」

【怜梧】「……？　どうかしたのか？」

【かなか】「えっ！？い、いいいや、その……」

【かなか】「もしこのままだったら……あたしが、謝りに行こうかなって思ってたんだ」

【怜梧】「え、どうして？」

【かなか】「だっ、だって、あたしがあの時ギターなんて持ってかなかったら、こんなことにならなかったでしょ？」

【怜梧】「…………」

【かなか】「オトシマエ、っていうのかな？　うん、まぁ、それをしようかなーって……」

【怜梧】「こら」

　びしっ！！

【かなか】「あいたぁ！？」

　東海の頭に、軽くチョップを落とす。
　ちょっと小突いたつもりだったんだが、結構痛がってるみたいだ。

【かなか】「な、な、な、なにするのぉ！？」

【怜梧】「あのなぁ、仮に東海がギター持ってこなくたって、俺がバンドの話振りゃどの道向こうは怒ってたっての」

　……多分だけど。

【かなか】「う、うん……」

【怜梧】「だーかーら、今回は誰が悪いとか、そんなん気にしなくていいんだよ」

【かなか】「うん……」　

【怜梧】「で、今我がバンドにいる唯一の男手である俺が、代表となって謝罪に行くんだ。それだけのこと！」

【かなか】「ん……わかった」

　多少ハッタリやら誇張やらが入ったけど、これで東海も自責に囚われることもないだろ。
　ともかく、色々と俺がミスったトラブルなんだ。
　……俺自身で、なんとかしてやりたい。

【怜梧】「さてと！　楽譜、どこまで弾けるようになった？」

【かなか】「あ、うん、ちょっとミスりやすいとこがあって……」

【怜梧】「どれどれ、見せてみ……」

　……。

　ふと。
　あの時怒った彼女の顔を思い出す。
　あれはまるで……そう、信じていた人に裏切られたような、行き場のない怒りが混ざった顔だった。
　どうしてそんな顔をしたのか、俺だってわかるさ。
　けど、俺は裏切っちゃいない。そしてそれをもう一度、あの子に信じてもらいたい。
　だから、もう一度会いに行く……彼女の元に。
　　
　さて、なるべく事は早い方がいいよな。
　早速、明日にでも会いに行こう……。

・
・
・

----

[[2-4]]へ    </description>
    <dc:date>2007-12-30T00:44:39+09:00</dc:date>
    <utime>1198943079</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/viperogeband/pages/35.html">
    <title>2-2</title>
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    <description>
      あらすじ
**「日々の青春を6弦やら4弦やら太鼓やらの民俗音楽に費やすようなパンク学生が、この時期を境にぱたりとフリーになった。何故かわかるか？」

・翌日、学校にて怜梧たちは早速慎二郎が情報を仕入れてきたことを知る。
　その情報によれば、今のところ音楽経験ありでフリーなのはごく少数だと言う。
　その中にベーシストがいる事を知った怜梧は、その人物の名前を聞くと早速勧誘しに行こうと決める。
　が、どういうわけかその日はベーシストがいなかったため、やむなく次の日に持ち越しになってしまう。

　その翌日、廊下で男子生徒に付きまとわれている女の子を見つける怜梧。
　介入しようかどうか迷っていると助けてくれとその女の子が懇願してくる。
　事情の知らぬまま男子生徒を追い払った怜梧。女の子はありがとうと言う。
　そこでばったりと会ったかなかがギターを持ってくるが、それを見ると女の子は怒ってどこかへ行ってしまう。
　その女の子こそが慎二郎の言っていたベーシストだということに、怜梧はやっと気づくのであった。

----

　きーんこーんかーんこーん。

【怜梧】「～～～っ、し！」

　終業のチャイムが響き、本日最後の授業が終わりを告げる。
　クラスの生徒たちがまばらに散っていく中、俺は一つ大きく伸びをした。
　
【慎二郎】「よう怜梧」

【怜梧】「ん？慎二郎か。お前いつの間にいたんだ」

【慎二郎】「朝からいたわっ！！」

【怜梧】「それでなんか用か？」

【慎二郎】「ああ。依頼の件、確かにやってきたぜ」

【怜梧】「何お前、ついにストーカーでも始めたの」

【慎二郎】「探偵はストーカーとは言わねえだろうが！っていうか、そんな怪しい仕事誰がするかあっ！！」

【怜梧】「んじゃメンバー探しの件か」

【慎二郎】「なっ、なんだよ、わかってるじゃんか……」

【怜梧】「どうだった？」

【慎二郎】「ぼちぼちだな。フリーの奴は何人か見つかったぜ」

　慎二郎はそう言うと、何やら一枚のA4用紙に書かれた名簿を見せてきた。
　それを見てみると、名簿にはきっちりと氏名や性別、クラスなどが決め細やかに記載されていた。
　お、意外と探すといるもんなんだな……。

【怜梧】「その中でメンバー入りしてくれそうな奴は？」

【慎二郎】「…………」

　おい、なんで黙るんだよ。

【慎二郎】「まあ、その、なんだ」

【慎二郎】「高峰君、ひとつ君に質問だ。いいかね？」

【怜梧】「はっ、お願いします」

【慎二郎】「日々の青春を6弦やら4弦やら太鼓やらの民俗音楽に費やすようなパンク学生が、この時期を境にぱたりとフリーになった。何故かわかるか？」

【怜梧】「バイク事故にあって踵がなくなったから」

【慎二郎】「どこのベーシストだそれはっ！！受験だ受験！！」

【怜梧】「まあ妥当な理由だよな」

【慎二郎】「ああ。だから、このタイミングで誘っても全員アウト、なんていう最悪な結果も予想されるっつーわけだ」

　慎二郎はそう言うが、実のところ俺もその可能性は充分示唆していたりする。
　何度も言うようだが、こんな時期に一からバンドやるなんて馬鹿げたこと言ってるのは俺たちぐらいなもんなんだからな。

