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ケジメ 【双】 - (2008/06/19 (木) 00:08:23) の1つ前との変更点

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 笑顔の仮面をかぶって、私は魅音を部屋に招いた。  魅音は脳天気に、私のことをまるで疑いもせずに部屋にあがってくる。 「落ち着いた雰囲気の部屋だね」  そう言って微笑む魅音の表情が、私の手によってこれからどんな風に崩れていくのか今から楽しみで仕方ない。  魅音をテーブルに着くように促す。 「学校はどう?」 「新しいガッコはやっぱりつまらないです。一応通ってはいますけど、気分が乗らないときはサボらせてもらっています。全寮制だとなかなかそうはいかないですからね」 「あはははは。やっぱり聖ルチは辛かったか」 「ちぇー、お姉も一度閉じこめられてみろってんです」 「あはは、ごめんごめん。ケーキ買ってきたからさ。一緒に食べよ?」  魅音が持ってきた箱を開けると、チーズケーキが2つ入っていた。  私達はそれを食べながら、しばしの間たわいもない話を交わした。学校のこととか、そんなことを色々と。  でも楽しげに話を合わせながらも、そんなもの今の私にとってはどうでもよかった。  考えてみればこんな感じで魅音と話すのは久しぶりだ。けれど、やはりもう私達は……戻れない。 「ああ、そうそう。私、この前ちょっと面白いもの手に入れたんですよ」 「へぇー? 何々? どんなもの?」 「ええ、今持ってきますね」  和んだ頃合いを見計らって、私はテーブルから離れ、居間のタンスへと向かっていく。  引き出しを開けて、目的の得物を取り出す。  以前、不良に絡まれたときに葛西に頼んで調達したスタンガンだ。その固い手触りに、にんまりとした笑みがこぼれる。  あくまでも魅音には見えないように……表向きはただ勿体ぶるように、私は背中に隠した形で魅音の元へと戻っていく。  にこにこと笑顔を浮かべる魅音へ、一歩一歩近付いていく度に、私の中のどす黒いものがにじみ出てくる。早くこの感情を解放しろ、ぶちまけろと私を急き立てる。  あは……あははは……あはあははは……もうダメだ。もう我慢出来ないや。くっくっ……くっくっくっくっ……。  込み上げてくる笑いを押さえきれず、私の口元が歪む。  けれど、それを見てもまだ魅音は私が上機嫌で笑っているのだと、無防備に気を許している。本当に馬鹿な奴だ。つくづく救いようがない。  私は魅音の隣にまで近付いた。 「ねえ詩音。面白いものってどんなの? 早く見せてよ」  瞳を輝かせてそんなことを言ってくる魅音。  そして、そこで私は笑顔を消した。  冷淡な視線で魅音を見下ろす。 「……え? 詩音……?」  それはほんの数秒の出来事だったけれど、魅音の表情を凍り付かせるのには十分だった。そう、そんな感じに……束の間に手に入れた希望を失ったときの表情を見たかった。 「ええ。今、見せてあげますよっ!!」  私は最大出力に設定したスタンガンを魅音に押しつける。ろくに悲鳴を言う事も出来ず、魅音は気を失った。 ----  居間へと魅音を引きずってから、私は手早く服を脱がした。  身に着けていたものすべてを剥ぎ取り、猿ぐつわも噛ませておく。そして、万歳させた格好で両手をガムテープで傘に括り付け、そして両足も同様に大股開きの格好で箒にガムテープで括り付ける。  よし、これで準備完了。  さて、これからどうやっていたぶろうか?  屈辱的でインパクトが強く、それでしかも体にはダメージが少なくて済む方法。そもそも、陵辱なんてものがそんな類をまとめたものだけど……。  魅音の白い裸体を見下ろしながら、私はしばし黙考する。たわわに実り、整った双丘にくびれた腰。バランスよく肉が付いたその体は、双子の私が見ても男なら放ってはおかないだろうと感じた。 (……なんだ、あるじゃない。典型的なのが)  唇を歪め、私は非常時用に用意していたロウソクとライターを持ってくる。場合によってはクリスマスとかにも使えるかもしれない、カラフルなロウソク。  魅音の右隣に座り、ロウソクに火を点けて腹の上に掲げる。  ロウは瞬く間に溶け、ロウソクを伝って流れた。  そして……最初の一滴が魅音の腹に落ちる。  途端、魅音の体がびくりと蠢く。目を瞑ったまま、悶えた表情を浮かべ小さく呻く。  ぽた ぽた ぽた……と続いてロウが魅音の腹に落ちる。 「…………っ!? ……んん~っ!!」  魅音が目を覚まし、体をよじらせた。