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妙足遊戯 (詩悟,レ圭) - (2008/01/18 (金) 22:58:27) の1つ前との変更点

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*妙足遊戯 「えぇ!?圭ちゃん、お姉ぇ置いて来ちゃったんですか!?」 「お、おぅ。だってお前、熱があるのに新幹線に乗せるのはまずいだろ」 圭一くんの一言に私まで呆れ返るしかない。 しかし詩ぃちゃんが落胆している相手はこの馬鹿男ではない。 「…あの馬鹿。東京に一体何しにいってるんだ…」 そう呟いてしまうのも仕方がない。 魅ぃちゃんが東京まで彼を追いかけてから過ぎた時間はもう短くない。 その間に此処雛見沢でもずいぶん色々な出来事があり、 中でも筆頭は詩ぃちゃんと悟史君のあつぅ~い某事件なのだが、 語りだすと長くなりそうなので今回は自重しておく。 とにかく、それぐらい長い時間が経ったにもかかわらず、魅ぃちゃんと圭一くんはまったくと言って良いほど進展がない。 風邪なんていう絶好のお持ち帰りイベントすらスルーとは……。 きっと今夜詩ぃちゃんは悟史君といちゃいちゃする貴重な時間を、魅ぃちゃんの泣き言電話で潰されるのだろう。 詩ぃちゃんはおでこに人差し指を当ててため息を見せてから私のほうへ歩んできた。 「詩ぃちゃんも魅ぃちゃんみたいなお姉さんを持って大変だねぇ~」 「全くです。折角レナさんがハンデをあげてもこれじゃぁ同情の余地がありません」 私が魅ぃちゃんの様に圭一くんを追いかけなかったことを一番驚いたのは彼女だったりする。 詩ぃちゃんは私が圭一くんに対して特別な感情を持っていると思っている。 正直それを否定しようと思わない。圭一くんと一緒にいると、他の誰といるよりも楽しいから。 でも、私は雛見沢が一番過ごし易かった。 お父さんをこの静かな村から出すのも不安だし、かといって一人残してしまうのも不安。 …ううん、もしかしたら追いかけていった見返りが無かった時の可能性を考えるのが怖いのかもしれない。 好きな人の笑顔だけでめいっぱい幸せになれる彼女たちと違って、私は貪欲で計算しすぎるのかもしれない。 だから私はこれを、ひとつのゲームにした。 魅ぃちゃんは圭一くんを東京に追いかける。私は雛見沢で女を研く。 勝ったほうが圭一くんをお持ち帰りできるんだよおぉぅ~~~♪はうぅうぅ~~~!! 勿論これは勝手な一方通行のゲームじゃない。詩ぃちゃんを通して魅ぃちゃんに伝えてある。 え?圭一君?あははは、かぁいいものはお持ち帰られるのに拒否権なんてないんだよぉぅ~☆ 詩ぃちゃんはこのゲームを私のハンデだと言うけれど、 魅ぃちゃんが男の子を追いかけるのが一番苦手なのを考えれば、私は全然差をつけた気分にはならなかった。 「この様子じゃ、アレはレナさんにも教えておかないとフェアじゃなさそうですね」 圭一くんと悟史君には聞こえないように詩ぃちゃんが囁く。 「はうぅ~?詩ぃちゃん、何の話かな、かな?」 「実はですね、やっちゃったらしいんです、お姉ぇと圭ちゃん」 「やっちゃ……ややややや!?やっちゃった!?何をやっちゃったのかな!?かな!!?」 「あぁ、ごめんなさい。この言い方じゃ誤解を招きますね。本番の話じゃないですよ。いわゆるBです、B」 「B!?Bって一体何かな!?かな!?」「くっくっく、それはしらばっくれてるつもりですか~?」 ついつい興奮して、オヤジみたいなにやにや顔を向けられてしまった。 聞くところによると、魅ぃちゃんはいつものように男子寮に忍び込んでいたらしい。 そしてついうっかり、お仕事中の圭一くんとジャストミートしてしまい、成り行きにおててで…… はううぅう~~~!!!!!ずっこいよ魅ぃちゃん!!レナも圭一君のオットセイさんと遊んでみたいのに~ぃ! 「きっかけになるのかもと黙ってましたが、そうでもないんならこれはちょっとズルだと思いましたので」 そうだよね。ズルだよね。