【怜梧】「そういうところはしょうがねえよ。で、受験を理由にバンド辞めた奴何人いるんだ？」

【慎二郎】「……これくらい」

　そういうと、慎二郎は先ほどの名簿にボールペンで斜線を引いていく。
　一本二本、段々とその数は増えていく。

【怜梧】「…………」

【慎二郎】「…………」

　やがて慎二郎の手はぴたりと止まる。
　最終的に残った名簿の名前は…………。

【怜梧】「……な」

【怜梧】「なんで一人しか残らねえんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおっ！！」

【慎二郎】「知るかぁっ！俺が聞きたいわっ！！」

【怜梧】「あ～ちくしょう、どうすりゃいいんだよお……」

【慎二郎】「俺も致し方ないとは思う。だが、それでも前に進まねばならんのだよ怜梧！」

【怜梧】「言われんでもやるっつーの……」

【慎二郎】「ん？」

【怜梧】「なんでもない。まぁ、一応1人見つかっただけでもよしとするか。で、そいつの名前は？」

【慎二郎】「おう。え～っとだな……」

【慎二郎】「名前は山波だ。山波 美織、女だな。クラスはっと……D組だな」

　ふむ、じゃあ反対側の棟のクラスか。
　すぐにでも行けそうだけども、一応東海に一声かけとくべきだろうか。

【怜梧】「……ま、すぐに済むか」

　ダメだったらダメでそれは仕方ないことだ。
　東海には慎二郎の情報と共にその事後報告もおまけでつくことになるが、まあいいな。

【怜梧】「んじゃ、ちょっくら行ってくるわ。あんがとな、慎二郎」

【慎二郎】「おう。俺はこれから予定あるから帰るが、武運を祈ってるぜ」

【怜梧】「ああ、じゃあな」

　手を振る慎二郎と別れ、俺は教室を出た。
　今度、あいつに何かおごってやらないとな。

・
・
・

【かなか】「……あれ？」

【怜梧】「……ん」

【かなか】「あー！高峰君だ！」

【怜梧】「ああ、東海か」

【かなか】「どうしたの？こんな時間まで」

【怜梧】「い、いやさ……その……」

【かなか】「んー？」

　俺は東海に今日の慎二郎の持ってきた情報について説明した。
　……ついでに、実際に突撃して帰ってきた際の戦果もだ。

【かなか】「…………」

【怜梧】「…………」

【かなか】「……こればっかりは高峰君のミスだよねえ……？」

【怜梧】「いやーっ、やめてっ！俺のせいって言わないで！！」

　……つまり、掻い摘んで説明するとだ。
　実際に声をかけにD組に行く時、俺は大事なことを忘れていた。
　
　……山波って誰だ？

　そう。俺はその山波という少女の顔を知らないのだ。
　当然顔も知らないのだから、声のかけようも本人の探しようもない。
　そうこうしているうちに、クラスの子に聞いてみたら本人は既に帰ってしまっていたというオチだった。

【怜梧】「すんません……」

【かなか】「……まあ、仕方ないっちゃー仕方ないかもしれないよね」

【怜梧】「返答のしようもございません……」

【かなか】「元気出そうよ！向こうだって、足生えて逃げたりしないよ！」

　いや、足生えてなかったら人間じゃないんだが。

【かなか】「ともかく、明日も行くんでしょ？」

【怜梧】「ああ、もちろんだ」

【かなか】「じゃあ今日は明日に備えて口説き文句でも考えとく！はいコレで今日の失敗はチャラね！」

　何やら東海は許してくれたみたいだ。
　ともあれ、俺にはまだチャンスがあるようだな。

【怜梧】「うーん、口説き文句か……」

【かなか】「高峰君、女の子との交際経験は？」

【怜梧】「ないな」

【かなか】「えっ、そうなの？実は私も……」
　
　突然、東海がハッとした表情になる。

【怜梧】「ん？」

【かなか】「忘れて」

【怜梧】「はて？」

【かなか】「いっ、いいい今のセリフは忘れてーっ！！」

【怜梧】「……？　はあ」

【かなか】「とぉっ、とにかく！明日こそ勝負なんだからね！」

【怜梧】「わ、わかってるってば」

　そんなこんなで、それからはどうやってその山波美織をオトすかで散々議論した俺たちであった。
　まあ、内容は直筆の手紙でいこうだの、プレゼントで弦をあげようだの、あまりまとまったものとは言えないが。
　とりあえずは、東海の言うとおり、明日はしっかりしないとな……。

----

・
・
・

　翌日。
　相変わらず突き刺さるような日光を浴びつつ、教室へ。

　……。

　きーんこーんかーんこーん。

　終業の鐘が鳴る。
　なんだか最近、授業が妙に長く感じる。
　今まではぼーっと教師の話を聞いていたからだろうか。
　そんなことを考えつつ、鞄に荷物をまとめた。

【怜梧】「……よし」

　そのまま鞄を放置して、教室を出た。
　昨日の反省を生かし、あらかじめ今日は下校時刻になってすぐに訊ねることにしていた。
　雑踏を掻き分け、渡り廊下を歩く。
　反対側の棟まで行くと、すぐさま近くのD組の教室内へと入る。

【怜梧】「っと……」

　既に何人か帰り始めてはいたものの、それほど閑散としていない。
　しかし、この中から見つけるのは至難の業だ。それも、本人の顔を知らない状態でだ。

【怜梧】「えっと、山波って人いない？」

　やっぱり、探してみても無駄な気がする。
　とりあえず、手っ取り早く近くの学生に聞いてみた。
　さすがにこんな早くからじゃ、本人もいるだろう。

【男子学生】「ん？あいつなら今いないよ」

【怜梧】「マ、マジで！？」

【男子学生】「いや、嘘言ってどうすんのさ」

　おいおい、なんなんだよ。
　そんなに山波ってやつは多忙なのか？
　だとしても、二日連続で飛び出してくようにいないなんて……。

【怜梧】「ったく……しょうがねぇな……」

　早くもせっかくの作戦が意味をなさなくなってきたか。
　嘆いていてもしょうがない、俺は一度教室を出た。

・
・
・

【怜梧】「どうすっかな……」

　が、悩めば悩むほど時間は減っていく。
　くそっ、やっぱり慎二郎から顔とか外見の特徴とかを聞いとくべきだったな。
　そうこうしているうちに、生徒はどんどんちらばっていく……。