自分が全裸であるということに気付き、顔を赤くする。 「あは。……起きた?」 「んん~っ!? んっ、ん~っ!」  けれど、魅音には首を振って悶えることしか出来ない。あはは、いい気味だ。  一滴、一滴ロウが魅音の腹に垂れるたび、体をくねらせる。 「んんん~~っ! んん~~っ!」  必死に魅音が抗議の呻き声を上げるが、私にはむしろそれが心地いい。 「くっくっくっ。どうやらお腹はやめて欲しいみたいだねえ。それじゃあお姉はどこがいいのかなあ?」  優しく魅音に訊いてみる。勿論、魅音に答えられるはずがないし、仮に答えられたとしても私に応じるつもりは無いけれど。 「んんっ! んぐんんんんぐっ、んぐぅううううぅっ!」  私は空いた左手を魅音の右乳房に置く。むっちりとした弾力と滑らかな肌触り、そして温もりが私の手のひらから十二分に存在感を訴えてくる。  私は魅音の乳房を自分好みの力加減で撫で回し、揉みしだき、そしてときには乳首を摘んで愛撫する。 「んんっ!? んっ……んふぅ~~っ!」  私の手のひらで魅音の乳首がはしたなく勃起する。  こりこりとした感触が実に嗜虐心をそそる。 「へぇ~、お姉は胸も弱いんですねえ。じゃあ、こうしたらどうですかねえ……。くっくっ」 「んっ!? んむぅうううぅっ!!」  必死の形相で首を横に振る魅音を見ながら、私はロウソクを魅音の胸の上へと……ゆっくりと移動していく。  ロウソクの先でじわじわと大きくなる滴を私は愉悦の視線で……そして魅音は怯えた視線で見詰める。  ポタリ 「んむううううぅぅぅぅ~~~~っ!?」  固く勃起し、敏感になった乳首に滴が落ちた途端、魅音は背中をのけぞらせた。  ポタポタと熱いロウが魅音の胸に落ちるたび、魅音が身悶えする。  あははは、こりゃあ面白いや☆ 「よしよし、胸でこれなら……あっちの方はどうかなあ?」  そう言って、私はにたりとした笑みを魅音に見せつける。  魅音はロウが落ちたわけでもないのに、びくりと震えた。 「んむぅっ! んむんむうぅ、むううぅぅっ!!」  暴れる魅音をよそに、私はロウソクを魅音の秘部へと持っていく。  固く閉じた蕾がどんな刺激を魅音に与えるのか、想像しただけで楽しい。 「止めて欲しい?」  戯れにそう聞いてみた途端、魅音は何度も頷いてくる。 「そう。止めて欲しいんだ。……そうだよね。全裸にされてその上ロウソクをあちこちに垂らされるのって、恥ずかしいし熱くて嫌だよねえ」  私の台詞を慈悲だと思ったのか、媚びた視線を魅音が私に向ける。  それに対して、私はもう一度優しく微笑み返す。 「でも駄目」 「んん~~~~~~~っ!!」  私は微笑んだまま魅音の秘部にロウを垂らす。  再び絶望の色に瞳が染まる様が、また愉しくて仕方ない。 「あはははははははは。あの園崎魅音が……園崎家次期頭首様ともあろうお人が、全裸でロウソクを垂らされて悶えて……くっくっくっ。ざまあありませんね。この前見せた姿はどこに行ってしまったんです? あはははははっ!!」 「んん~~っ!! んむうううぅぅ~~っ!!」  そう、ここにいるのはただの玩具。この私、園崎詩音という鬼の生け贄。 「でもお姉? まさかこのまま終わるなんて思っちゃいないですよね? どうせこんなのは過ぎてしまえば何の傷もあんたに残さないんだから」  そうだ。こんなもので済ますつもりはない。  私が受けた屈辱、恥辱……あのときに失ったものはこんなものじゃない。  私はその場から立ち上がり、鼻歌を歌いながら台所へと向かった。  シンクの下の扉を開け、そこから油を……。そして冷蔵庫からキュウリを取り出す。  あはは。魅音……あんたの純潔はこんなもので無くしてしまうのさ。  油とキュウリを手にして、私は魅音の元へと戻る。  油を手に垂らし、そして魅音の秘部に塗りたくっていく。 「んんっ! ふうっ……んっ……むううぅっ!」  あのとき私が魅音にされたように、私もまた魅音の秘部を愛撫していく。秘唇を中指と人差し指でなぞり、そして秘芯を転がして弄ぶ。 「あははは。何? お姉……感じてるんだ。全裸にされて両手両足を拘束されてロウソク垂らされた挙げ句、こんな風にされて感じてしまうんですねお姉は。あはは……園崎家時期頭首様はとんだ変態女ですねえ。こんな姿、他の人が見たら何て思う事やら」 「ん~~~~っ! んんむぅ~~~~っ!」 「言い訳なんてしても無駄ですよ。ぱっくりと恥ずかしい部分を開いて……しかもその上クリトリスをこんなにも大きくして、感じてないなんて言ったところで説得力ないです」  そう言いながら、私はぬちゃぬちゃと淫靡な水音を魅音に聞かせる。私の手の中で魅音の秘部は熱く高ぶっていた。 