料理殺し編 前編 沙都子「この位の塩加減でいかがでございます?」 羽入「あぅあぅ、美味しいですよ。やっぱり沙都子は梨花よりもスジがいいのですよ」 確かに、沙都子はいいスジね、と思わず突っ込みそうになる 梨花「ボクに言わせれば沙都子もまだまだなのですよ☆」 ここの所、沙都子は毎日のように羽入に料理を習いにきている。 一時期、悟史に鳥のから揚げを振舞うのだと随分頑張っていたが それも叶い、しばらくは料理を習いにくることはなかったのだが ここ最近またやってくるようになった。 梨花「悟史にまた何か作ってあげるのですか?」 沙都子「あ、いえ…これはにーにーではなく、その…」 沙都子はもじもじとおたまを持って身をくねらせる 何時もならその愛らしい仕草に和むのだが、今回はそうも言ってられない 梨花「圭一に、ですか…?」 沙都子「え、ええ。今夜からまたご両親が仕事で何日かおられないそうですので ご飯を作りにいってあげようかなと…ほほほほ、またボヤになったら 大変でございますから。」 梨花「みー…そうなのですか、レナや魅音もその事を知ってるのでしょうか?」 沙都子「さぁ…私はたまたま圭一さんに聞いただけですので」 沙都子め抜け駆けするつもりだな、だがこれはチャンスかも知れない レナや魅音が知れば絶対御飯を作りにいくだろう、 梨花「み~☆ボクも圭一にご飯を作ってあげるのですよ。どっちが美味しいか 圭一に判定してもらうのです。」 沙都子「む…望むところですわ、もう梨花にも負けないんだから」 羽入「あぅあぅ、僕も作るのです☆」 その後3人でわいわい言いながら色々なおかずを作った。 実は料理勝負自体あまり重要ではない、肝心なのはその後だ、 長い夜を圭一と2人で過す…それが最大の目的。 い・・いきなり最後までいっちゃうことは無いわよね・・? でも圭一スケベだし、もしかしたら雰囲気に流されて。。。あぅあぅあうう! お風呂に入り念入りに体を洗う、そして勝負パンツを確認。 はしたないな私は・・・でも、でも圭一だけだからね!こんなことするの! そしてお泊りセットの準備…あれ? ふと沙都子が持ってきていたバッグを見る、ご飯を運ぶのだからそれ相応の 大きさが必要なのは分かるが、まだ積めてないのに膨らんでいる 不思議に思い中を開けると、枕!歯ブラシ!可愛らしい下着に・・・ こ、これ・・・コ**ー*? 一瞬眩暈を起こす、沙都子も圭一に気があるのは知っていたが、 それは○学生に相応な恋愛感情で、いきなりこんな事をするはずが無いと思っていた そうか、詩音の入れ知恵に違いない、そして沙都子は、その、悟史と 詩音が、アレを・・、いたしている所を見てしまったらしいので、その辺に興味 があっても不思議じゃないっ!? 台所で羽入と話す沙都子の横顔がなんだかいつもより大人びて見えた 料理殺し編 中篇 ピンポーン 圭一「はいは~い、って、沙都子に梨花ちゃんじゃないか、こんな時間にどうした?」 沙都子「ほほほほ、どーせまた餓死寸前まで追い詰められてると思って 晩御飯を作ってきてあげましたのよ。」 梨花「み~、今日は僕も作りましたですよ?」 圭一「うお、マジで?いや~助かるよ、自腹切って出前とろうかと思っててさ 前自炊した事になってるから、母さん金おいてってくれないんだよなぁ」 と、すんなりと前原屋敷の進入に成功する。 ちなみに最後までついて行くと五月蝿く喚いていた羽入は 簀巻きにして押入れに放り込んできた。 圭一「おーーすげーなこれ全部、沙都子と梨花ちゃんが作ったのか?」 肉じゃが、ハンバーグ、豚のしょうが焼き、ほうれん草のお浸し 鯖の味噌煮、ポテトサラダ…etc 次々とタッパからお皿に移された 料理がテーブルに並んで行く、というか作りすぎだ…私と沙都子が 頑張って食べても圭一の分は3人前はある、でも圭一は苦しくても 黙って全部平らげてしまうだろう、そういう人だから好きなのだ。 沙都子「圭一さん、その豚のしょうが焼きは私が作ったんですのよ~」 梨花「その肉じゃがは僕が作ったのですよ☆どっちが美味しいですか?」 圭一「うーん・・・」 箸を止めて考える圭一、そしておもむろに隣に座っていた沙都子の頭に手を置いて撫で始める 圭一「どっちが・・・ってのは決められないな、甲乙付けがたい でも沙都子は凄く上達したよな、もう俺なんかじゃ全然適わねーな、ほんと頑張ったな」 沙都子「そ・・そんなこと・・ありませんですわ」 赤くなった沙都子は俯いてじっと嬉しそうにしていた いいなぁいいなぁああ・・・いけない、完全に沙都子寄りの流れだ、なんとかしないと 沙都子「もう、圭一さん、ご飯粒がほっぺについてましてよ。」 すっと人差し指でご飯を取り口に入れる沙都子、直後に赤面する2人 おいおい、これ、なんてギャルゲ?