【怜梧】「……ダメだ、見つからない……」

　ここは一時撤退だ。
　慎二郎もまだ残ってるはずだろうし、ここで慌てているよりかはマシだろう。
　俺は来た道を引き返すことにした。

　……。

【怜梧】「……ん？」

　クラスに戻る途中で、妙なものに気づいた。
　なんとなくここからでも会話が聞こえる。

【男子生徒】「だからさー、そこんとこ、なんとかできない？」

【？/美織】「しつこいぞ。何度も言わせるな」

【男子生徒】「ホント、一曲だけでいいんだよマジで。絶対、いい曲演奏できるって」

【？/美織】「それは勝手な想像だろう？第一、私を納得させるために曲を聴かせると言ったのはそっちじゃないのか」

【男子生徒】「だっ……だから、それで君は納得してくれたっしょ？」

【？/美織】「…………」

【男子生徒】「あ、あれ？」

【？/美織】「今の私の態度を見ればわかるだろ。それ以上何も言わせるな」

【男子生徒】「なっ……」

【怜梧】「…………」

　おーおー、なんかナンパまがいなことしてるなぁ。
　しかし、圧倒的に男の方が相手にされてないのがここからでもわかるぞ。

【男子生徒】「まぁ待ちなって。もっかい！もっかいでいいから、チャンスくれない？」

【？/美織】「……はぁ」

【男子生徒】「ね！このとおり！」

【怜梧】「…………」

　様子を見ていると、急に男の方がペコペコし始めている。
　が、それとは裏腹に女の方は不快そうだった。

【？/美織】「はぁ……どうすれば……」

【？/美織】「！」

【怜梧】「あ、やべ」

　困惑していた女の子の目が、不意に俺に合う。
　慌てて目を逸らすが、どう見たって怪しいというか、立ち聞きしてたのバレたよな。

【？/美織】「おい、そこのお前」

【怜梧】「……はぁ」

　やっぱり、巻き込まれるのか……。
　呼ばれたので素直に返事をすると、女の子は一気にこちらとの距離を縮めて迫ってきた。

【？/美織】「あの男、なんとかしてくれないか」

【怜梧】「な、なんでだよ」

【？/美織】「立ち聞きしてたんだろう？これくらいやってくれないと困る」

【怜梧】「……状況がわかんねぇから何とも言えない」

【？/美織】「見てわからないか？」

【怜梧】「……」

　しばし考えてみる。

【怜梧】「ナンパか？」

【？/美織】「……私がそんなものに合うわけないだろ……」

　いや、自分で言うなよ。
　月並みだけど、この女の子顔は悪くないじゃないか。

【怜梧】「じゃあストーカー？」

【？/美織】「……まぁ、そんな感じと思っていい」

【怜梧】「ふーん、大変だな」

【？/美織】「ああ、迷惑なんだ。だからなんとかして追っ払ってくれないか？」

【怜梧】「……しょうがないな」

【？/美織】「頼んだぞ」

　なんだか言われるままになっているような気がする。まぁ、しょうがないか。
　俺は男の方へと向き直った。

【男子生徒】「だ、誰だよお前」

【怜梧】「ただの通りすがりだ。それより、こいつが何だか迷惑がってるようだから、付きまとうのはよしとけ」

【男子生徒】「お、お前には関係ねぇだろ！」

【怜梧】「まぁ、確かに関係ないな」

【？/美織】「ばかっ、あっさり認めるな！」

【怜梧】「いや、だって本当の事だろ……」

【男子生徒】「俺はこの子に用があるんだよ。すっこんでろ」

【怜梧】「悪いがそうもいかない」

【男子生徒】「はあ？」

【怜梧】「俺はうっかりだがこいつが困ってるところを見ちまった。それに助けを求められたら、ほっとけなるわけないだろ」

【怜梧】「確かにあんたからしちゃ俺はただの部外者だ。けど、今だけはこいつの仲間なんだよ」

【？/美織】「…………」

【怜梧】「だから言っとく」

【怜梧】「こいつには、手を出すな」

　きっ、と男を睨む。
　あまりこういうのは得意じゃないが、威嚇のためにもやっとけと慎二郎に教わった事がある。

【男子生徒】「っ……」

　よし、どうやら凄んでくれたようだ。

【男子生徒】「うっ、うるせえ！いいからどけよ！」

　男がそう叫ぶと、男の手が俺の横―――女の子の方へと伸びる。
　やばい、手挙げてきやがった！

　ドンッ！

【？/美織】「―――うあっ！」

　不意を突かれて押され、女の子はそのままなす術なく尻餅をつく。

【怜梧】「お、おいっ、大丈夫か？」

　すぐに女の子へと駆け寄る。
　良かった、ぱっと見たところ怪我はなさそうだ。

【怜梧】「……」
　
　……何も手出すことないだろ。
　立ち上がって、呆然としている男をもう一度睨む。
　今度は威嚇じゃない。本気で怒りがこみ上げてきた。

【？/美織】「お、おまえ……っ」

【怜梧】「てめぇ……やる事にも限度があんだろ」

【男子生徒】「ひっ……」

【怜梧】「聞こえてねぇならもう一回言うぞ。手を出すな」

【男子生徒】「う……」

【怜梧】「手ェ出すなっつってんだろうがッ！」

　廊下に響くくらいの大声で怒鳴る。
　もう、他人だろうと知ったことか。
　このまま首根っこ掴みに行ったって構いやしないんだぞ。

【？/美織】「……二人とももうやめろ」

【怜梧】「……え？」

【？/美織】「これ以上揉め事になりたくない。やめないと、大声で泣くぞ？」

　そういう女の子の目には、既に大粒の涙が浮かんでいた。
　……お前、もう泣いてるじゃん。

【？/美織】「き、聞いてるのかっ」

【男子生徒】「わ、わかったよ！今日はあきらめるよ……」

【怜梧】「…………」

　ちらり、と俺は女の子を見る。

【？/美織】「……（こくり）」

【怜梧】「もう二度と近づいてほしくないみたいだぞ」

【男子生徒】「くっ……」

【？/美織】「もうあきらめろ。今日のことは許すが、こんな状態で私を引き入れても仕方ないだろう？」

【男子生徒】「……はぁ」

【？/美織】「それじゃあな」

　そこまで言って、女の子はくるりと踵を返した。
　あまり長らく話していてもしょうがないと判断したみたいだ。
　……やれやれ、これで終わりかな。

【怜梧】「さてと……」

　あまり面倒事に関わってて元の目的を忘れちゃまずい。
　俺もまたこの場を去ろうとする……が。

【？/美織】「おい、何してる？」

　彼方から女の子が声をかけてきているのに気づいた。
　
【怜梧】「え、いや、もう戻ろうとしてんだけど」

【？/美織】「何言ってるんだ。もうちょっとだけ付き合え」

【怜梧】「は、はぁ？」

【？/美織】「―――話がある。場所を移すぞ」

・
・
・　

　さて。
　言われるがままについて来てしまった。
　断ろうとも思ったが、この女の子、妙にオーラを感じるんだよな。

【怜梧】「で、話ってなんだ？」

【？/美織】「ああ。まだ感謝の言葉がないだろ？それを言おうと思って」

【怜梧】「いや、別にいいんだが……」

【？/美織】「そうもいかない。たまたま通りがかっただけなのにここまでしてもらったんだからな」