「じゃあ……もうこれで準備は良さそうですね。お姉」  私は持ってきたキュウリに舌を這わせ、唾液をまとわりつかせていく。  そして、それを魅音に見せつける。 「ふふ……お姉? 今からこれがお姉の中に入るんですよ? 気分はどうですか? こんなものがお姉の初めての相手なんですよ。これでお姉の純潔が失われるわけです。うふふふふ……」 「ん~~っ! ん~~~~~~っ!」  それは嫌だと魅音が喚き立てる。  ああ、実にいい気分だ。  この背徳感……堪らない。背筋がぞくぞくして、思わずこっちまでイってしまいそうなくらいだ。  私は興奮に浸りながら、魅音の入り口にキュウリをあてがう。 「ん~~~~~~~~~~~~っ!!」  そして、魅音の悲鳴を聞きながら、一気にキュウリを魅音の膣内へと挿入した。  魅音は背中を大きく仰け反らせ、そしてぽろぽろと涙を流した。いい……実にいい。その顔をもっと見せろ。もっともっと苦痛と絶望に歪ませるがいい。  遠慮なんかするものか、このまま奧まで犯して、子宮が壊れるくらいに突きまくってやるよ。 「んんっ! んっ……んんっ……んっ……」  キュウリを出し入れする度、魅音の口から喘ぎ声が漏れる。くっくっくっ……さあ、いつまで耐えられる? これから先、嫌って言うほどイかせてやるよ。あははははははは。 “……あれ?”  激しく魅音を犯しながら、妙な違和感に私は眉根を寄せる。  何かがおかしい。  魅音は初めてのはずだ。初めてのはずなのに……。 「んっ……んむぅっ! んん~~っ!!」  どうして、全然……破瓜の血が流れないんだ? それは、ときには激しい運動とかで処女膜が破れることがあるということくらいは私だって知っているけど……。  けれど、これはそうじゃない。  予感めいた何かが頭をよぎって、私は魅音の口から猿ぐつわを外した。 「はぁっ……あっ……くっ……んっ」  荒く熱い……そして甘いものが混じった吐息が魅音の口から漏れる。 「…………どういうことですか? お姉……まさか、初めてじゃない何てこと……あります?」  でもそんなはずはない。だって魅音が誰かと付き合っていたとか、そういうことをしていたとか……そんな話は聞いたことがない。  でもそれならどうして?  涙を流しながら、魅音が私を見詰め返す。 「……詩音だけが……あんな風にケジメを取らされるなんて……ひっく……あんまり……なんだもの。……だから……私も……あのときの人達に頼んで……」 “……え?”  魅音の嗚咽を聞きながら、私は意識が遠くなるのを自覚した。 「あの人達だってね。……ひっく……詩音のことをただの慰み者にしようとかは……思ってなかった。なるべくなら……っく……詩音に負担が掛からないように……すぐに終わるようにって、気を遣ってた。命令だから仕方なく……って……ひっく……」  ちょっと待てちょっと待てちょっと待て……。それじゃあ何? それじゃあ、私が魅音にしたことって結局……何なの?  ついさっきまで感じていた興奮なんて、どこかに消し飛んでいた。魅音の涙から目を離すことが出来ない。 「詩音がね、悟史の好きだって分かって……私、詩音と悟史に幸せになって欲しかったんだよ。……っく……えっく……だって……いつも詩音ばっかり……可愛そうで、私達は同じ双子なのに……何でいつも詩音ばっかり……こんな……こんな……」  嗚咽混じりの魅音の言葉が、私の頭の中で何度も繰り返される。  私が悟史君を好きになったように、魅音だって悟史君を好きだったとしても何の不思議も無い。……私達は同じものを好み、そして愛すのだから。それを……それなのに、この馬鹿は私にくだらない義理立てをして……自ら……。本当に馬鹿。  この馬鹿は人を騙すために涙を流すことなんて出来ない。  そんな涙だから、私の中に宿った乱暴な感情……復讐心だとか嫉妬だとか……そんなものが、まるで水に溶けるように消えていく。  私の目からも…………涙が溢れた。  自分が情けなくて……魅音にあまりにも申し訳なくて……。こんなことしても、何にもならないって分かっていたはずなのに……。 「ごめん。……魅音。本当に……ごめん。私……私……」  涙で視界がにじんで、魅音の顔がよく見えない。私の顔がくしゃくしゃに歪む。  泣きながら私は魅音の秘部からキュウリを抜き、そして拘束を解いた。 「ううん。……だって私は……それでも私の意志だったけど。でも詩音は本当に……無理矢理……だから、もっともっと、辛かったんだよね。……っく」  そして私達は泣きながら互いを抱きしめ合う。今までため込んでいたものを涙と一緒に洗い流していく。  