お付き合いしてもいないのにそんなことするのはズルだもん。レナもズルしたいなぁ…。 ---- 「そういえば、ちびっこグループはどうしたんだ、今日はいないのか?」 「あぁ、今日はみんなで下級生と遊びに行っちゃったよ」 ちぇー。遥々東京からやってきたっていうのに。腹いせに土産のシュークリーム全部食って帰ってやるぜ。 「しかしあの二人。あんなに仲良かったっけ?さっきから随分ヒートアップしてるみたいだな」 「うーん…。あの二人があんなに興奮してるのは僕も始めて見たよ。魅音の話でもしてるのかな」 まぁ、あの二人が共有できる興奮材料なんて魅音ぐらいのもんだろうな。 あーぁ、叩き起こしてでも引っ張ってくるべきだったんだろうか…。 ---- つまらないわ…。すごく…。 沙都子には悪いけど、流石に子供の遊びにはついて行けそうもない。 部活とは違う方向性の体力をごっそり持っていかれてしまった。 沙都子の方はというと、今この時も下級生を追い掛け回して随分楽しそうだ。 「こんなことなら圭一達の迎えに付き合えばよかったかしら」 「あうあう。梨花だって昔はあんな風に遊んでいたのですよ?あうあう」 誰のせいで卒業したと思ってんのよあんたは。 「ねぇ羽入、つまんないから圭一達の様子でも見に行ってみてよ」 ---- 魅音がいないのではいつものように園崎家にお邪魔するわけにもいかないということで、 今日の部活…はないな、同窓会?…は、北条家ですることになった。 「きゃーっこのシュークリーム有名店のやつじゃないですか!?」 土産に予想以上にはしゃぐ詩音がなにやら複雑な店の名前を喋っているが、そんなに良いもんだったのか。 「女の子であの店を知らないなんて雑誌も読まない田舎娘ぐらいです!」 って、お前、レナの笑顔が一瞬歪んだぞ。怖いもの知らずだな…。 「あぁ~!食べて見たかったんですよ~!お姉ぇに言っても店の名前覚えられないとか言われちゃって」 駅の近くにあったから適当に買ってきただけなんだが……、まぁ喜ばれたんなら良いだろう。 踊りだしそうな詩音に悟史がちょっと心配気味に声をかけている。 「しっかし、あの二人は本当に熱いよなぁ…ぐおおぉッ」 レナに軽く耳打ちをすると、俺は決して軽くない頬打ちを喰らってしまった。 「熱いって!何がかな!かな!!」「な、何がって…悟史と詩音の話をだな……」「はぅ!?なんだ、詩ぃちゃんの話か~!」 「お茶がはいりましたよ~って何してるんですかあんた達」 横で申し訳なさそうにするレナをなだめて用意された皿に手をつける。 なるほど、少々甘さが強い感があるものの、 バニラの香りとシューの香ばしさがスパイスになってフォークもつい次を運ぼうとしてしまう。 甘いものが好きな女の子連中にはこれぐらい派手な味が受けるのかもしれない。 「はい、悟史くんっあーん」「あーん」 …って…人前で何をしているんだお前らあああぁああぁ!!!! 「何をって、いつもやってますよ。圭ちゃん見たことありませんでしたっけ」 「ない!!っていうか悟史!お前も男としてのプライドがないのか!?ちょっとは躊躇しろよ!!」 「むぅ…。あはは、つい……」 つい!?ついいぃい!!?言うに事欠いてついいいいいぃいい!!!!!? 「け、圭一くん……。あの、…」 「ん?何だレナ。俺は今この不甲斐無い人生の先輩に萌えの先輩としてだな…」 「羨ましいなら、……レナがやってあげてもいいんだよ、だよ」 なっ……なっ………なんだ!?数日前の魅音の件といい、俺の周辺で何故かまた変なゲームみたいなイベントが乱発してないか!? いや、きっとこれはレナなりの冗談だ。うん。そうに違いない!よな、よな。 「ほら、圭一くんっあーん」 だめだあああぁ!!きっと俺は後で殺されるんだぜ、鉈とか釘とか包丁とか鋸とか…。 「あうー!!!僕の見てない所で何をしてるのですかーーーー!!!!」 ぎゃあああああああああああああああ!!!!………って、あれ、あ、なんだ…羽入か……。 しかしいつの間に遊びから戻ってきてたんだ。沙都子と梨花ちゃんはまだ遊んでるのか? 