【怜梧】「まぁ俺捕まえたのお前だしな」

【？/美織】「というわけで改めて……ありがとう。助かった」

【怜梧】「…………」

　う、うーむ。何だか変な気分がする。
　人に感謝されるってのはあんまりないからな……。

【怜梧】「……べ、別にいいって」

【？/美織】「お前、素直じゃないな」

【怜梧】「大きなお世話だっ」

【？/美織】「まあともかく、助かったのは事実だ。それだけは本当に感謝してる」

【怜梧】「まぁ、いいけどさ」

【怜梧】「とりあえず、ストーカーってのは怒らせると怖いんだぞ？一体何でつきまとわれてんだか……」

【？/美織】「…………」

【怜梧】「……ん？」

　すると、なぜだか女の子は目をぱちくりさせている。
　俺、なんか失言でもしたか？

【？/美織】「……お前、私が誰だか知らないのか？」

【怜梧】「そういえば……」

　そういえば知らないな。
　こいつ、そんなに有名人なのか？

【怜梧】「……さっぱりだな」

【？/美織】「……いや、知らないならいいんだ。それはそれでこっちも助かる」

【怜梧】「なんか随分と自分に自信あるみたいに聞こえるんだけど」

【？/美織】「そんなわけあるかっ！」

【怜梧】「おいおい怒るなよ、本当に知らないんだって」

【？/美織】「はぁ……いや、いい。男のお前なら知ってても不思議じゃないと思ったんだ」

【怜梧】「ふぅん」

　じゃあ男子の間で神格化されてるアイドルとかなのか。
　生憎とそういうのには疎いんだよ。慎二郎と違ってな。

【？/美織】「ところでお前、名前は？」

【怜梧】「名前？あぁ、高峰だよ」

【？/美織】「高峰か。覚えておくぞ」

　なんかそういう言い方は俺がこいつに恨みを買ったようでならないんだが。

【？/美織】「私の名前は……知らないんだったか」

【怜梧】「無理に名乗りあわなくてもよくないか？」

【？/美織】「それくらいいいだろ。人間、次いつどこで会うかわからないんだからな」

　いやいや、俺としてはもうああいう事に巻き込まれるのはご免なんだけど。

【怜梧】「……ん？」

　……と、そう思いながら、ある人物が目に入った。

【？/かなか】「あ、お～い！高峰くーん！」

　向こうも俺の存在に気づくと、手を振りながらこっちへ向かってくる。

【？/美織】「……知り合いか？」

【怜梧】「ああ」

【かなか】「どうしたの？こんなところで」

【怜梧】「ちょっとヤボ用だよ」

【かなか】「ふーん……」

　東海の目がきょろきょろと移る。
　以下の順番、俺、女の子、俺、女の子、俺、俺の順である。

【怜梧】「な、なんだよ」

【かなか】「……あっ、あはははは！あ、あたし、もしかしてタイミング悪かったあ？」

【怜梧】「は、はぁ？」

【かなか】「ご、ごめんね～お邪魔だったみたい～」

【怜梧】「んなわけないだろ。むしろ助け舟ってやつだぞ？」

【かなか】「で、でも……」

【怜梧】「大体、俺こいつと知り合ったのだって今日が初めて―――」

【？/美織】「おい」

　背後から突然、妙にトーンの落ちた声が投げかけられた。
　……思わず、声を出すのを止める。

【？/美織】「……そこのお前」

【かなか】「へ？あたし？」

【？/美織】「その後ろから提げている物はなんだ？」

【かなか】「あ、これ？そうそう高峰君、これこの前言ってたやつだよ！」

【怜梧】「お、マジで？」

　そう言って、東海はさっきからずっと背後から提げていた”ギターケース&quot;を見せてきた。
　それを受け取って、中を見ようとジッパーに手をかけ―――。

【？/美織】「―――私が言ってるのはっ！」

【怜梧】「～～～っ！？」

【かなか】「ひゃ、ひゃああ！？」

　先程とは打って変わったような女の子の声で、手を止めてしまう。

【？/美織】「どうしてお前とそれが関わってるんだ……」

【怜梧】「……なんだって？」

　こいつの言う”それ”って……。

【かなか】「もしかして……ギターのこと……？」

【？/美織】「お前、私のことを知らないと言ったな」

【怜梧】「マジで知らんよ」

【？/美織】「ギターはできるのにか？」

【怜梧】「……？」

　……一体なんなんだ？
　俺がギターできるから、こいつは怒ってんのか？

【？/美織】「……もういい。今日のことは感謝するが、もう私に近づくな」

【怜梧】「おい待てよ。全然話が読めないぞ」

【？/美織】「……まだそんなことを言うのか」

【怜梧】「そんなことも何もただお前が突っ走ってるだけだろ？俺は事情を説明しろって―――」



【？/美織】「私の名前は山波 美織だ。わかったら、それ以上関わるな」



【怜梧】「―――へ？」

　今……なんつった？
　そう問いかけようとしたが、既に奴は踵を返していた。
　多分、今声をかけても、何も反応してくれないに決まってる。
　……俺はただ、立ち尽くしていたままだった。

【かなか】「た、高峰君……」

　傍らにいた東海が、不安げな声でそう言ってくる。

【怜梧】「今の……聞いてたか？」

【かなか】「う、うん。あの子、山波って言ってたよね……？」

【怜梧】「……なんてこった」

　……。

　すっかり取り残されていた俺の頭が、ようやく事態を把握してきた。
　最初は、ただストーカーまがいの奴につきまとわれてる可哀想な奴だと思っていた。
　けれど違う……俺の思い違いだった。

　あいつこそが、俺が昨日からバカみたいに必死に探していた……山波 美織その人だったことに、俺はようやく気づいた。

・
・
・

----

[[2-3]]へ    </description>
    <dc:date>2007-12-30T00:41:31+09:00</dc:date>
    <utime>1198942891</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/viperogeband/pages/34.html">
    <title>2-1</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/viperogeband/pages/34.html</link>
    <description>
      あらすじ
**最後の夏だからこそ、一生に残る思い出を作ろうと決めたんだ。その気持ちに、偽りなんてない。 

・朝、奈々子に起こされた怜梧は学園へと登校する。
　学園に着き、授業を終えた怜梧。そこにかなかが訪ねてくる。
　そこでかなかがギターを始めたことを聞いた後、残るメンバーをどうするかを話し合う予定を立てる二人。
　するといつの間にか盗み聞きしていた慎二郎がメンバー探しを手伝うと言う。
　かなかと慎二郎は初めて顔を合わせるが、持ち前の親しみやすさですぐ打ち解けるのであった。
　かくして、メンバー探しは始まった。