腕の中から伝わってくる魅音の温もりが、今となっては愛おしかった。  そしてそれは魅音も同様なのか、ぎゅうっと私の体を抱きしめてくる。  男女の愛じゃない。けれど、愛おしい相手の体温を感じる幸福感が私を包む。  ああ、好きな相手と肌を重ねるってこういう感じなのか……。我ながら場違いだと思いながら、ふとそんなことを考える。いや……考えてしまう。  だって私達はまだ、愛し合う形でそういうことをしたことは無いから。初めてがそんなのじゃなかったから……。  小さく、心臓が震える。 「……ねえ……魅音」 「うん……詩音」  一旦上半身を離し、視線を交錯させる。  それだけで私達に言葉はいらなかった。だって、私達は同じだから。  ゆっくりと顔を近づけ、目を閉じる。  そして……魅音と唇を重ねた。柔らかくて優しい感触が伝わってくる。  すぐ目の前から伝わってくる魅音の吐息。魅音の存在がこれ以上なく近くに感じられる。 『……んっ』  私たちは同時に唇を離した。  私はその場に座りながら、無言で上着を脱いでいく。  薄い布地を床に置き、ブラを外す。  そして……魅音が私に覆い被さってきた。  魅音の柔らかい温もりが私の上半身に絡み合い、そして細い指が私の肌を優しく愛撫する。くすぐったいような……それでいてどこかほっとするような不思議な感じ。 「あっ……ん」  魅音が私の左胸に口を寄せる。  乳首を舌で転がし、ちゅうちゅうと吸い付く。  その刺激に、私の乳首は堅く尖っていく。  私の胸を吸う魅音の頭に、私は腕を回す。何だか、魅音が赤ちゃんみたいに思えて可愛かった。  私はそのまま魅音の頭を撫でていく。魅音の柔らかくて滑らかな髪が、愛おしい。 「ふぁっ……あっ……ん……」  ぬらりとした魅音の舌。そしてむっちりとした唇。肉感的な刺激が気持ちよくて、私は自然と声を漏らしてしまう。  もっとして欲しい……と、私は魅音を抱きかかえる腕に力を込めた。  魅音の左手が私の上半身を撫でて、そして下半身へと移動していく。私のスカートをまくり上げていって、その中へと入り込んでくる。 「んんっ……ふぁっ……あっ」  下着の中にまで入り込んできた魅音の指が、私の敏感な部分を刺激する。熱を帯びた私の秘部は、既にとろとろに潤っていた。 「あっ……ああっ……んんっ」  魅音の指が細やかに蠢くたび、私は甘い喘ぎ声を漏らし、ぞくりとした快感に浸る。  でも……魅音はどうなんだろう?  薄ぼんやりとした頭でそんなことを考える。  私は左脚の膝を立てて、魅音の秘部へとあてがった。  その途端、一瞬びくりと魅音の体が震えた。  私の太股から生暖かく粘っこい感触が伝わってくる。どうやら魅音も感じていたらしい。露出した秘部を私の太股にこすりつけてくる。  花開いた魅音の秘部が、私の脚の上で切なく踊る。まるで花を握り潰そうとでもいうように、強く押しつけられる。 「…………んっ」  私は魅音の頭を私の胸から離させた。  理由は簡単。魅音をもっと近くに感じたかったから……魅音をこれ以上我慢させたくなかったから。  私は上半身を起こし、右脚も曲げ、捲り上がったスカートの中から、びしょびしょに濡れた下着を脱いでいった。 「魅音……来て」 「……うん」  私達は互いに互いの太股を交差させ、秘部を密着させた。  「下の口はそうは言ってないみたいだなあ」なんて馬鹿でステレオタイプな台詞があったりするけど、私達はそれこそ秘部でキスをするかのように互いを求め合う。  何度も秘唇を重ね合わせ、秘芯を擦り寄せ、蜜を絡めていく。  果てを知ることなく性感が高まっていく。自分が溶けていくようで、それでいて満たされていくような不思議な錯覚。  もう、この行為を止めることは出来なかった。ブレーキの壊れた機関車のように、どこまでも突き進んでいく。  魅音の悦びを感じる。詩音の悦びを伝える。 『はぁっ……あぁっん……んんっ……くぅん』  熱い喘ぎ声が重なる。  体が……心が重なる。  そう……今このとき、私は魅音でありそして詩音だった。  涙が流れる。  それはようやく一つに戻れたという嬉しさであり、そしてこんな形でなければ戻れなかったという切なさの涙だった。 『ああぁっ。……はぁっ……あぁんっ……んんっ……んああああっ……はぁっ……』  互いの嬌声がどんどん高くなる。  体が熱くて堪らない。  全身が悦びに包まれる。  一瞬……ふわりとした感覚に我を失って……。 『あっ……ふぁああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっん!!』  私達は……ううん、「私」は果てた。  一つになったまま、まどろみへと落ちていく。  今のこの気持ちを絶対に忘れないと誓いながら。  魅音とか……詩音とか、悟史君……鬼……人間。そんなものすべてを抱きしめたまま……。来年の綿流しの頃、自分がどうなっているかなんてまるで知らないまま……。 ―END― &counter()
