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第46代錬成合宿 - (2011/02/06 (日) 01:15:52) の編集履歴(バックアップ)


男子:2000年5月18日(木)~25日(木)(予備日1日含む)
女子:2000年5月19日(金)~25日(木)(予備日1日含む)

  • 山域:北アルプス上高地周辺
  • メンバー
<本部>肥後(4年) 清宮(4年) 川崎(4年) 池田(4年)
  • 男子パーティ
<P1> L:湯本(4年) SL:山本(4年) 町野(3年)
山口(2年) 奥田(1年) 河井(1年)
<P2> L:天水(3年) SL:大野(3年) 大平(2年)
五味(1年) 藤井(1年)
<P3> L:金子(4年) SL:田山(3年) 樋口(4年)
河原(2年) 石毛(1年)
  • 女子パーティ
<P4> L:鳥海(4年) SL:金城(4年) 飯田(3年)
木村(2年) 坂本(2年) 大西(1年) 篠崎(1年)
<P5> L:原(3年) SL:山田(3年) 小田(2年)
桜井(2年) 金子(1年) 小林(1年)
<P6> L:溝井(3年) SL:大塚(3年) 鏑木(2年)
百々(2年) 沖田(2年) 鈴木(2年) 亀山(1年)

5月18日(雨)

新宿駅 → 松本駅 → 新島々駅(以後駅寝)

ついに出発の日がきた。集合は新宿に16:00。
男子1、2年生は昼休みに戸塚部室に集合し、パーティーごとにパッキングが始まった。
予想以上のザックの重さに弱音をこぼす1年生、それを見て1年前を思い出す2年生。
テント設営の練習をする女子に見送られ、男子は戸塚校舎を後にした。
新宿のいつものトイレ前に集合した男子は、正装に着替えて電車の到着を待った。
これから錬成合宿が始るといういつもと違った緊張した空気が流れ、今回が初めての合宿となる1年生もそれを感じているようだった。
その空気を和ませてくれたのはOB・OGの方々と女子部員の見送りだった。
そして18:00、見送りの差し入れを持って「あずさ」に乗りこんだ。
松本駅で松本電鉄に乗り換え新島々駅に着いたのは22:00。
「明日が一番つらいから」、例年どおり上級生は1年生にそう言い聞かせて床につく。

毎年恒例の松本電鉄ワンゲル列車。
他のお客さんの視線が痛い。

5月19日(曇り時々雨)

島々宿 → 岩魚留小屋 → 徳本峠 (C.T.7:30)

朝5時に駅を出発して、とりあえず島々宿にて記念撮影。
やはり1年生もこれから始まることを予感しているのかその表情にも陰りがみえる。
ここからが錬成合宿本番というものだ。

島々宿にて記念撮影
最前列の1年生に笑顔がない...
「出発します!」この掛け声とともにパーティーの雰囲気は急変する。
容赦ないペースで歩くSL、愚痴をこぼす間もなく繰り返される声出し、今まで経験したことのない重さのザック、多くの1年生男子がワンゲルに入ったことを後悔する瞬間だろう。
今年も岩魚留小屋までは各パーティー順調に進んだが、その先はそうもいかなかった。
その原因として挙げられるのが、ルートの崩壊、橋の陥没、例年にない多量の残雪だ。
ただでさえ、大変なのにハプニングが続いて1年生には少しかわいそうだった。
特に雪の多さには驚くものがあって、力水のあたりまで行くと一面雪になってしまい、まだ雪の上を歩くことになれていない1年生のペースはみるみる遅くなってしまい、1年生のつらさが伝わってきた。
なんとか全パーティー無事に徳本峠に到着したものの先頭のパーティーでさえ到着が17時ちかくになってしまい、今回の徳本峠の苦戦っぷりがよくわかる。
男子でさえこれだけ時間がかかってしまったのだから、翌日登ってくる女子は無事にたどりつけるのだろうか。
男子部員みんなが心配している頃、女子部員も多くの見送りの人々に守られながら井田さんの差し入れのパンをほおばりながら、昨日の男子と同様「あずさ」に乗って新島々駅を目指していた。

5月20日(曇りのち雨)

男子  徳本峠 → 明神 → 徳沢園 → 横尾 (C.T.3:50)
女子  島々宿 → 岩魚留小屋 → 徳本峠 (C.T.7:30)  