----

　チュン、チュン……。

【奈々子】「怜ちゃ～ん、もう朝よ～」

【怜梧】「んぅ～…………」

【奈々子】「早く行かないと遅刻しちゃうわよ～？」

【怜梧】「がぁ～」

【奈々子】「今遅刻なんかしたら内申下がっちゃって路頭に迷うわよ～？」

【怜梧】「…………」

【奈々子】「……しょうがないなぁ」

　がちゃがちゃ。

【奈々子】「むっ？」

　がちゃがちゃ。

【奈々子】「くっ、鍵かけられてる……怜ちゃんって意外とガード固いのね……」

【奈々子】「よっ、と」

　がきっ。

【奈々子】「はい突破突破～っと」

【奈々子】「うーん、案外怜ちゃんっていい寝顔なのねぇ……」

【奈々子】「はっ、見とれてる場合じゃないわっ！」

【奈々子】「怜ちゃん、朝だってば～」

　ゆさゆさ。

【怜梧】「むぅ～」

【奈々子】「まったく、仕方ないわね……こうなったら……」

　ごそごそ。

【怜梧】「ん～……？」

【奈々子】「ていっ」

　ずしゅっ！！



【怜梧】「ぎゃああああぁぁぁあああああぁぁぁああああぁあっ！！！！！！」


【奈々子】「あら？なんだ怜ちゃん、起きられるじゃないのよぉ」

【怜梧】「あだだだだ……っ」
　
【怜梧】「な、奈々子さん……？」

【奈々子】「おはよ、怜ちゃん」

【怜梧】「お、おはよ……」

　下半身の痛みも気になるが、なんでだろうか、奈々子さんの顔が妙に紅潮している。

【怜梧】「なんか変に尻が痛いんだけどさ、奈々子さん、なんかしたでしょ」

【奈々子】「さぁ？」

【怜梧】「や、さぁ？じゃなくてさ。起こすんだったらもう少し穏便にしてほしいんだけど」

【奈々子】「やだ怜ちゃん、怒ってる？」

【怜梧】「……それなりに」

【奈々子】「でも、怜ちゃん鍵かけてたじゃない。あれじゃ起こせないわよ？」

【怜梧】「奈々子さんがなんかやってくるって予想してたからかけてたんだよ……」

　まぁ鍵はきっちり破壊してくれたようで、もはやこの策も意味を成さないな。

【怜梧】「とにかく、これからはこういうことしないように―――」

【奈々子】「うずらの卵って、入りやすそうよねぇ」

【怜梧】「～～～っ！？」

【怜梧】「い、いいい今なんと？」

【奈々子】「だからぁ、うずらの卵って小っちゃくて何個も入りそうよねってことよ」

【怜梧】「ど、どこに？」

【奈々子】「…………どこでしょう？」

【怜梧】「…………」

　少しばかり考えてみて、背中に悪寒が走った。

【怜梧】「……明日もよろしくお願いします」

【奈々子】「や～も～怜ちゃんたらぁ、お姉さんがいないとやっぱりダメダメね～」

【怜梧】「もう好きにせえ……」

　朝から頭を抱えたくなってきた。
　が、やっぱり奈々子さんに反抗したらどうなるかなんてわかってる。
　とりあえず、黙って従っておくのも手だろう。

【奈々子】「じゃ、先降りてるからね～」

　そんなことを考えつつ、俺は陽気に階段を下りていく奈々子さんの後についていった……。

・
・
・

　リビングには、既に朝食が用意されていた。
　微かに感じる香ばしい匂い。程よく食欲を誘った。

【奈々子】「顔洗った？」

【怜梧】「うん」

【奈々子】「じゃあいただきましょうか」

　卓に着く。
　お互い向かい合いながら、横目でテレビが見えるよう配慮された座席。

【怜梧】「今日はパン？」

　朝食はときどき和と洋が入れ替わる。
　今日はパンにハムエッグ、コーヒーといった極めて簡素なメニューだった。

【奈々子】「ちょっとねー。起きるのが遅くなっちゃって」

【怜梧】「昨日の残りでも良かったじゃん」

【奈々子】「やーよかぴかぴなご飯なんて。あんなのメシじゃないわ」

【怜梧】「……」

　相変わらず自己を貫く奈々子さん。
　俺の意見なんてまず通らないだろうな。

【怜梧】「起きるのが遅くなったって……夜更かしでもしたの？」

【奈々子】「…………」

　視線を浴びせられる。
　それも、かなり痛々しいものだ。

【奈々子】「わかってて」

【怜梧】「？」

【奈々子】「わかってて言ってるの？」

【怜梧】「…………」

　ここにきて、ようやく俺はこの視線が冗談めいたものじゃない事に気づいた。
　俺に真面目な問いを投げかける、真摯な視線。

【怜梧】「……わからないから、聞いてるんだけど」

　だったら、俺もそれに答えないといけない。
　返した言葉に、嘘はない。正直な気持ちだ。

【奈々子】「ん……じゃあいいわ」

【奈々子】「ちょっとしたヤボ用よ。奈々子お姉さんはたぼーなのです」

【怜梧】「そう……」

【奈々子】「さ、早いとこ食べて食べて。朝は有限なのよ？」

【怜梧】「はいはい」

　奈々子さんに諭された俺は朝食を口に運ぶ。
　若干冷め始めていたハムエッグを、じっくりと味わった。

【奈々子】「そういえばさぁ」

【怜梧】「んー？」

【奈々子】「昨日、随分と怜ちゃん嬉しそうだったじゃない」

【怜梧】「え、そう見えた？」

【奈々子】「あらら～？自覚なしみたいね～」

【怜梧】「んーそうだったかな……」

【奈々子】「意外とね、いつも誰かが見てくれてるものよ？」

　そ、そういうもんなのか……。
　とはいえ、昨日俺が上機嫌だったのは紛れもない事実だ。
　奈々子さんのいう、『楽しいこと』を見つけられたのだから。

【奈々子】「……で、何があったわけ？」

【奈々子】「奈々子お姉さんがリーディングするにはね、結構、嬉しい事でもあったんでしょ？」

　リーディングってなんなんですか奈々子さん。

【怜梧】「ほら、奈々子さんが言ってたじゃん」

【奈々子】「うん？」

【怜梧】「楽しいこと見つけろって」

【奈々子】「あぁ……言った言った！」

【奈々子】「あら？じゃあもしかして……」

【怜梧】「ん、見つけたよ」

【奈々子】「ふふっ、良かったじゃない！」

【奈々子】「も～もっと喜んでくれたっていいのに」

【怜梧】「いや……なんか恥ずかしくて」

【奈々子】「なにぃ？楽しいことって、なんかいかがわしいものなの？」

【怜梧】「いやいやそうじゃなくて！」

【怜梧】「その……バンド、組んだからさ」

【奈々子】「ええっ！？マジでぇ！？」

【怜梧】「ほら、奈々子さんそういうリアクションするじゃん。だから自重してたんだよ」

【奈々子】「む～……」

【奈々子】「でも、何も報告なしってのは寂しいわね……なんか疎外感」

【怜梧】「……」

　確かに、少々水臭かったかもしれない。
　別に奈々子さんを除け者にするつもりなわけじゃないんだけどな。

【奈々子】「まぁ、怜ちゃんにいい事があったって考えれば問題なしね。良かったじゃない」

　そう微笑みながら、賛辞の言葉を送る奈々子さん。
　が、正直なところ、今はありがたく受け取るのは難しいのである。

【怜梧】「……ん、ありがと」

【奈々子】「何よ～もっと喜んだっていいじゃない。嬉しくないの？」

【怜梧】「い、いや、さ……」

【奈々子】「あ！そ～だ、早速友達にメールで送ろっと！」

【怜梧】「え、え～とね、奈々子さん……」

　どうにも口ごもってしまう。
　しかし話はとんとん進んでしまう。否応なしに進んでしまう。

【奈々子】「ね、ライヴはいつなのよライヴは～？やっぱ、駅前のあのライヴハウス借りるの？」

【怜梧】「だ、だからね……」

　何故だか俺を置いて奈々子さんははしゃぎまくる有様だ。
　ライヴだって？そんなのより、もっと大きな、やるべき事があるってのに。

【奈々子】「あ、チケットはちゃんとちょうだいよ？ドリンクなしとか言ったらお客さんガッカリだかんね？」

　トムキャッツから放たれるトマホークミサイルのように次々と質問が浴びせられる。
　当然、今の俺に回避するなんて不可能だ。

【怜梧】「―――あぁだーかーらーっ！！」

　ついに我が身に限界がやってきた。
　強引に奈々子さんの言葉をかき消す。

【奈々子】「ん～？」

【怜梧】「だから……その……」

【奈々子】「なになに？」

【怜梧】「…………」

　あぁ。俺ってばかくも弱し。
　いざ真実を話そうとすると、覚悟だって挫けちまう。
　例えるなら、盛大に友人から誕生日を祝ってもらう中『実は誕生日昨日だったんだ……』と言うような罪悪感。
　つまりはそういうわけだ。

【奈々子】「もったいぶらずに教えてよ～」

　もったいぶってなんかいません。
　むしろ言いたくないんです。この場から逃げたしたいです。はい。

【怜梧】「………………めんば」

【奈々子】「はい？」

【怜梧】「めんばー、たりない。らいぶ、できない。おーけー？」

【奈々子】「…………」

　がしゃーん！！

　奈々子さんの手からマグカップがこぼれる。
　あぁ、それオカンが気に入ってた徳川将軍の名前が全部載ってるやつなのに。

【奈々子】「……まぢで？」

【怜梧】「……まぢっす」

　何度だって言ってやるさ。
　あぁ……なんて、最悪な朝。
　ハムエッグは、とっくのとうに、冷め切っていた……。

・
・
・

　がちゃり。

【怜梧】「いってきます」

　ドアを開ければ、焼けるような陽光を浴びた。
　今日も快晴。ついでに言えば、気温は爽快と言うには程遠いくらい熱い。

【奈々子】「いってらぁっしゃぁ～いぃ……」

　家内からは落胆しきった奈々子さんの声が聞こえてくる。
　すさまじいほどの落ち込みようだ。まぁ、原因は俺にあるんだが。

【怜梧】「はぁぁ……」

　全く……落胆したいのはこっちだって同じなのに。
　放っておけば夕方にはまた満面の笑みで夕飯を作ってくれてるんだろう。
　だから俺はあまり気にしない方向にした。

　……。

【慎二郎】「よお怜梧」

　数分ほど歩いていると、背後から声をかけられた。
　振り返らなくたってわかる。慎二郎だろう。

【怜梧】「おう」

　短く返事をすると、慎二郎は俺の隣に並んだ。
　歩調を合わせるや否や、大きく溜息を吐いてくる。

【慎二郎】「っだぁ～……暑いったらありゃしねぇ……」

【怜梧】「登校するだけで汗だくになるなんて話にならないよな」

　この時期はたとえ走っても汗をかくわ歩いてても汗をかくわで八方塞がりだ。
　慎二郎は特に汗による異臭を気にしているようで、その辺のケアについては抜かりがないみたいだ。
　
【慎二郎】「ようするにだな」

