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A-6.バンドパス(帯域通過特性)の補正をします。 - (2007/10/04 (木) 11:55:51) のソース

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*&u(){AIPSによる処理(6) 帯域通過特性(BPASS)の較正}
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&bgcolor(#ff3366){位相の時間変化の較正はFRINGによって片付きました。ひきつづき、帯域通過特性の較正を行いましょう。帯域通過特性の補正には、bpassというtaskを用います。}
&bgcolor(#ff3366){帯域通過特性B(ν)は振幅と位相の両方を持つ複素数です。平坦なスペクトルを持つ連続波電波源を観測したときのビジビリティを正規化してやれば、それを帯域通過特性B(ν)として扱うことができます。振幅項については自己相関を用いることができます。自己相関は相互相関よりSNRが高いしコヒーレンス損失の影響も受けませんので、自己相関を用いることに利点があります。自己相関の位相はつねに0ですから、位相項は相互相関を用いるしか方法がありません。そこで、振幅項は自己相関で、位相項は相互相関で、と手順を2段に分けてbpassを実行します。
よほどのことがない限り、観測時間中B(ν)は時間変化せず一定と見做してもよいでしょう。}
**&u(){1. 自己相関を用いて帯域通過特性の振幅項を求める}
まずはbpassを自己相関に対して実行し、帯域通過特性の振幅項をBP extension tableに格納します。
>&u(){task 'bpass'}  BPASSの使用宣言
>&u(){getn 2}  カタログ番号2番のファイルを選択
>AIPS 1: Got(1)   disk= 1  user=3018   type=UV   BK084.MSORT.1
>&u(){docal 1}  CLテーブルによる補正を行う
>&u(){gainu 4}  CL テーブル version 4を適用
>&u(){timer 0 15 34 0 0 15 36 0}  用いる時間範囲の指定(15h34m-15h36mの2分間)
>&u(){solin -1}  求まった帯域通過特性の有効な時間範囲(-1は全時間帯)
>&u(){outv 1}  書き出すBP extension tableのversion
>&u(){bif 1;eif 0}  全てのIF番号で求める
>&u(){refan 9}  基準局としてアンテナ9番(PT)を選択
>&u(){soltyp 'L1R'}  ノルムの計算方法の選択
>&u(){smooth 1, 5, 7}  スムージング窓関数に7 chの範囲で、first nullが5ch幅のSinc関数を使用
>&u(){bpassprm 1, 0}  自己相関を用いる
>&u(){inp}  パラメーターの一覧を表示して確認します。
[[(bpass (振幅項) のパラメーターの一覧はこちら)>http://astro.sci.kagoshima-u.ac.jp/omodaka-nishio/member/kameno/AIPS-Difmap/DA193/AIPSMEMO/step35.bpass.prm.txt]]
goと打って実行します。終了したら、imhで BP extension tableのバージョン1が追加されたことを確認しましょう。
***1.1 BPの振幅項を確認
BP extension tableを、possmというtaskで表示します。
>&u(){tget possm}  POSSMの使用宣言。tgetは前回POSSMを実行したときのパラメーターをロードします。
>&u(){getn 2}  カタログ番号2番のファイルを選択
>AIPS 1: Got(1)   disk= 1  user=3018   type=UV   BK084.MSORT.1
>&u(){doban 1}  BP tableを使用します。
>&u(){bpv 1}  使用するBP tableのバージョンを1に指定
>&u(){aparm 1, 1, 0, 1.5, -180, 180, 0, 2, 0}  8番目のパラメーターでBP tableそのものを表示すると指定
>&u(){timer 0}  全時間帯を指定
>&u(){inp}  パラメーターの一覧を表示して確認します。
[[(possm (振幅項) のパラメーターの一覧はこちら)>http://astro.sci.kagoshima-u.ac.jp/omodaka-nishio/member/kameno/AIPS-Difmap/DA193/AIPSMEMO/step36.possm.prm.txt]]
goと打って実行すると、下図のようにTV画面に表示されます。帯域通過特性の振幅項は、主に観測装置のフィルターの特性を反映して、IFの両端で振幅が低下していることがわかります。また、自己相関を使っているため位相項は0です。位相項は次のステップで求めます。