 笑顔の仮面をかぶって、私は魅音を部屋に招いた。  魅音は脳天気に、私のことをまるで疑いもせずに部屋にあがってくる。 「落ち着いた雰囲気の部屋だね」  そう言って微笑む魅音の表情が、私の手によってこれからどんな風に崩れていくのか今から楽しみで仕方ない。  魅音をテーブルに着くように促す。 「学校はどう?」 「新しいガッコはやっぱりつまらないです。一応通ってはいますけど、気分が乗らないときはサボらせてもらっています。全寮制だとなかなかそうはいかないですからね」 「あはははは。やっぱり聖ルチは辛かったか」 「ちぇー、お姉も一度閉じこめられてみろってんです」 「あはは、ごめんごめん。ケーキ買ってきたからさ。一緒に食べよ?」  魅音が持ってきた箱を開けると、チーズケーキが2つ入っていた。  私達はそれを食べながら、しばしの間たわいもない話を交わした。学校のこととか、そんなことを色々と。  でも楽しげに話を合わせながらも、そんなもの今の私にとってはどうでもよかった。  考えてみればこんな感じで魅音と話すのは久しぶりだ。けれど、やはりもう私達は……戻れない。 「ああ、そうそう。私、この前ちょっと面白いもの手に入れたんですよ」 「へぇー? 何々? どんなもの?」 「ええ、今持ってきますね」  和んだ頃合いを見計らって、私はテーブルから離れ、居間のタンスへと向かっていく。  引き出しを開けて、目的の得物を取り出す。  以前、不良に絡まれたときに葛西に頼んで調達したスタンガンだ。その固い手触りに、にんまりとした笑みがこぼれる。  あくまでも魅音には見えないように……表向きはただ勿体ぶるように、私は背中に隠した形で魅音の元へと戻っていく。  にこにこと笑顔を浮かべる魅音へ、一歩一歩近付いていく度に、私の中のどす黒いものがにじみ出てくる。早くこの感情を解放しろ、ぶちまけろと私を急き立てる。  あは……あははは……あはあははは……もうダメだ。もう我慢出来ないや。くっくっ……くっくっくっくっ……。  込み上げてくる笑いを押さえきれず、私の口元が歪む。  けれど、それを見てもまだ魅音は私が上機嫌で笑っているのだと、無防備に気を許している。本当に馬鹿な奴だ。つくづく救いようがない。  私は魅音の隣にまで近付いた。 「ねえ詩音。面白いものってどんなの? 早く見せてよ」  瞳を輝かせてそんなことを言ってくる魅音。  そして、そこで私は笑顔を消した。  冷淡な視線で魅音を見下ろす。 「……え? 詩音……?」  それはほんの数秒の出来事だったけれど、魅音の表情を凍り付かせるのには十分だった。そう、そんな感じに……束の間に手に入れた希望を失ったときの表情を見たかった。 「ええ。今、見せてあげますよっ!!」  私は最大出力に設定したスタンガンを魅音に押しつける。ろくに悲鳴を言う事も出来ず、魅音は気を失った。 ----  居間へと魅音を引きずってから、私は手早く服を脱がした。  身に着けていたものすべてを剥ぎ取り、猿ぐつわも噛ませておく。そして、万歳させた格好で両手をガムテープで傘に括り付け、そして両足も同様に大股開きの格好で箒にガムテープで括り付ける。  よし、これで準備完了。  さて、これからどうやっていたぶろうか?  屈辱的でインパクトが強く、それでしかも体にはダメージが少なくて済む方法。そもそも、陵辱なんてものがそんな類をまとめたものだけど……。  魅音の白い裸体を見下ろしながら、私はしばし黙考する。たわわに実り、整った双丘にくびれた腰。バランスよく肉が付いたその体は、双子の私が見ても男なら放ってはおかないだろうと感じた。 (……なんだ、あるじゃない。典型的なのが)  唇を歪め、私は非常時用に用意していたロウソクとライターを持ってくる。場合によってはクリスマスとかにも使えるかもしれない、カラフルなロウソク。  魅音の右隣に座り、ロウソクに火を点けて腹の上に掲げる。  ロウは瞬く間に溶け、ロウソクを伝って流れた。  そして……最初の一滴が魅音の腹に落ちる。  途端、魅音の体がびくりと蠢く。目を瞑ったまま、悶えた表情を浮かべ小さく呻く。  ぽた ぽた ぽた……と続いてロウが魅音の腹に落ちる。 「…………っ!? ……んん~っ!!」  魅音が目を覚まし、体をよじらせた。自分が全裸であるということに気付き、顔を赤くする。 「あは。