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或る街の群青 - (2007/12/27 (木) 22:41:53) の最新版との変更点

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「…………いてぇ」 ギシギシとベッドのスプリングが軋む。 あー、こんな事になるならプロレスの話題なんて振らなきゃよかった。 ……そもそも詩音の家に遊びに来たこと自体が間違いだったのかもしれない。 「で、これがバックドロップです。さっきとの違い、分かります?」 知るか、そんなの。 分かるのは俺が痛い思いをしているという事だけだ。 「……俺が悪かった。もうプロレスの投げ技なんてどれも似たようなもんだ、なんて言わないからやめてくれ」 「まぁまぁ、そう言わずに。次です。これがフロントスープレック……きゃっ!?」 詩音は両腕で俺を抱きかかえ、投げようと持ち上げた瞬間に足を滑らせた。 バランスを崩した俺の肘が、詩音の顔面に……入れさせてたまるかッ! とっさに身体を捻り、ギリギリで最悪の事態を回避する。 「……あ……あっぶねぇなぁ!! あんまり調子の乗ってると、こういう事になるから……って」 詩音がぼーっとした表情で俺を見つめている……。 ふたりきりでこういう表情を見せる時、詩音が考えている事はひとつしかない。 いや、まぁ、うん。 俺が押し倒したような体勢ではあるけどさ……。 「……圭ちゃん。やられてばかりじゃつまらないですよね? ……私に寝技、掛けてみますか?」 「いやでも、昼間からそういう事をするのは、ちょっと健全じゃないというか……」 「プロレスごっこをするのに昼も夜もないと思います……」 そう言って俺の首に腕を絡める詩音。 ……プロレスごっこねぇ。 ま、まぁそういう事ならいいかな……? ………………。 いやいやいや、ダメだろ!? ちゃんと付き合っているわけじゃないんだから、ほいほいと誘いに乗るのは良くないって。 「……詩音。やっぱりさ、や……おおぉ!?」 なんて事を考えていたらグルンと体の位置を入れ替えられてしまった。 流れた詩音の髪が俺の鼻をくすぐる……。 ……ん、いつもと匂いが違う……? シャンプーを変えたんだろうか……って、そんな事を考えている場合じゃない! 「圭ちゃんが掛けないなら、私が掛けちゃいますね……」 詩音の唇が迫ってくる……。 って、おいおいおい! 「ちょっと待てッ!! そんなの技でも何でもないだろッ!?」 「そんな事はありません。れっきとした技です。技名は、えーっと……『圭ちゃん大好き』です。圭ちゃん大好きーッ!!」 「ふざけん……んんんーーー!??」 反論する前に口を塞がれてしまう。 鼻歌でも歌うように、ちゅっちゅと俺の唇を味わう詩音。 俺は詩音の肩を掴み引き離そうと試みるが、快楽に支配されつつある身体は思い通りには動いてくれない。 「……ん……だ……から、やめ……んんっ……!」 口を開くと、今度は舌をねじ込まれた。 舌を絡められると身体から余計に力が抜け、頭の中の大切な物をガリガリと削り取られていく。 そして、お互いの唾液が混ざる音に粘り気が出始めた頃には、俺の手は詩音の腰に添えられていた。 ……俺が思うに、キスってのはある種の呪いなのではないだろうか。 口を使い、相手に己の考えを伝播させる呪い。 なんでそう思うのかっていうと……。 詩音にキスされると、俺はいつだってすっかりその気になってしまうからだ……。 ……詩音は俺が抵抗しなくなったことを確認すると、満足そうな表情で口を離す。 そして、糸を引く唾液を拭いもせずに馬乗りになった。 「圭ちゃんって、寝技には強いんですね。