　そして、何の脈絡もなしに慎二郎が口を開く。
　目を閉じて何か考え込むような顔のまま、言葉を続けた。

【慎二郎】「うだるような暑さは、当たり前だけど気温のせいによるものだろ？」

【怜梧】「ああ」

【慎二郎】「でも精神的に感じる暑さってのは気温じゃないんだよ。気温なんて温度計さえ見なきゃそうそう気づかないもんさ」

【怜梧】「……そうか？」

【慎二郎】「うむ。で、だな。現に今だって気温何℃湿度何℃風速何mだってわかりゃしないだろ。じゃあなんでこんなに暑く感じるんだ？」

【怜梧】「そりゃあれだろ―――」

【慎二郎】「まぁ黙って聞いてろや。俺が思うにな、こんな風に暑いと感じる最大の原因、それは日射なんだよ！」

　問答無用で俺の言葉は遮られた。ちくしょう、覚えてろよ。
　というか、そんなのお前が言わなくたってわかることだっての。

【慎二郎】「ここからが本題だぜ怜。じゃあその日射さえどうにかしちまえば暑さだって耐え凌げやしないか？って俺は思うんだ」

【怜梧】「はあ」

【慎二郎】「そこでこんなものを用意してきた」

　がさがさ。

　慎二郎は手から提げていた紙袋から何かを取り出した。
　きっちりと梱包されていて、まだ未開封の長い棒状の何かだった。
　取っ手がついていることからそれが傘であることがなんとなく袋ごしでもわかった。

【慎二郎】「なんと、日傘だ」

【怜梧】「見りゃわかる」

【慎二郎】「馬鹿野郎、日傘だからって馬鹿にすんじゃねーぞ。普通の傘は英語でアンブレラだが、こいつは日傘だからフランス語でパラソルなんだぜ？」

　おにぎりとおむすびの違いとなんら変わりないだろうが。
　激しくどうでもいいムダ知識である。
　
【慎二郎】「んでこの前の合コンでこの話したらな、美沙ちゃんって子が日傘貸してくれたんだよ」

　誰だよ美沙ちゃんって。
　ていうか、その合コンって俺が行きかけたやつじゃないのか。

【慎二郎】「ほら見てみろよ、まだ未開封だぜ？」

【怜梧】「で、それがどうしたんだ？」

【慎二郎】「んだよ、釣れないな。まぁいい。とりあえず開けてみるか」

　ばりばり。

　丁寧に日傘を包んでいる薄い紙を乱暴に剥がしていく。
　あぁ、ゴミちらかるからちゃんと仕舞えよな。
　日傘を覆っていた外装はあっという間に取れ、その全体のフォルムが現れ―――

【慎二郎】「よっと」

　ぽんっ。

　まず目を見張るのはドーム状のボディであるにも関わらず異様に小さく、さらに白い生地に奇抜なまでに装飾されたレースが傘全体を覆っている。そして白い。とにかく白い。加えて派手だ。ヤバい何かを感じるくらい派手だ。こんなド派手な日傘を使うのは明らかに一般人の類ではない。呆然と展開された日傘を眺めつつこんな感じの傘ってテレビかなんかで見たよなあ本当に存在するんだなあ、

　『いちごちゃんパラソル　日傘用』
　どう見てもゴスロリ日傘だった。

【怜梧】「―――」

【慎二郎】「ふぐっ！？」

　渾身の力をこめて俺は慎二郎の腹部に拳をめり込ませた。

【怜梧】「公共の場でなんつーもん広げんだテメェは！あぁ！？ついに頭までお花畑ってか！？」

　げしげし。

　なす術もなく跪く慎二郎に構わず蹴りを入れる。

【慎二郎】「だ、だってお前、未開封だったらわかんねーだろ！」

【怜梧】「だったらせめてその美沙ちゃんって子をよく見てから判断せえ！」

【慎二郎】「わ、わかった怜梧、ちょ、ちょっと落ち着いてはぁんっ！！」

【怜梧】「よし、やめるからその気味悪い声やめろよ」

　足蹴をやめると、慎二郎はぬっと立ち上がった。

【慎二郎】「ふう……朝からこんなみじめな姿見せらんねェな」

【怜梧】「いや、フリフリの日傘おっ広げてる時点で充分気を引いてるぞ」

【慎二郎】「しかしまぁ……どうすっか、コレ」

　慎二郎は眼下の日傘に目を落とす。
　なんつーかまぁ……置いてあるだけで異様な雰囲気を醸し出してるな。

【怜梧】「とりあえず畳んどけよ」

【慎二郎】「あぁ、そうだな」

　日傘を閉じてみても、やはりもりもりとレースが派手だ。
　人の趣味はそれぞれだし、あまりとやかく言うものではないのかもしれないが、こういうのが可愛いってやつなんだろうか。
　なんだか言葉に詰まる。ともかく、一刻も早くこのメルヘンな物体から離れたいのが本音だ。
　
【慎二郎】「あっ、おい！どこ行くんだよ」

【怜梧】「学園」

【慎二郎】「奇遇だな、俺もだ」

【怜梧】「それなんとかするまでついてくんなよ」

【慎二郎】「わーったよ、しょうがねぇな」

【慎二郎】「んー……」

　…………。

【慎二郎】「おっ、オーッス久美ちゃん！いや～今日もあちぃなぁ～」

【慎二郎】「あ、そうだ、これあげる。いいからいいから。ちょっくらはえぇお中元みたいなもんだよ」

【慎二郎】「お～似合ってる似合ってる！んじゃ、また今度遊びにでもいこうや。な？」

【慎二郎】「え、写メ撮りたいって？おっけ、お安い御用だ。……え、俺も一緒に写んの？」

【慎二郎】「しょうがね～な、はいチーズ」

【慎二郎】「じゃ、また後でな～」

　…………。

【慎二郎】「これでよし」

【怜梧】「死ねぇぇぇっ！！」

【慎二郎】「うおおっ！？何すんだコラ、あぶねーだろ！」

【怜梧】「るっせテメ、もう来んなや！」

【慎二郎】「く、くそう……どこまでも理不尽なヤツめ……」

【怜梧】「そりゃこっちのセリフだーーーっ！！！」

　ばぎっ！
　ばぎっ！
　ばぎっ！

・
・
・

　……。

　きーんこーんかーんこーん。

　3時限目終了のチャイムが鳴った。
　その音が目覚ましとなり、うとうととしていた俺の意識は一気に現世へと戻ってくる。
　授業が退屈なのは3年になっても変わらない。まぁ、何があったって普通は勉学が楽しいなんて言えないよな。

【怜梧】「くぁ……」

　軽くあくびをする。
　さてと、今日の授業はもうない。
　後はホームルームとそれまで休み時間だけだ。

【怜梧】「慎二郎は……っと」

　教室を見渡してみるが、慎二郎の姿はどこにもない。
　元々ふらっとやって来ては勝手にいなくなる奴だっけ。今更気にすることでもないか。
　する事もないし、適当に誰かと雑談してるかな……。