「ひ、ひどいのです…みんな…僕が無類のシュークリーム好きと知っているのに…あううううううううううううううううん!!!」 「お、おい!!」「むぅ、行っちゃった」「ちみっこたちのは冷蔵庫に残しておいてあるんですけど…」 ま、まぁいいか。そのうち戻ってくるだろう。ん? 「…圭一くん…酷いよ……魅ぃちゃんはズルしてもいいのに…レナはあーんもだめなんて…」 「は?ズル?一体何の話だ」 「詩ぃちゃんだって酷いよ!そうやってレナのこと嘲笑ってるんだよね!よね!!」 「えぇ!?な、何をどうしたらそういう話になるんですか!?」 まずい。非常にまずい。レナが変な方向にヒートアップしている。 何か非常にまずい気がする。レナが暴走するとかなりすっとんきょんな方向に話を進められそうな予感がする! 「どうせ魅ぃちゃんも詩ぃちゃんもおっぱいが大きいだけ!料理もお裁縫もレナのほうが上手なのに!」 「なっ…!?誰がおっぱい魔人ですって…?いくらレナさんでも言って良いことと悪いことがありますよ……」 売られた喧嘩は買う主義の詩音なんだから、そりゃぁ相手がレナでもきっちり買っちまうんだよな…。 ---- あーぁ、つまんないわぁ。 それにしても羽入のやつ遅いわねぇ。そろそろ帰ってきても………。 …………………………。 ………なんか…今…上空を何かが…あうあう言いながら………。 いいのかしら、地元の神様が遥か彼方に飛んでいっても………。 まぁ、いっか。……いてもいなくても同じようなもんだし……。 ---- 「おっぱい以外に何があるのかな?お尻かな?あははは!!太ももならレナだって負けないよ!!」 「へぇ~?私のももはお姉ぇなんかの非になりませんよ~?くっくっく」 詩音が立ち上がって足を曲げつつミニスカートからむっちり感溢れる実物を見せ付ける。 肉付きが良いにも関わらず、きっちり体形管理をしているんだろう。メリハリのあるラインだ…。 落ち着け詩音。頼むお前ら落ち着いてくれ!落ち着いてくれ!! 「し、ししし詩音!?いくらなんでも人前でそういうことをしちゃだめだよ!!」 ぽかーんとしてた悟史もようやく危機感を察知したらしい…、が…人前以外ならしてるってことかそれは…。 「あははは!!レナの目には太っちょいだけにみえちゃうかな、かな!」 対抗してレナも立ち上がり、カモシカの様なすらっとした足を伸ばす。 ごみ山で養われたであろう健康的な脚力が容易に想像できる程の軽やかさ。 お、おうおう…どっちもどっちで、うん、なかなか………ってちがあああぁう!!! 「お前らいい加減にしろよ!!」「「圭(ちゃん)一くんは黙っててッ!!」」 盛り上がりすぎだろお前ら!?ドッキリか!?これは実はドッキリか!? 「くっくっく、レナさん。そこまで言うんなら決着をつけようじゃないですか」 嫌な予感。 「良い考えだね。ちょうど元気な獲物がいるし、でも詩ぃちゃんは慣れてるよね、ずるいんじゃないかな、かな」 獲物って…獲物って何だ…。一体何の獲物だ…。 「確かに、私のほうが圧倒的有利ですね。なら丁度良いですし足で勝負しませんか。私もまだしたことないんですよ」 ちょっと待て、詩音。その手錠はどっから出してきた!?おい!?おいッ!!? ---- 「梨花~。いつまで休んでるんですの~!」 「あ、沙都子。おサボりバレちゃったのです。誤魔化しのにぱー☆」 「あら、羽入さんはもう帰ってしまいましたの?」 「みぃ。…足を擦り剥いたから詩ぃにマキロン付けて貰いにいったのですよ。さぁ!僕もおっかけっこするのです」 「次の鬼さんは山下君ですわよ~!」 ---- 非常に…非っ常に信じられない状況だが、今の状況を整理しよう…。 俺はレナに、悟史は詩音に、手錠とチェーン付きの首輪を装着された。 そして、ズボン越しに、足で股間を弄られている……。 「先にイかせたほうが勝ちなんだよ、だよ」 「触っていいのは足だけです、触らなければ何してもいいですよ」 言って詩音はシャツのボタンを胸元が見えるぎりぎりまで外してチェーンを引っ張る。 あ、あの谷間を…あんな至近距離で…!?ぶ、ぶぶぶぶぶらっブラチラとかするのか!?