全然ギブアップしそうにないです」 「……そりゃ強いさ。誰かさんに鍛えられてるからな……」 「……でも圭ちゃん。強いなら、こんなとこに凶器を隠し持たなくてもいいんじゃないですか?」 「……凶器って……?」 「これです、これ」 詩音は後ろ手で俺の股間をまさぐる。 「……それは凶器じゃない……」 「いーえ、絶対に凶器です」 「だったら確認してみるか……?」 俺はカチャカチャとベルトを外し、ズボンとパンツを一気に膝まで下ろす。 股間には詩音が凶器だと言い張るソレがそそり立っていた……。 詩音は肩越しにソレをまじまじと見つめている。 「やっぱり凶器じゃないですか!」 「これのどこが凶器だっていうんだよ……?」 「だって私、これで突かれて血を流した事があります……」 「あぐぅ!? ……そ、それは……」 「……とっても痛くて……私、泣いちゃいました……」 「で、でも、今日のソレは危険じゃないかもしれないだろ!?」 「……そうですね。それじゃ、危なくないかチェックさせてもらいます」 詩音は俺の股間へ向き直ると、胸の辺りに腰を下ろした。 そのまま身をかがめ、俺の凶器を手に取る。 「やっぱり怪しいですね。ちょっと失礼して、っと……」 詩音は凶器の先端部分をつまみ、側面にくちづけした。 ちゅくちゅくと吸いながら根本までじっくりと確認する。 「……どうだ……? ……ぜ、全然危なくないだろ……?」 「ん~、これだけじゃ分かりませんね。こっちとか怪しいですし」 今度は凶器の裏側を確認するつもりらしい。 指でくい、と凶器を倒し、裏筋を舌先でちろちろと舐める……。 「……どうしたんですか、圭ちゃん。さっきから呼吸が荒いですよ? これを調べられると不都合なことでもあるんですか?」 「……そ、そんなことはねぇよ。す、好きなだけ調べろ……」 「当然です。最初からそのつもりですから」 詩音は凶器を口に含むと、ゆっくりと上下に動きだした……。 「……んん、ん……ふぅ……ん……」 口の中で舌を這わせ、凶器を丹念に調べ上げる。 ……ザラザラした極上の感触のせいで、詩音の頭を押さえつけ腰を突き動かしたい衝動に駆られてしまう。 もちろん、そんな事をするわけにはいかないが。 (……さて。どうしたもんかな、これは) それはそれとして、眼前の状況をどう処理すべきか熟考する。 凶器を調べることに夢中なせいなのだろう。 最初は俺の胸辺りにあった腰が徐々に後退し、今では俺の顔の上にあった。 それで、だ。 普段のロングスカートであればこんな事にはならなかったんだろうが、今日は似たようなミニを穿いている。 ……そのせいでスカートの中が丸見えなのだ。 (……まだキスとフェラチオだけなんだけどな……) 今日はまだ、俺は詩音をまったく愛撫していない。 それなのに詩音はぐしょぐしょに濡れていて、薄い布地越しに秘部をはっきりと確認できた。 いきなり舐めてやろうかとも思ったが……もう少しお遊びに付き合ってやるか。 「……詩音。俺の凶器を調べるのはいいけどさ。お前はどうなんだよ?」 「んん……? ……何のことですか?」 「ここだよ、ここ。こんなに濡れて……かなり怪しいぞ? ここに凶器を隠してるんじゃないか?」 「え……? …………あっ!!」 俺の言っていることに気づき、詩音は赤面する。 いくら知らない仲ではないとはいえ、この距離で濡れていく様を見られれば恥かしいに決まっている。 ……勃起する様子を観察された俺の気持ちを、少しは理解してもらえたのなら嬉しいのだが。 「……い、いつから……見てました……?」 「そうだな。……この染みがほとんど無かったときから、かな?」 「………………ぁ………ぅ………」 「詩音だって俺のを調べてるんだ。俺も調べたっていいよな?」 