【男子生徒】「おーい高峰ぇ」

【怜梧】「んー？」

　そう思うや否や、教室の扉付近で戯れていたクラスメートが俺を呼んだ。
　誰だろうか。

【男子生徒】「客さんだってさ～」

【怜梧】「はいはいっと」

　扉へと向かい、廊下に出た。

【怜梧】「誰？」

【？/かなか】「あ、来た来た」

【怜梧】「……って、東海じゃないか」

　すると、来客は東海だったようだ。
　そういえば、東海とはクラス違うんだよな。

【かなか】「おはよ、高峰君」

【怜梧】「おはようさん。で、何用？」

【かなか】「うん。それなんだけど、今日、放課後とかって暇？」

【怜梧】「ん、暇だけど」

【かなか】「もし良かったらさ、バンドの事……色々話し合ってみようと思うんだけど、どう？」

【怜梧】「あぁ……そうだな。わり、俺すっかり忘れてたわ」

　あぁちくしょう、今朝奈々子さんをがっかりさせたばっかじゃないか。
　何大事なこと忘れてんだよ、俺。

【かなか】「も～しっかりしようよぉ。二人じゃバンドはできないよ？」

【怜梧】「悪い悪い。んじゃ、ホームルーム終わったらそっちのクラス行くけど、いいよな？」

【かなか】「うんっ！」

【怜梧】「んじゃあ、またあとで―――」

【かなか】「あっ、ちょっと待って！」

【怜梧】「んー？」

【かなか】「その……やっぱり、バンド組むんだから、あたしなりに何か始めようと思ったの」

【怜梧】「……うん」

【かなか】「それでね、高峰君みたいにギター始めたんだ！」

【怜梧】「おっ、マジで？」

【かなか】「ホントだよ。あたし、お兄ちゃんがいて、バンドの話したら『じゃあギター教えてやる』って言ってくれたの！」

【怜梧】「へぇ……そりゃいいお兄さんじゃん」

【かなか】「えへへ、自慢の兄です」

【怜梧】「もう練習用ギターはある？」

【かなか】「あるよ。お兄ちゃんが前知り合いと使ってた物があったんだ」

【怜梧】「もし良かったら今度持ってきて見せてくれないか？俺も、どんなのか気になるし」

【かなか】「うんっ、じゃ、また後でねっ！」

　それだけ言うと、東海は身を翻して自分のクラスへと戻っていった。
　とはいえ……東海もギター始めたのか。案外、行動力あるんだな。
　さて、あとで慎二郎に用事あるって伝えとかなきゃな……。

・
・
・

　……。

　きーんこーんかーんこーん。

　さて、ホームルームも終わったことだし、東海のとこに行くか……。

【怜梧】「って、慎二郎の奴いないし」

　ったく、あいつはどこをほっつき歩いてるんだか。
　せっかく用事があるって伝えようとしたのに、これじゃどうしようもないな。

【怜梧】「まぁ、いいか……」

　一応メールを送信しておき、俺は鞄を詰めて教室を出た。

　……。

　東海のクラスのB組は、渡り廊下を挟んで反対側の棟に位置している。
　流れるように帰宅していく生徒の波を逆行しながら、俺は教室を目指した。

【怜梧】「……ここだな」

　3-Bと書かれたプレートを見上げつつ、俺は扉を開いた。

　がらがら。
　
　中へと入る。
　ぱっと見ても、やはり生徒の数は疎らだった。
　ぽつぽつと室内にいる生徒の中から、東海を探す。

【怜梧】「いないな……」

　どこかに用事でもあったのだろうか。
　何度探してみても、あの晴れ晴れとした顔の少女はいない。

【怜梧】「ごめん、東海ってどこ行ったかわかる？」

　このままぼーっとしていてもしょうがない。
　適当にその辺の生徒に声をかけた。

【女子生徒】「え？かなちゃん？えーっと……多分西棟に行ったと思うよ」

【怜梧】「ん、そか。ありがとう」

　西棟は俺たちF組の教室がある棟だ。
　だとすれば、行き違いになったに違いない。
　教室を出て、もう一度渡り廊下に向かった。

　……。

　がらがら。

【怜梧】「おーい東海、いるか？……って、んん？」

【慎二郎】「でさ～、俺のツレがね、よりにもよって合コンドタキャンするんだよこれが」

【かなか】「え～それはキツいね。ドタキャンはアウトだよー」

【慎二郎】「だろぉ？だから俺もさ、結構頑張って謝ったりしたんだよ」

【かなか】「大変だよね、そういうの」

【慎二郎】「そーそー。まぁ、アイツもそういう事ばっか言ってるから彼女の1人もできねぇんだよなぁ」

【かなか】「だ、大丈夫だよ！生きてればいい事あるよ、絶対！」

【慎二郎】「ありがとうかなかちゃん。きっとアイツも天国で幸せそうに俺を見守っててくれるさ―――ってどわぁぁぁ！？」

　ばきっ！！

【怜梧】「さて、何から罰しようかね」

【慎二郎】「け、刑罰は決定事項か」

【怜梧】「貴様に選択の余地などあるかっ！！」

　ばきっ！！
　ばきっ！！

【慎二郎】「まっ、待て怜梧、誤解だ！後生だ！」

　ばきっ！
　ばきっ！

【怜梧】「一体どこをどう誤解したら俺が他界した人間になってんだゴラァ！！」

【かなか】「あのぅ……」

【怜梧】「んぁ？ああ東海、来てたのか」

【かなか】「う、うん」

【怜梧】「いやすまんな、ちょっと変態がお前に手ぇ出してたようで」

【かなか】「そ、そんなことないよう！」

【かなか】「高峰君、教室に行ってもいないんだもん。だから刑部君に高峰君がどこにいるか聞いてみたの」

【怜梧】「あ……そうなのか……」

　ふむ、ならコイツには悪いことしたな。

【怜梧】「悪かったな、慎二郎」

【慎二郎】「へっ、わかりゃあいいんだよ。全くお前も正直じゃないよな」

【かなか】「それで、刑部君ったら、高峰君が来るまでお喋りしようって、そ、その、ナンパしてきて……」

【怜梧】「前言撤回だ馬鹿野郎ぉぉぉ！！」

【慎二郎】「ぎゃあああああ！！」

【かなか】「……って、二人とも仲良しなんだね」

【怜梧】「おう。血も滴るいい男だろ？コイツ」

【慎二郎】「が……が……」

【怜梧】「まぁ、とりあえずはコイツにも感謝しとくか。東海の手助けしてたみたいだし」

【かなか】「殴ってからそれ言うのも、なんだかおかしいね」

【怜梧】「男ってのは口より手の方が物分りがいいのさ」

【かなか】「そ、そうなんだ……また一つ賢くなった気がするよ！」

【怜梧】「よしっ、その意気だ！」

　床にぐったりと伸びている慎二郎は無視しておき、早速俺たちは話し合いを決行することにした。

【怜梧】「とりあえずはだな、バンド組んだのはいいが、メンバーが足りないんだ。これはわかるな？」

【かなか】「うん。テレビとかでも、4人くらいでやってるよね？」

【怜梧】「別に4人って必要でもないさ。正直な話、3人でもいける」

【かなか】「4人だとボーカルとギターとベースとドラム、だよね……3人は？」

【怜梧】「ボーカルがギターかベースってやつだな」

【かなか】「兼用ってこと？」

【怜梧】「まぁ、そんな感じ。ただ、そうなると俺か東海が新しく楽器覚えなきゃいけないから、結構きついな」

【かなか】「じゃあやっぱり4人の方がいいんだ……」

【怜梧】「……そうなるな」

　欲を言えば5人だったら完璧なんだけどな。
　けれど、メンバーを探すのだって、一筋縄じゃいかない事くらい、わかってる。
　そう、主な理由としては―――

【かなか】「でも、今の時期バンドやってくれる人なんているかなあ？」

　―――極めてシンプル。ならびに、極めて困難な、問題だ。
　何せ今は3年の夏。当然なら受験で躍起になっているところだ。
　そんな中俺たちは、ろくに進路も決めずにバンドだなんだと言っているわけで。
　……やっぱり、端から見れば、はぐれ者なのかもな。俺たち。

【怜梧】「…………」

　……いや。
　例えはぐれ者であるとしても、それが『いけない事』だなんて、これっぽっちも思っちゃいない。
　東海にバンドを組もうと持ちかけたのだって、単に進路から逃げ出したかったからじゃない。
　
【かなか】「た、高峰君……？」