するのか!? 「し、詩音、止めようよ!」「ごめんね、悟史くん。今日は吸い付いちゃ駄目ですよ~」「むぅ、むうぅ……」 す!?すすすす……!!? 「はぅ~。圭一くんはこっちに集中してくれないと勝負にならないよぅ~」 レナは必死に自分に適した攻撃法を探るが、胸を使う詩音は原始的ながら攻撃力は高い。 まさかレナにはあんな芸当できるはずもないからな。 「諦めろレナ、俺のせがれは多少のことではびくとも……」 「圭一くん!圭一く~ん!」 「ん?何だレナ。俺は今大事な萌え美学の話を始めようとだな…」 レナは食べかけのシュークリームをロックオンしたらしい。 指に濃厚なクリームを塗りたくって見せ付ける…。くりいぃむと、来たか…なかなか、わかってるじゃないか…。 「はぁうぅ~……まっしろで…べたべたしてて…かぁいいなぁ~…。お持ち帰りしていいかな、………かな?」 「さ、さぁ…ま、まぁ…いいんじゃ…ないか…」 「じゃぁレナがお持ち帰りしちゃうねっ…はむぅっ」 くわえやがった!!くわえやがった!? 一体そんなもんどこで覚えてきたんだ!!お父さんは悲しいぞおおぉおおッ!!!!!! 「レナさんもなかなかやるじゃないですか…!」「勝つためには手段は選んじゃいけないんだよ、だよ!」 悟史の方は視界が揺れる谷間に支配されるわ首輪で引っ張られるわで泣きそうな顔をしているが、 俺は断言しよう!くりいぃむの方が破壊力が高いぞ!!お前はまだマシだ!! 指をしゃぶしゃぶなめなめされながらでは、いくら拙い愛撫でもただ事ではなくなる…! しかも足でされてるおかげで俺の目の前はレナの危ないスリットスカートで焦らされたままだ。 「ふっ、甘く見られては困りますね。私の手はこんなもんじゃないですから」 テレビのやつだろうか、詩音は机の上に転がっていたリモコンを手に取る。 …形状がやけに…太いっていうか…丸い……な…。 「うふふ、こんなに大きいの、はいりますかね?んっ…はんぅ………」 た、谷間に!!?そんなものまで挟めるのか!!? 「やめて詩音!!頼むから!!お願い!!」 何だあの胸は!?そりゃお前、おっぱい魔人って言われても仕方ないぞおい!! 「はううぅう~~!!圭一くん!!圭一くん!!」 「なっ!!!??」 ………俺は今、幻を見ているのだろうか……… レナの足が芸術的なまでの軌道を画く。それはまるで流星の中を駆ける彗星の如く…!! そして、 そして………片足で……片足の指の動きだけで……俺のベルトを外し…チャックを振り下ろす!!! ---- 「あーぁ、熱早く下がっちゃったなぁ」 こんなんなら、私も一緒に雛見沢に行けばよかったな。 よし、圭ちゃんがこっちに戻ってくるまでにエロ本を買っといてあげないと。 あのエロ本、手で破いちゃったの話したら詩音凄い声出して吃驚してたし…。 圭ちゃん笑って済ましてたけど、実はものすごく怒ってたりするのかなぁ。うぅ~。 「な、なんだったらおじさんの生写真あげちゃってもいいんだけどー!?」 ……なんて…あははははははははははは…。………もっかい寝よ。 ---- 「いやぁ、いくらなんでもレナさんがあんな足技の持ち主だったとは思いませんでしたよ~!完敗です」 「はうぅ~?レナももう夢中でやってたからよく覚えてないんだよ、だよ…そんなに凄かったのかな、かな…」 あ、あぁ…凄かったぞ…すごか…ぐおぉお………。 「し、詩音。首輪はもう外してくれてもいいんじゃないかな…」「拒否します」「むぅ……」 結局勝負はレナの圧勝。詩音ですら吃驚して、出し入れしていたリモコンを落としたぐらいだ。 あの足技はきっと人知の領域ではない。足に寄生虫を飼ってるんだ、きっと。 「レナが勝ったんだから、詩ぃちゃんは罰ゲームだよ、だよ」 「え!?」 レナが"あの"足の指を、まるでスケベオヤジの手のようにわきわきとさせながら詩音に迫る。 「はぅぅ~おっぱい魔人かぁいいよぅ~!!おもちかえりいぃい~~~!!!!」 「え!?ちょっ!?いやです!!ちょっと!!助けてください悟史くん!」 「むぅ……。詩音、それは自業自得って言うんだよ…」 うむ。同情の余地は全くないな。 「いやああああああああああああああぁぁあぁ!!!」