……起きた?」 「んん~っ!? んっ、ん~っ!」  けれど、魅音には首を振って悶えることしか出来ない。あはは、いい気味だ。  一滴、一滴ロウが魅音の腹に垂れるたび、体をくねらせる。 「んんん~~っ! んん~~っ!」  必死に魅音が抗議の呻き声を上げるが、私にはむしろそれが心地いい。 「くっくっくっ。どうやらお腹はやめて欲しいみたいだねえ。それじゃあお姉はどこがいいのかなあ?」  優しく魅音に訊いてみる。勿論、魅音に答えられるはずがないし、仮に答えられたとしても私に応じるつもりは無いけれど。 「んんっ! んぐんんんんぐっ、んぐぅううううぅっ!」  私は空いた左手を魅音の右乳房に置く。むっちりとした弾力と滑らかな肌触り、そして温もりが私の手のひらから十二分に存在感を訴えてくる。  私は魅音の乳房を自分好みの力加減で撫で回し、揉みしだき、そしてときには乳首を摘んで愛撫する。 「んんっ!? んっ……んふぅ~~っ!」  私の手のひらで魅音の乳首がはしたなく勃起する。  こりこりとした感触が実に嗜虐心をそそる。 「へぇ~、お姉は胸も弱いんですねえ。じゃあ、こうしたらどうですかねえ……。くっくっ」 「んっ!? んむぅうううぅっ!!」  必死の形相で首を横に振る魅音を見ながら、私はロウソクを魅音の胸の上へと……ゆっくりと移動していく。  ロウソクの先でじわじわと大きくなる滴を私は愉悦の視線で……そして魅音は怯えた視線で見詰める。  ポタリ 「んむううううぅぅぅぅ~~~~っ!?」  固く勃起し、敏感になった乳首に滴が落ちた途端、魅音は背中をのけぞらせた。  ポタポタと熱いロウが魅音の胸に落ちるたび、魅音が身悶えする。  あははは、こりゃあ面白いや☆ 「よしよし、胸でこれなら……あっちの方はどうかなあ?」  そう言って、私はにたりとした笑みを魅音に見せつける。  魅音はロウが落ちたわけでもないのに、びくりと震えた。 「んむぅっ! んむんむうぅ、むううぅぅっ!!」  暴れる魅音をよそに、私はロウソクを魅音の秘部へと持っていく。  固く閉じた蕾がどんな刺激を魅音に与えるのか、想像しただけで楽しい。 「止めて欲しい?」  戯れにそう聞いてみた途端、魅音は何度も頷いてくる。 「そう。止めて欲しいんだ。……そうだよね。全裸にされてその上ロウソクをあちこちに垂らされるのって、恥ずかしいし熱くて嫌だよねえ」  私の台詞を慈悲だと思ったのか、媚びた視線を魅音が私に向ける。  それに対して、私はもう一度優しく微笑み返す。 「でも駄目」 「んん~~~~~~~っ!!」  私は微笑んだまま魅音の秘部にロウを垂らす。  再び絶望の色に瞳が染まる様が、また愉しくて仕方ない。 「あはははははははは。あの園崎魅音が……園崎家次期頭首様ともあろうお人が、全裸でロウソクを垂らされて悶えて……くっくっくっ。ざまあありませんね。この前見せた姿はどこに行ってしまったんです? あはははははっ!!」 「んん~~っ!! んむうううぅぅ~~っ!!」  そう、ここにいるのはただの玩具。この私、園崎詩音という鬼の生け贄。 「でもお姉? まさかこのまま終わるなんて思っちゃいないですよね? どうせこんなのは過ぎてしまえば何の傷もあんたに残さないんだから」  そうだ。こんなもので済ますつもりはない。  私が受けた屈辱、恥辱……あのときに失ったものはこんなものじゃない。 「んんっ! ふうっ……んっ……むううぅっ!」  あのとき私が魅音にされたように、私もまた魅音の秘部を愛撫していく。秘唇を中指と人差し指でなぞり、そして秘芯を転がして弄ぶ。 「あははは。何? お姉……感じてるんだ。全裸にされて両手両足を拘束されてロウソク垂らされた挙げ句、こんな風にされて感じてしまうんですねお姉は。あはは……園崎家時期頭首様はとんだ変態女ですねえ。こんな姿、他の人が見たら何て思う事やら」 「ん~~~~っ! んんむぅ~~~~っ!」 「言い訳なんてしても無駄ですよ。ぱっくりと恥ずかしい部分を開いて……しかもその上クリトリスをこんなにも大きくして、感じてないなんて言ったところで説得力ないです」  そう言いながら、私はぬちゃぬちゃと淫靡な水音を魅音に聞かせる。私の手の中で魅音の秘部は熱く高ぶっていた。 「じゃあ……もうこれで準備は良さそうですね。お姉」  私はロウソクに舌を這わせ、唾液をまとわりつかせていく。  そして、それを魅音に見せつける。 「ふふ……お姉? 今からこれがお姉の中に入るんですよ? 気分はどうですか? こんなものがお姉の初めての相手なんですよ。これでお姉の純潔が失われるわけです。うふふふふ……」 「ん~~っ! ん~~~~~~っ!」  