「……あ、あの……」 「いいよな?」 「……………………はい」 許可が下りたので調査開始だ。 まず怪しいのは、このぷっくりと膨らんだ突起だ。 それを舌先で刺激すると、詩音の口から喘ぎ声が漏れた……。 さらに身をこわばらせ、突起自体も心なしかぷるぷると震えているように見える……。 怪しい、怪しすぎる! ……これは徹底的に調べる必要があるな。 俺は詩音の潔白を信じながら、舌で突起をしつこく弄り続けた……。 「……ん……ぁ……はぁ……。……け……ぇ……ちゃん……。……そ、そんな所を調べたって……何も出てきませんよ……?」 ……それもそうだ。 凶器を隠すとしたら……ここか。 俺は凶器の隠し場所らしき箇所に舌を侵入させようと試みるが、下着が邪魔で上手くいかない。 「……詩音。この布切れが邪魔で奥まで調べられないんだけどな」 「……そ、それなら取っちゃっても構いませんよ。……この凶器、危険じゃないみたいですから、これを使って調べてください……」 詩音は腰を浮かせ下着を脱ぎ捨てると、俺の下腹部に腰を移す。 俺はその間にズボンからコンドームを取り出し、慣れた手つきで身に付ける。 ……こんな物を常備しているのが少し悲しい。 「……どうぞ。思う存分調べちゃってください……」 詩音が腰を下ろすと、凶器との疑いが晴れたソレがつぷつぷと詩音の中に沈んでいく……。 「……ど、どうですか……? ……凶器、見つかりました……?」 「……急かすなよ。これから調べるからさ……」 俺は詩音の中をじっくりと調べ上げる。 見落とすことなど無いよう、角度を変え何度も何度も。 ずりずりと擦り続けていると、詩音の呼吸が荒くなってきた……。 「……どうした、詩音? もうギブアップか?」 「……ギ、ギブアップって……? ……きょ、凶器を調べてたんじゃないんですか!?」 「甘いなッ!! 勝負はとっくに再開されているんだぜ!!?」 俺は繋がったままの詩音を抱え上げ、仰向けに寝かせるとそのまま覆い被さった。 そしてお互いの指を絡め、手をしっかりと繋ぎ、休むことなく詩音を攻め続ける。 「……ぁ……ぐ……や、やっぱりソレ、凶器だったじゃないですか……!」 「危険が無いと判断したお前が悪い! ほれ、さっさとギブアップしちまえッ!!」 「……だ、誰が……んん! ……け、圭ちゃんこそ、もう限界なんじゃないですか……?」 ……詩音の言うとおり、俺の限界もすぐそこまで迫っていた。 とはいえここまで来ると、もう意地だ。 何が何でも先にギブアップさせてやる! 「……あっ……はっ……ぁ……ん……ああ……!」 詩音がイヤイヤするようにかぶりを振る。 これは詩音が絶頂を迎える寸前という合図だ。 ……当然だが、この勝負は俺に分がある。 詩音の弱点なんて知り尽くしているし、そもそも詩音の中を鍛え上げたのは俺なのだから。 「……う……あ…………ああ……ッッ!!!」 詩音は一際甲高い声を上げ、身を反らし……果てた。 ほぼ同時にきゅっきゅっ、と締め付けられた俺自身も達し、詩音の中で脈打つ。 …………俺はお互いの荒々しい呼吸を耳にしながら、激闘を制した余韻に浸っていた……。 「……圭ちゃん……。……この勝負……」 「……ああ。この勝負は……」 「私の勝ちですね」 ……………………は? 「ちょっと待て! お前の方が先にギブアップしただろうがッ!?」 「……何を言ってるんですか? 圭ちゃんが先にギブアップしたじゃないですか!?」 「いーや、お前だ!」 「いーえ、圭ちゃんです!」 お互い譲らず、平行線のまま。 となれば、勝負の行方は当然……。 「…………それなら……もう一回勝負しますか……?」 「……の……望むところだ!! 今度こそ、白黒はっきりさせてやらぁッ!!」 ……とまぁ、当時の俺たちはこんな感じで、じゃれ合っているんだかセックスしているんだかよく分からない事をしていた。 この日は三回の勝負で決着がつかず、後日の再戦を約束してお開きになったと記憶している。 こういうのは曖昧な関係だったからこそ出来たことで、今やれと言われても出来ないだろう。 この後、しばらくして俺と詩音は正式に付き合うことになる。 その際に俺と魅音の間で色々とあったのだが……まぁ、その話はまた別の機会にってことで。 Chapter-1 -[[Hold me tight]] Chapter-2 -[[アンダースタンド1]]
「…………いてぇ」 ギシギシとベッドのスプリングが軋む。 あー、こんな事になるならプロレスの話題なんて振らなきゃよかった。 ……そもそも詩音の家に遊びに来たこと自体が間違いだったのかもしれない。 「で、これがバックドロップです。さっきとの違い、分かります?」 知るか、そんなの。 分かるのは俺が痛い思いをしているという事だけだ。 「……俺が悪かった。もうプロレスの投げ技なんてどれも似たようなもんだ、なんて言わないからやめてくれ」 「まぁまぁ、そう言わずに。次です。これがフロントスープレック……きゃっ!?」 詩音は両腕で俺を抱きかかえ、投げようと持ち上げた瞬間に足を滑らせた。 バランスを崩した俺の肘が、詩音の顔面に……入れさせてたまるかッ! とっさに身体を捻り、ギリギリで最悪の事態を回避する。 「……あ……あっぶねぇなぁ!! あんまり調子の乗ってると、こういう事になるから……って」 詩音がぼーっとした表情で俺を見つめている……。 ふたりきりでこういう表情を見せる時、詩音が考えている事はひとつしかない。 いや、まぁ、うん。 俺が押し倒したような体勢ではあるけどさ……。 「……圭ちゃん。やられてばかりじゃつまらないですよね? ……私に寝技、掛けてみますか?」 「いやでも、昼間からそういう事をするのは、ちょっと健全じゃないというか……」 「プロレスごっこをするのに昼も夜もないと思います……」 そう言って俺の首に腕を絡める詩音。 ……プロレスごっこねぇ。 ま、まぁそういう事ならいいかな……? ………………。 いやいやいや、ダメだろ!? ちゃんと付き合っているわけじゃないんだから、ほいほいと誘いに乗るのは良くないって。 「……詩音。やっぱりさ、や……おおぉ!?」 なんて事を考えていたらグルンと体の位置を入れ替えられてしまった。 流れた詩音の髪が俺の鼻をくすぐる……。 ……ん、いつもと匂いが違う……? シャンプーを変えたんだろうか……って、そんな事を考えている場合じゃない! 「圭ちゃんが掛けないなら、私が掛けちゃいますね……」 詩音の唇が迫ってくる……。 って、おいおいおい! 「ちょっと待てッ!! そんなの技でも何でもないだろッ!?」 「そんな事はありません。れっきとした技です。技名は、えーっと……『圭ちゃん大好き』です。圭ちゃん大好きーッ!!」 「ふざけん……んんんーーー!??」 反論する前に口を塞がれてしまう。 鼻歌でも歌うように、ちゅっちゅと俺の唇を味わう詩音。 俺は詩音の肩を掴み引き離そうと試みるが、快楽に支配されつつある身体は思い通りには動いてくれない。 「……ん……だ……から、やめ……んんっ……!」 口を開くと、今度は舌をねじ込まれた。 舌を絡められると身体から余計に力が抜け、頭の中の大切な物をガリガリと削り取られていく。 そして、お互いの唾液が混ざる音に粘り気が出始めた頃には、俺の手は詩音の腰に添えられていた。 ……俺が思うに、キスってのはある種の呪いなのではないだろうか。 口を使い、相手に己の考えを伝播させる呪い。 なんでそう思うのかっていうと……。 