*妙足遊戯 「えぇ!?圭ちゃん、お姉ぇ置いて来ちゃったんですか!?」 「お、おぅ。だってお前、熱があるのに新幹線に乗せるのはまずいだろ」 圭一くんの一言に私まで呆れ返るしかない。 しかし詩ぃちゃんが落胆している相手はこの馬鹿男ではない。 「…あの馬鹿。東京に一体何しに行ってるんだ…」 そう呟いてしまうのも仕方がない。 魅ぃちゃんが東京まで彼を追いかけてから過ぎた時間はもう短くない。 その間に此処雛見沢でもずいぶん色々な出来事があり、 中でも筆頭は詩ぃちゃんと悟史君のあつぅ~い某事件なのだが、 語りだすと長くなりそうなので今回は自重しておく。 とにかく、それぐらい長い時間が経ったにもかかわらず、魅ぃちゃんと圭一くんはまったくと言って良いほど進展がない。 風邪なんていう絶好のお持ち帰りイベントすらスルーとは……。 きっと今夜詩ぃちゃんは悟史君といちゃいちゃする貴重な時間を、魅ぃちゃんの泣き言電話で潰されるのだろう。 詩ぃちゃんはおでこに人差し指を当ててため息を見せてから私のほうへ歩んできた。 「詩ぃちゃんも魅ぃちゃんみたいなお姉さんを持って大変だねぇ~」 「全くです。折角レナさんがハンデをあげてもこれじゃぁ同情の余地がありません」 私が魅ぃちゃんの様に圭一くんを追いかけなかったことを一番驚いたのは彼女だったりする。 詩ぃちゃんは私が圭一くんに対して特別な感情を持っていると思っている。 正直それを否定しようと思わない。圭一くんと一緒にいると、他の誰といるよりも楽しいから。 でも、私は雛見沢が一番過ごし易かった。 お父さんをこの静かな村から出すのも不安だし、かといって一人残してしまうのも不安。 …ううん、もしかしたら追いかけていった見返りが無かった時の可能性を考えるのが怖いのかもしれない。 好きな人の笑顔だけでめいっぱい幸せになれる彼女たちと違って、私は貪欲で計算しすぎるのかもしれない。 だから私はこれを、ひとつのゲームにした。 魅ぃちゃんは圭一くんを東京に追いかける。私は雛見沢で女を研く。 勝ったほうが圭一くんをお持ち帰りできるんだよおぉぅ~~~♪はうぅうぅ~~~!! 勿論これは勝手な一方通行のゲームじゃない。詩ぃちゃんを通して魅ぃちゃんに伝えてある。 え?圭一君?あははは、かぁいいものはお持ち帰られるのに拒否権なんてないんだよぉぅ~☆ 詩ぃちゃんはこのゲームを私のハンデだと言うけれど、 魅ぃちゃんが男の子を追いかけるのが一番苦手なのを考えれば、私は全然差をつけた気分にはならなかった。 「この様子じゃ、アレはレナさんにも教えておかないとフェアじゃなさそうですね」 圭一くんと悟史君には聞こえないように詩ぃちゃんが囁く。 「はうぅ~?詩ぃちゃん、何の話かな、かな?」 「実はですね、やっちゃったらしいんです、お姉ぇと圭ちゃん」 「やっちゃ……ややややや!?やっちゃった!?何をやっちゃったのかな!?かな!!?」 「あぁ、ごめんなさい。この言い方じゃ誤解を招きますね。本番の話じゃないですよ。いわゆるBです、B」 「B!?Bって一体何かな!?かな!?」「くっくっく、それはしらばっくれてるつもりですか~?」 ついつい興奮して、オヤジみたいなにやにや顔を向けられてしまった。 聞くところによると、魅ぃちゃんはいつものように男子寮に忍び込んでいたらしい。 そしてついうっかり、お仕事中の圭一くんとジャストミートしてしまい、成り行きにおててで…… はううぅう~~~!!!!!ずっこいよ魅ぃちゃん!!レナも圭一君のオットセイさんと遊んでみたいのに~ぃ! 「きっかけになるのかもと黙ってましたが、そうでもないんならこれはちょっとズルだと思いましたので」 そうだよね。ズルだよね。お付き合いしてもいないのにそんなことするのはズルだもん。レナもズルしたいなぁ…。 ---- 「そういえば、ちびっこグループはどうしたんだ、今日はいないのか?」 「あぁ、今日はみんなで下級生と遊びに行っちゃったよ」 ちぇー。