前日のことでまいっているのか、いまいち元気のない1年生の心を表すかのようにこの日の天気もぐずついたものだった。
徳本峠を出発するとやはり前日同様雪が多かったが、登りの時はあれほど苦しめられたのに下りの時は逆に助けられ順調に明神までやってきた。
ここから声だし開始。
とはいえ、今回から他の登山客への迷惑を考え、声だしを部分的に禁止することになったので
例年ほど声を出すことはなく少し寂しい気がした。
この日の行動は登りがなく、コースタイムも短いので一見前日と比べればかなり楽なはずだが、前日の行動の影響で足の不調を訴える1年生が多く、実際には結構きびしいようだった。
全員が無事横尾に着く頃には雨も降りだし、1年生はかなりへこんでいるように見えた。

いつのまにか立派になっていた横尾の橋
前の2人の適当なポーズが印象的
雨のためテント設営と統一食当が中止になり、しばらく自由な時間ができて、各パーティー、テントでゆっくりとした。
このとき上級生が1年生のときの錬成合宿の話をしたりして1年生もみんなが錬成を乗り越えてきたことを知って、少し安心したようだ。
今のところずっと悪天候続きなので、翌日の蝶ヶ岳は晴れてほしい、きれいな景色を見せてあげたいというのが、上級生みんなの思いだった。

一方女子は、朝から予定通り新島々を出発して徳本峠を目指した。
1年生も元気いっぱいで順調に岩魚留小屋まで到着したが前日の男子がかなり苦戦しているだけに、無理をしないで岩魚留小屋でキャンプをすることにした。

5月21日(曇り時々雨)


男子  横尾 ⇔ 蝶ヶ岳 (ワンデリング C.T.5:40)
女子  岩魚留小屋 → 徳本峠 → 明神      

いつもどおり4時起床、6時出発。
朝、テントの外を見てがっかり。
空は一面の雲。いつ雨が降ってもおかしくない。
とはいえ、錬成合宿初めてのワンデリングで荷物の軽さに1年生は意外とやる気だった。
しかしそれに反するように、雨は降りだし次第には雪まで降る始末。
霧まで出てきて、もはやピークの景色なんていってられない状況になってしまった。
でも1年生は上級生のあとを必死についていっていた。
稜線まで出ると今までの状況に強風が加わってとても寒かった。
春山合宿を思い出させる寒さのなか、ピークに到着してみると予想通り視界はゼロ。
しかし1年生にとっては合宿初ピーク。
そして初エール、初ワンゲルの歌。
もはややけくそともいえるような感じでみんなテンションを上げていた。

雲の切れ間に見えた景色に無理やりテンションを上げる男子。
あまりの寒さにさっさとピークを出発して、雪上訓練もほどほどに横尾へと帰っていった。

この日、女子は昨日の遅れのため岩魚留小屋からのスタートである。
男子同様、徳本峠を目指して出発した。
やはり雪の影響が大きくつらい行程だったが1年生は一生懸命頑張って、なんとか徳本峠にたどりついた。
徳本峠で昼食をとっているとき結構さむかったので小屋の人が、なかにいれてくれたことは本当に嬉しかった。
その後、明神まで進んだが、この日の行動はここで終了。
女子だけの統一食当が行われた。

女子が明神までしか来れなかったので例年と違って横尾に帰っても迎えてくれる人がいない。
そう思っていたら、一人だけ横尾のテン場で遅れて合流する予定の町野さん(98年度)が到着していて迎えてくれた。
女子とおなじく、男子も男子のみの統一食当が行われたが、1年男子5人、2年男子3人という少なさなので、3年生(4人)も全員参加するというなんとも寂しいものだった。

5月22日(晴れ)

男子  横尾 ⇔ 涸沢 (ワンデリング C.T.5:00)
女子  明神 → 徳沢園 → 横尾         

朝の統一食当。さむい。
防寒と雨具を着ていても鼻水が出てくる。
去年はこんなに寒かっただろうか。
そんなことを思った記憶がある。
しかし、この日はついに見事な晴天。
行動を始めればむしろ暑いぐらいだった。

女子は横尾を目指して明神を出発。
元気に声だしをしながら順調に横尾へ到着。
だが、涸沢のワンデリングは中止になった。

男子だけの涸沢ワンデリングに不満を口にするのは例年の錬成を知らない1年生より上級生の方が多かった。
「なんで雪訓するためだけに涸沢行くんだよ(笑)」
そうはいってもいざ涸沢ヒュッテについてみると、景色がとてもよかった。