　最後の夏だからこそ、一生に残る思い出を作ろうと決めたんだ。その気持ちに偽りなんてない。

【かなか】「あのーっ！」

【怜梧】「～～～っ！？」

【かなか】「ど、どうしたの？なんだか急に黙り込んじゃって」

【怜梧】「あ、ああ……悪い、ちょっとぼーっとしてて」

【かなか】「もぅ、しっかりしようよ～。終業式も近いんだし、早いうちに対策立てとかないと……」

【怜梧】「わ、わかってらい」

　……やれやれ。あいかわらず考え事してると周りが見えなくなっちゃうな、俺。

【かなか】「それで、どうしようか？何か案とかある？」

【怜梧】「そうだな……今すぐにでもできるのは、やっぱ友達とかその辺の人を誘うって方法かな」

【かなか】「それって、音楽とか未経験の人も？」

【怜梧】「うん。未経験だったらできる範囲で俺も教えるし、あとは教則本とか読んでもらうとか……」

【かなか】「んー……それがやっぱり無難なのかなあ」

　まぁ、問題はそこまでやってくれるくらい熱意のある奴がいるかどうかって事だ。
　……いや、別に友達がいないわけじゃないけど。

【怜梧】「今思いつくのはこれくらいしかないな」

【かなか】「そっか……じゃあ、あたしも友達に聞いて回ってみるよ！」

【怜梧】「ああ、よろしく頼む」

【かなか】「……高峰君も、ちゃんと聞いて回ってね？」

【怜梧】「う……わかってるって」

【かなか】「……ところで、さっきからそこで伸びてる刑部君はどうなの？」

【怜梧】「んー？あぁ、こいつか」

　そういえば、すっかり忘れてた。

【怜梧】「慎二郎はなぁ……正直、音楽のセンスがあるかどうかすらわからん」

【かなか】「どういうこと？」

【怜梧】「その……結構自分の事黙ってたりする節があるんだよ。だから、俺もこいつの全てを知ってるわけじゃないんだ」

【かなか】「不思議っ子だねー」

【怜梧】「同時に、ウソつきでもある」

　……ま、そのウソつくタイミングに関しては悪い場合がないんだがな。

【怜梧】「とりあえず、こいつをメンバーに入れんのはパスしとこう」

【かなか】「む～、残念」

【慎二郎】「人脈はあるのにな」

【怜梧】「ホントだよ。ったく、どこまでネットワークを広げてんだか……」

【慎二郎】「ふっ……歩くタウンページとは間違いなくオレのことさ」

【かなか】「うわ、それかなり便利だよね」

【怜梧】「どうせ女の名前しかないんだろ」

【慎二郎】「失敬な。連絡網が一番最初の実力をナメるなよ」

【怜梧】「そうか」
【かなか】「そっかー」

【慎二郎】「ああ……うん……っていうかお前ら早くツッコめよ！！」

【怜梧】「いや、だって面倒そうだったし」

【かなか】「あたしはふつーにタイミング逃しちゃった」

【慎二郎】「お前ら少しはサブの方々に気を使えやっ！！」

【怜梧】「あーはいはい。で、お前何が言いたいのさ？」

【慎二郎】「よくぞ聞いてくれた。実は」

【怜梧】「却下」

【慎二郎】「最後まで聞いてくれよ！お願いだから聞いてくれ！」

【かなか】「どうぞ～」

【慎二郎】「おほん。とりあえず、事情は会話から察したぞ」

　うあ、盗み聞きされてただと……。

【慎二郎】「だから、友達の友達の友達まで範囲広げるから、バンド経験のある奴を探してんなら俺にまかせろってこった」

【かなか】「ずいぶん広いね……」

【怜梧】「半分は出会い系なんだよ」

【慎二郎】「変な嘘吹き込むな！！」

【怜梧】「ま、とりあえず期待していいんだな？」

【慎二郎】「ああ。まかせろ」

【かなか】「でもこれは心強いよね！」

【慎二郎】「ふっふっふ。今宵、俺はネットワークを駆け抜ける一陣のサーファーとなるのさ」

【怜梧】「まあ、一応は頼んだぞ」

【かなか】「じゃあ、今日の会議はこれにて閉幕でいい？」

【怜梧】「ああ。お疲れさん」

　そう言って、俺たちは席を立ち、鞄を持って帰る用意をする。
　すると、東海がそっと寄ってきた。

【かなか】「明日、期待していいよね？」

【怜梧】「……案外、あいつはやる時はやる男だからなあ……まあ、大丈夫だろ」

【かなか】「そっか……」

【怜梧】「心配すんな。まだ始まったばっかなんだからさ」

【かなか】「うん、そうだね。それじゃ、また明日ね！」

【怜梧】「ああ、また明日」

　陽気に手を振って教室を出て行った東海を見送った後、俺と慎二郎も教室を出た。
　慎二郎はヤケにやる気満々だ。俺なりに、これは期待してみていいのかもな。

　そんなことを考えつつ、俺たちは帰路へと着くのであった……。

・
・
・

----

[[2-2]]へ    </description>
    <dc:date>2007-12-30T00:38:34+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/viperogeband/pages/14.html">
    <title>シナリオ</title>
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    <description>
      工事中

全体総量予定:300KB～
　・共通ルート70KB～
　・かなかルート100KB～
　・美織ルート100KB～
　・その他30KB～


----

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    <title>ストーリー</title>
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    <description>
      *夏。憂いを感じ始めた学園生活。

主人公、高峰 怜悟は一人焦りを感じていた。

卒業後の進路に向け、悔いのない毎日を謳歌する周囲。
自分の指し示す夢を誰もが嬉々として語り、そして誰もがその道を歩んでいく。

そんな中、怜悟は何の夢を持たなかった。
進路もろくに決めず、日々を無駄に過ごして残り少ない毎日を消費していく。
なりたい職業などない。学びたい学問などない。
進路用紙に書くのは、いつも『未定』の文字。

**―――それでいいのだろうか？

自問するも、焦りを感じるばかりでやはり道は見えない。
このまま夏を過ごしてしまうのだろうか……。

しかし、そんな鬱屈な気持ちさえも忘れさせてくれるものがたった一つだけあった。

亡くなった父親が教えてくれたギター。
幼き頃、優しい旋律を奏でていた父親に憧れて学んだものだ。

今でも落ち込んだりした時は一人で黙々と演奏して、自分を勇気付けている。
音楽をしていると、悲しい気分さえも忘れさせてくれた。


そうして、いつものように一人でギターを弾いていると、一人の少女と出会った。


どこからともなく流れてくるメロディーに引かれてやってきた彼女は、初対面にも関わらず明るい性格ですぐ怜悟と打ち解ける。
そして彼女もまた、自分の進路に疑問を持ち始めていた。

ある日、彼女は、ぽつりと呟く。

**「思い出……作りたいな」

その一言は、怜悟の心を大きく揺さぶり……そして、ある決意をその目に燃えさせる。



**「一緒に……バンド組まないか？」



忘れえぬこと。
かけがえのないこと。

今年の夏は……そんな忘れかけていた思いを、思い出させてくれた。





**　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だからこそ、想いを込めて―――。    </description>
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    <title>メニュー</title>
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      メニュー
-[[トップページ]]
-[[ストーリー]]
-[[キャラクター]]

----

-[[メニュー]]
-[[メニュー2]]

----

-[[企画内容]]
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-[[メールフォーム]]

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