遥々東京からやってきたっていうのに。腹いせに土産のシュークリーム全部食って帰ってやるぜ。 「しかしあの二人。あんなに仲良かったっけ?さっきから随分ヒートアップしてるみたいだな」 「うーん…。あの二人があんなに興奮してるのは僕も始めて見たよ。魅音の話でもしてるのかな」 まぁ、あの二人が共有できる興奮材料なんて魅音ぐらいのもんだろうな。 あーぁ、叩き起こしてでも引っ張ってくるべきだったんだろうか…。 ---- つまらないわ…。すごく…。 沙都子には悪いけど、流石に子供の遊びにはついて行けそうもない。 部活とは違う方向性の体力をごっそり持っていかれてしまった。 沙都子の方はというと、今この時も下級生を追い掛け回して随分楽しそうだ。 「こんなことなら圭一達の迎えに付き合えばよかったかしら」 「あうあう。梨花だって昔はあんな風に遊んでいたのですよ?あうあう」 誰のせいで卒業したと思ってんのよあんたは。 「ねぇ羽入、つまんないから圭一達の様子でも見に行ってみてよ」 ---- 魅音がいないのではいつものように園崎家にお邪魔するわけにもいかないということで、 今日の部活…はないな、同窓会?…は、北条家ですることになった。 「きゃーっこのシュークリーム有名店のやつじゃないですか!?」 土産に予想以上にはしゃぐ詩音がなにやら複雑な店の名前を喋っているが、そんなに良いもんだったのか。 「女の子であの店を知らないなんて雑誌も読まない田舎娘ぐらいです!」 って、お前、レナの笑顔が一瞬歪んだぞ。怖いもの知らずだな…。 「あぁ~!食べて見たかったんですよ~!お姉ぇに言っても店の名前覚えられないとか言われちゃって」 駅の近くにあったから適当に買ってきただけなんだが……、まぁ喜ばれたんなら良いだろう。 踊りだしそうな詩音に悟史がちょっと心配気味に声をかけている。 「しっかし、あの二人は本当に熱いよなぁ…ぐおおぉッ」 レナに軽く耳打ちをすると、俺は決して軽くない頬打ちを喰らってしまった。 「熱いって!何がかな!かな!!」「な、何がって…悟史と詩音の話をだな……」「はぅ!?なんだ、詩ぃちゃんの話か~!」 「お茶がはいりましたよ~って何してるんですかあんた達」 横で申し訳なさそうにするレナをなだめて用意された皿に手をつける。 なるほど、少々甘さが強い感があるものの、 バニラの香りとシューの香ばしさがスパイスになってフォークもつい次を運ぼうとしてしまう。 甘いものが好きな女の子連中にはこれぐらい派手な味が受けるのかもしれない。 「はい、悟史くんっあーん」「あーん」 …って…人前で何をしているんだお前らあああぁああぁ!!!! 「何をって、いつもやってますよ。圭ちゃん見たことありませんでしたっけ」 「ない!!っていうか悟史!お前も男としてのプライドがないのか!?ちょっとは躊躇しろよ!!」 「むぅ…。あはは、つい……」 つい!?ついいぃい!!?言うに事欠いてついいいいいぃいい!!!!!? 「け、圭一くん……。あの、…」 「ん?何だレナ。俺は今この不甲斐無い人生の先輩に萌えの先輩としてだな…」 「羨ましいなら、……レナがやってあげてもいいんだよ、だよ」 なっ……なっ………なんだ!?数日前の魅音の件といい、俺の周辺で何故かまた変なゲームみたいなイベントが乱発してないか!? いや、きっとこれはレナなりの冗談だ。うん。そうに違いない!よな、よな。 「ほら、圭一くんっあーん」 だめだあああぁ!!きっと俺は後で殺されるんだぜ、鉈とか釘とか包丁とか鋸とか…。 「あうー!!!僕の見てない所で何をしてるのですかーーーー!!!!」 ぎゃあああああああああああああああ!!!!………って、あれ、あ、なんだ…羽入か……。 しかしいつの間に遊びから戻ってきてたんだ。沙都子と梨花ちゃんはまだ遊んでるのか? 「ひ、ひどいのです…みんな…僕が無類のシュークリーム好きと知っているのに…あううううううううううううううううん!!!」 「お、おい!!」「むぅ、行っちゃった」「ちみっこたちのは冷蔵庫に残しておいてあるんですけど…」 ま、まぁいいか。