涸沢ヒュッテから望む穂高
きれいでした
男子だけのためか、雪訓を終えて横尾に着いてもまだ昼頃だった。

男子が涸沢へ行っている間、女子はひたすらテント設営の練習に励んでいた。
その練習時間を比べると男子よりはるかに多い。
もしかしたらワンデリングよりつらかったのではないか。

やっと男女そろって統一食当もにぎやかになった。
しかし、それは1年生だけでなく上級生も増えることも意味するので、錬成合宿特有のピリピリした雰囲気も
さらに厳しさを増した。
食事ができてまた楽しい雰囲気に戻った後、涸沢に女子が行かなかったことで空回りに終わった結婚式のイベントがここで復活した。
「連絡のある者」という主将の掛け声に果敢に手を上げて1年男子達が女子の元へ駆け寄っていった。

5月23日(晴れ)

男子  横尾 ⇔ 槍ヶ岳山荘 ⇔ 槍ヶ岳 (ワンデリング C.T.11:00)
女子  横尾 ⇔ 蝶ヶ岳 (ワンデリング C.T.5:40)

3時起床。「下界なら寝る時間だよ...」
おそらく毎年繰り返されている言葉だろう。
男子はこの日、日本第5位の槍ヶ岳に挑む。
起床時間の早さからか、やはり今までと少し違う空気が漂う。
ここまでで1年生も多かれ少なかれ体の不調や疲労が出てきている。
この日の行動も1年男子5人のうち2人が見送ることになった。
参加する3人にも不安が残る。
しかし、空は文句のつけようがないくらい見事に晴れている。
行くしかない。
男子16名は朝焼けの横尾を出発した。

男子に遅れて女子も横尾を出発した。
雪の多さに苦戦をしながらも声を出しながらいいペースで蝶ヶ岳のピークを目指した。
そんな女子部員を待っていたのは最高の大パノラマだった。
この景色は1年生の心に深く焼き付けられたことだろう。

その頃男子は長い道のりまだ歩いていた。
やはり今までのワンデリングとはわけがちがう。
数回一本をとってやっと槍ヶ岳が見えるといったところだろうか。
しかも槍ヶ岳山荘が見えてからが大変だ。
いきなり強くなる風と急な登りが行く手を阻む。
しかし、これさえ登ってしまえば肩の小屋に着く。
そうやって最後の力を振り絞って肩の小屋に着いたとき目の前には思わず声が出るような景色が広がっていた。

肩の小屋からの景色
真中の赤いのは写真に写る喜びを表現する記録資料係
天気、風ともに状態がいいので、もしかしたらピークまで行けるのではないか、そんなことをみんな心のどこかで考えていた。
しかし、調査に行ってきた上級生の話だと雪が多くて危険なので、結局ピークアタックは断念し、写真を撮って下山することになった。

槍ヶ岳のピーク
ピークの景色はさぞかしすごいのだろう

集合写真
みんなよくがんばった

蝶ヶ岳の女子は今までやれなかったぶんを取り戻すかのように雪訓をやっていた。
おそらくテント設営のみならず雪訓の練習量も男子を凌ぐだろう。
そのためか、順調に行動をこなしていた男子より横尾に到着するのが遅くなった。
さらに女子のパーティーがルートミスにより、帰りがかなり遅くなってしまい、今後に課題を残す結果となってしまった。


5月24日(曇り)

横尾 → 徳沢園 → 上高地 ⇒ 松本駅 (C.T.3:10)

最終日、あとは帰るだけ。
そんな気持ちがみんなの心にあるからか、今まで一番リラックスした空気だ。
徳沢園で解散式が始まった。
一度ゆるんだ空気も再び引き締まる。
各パーティーリーダーがメンバーの頑張りをほめたたえ、1年生も今回の合宿で学んだことを誇らしげに語る。
そしてエール、ワンゲルの歌。
これで合宿が終わった。
みんなの心に開放感が漂い、思い思いに錬成合宿を振り返っていた。
これが最後の錬成合宿となる4年生お疲れ様でした
今回の錬成合宿で一足早く引退する樋口さんを囲んでこれからも頑張ってください。