てか、今時そんなベタネタ誰もやらな・・・ 圭一「ははは、何か新婚さんみてーだな、ははは」 ブチッ☆ 圭一の対面に座っていた私は、足を圭一の股間に伸ばす こうなったら強行手段だ、私の足技で快楽に購えない体にしてやる! 「み~・・・と、届かない・・あっ」ズルッ ゴチン☆ 半ばテーブルにもぐりこむ様に足を伸ばしていたが届かず、ずれ落ちて 後頭部を強打する、更に足も捻ってしまった、全治三日というところか? 沙都子「梨花、大丈夫ですの?」 圭一「梨花ちゃん、大丈夫か?」 梨花「み”~だ、大丈夫です・・・」 その後沙都子と圭一は良い雰囲気のまま夕食を終えた 私はその様を見せ付けられ・・・うぅ・・なんで?58年6月を乗り越えたら 幸せになるんじゃなかったの・・? 沙都子「あら、もうこんな時間ですわね、梨花、そろそろおいとましませんこと?」 あれ・・? 梨花「沙都子・・そのお泊りセットは?」 沙都子「詩音さんのマンションに遊びにいきますの、そのままお泊りですわよ 先週ちゃんといったじゃございませんか、梨花もくるんでしょう?」 す・・・すっかり忘れてた 梨花「え・・え?じゃあの、そのコ・・コ**-*は?」 沙都子「あ・・アレは詩音さんの忘れ物ですのよ!叩き返すためのもってきましたの!」 真っ赤になってまくしたてる沙都子 なんだ・・私の早とちりか・・・ 梨花「では一緒に・・・痛!」 圭一「あ、やっぱり結構痛めてるな、自転車乗れるか?というか歩けるか?」 試しに2,3歩、歩いてみたが本当に痛い・・・見るとかなり晴れ上がっていた 沙都子「これは無理ですわね、どうしましょう・・」 圭一「着替えとかあるんならさ、今日は泊まっていくか?無理するとまずいだろ」 え・・? 沙都子「そうですわね、圭一さんさえ良ければ今日は泊めてもらったほうがいいですわよ、梨花」 え・・・えっ? 料理殺し編 後編 圭一「梨花ちゃんまだ痛むか?」 椅子に座って本を読んでいた私は圭一の声に顔を上げる 梨花「もう大丈夫なのですよ、ありがとうです。」 そっと圭一が張ってくれたシップに手をやる、とりあえず痛みは引いたようだった 圭一「災難だったなぁ」 災難?とんでもない、平静を装っているが心臓は音がでそうな勢いで鼓動している 梨花「み~、2人きりの時間ができたのでボクは嬉しいです・・」 自然に本音が出てしまう。 圭一「ん、そういや今まで梨花ちゃんと2人で話した事って殆どなかったな」 梨花「そうなのですよ、だから今日はいっぱいいっぱいお話したいのです。にぱ~☆」 それから圭一と沢山おしゃべりをした、幸せだった。私の知らなかった圭一を 知る事ができた、圭一の知らなかった私を知ってもらえた。 梨花「圭一は・・・その・・・あの」 圭一「え?なんだ?」 梨花「す・・・好きな・・人はいますですか?」 圭一「え・・と、突然だな、そうだな・・」 圭一が答える前に話を続ける 梨花「ボクは好きな人がいるのです・・・鈍感でデリカシーが無くてスケベで 短気で、そそっかしくて」 圭一「はは、なんでそんな奴、好きになったんだ」 梨花「でも、本当はやさしくて、誰よりも仲間思いで・・ボクに生きる勇気を くれた人なのです」 そこまで言って圭一の胸に顔をうずめる。 圭一「お・・おい梨花ちゃん」 もう止まらなかった、ずっと胸に押し込んでいた想いがあふれ出る 梨花「ボクは・・私は、圭一、貴方が好きです。大好きです・・」 圭一は困ったような嬉しいような複雑な表情を浮かべていたが、意を決したようい言った 圭一「ごめんな、梨花ちゃん、俺、まだ誰かをそんなふうに好きになったことが、その、なくてさ レナとか魅音とか沙都子、もちろん梨花ちゃんも好きだけど・・ 」 梨花「今はそれで十分なのですよ、にぱ~☆」 ちょっと意外だった、恐らくは圭一はレナに惚れていると思ったが・・・ でも、条件が皆一緒なら先制した私が有利! 梨花「1つだけお願いしてもいいですか?」 圭一「ん・・なんだ?」 梨花「今日だけ一緒に寝て欲しいのです・・・」 やっぱりというか、圭一は私を”女”として見ていなかった その証拠に私が決死の思いで、お願いした恥かしい申し出をすんなり受け入れ ものの10分でいびきをかき始めたのだ。 梨花「・・・少しは意識して欲しいんだけどね・・」 そういって寝息をたてる圭一の鼻をつんつんとつつくと「よせよ~魅音」 と寝言を言う、本当に面白い人だ、クスクス とりあえずここまでにしておこう、圭一にその気がないのなら迫っても 無駄だし、圭一に好きな人がいないのなら焦る必要もない ・・・何より私の想いを真面目に受け止めて貰えたのが嬉しかったので満足した。 梨花「ふぁぁ~」 大きなあくびが出た、今日は色々あって疲れたな・・・ もぞもぞと圭一の胸に顔を寄せる、とても暖かくて、大きくて・・ このままこの時がずっと繰り返されるとしたら、それもいいかなと思ったりした 糸冬