そのうち戻ってくるだろう。ん? 「…圭一くん…酷いよ……魅ぃちゃんはズルしてもいいのに…レナはあーんもだめなんて…」 「は?ズル?一体何の話だ」 「詩ぃちゃんだって酷いよ!そうやってレナのこと嘲笑ってるんだよね!よね!!」 「えぇ!?な、何をどうしたらそういう話になるんですか!?」 まずい。非常にまずい。レナが変な方向にヒートアップしている。 何か非常にまずい気がする。レナが暴走するとかなりすっとんきょんな方向に話を進められそうな予感がする! 「どうせ魅ぃちゃんも詩ぃちゃんもおっぱいが大きいだけ!料理もお裁縫もレナのほうが上手なのに!」 「なっ…!?誰がおっぱい魔人ですって…?いくらレナさんでも言って良いことと悪いことがありますよ……」 売られた喧嘩は買う主義の詩音なんだから、そりゃぁ相手がレナでもきっちり買っちまうんだよな…。 ---- あーぁ、つまんないわぁ。 それにしても羽入のやつ遅いわねぇ。そろそろ帰ってきても………。 …………………………。 ………なんか…今…上空を何かが…あうあう言いながら………。 いいのかしら、地元の神様が遥か彼方に飛んでいっても………。 まぁ、いっか。……いてもいなくても同じようなもんだし……。 ---- 「おっぱい以外に何があるのかな?お尻かな?あははは!!太ももならレナだって負けないよ!!」 「へぇ~?私のももはお姉ぇなんかの比になりませんよ~?くっくっく」 詩音が立ち上がって足を曲げつつミニスカートからむっちり感溢れる実物を見せ付ける。 肉付きが良いにも関わらず、きっちり体形管理をしているんだろう。メリハリのあるラインだ…。 落ち着け詩音。頼むお前ら落ち着いてくれ!落ち着いてくれ!! 「し、ししし詩音!?いくらなんでも人前でそういうことをしちゃだめだよ!!」 ぽかーんとしてた悟史もようやく危機感を察知したらしい…、が…人前以外ならしてるってことかそれは…。 「あははは!!レナの目には太っちょいだけにみえちゃうかな、かな!」 対抗してレナも立ち上がり、カモシカの様なすらっとした足を伸ばす。 ごみ山で養われたであろう健康的な脚力が容易に想像できる程の軽やかさ。 お、おうおう…どっちもどっちで、うん、なかなか………ってちがあああぁう!!! 「お前らいい加減にしろよ!!」「「圭(ちゃん)一くんは黙っててッ!!」」 盛り上がりすぎだろお前ら!?ドッキリか!?これは実はドッキリか!? 「くっくっく、レナさん。そこまで言うんなら決着をつけようじゃないですか」 嫌な予感。 「良い考えだね。ちょうど元気な獲物がいるし、でも詩ぃちゃんは慣れてるよね、ずるいんじゃないかな、かな」 獲物って…獲物って何だ…。一体何の獲物だ…。 「確かに、私のほうが圧倒的有利ですね。なら丁度良いですし足で勝負しませんか。私もまだしたことないんですよ」 ちょっと待て、詩音。その手錠はどっから出してきた!?おい!?おいッ!!? ---- 「梨花~。いつまで休んでるんですの~!」 「あ、沙都子。おサボりバレちゃったのです。誤魔化しのにぱー☆」 「あら、羽入さんはもう帰ってしまいましたの?」 「みぃ。…足を擦り剥いたから詩ぃにマキロン付けて貰いにいったのですよ。さぁ!僕もおっかけっこするのです」 「次の鬼さんは山下君ですわよ~!」 ---- 非常に…非っ常に信じられない状況だが、今の状況を整理しよう…。 俺はレナに、悟史は詩音に、手錠とチェーン付きの首輪を装着された。 そして、ズボン越しに、足で股間を弄られている……。 「先にイかせたほうが勝ちなんだよ、だよ」 「触っていいのは足だけです、触らなければ何してもいいですよ」 言って詩音はシャツのボタンを胸元が見えるぎりぎりまで外してチェーンを引っ張る。 あ、あの谷間を…あんな至近距離で…!?ぶ、ぶぶぶぶぶらっブラチラとかするのか!?するのか!? 「し、詩音、止めようよ!」「ごめんね、悟史くん。今日は吸い付いちゃ駄目ですよ~」「むぅ、むうぅ……」 す!?すすすす……!!? 「はぅ~。