それは嫌だと魅音が喚き立てる。  ああ、実にいい気分だ。  この背徳感……堪らない。背筋がぞくぞくして、思わずこっちまでイってしまいそうなくらいだ。  私は興奮に浸りながら、魅音の入り口にロウソクをあてがう。 「ん~~~~~~~~~~~~っ!!」  そして、魅音の悲鳴を聞きながら、一気にロウソクを魅音の膣内へと挿入した。  魅音は背中を大きく仰け反らせ、そしてぽろぽろと涙を流した。いい……実にいい。その顔をもっと見せろ。もっともっと苦痛と絶望に歪ませるがいい。  遠慮なんかするものか、このまま奧まで犯して、子宮が壊れるくらいに突きまくってやるよ。 「んんっ! んっ……んんっ……んっ……」  ロウソクを出し入れする度、魅音の口から喘ぎ声が漏れる。くっくっくっ……さあ、いつまで耐えられる? これから先、嫌って言うほどイかせてやるよ。あははははははは。 “……あれ?”  激しく魅音を犯しながら、妙な違和感に私は眉根を寄せる。  何かがおかしい。  魅音は初めてのはずだ。初めてのはずなのに……。 「んっ……んむぅっ! んん~~っ!!」  どうして、全然……破瓜の血が流れないんだ? それは、ときには激しい運動とかで処女膜が破れることがあるということくらいは私だって知っているけど……。  けれど、これはそうじゃない。  予感めいた何かが頭をよぎって、私は魅音の口から猿ぐつわを外した。 「はぁっ……あっ……くっ……んっ」  荒く熱い……そして甘いものが混じった吐息が魅音の口から漏れる。 「…………どういうことですか? お姉……まさか、初めてじゃない何てこと……あります?」  でもそんなはずはない。だって魅音が誰かと付き合っていたとか、そういうことをしていたとか……そんな話は聞いたことがない。  でもそれならどうして?  涙を流しながら、魅音が私を見詰め返す。 「……詩音だけが……あんな風にケジメを取らされるなんて……ひっく……あんまり……なんだもの。……だから……私も……あのときの人達に頼んで……」 “……え?”  魅音の嗚咽を聞きながら、私は意識が遠くなるのを自覚した。 「あの人達だってね。……ひっく……詩音のことをただの慰み者にしようとかは……思ってなかった。なるべくなら……っく……詩音に負担が掛からないように……すぐに終わるようにって、気を遣ってた。命令だから仕方なく……って……ひっく……」  ちょっと待てちょっと待てちょっと待て……。それじゃあ何? それじゃあ、私が魅音にしたことって結局……何なの?  ついさっきまで感じていた興奮なんて、どこかに消し飛んでいた。魅音の涙から目を離すことが出来ない。 「詩音がね、悟史の好きだって分かって……私、詩音と悟史に幸せになって欲しかったんだよ。……っく……えっく……だって……いつも詩音ばっかり……可愛そうで、私達は同じ双子なのに……何でいつも詩音ばっかり……こんな……こんな……」  嗚咽混じりの魅音の言葉が、私の頭の中で何度も繰り返される。  私が悟史君を好きになったように、魅音だって悟史君を好きだったとしても何の不思議も無い。……私達は同じものを好み、そして愛すのだから。それを……それなのに、この馬鹿は私にくだらない義理立てをして……自ら……。本当に馬鹿。  この馬鹿は人を騙すために涙を流すことなんて出来ない。  そんな涙だから、私の中に宿った乱暴な感情……復讐心だとか嫉妬だとか……そんなものが、まるで水に溶けるように消えていく。  私の目からも…………涙が溢れた。  自分が情けなくて……魅音にあまりにも申し訳なくて……。こんなことしても、何にもならないって分かっていたはずなのに……。 「ごめん。……魅音。本当に……ごめん。私……私……」  涙で視界がにじんで、魅音の顔がよく見えない。私の顔がくしゃくしゃに歪む。  泣きながら私は魅音の秘部からロウソクを抜き、そして拘束を解いた。 「ううん。……だって私は……それでも私の意志だったけど。でも詩音は本当に……無理矢理……だから、もっともっと、辛かったんだよね。……っく」  そして私達は泣きながら互いを抱きしめ合う。今までため込んでいたものを涙と一緒に洗い流していく。  腕の中から伝わってくる魅音の温もりが、今となっては愛おしかった。  そしてそれは魅音も同様なのか、ぎゅうっと私の体を抱きしめてくる。  男女の愛じゃない。けれど、愛おしい相手の体温を感じる幸福感が私を包む。  ああ、好きな相手と肌を重ねるってこういう感じなのか……。我ながら場違いだと思いながら、ふとそんなことを考える。いや……考えてしまう。  だって私達はまだ、愛し合う形でそういうことをしたことは無いから。