圭一くんはこっちに集中してくれないと勝負にならないよぅ~」 レナは必死に自分に適した攻撃法を探るが、胸を使う詩音は原始的ながら攻撃力は高い。 まさかレナにはあんな芸当できるはずもないからな。 「諦めろレナ、俺のせがれは多少のことではびくとも……」 「圭一くん!圭一く~ん!」 「ん?何だレナ。俺は今大事な萌え美学の話を始めようとだな…」 レナは食べかけのシュークリームをロックオンしたらしい。 指に濃厚なクリームを塗りたくって見せ付ける…。くりいぃむと、来たか…なかなか、わかってるじゃないか…。 「はぁうぅ~……まっしろで…べたべたしてて…かぁいいなぁ~…。お持ち帰りしていいかな、………かな?」 「さ、さぁ…ま、まぁ…いいんじゃ…ないか…」 「じゃぁレナがお持ち帰りしちゃうねっ…はむぅっ」 くわえやがった!!くわえやがった!? 一体そんなもんどこで覚えてきたんだ!!お父さんは悲しいぞおおぉおおッ!!!!!! 「レナさんもなかなかやるじゃないですか…!」「勝つためには手段は選んじゃいけないんだよ、だよ!」 悟史の方は視界が揺れる谷間に支配されるわ首輪で引っ張られるわで泣きそうな顔をしているが、 俺は断言しよう!くりいぃむの方が破壊力が高いぞ!!お前はまだマシだ!! 指をしゃぶしゃぶなめなめされながらでは、いくら拙い愛撫でもただ事ではなくなる…! しかも足でされてるおかげで俺の目の前はレナの危ないスリットスカートで焦らされたままだ。 「ふっ、甘く見られては困りますね。私の手はこんなもんじゃないですから」 テレビのやつだろうか、詩音は机の上に転がっていたリモコンを手に取る。 …形状がやけに…太いっていうか…丸い……な…。 「うふふ、こんなに大きいの、はいりますかね?んっ…はんぅ………」 た、谷間に!!?そんなものまで挟めるのか!!? 「やめて詩音!!頼むから!!お願い!!」 何だあの胸は!?そりゃお前、おっぱい魔人って言われても仕方ないぞおい!! 「はううぅう~~!!圭一くん!!圭一くん!!」 「なっ!!!??」 ………俺は今、幻を見ているのだろうか……… レナの足が芸術的なまでの軌道を描く。それはまるで流星の中を駆ける彗星の如く…!! そして、 そして………片足で……片足の指の動きだけで……俺のベルトを外し…チャックを振り下ろす!!! ---- 「あーぁ、熱早く下がっちゃったなぁ」 こんなんなら、私も一緒に雛見沢に行けばよかったな。 よし、圭ちゃんがこっちに戻ってくるまでにエロ本を買っといてあげないと。 あのエロ本、手で破いちゃったことを話したら詩音凄い声出して吃驚してたし…。 圭ちゃん笑って済ましてたけど、実はものすごく怒ってたりするのかなぁ。うぅ~。 「な、なんだったらおじさんの生写真あげちゃってもいいんだけどー!?」 ……なんて…あははははははははははは…。………もっかい寝よ。 ---- 「いやぁ、いくらなんでもレナさんがあんな足技の持ち主だったとは思いませんでしたよ~!完敗です」 「はうぅ~?レナももう夢中でやってたからよく覚えてないんだよ、だよ…そんなに凄かったのかな、かな…」 あ、あぁ…凄かったぞ…すごか…ぐおぉお………。 「し、詩音。首輪はもう外してくれてもいいんじゃないかな…」「拒否します」「むぅ……」 結局勝負はレナの圧勝。詩音ですら吃驚して、出し入れしていたリモコンを落としたぐらいだ。 あの足技はきっと人知の領域ではない。足に寄生虫を飼ってるんだ、きっと。 「レナが勝ったんだから、詩ぃちゃんは罰ゲームだよ、だよ」 「え!?」 レナが"あの"足の指を、まるでスケベオヤジの手のようにわきわきとさせながら詩音に迫る。 「はぅぅ~おっぱい魔人かぁいいよぅ~!!おもちかえりいぃい~~~!!!!」 「え!?ちょっ!?いやです!!ちょっと!!助けてください悟史くん!」 「むぅ……。詩音、それは自業自得って言うんだよ…」 うむ。同情の余地は全くないな。 「いやああああああああああああああぁぁあぁ!!!」

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