初めてがそんなのじゃなかったから……。  小さく、心臓が震える。 「……ねえ……魅音」 「うん……詩音」  一旦上半身を離し、視線を交錯させる。  それだけで私達に言葉はいらなかった。だって、私達は同じだから。  ゆっくりと顔を近づけ、目を閉じる。  そして……魅音と唇を重ねた。柔らかくて優しい感触が伝わってくる。  すぐ目の前から伝わってくる魅音の吐息。魅音の存在がこれ以上なく近くに感じられる。 『……んっ』  私たちは同時に唇を離した。  私はその場に座りながら、無言で上着を脱いでいく。  薄い布地を床に置き、ブラを外す。  そして……魅音が私に覆い被さってきた。  魅音の柔らかい温もりが私の上半身に絡み合い、そして細い指が私の肌を優しく愛撫する。くすぐったいような……それでいてどこかほっとするような不思議な感じ。 「あっ……ん」  魅音が私の左胸に口を寄せる。  乳首を舌で転がし、ちゅうちゅうと吸い付く。  その刺激に、私の乳首は堅く尖っていく。  私の胸を吸う魅音の頭に、私は腕を回す。何だか、魅音が赤ちゃんみたいに思えて可愛かった。  私はそのまま魅音の頭を撫でていく。魅音の柔らかくて滑らかな髪が、愛おしい。 「ふぁっ……あっ……ん……」  ぬらりとした魅音の舌。そしてむっちりとした唇。肉感的な刺激が気持ちよくて、私は自然と声を漏らしてしまう。  もっとして欲しい……と、私は魅音を抱きかかえる腕に力を込めた。  魅音の左手が私の上半身を撫でて、そして下半身へと移動していく。私のスカートをまくり上げていって、その中へと入り込んでくる。 「んんっ……ふぁっ……あっ」  下着の中にまで入り込んできた魅音の指が、私の敏感な部分を刺激する。熱を帯びた私の秘部は、既にとろとろに潤っていた。 「あっ……ああっ……んんっ」  魅音の指が細やかに蠢くたび、私は甘い喘ぎ声を漏らし、ぞくりとした快感に浸る。  でも……魅音はどうなんだろう?  薄ぼんやりとした頭でそんなことを考える。  私は左脚の膝を立てて、魅音の秘部へとあてがった。  その途端、一瞬びくりと魅音の体が震えた。  私の太股から生暖かく粘っこい感触が伝わってくる。どうやら魅音も感じていたらしい。露出した秘部を私の太股にこすりつけてくる。  花開いた魅音の秘部が、私の脚の上で切なく踊る。まるで花を握り潰そうとでもいうように、強く押しつけられる。 「…………んっ」  私は魅音の頭を私の胸から離させた。  理由は簡単。魅音をもっと近くに感じたかったから……魅音をこれ以上我慢させたくなかったから。  私は上半身を起こし、右脚も曲げ、捲り上がったスカートの中から、びしょびしょに濡れた下着を脱いでいった。 「魅音……来て」 「……うん」  私達は互いに互いの太股を交差させ、秘部を密着させた。  「下の口はそうは言ってないみたいだなあ」なんて馬鹿でステレオタイプな台詞があったりするけど、私達はそれこそ秘部でキスをするかのように互いを求め合う。  何度も秘唇を重ね合わせ、秘芯を擦り寄せ、蜜を絡めていく。  果てを知ることなく性感が高まっていく。自分が溶けていくようで、それでいて満たされていくような不思議な錯覚。  もう、この行為を止めることは出来なかった。ブレーキの壊れた機関車のように、どこまでも突き進んでいく。  魅音の悦びを感じる。詩音の悦びを伝える。 『はぁっ……あぁっん……んんっ……くぅん』  熱い喘ぎ声が重なる。  体が……心が重なる。  そう……今このとき、私は魅音でありそして詩音だった。  涙が流れる。  それはようやく一つに戻れたという嬉しさであり、そしてこんな形でなければ戻れなかったという切なさの涙だった。 『ああぁっ。……はぁっ……あぁんっ……んんっ……んああああっ……はぁっ……』  互いの嬌声がどんどん高くなる。  体が熱くて堪らない。  全身が悦びに包まれる。  一瞬……ふわりとした感覚に我を失って……。 『あっ……ふぁああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっん!!』  私達は……ううん、「私」は果てた。  一つになったまま、まどろみへと落ちていく。  今のこの気持ちを絶対に忘れないと誓いながら。  魅音とか……詩音とか、悟史君……鬼……人間。そんなものすべてを抱きしめたまま……。来年の綿流しの頃、自分がどうなっているかなんてまるで知らないまま……。 ―END― &counter()

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