詩音にキスされると、俺はいつだってすっかりその気になってしまうからだ……。 ……詩音は俺が抵抗しなくなったことを確認すると、満足そうな表情で口を離す。 そして、糸を引く唾液を拭いもせずに馬乗りになった。 「圭ちゃんって、寝技には強いんですね。全然ギブアップしそうにないです」 「……そりゃ強いさ。誰かさんに鍛えられてるからな……」 「……でも圭ちゃん。強いなら、こんなとこに凶器を隠し持たなくてもいいんじゃないですか?」 「……凶器って……?」 「これです、これ」 詩音は後ろ手で俺の股間をまさぐる。 「……それは凶器じゃない……」 「いーえ、絶対に凶器です」 「だったら確認してみるか……?」 俺はカチャカチャとベルトを外し、ズボンとパンツを一気に膝まで下ろす。 股間には詩音が凶器だと言い張るソレがそそり立っていた……。 詩音は肩越しにソレをまじまじと見つめている。 「やっぱり凶器じゃないですか!」 「これのどこが凶器だっていうんだよ……?」 「だって私、これで突かれて血を流した事があります……」 「あぐぅ!? ……そ、それは……」 「……とっても痛くて……私、泣いちゃいました……」 「で、でも、今日のソレは危険じゃないかもしれないだろ!?」 「……そうですね。それじゃ、危なくないかチェックさせてもらいます」 詩音は俺の股間へ向き直ると、胸の辺りに腰を下ろした。 そのまま身をかがめ、俺の凶器を手に取る。 「やっぱり怪しいですね。ちょっと失礼して、っと……」 詩音は凶器の先端部分をつまみ、側面にくちづけした。 ちゅくちゅくと吸いながら根本までじっくりと確認する。 「……どうだ……? ……ぜ、全然危なくないだろ……?」 「ん~、これだけじゃ分かりませんね。こっちとか怪しいですし」 今度は凶器の裏側を確認するつもりらしい。 指でくい、と凶器を倒し、裏筋を舌先でちろちろと舐める……。 「……どうしたんですか、圭ちゃん。さっきから呼吸が荒いですよ? これを調べられると不都合なことでもあるんですか?」 「……そ、そんなことはねぇよ。す、好きなだけ調べろ……」 「当然です。最初からそのつもりですから」 詩音は凶器を口に含むと、ゆっくりと上下に動きだした……。 「……んん、ん……ふぅ……ん……」 口の中で舌を這わせ、凶器を丹念に調べ上げる。 ……ザラザラした極上の感触のせいで、詩音の頭を押さえつけ腰を突き動かしたい衝動に駆られてしまう。 もちろん、そんな事をするわけにはいかないが。 (……さて。どうしたもんかな、これは) それはそれとして、眼前の状況をどう処理すべきか熟考する。 凶器を調べることに夢中なせいなのだろう。 最初は俺の胸辺りにあった腰が徐々に後退し、今では俺の顔の上にあった。 それで、だ。 普段のロングスカートであればこんな事にはならなかったんだろうが、今日は似たようなミニを穿いている。 ……そのせいでスカートの中が丸見えなのだ。 (……まだキスとフェラチオだけなんだけどな……) 今日はまだ、俺は詩音をまったく愛撫していない。 それなのに詩音はぐしょぐしょに濡れていて、薄い布地越しに秘部をはっきりと確認できた。 いきなり舐めてやろうかとも思ったが……もう少しお遊びに付き合ってやるか。 「……詩音。俺の凶器を調べるのはいいけどさ。お前はどうなんだよ?」 「んん……? ……何のことですか?」 「ここだよ、ここ。こんなに濡れて……かなり怪しいぞ? ここに凶器を隠してるんじゃないか?」 「え……? …………あっ!!」 俺の言っていることに気づき、詩音は赤面する。 いくら知らない仲ではないとはいえ、この距離で濡れていく様を見られれば恥かしいに決まっている。 ……勃起する様子を観察された俺の気持ちを、少しは理解してもらえたのなら嬉しいのだが。 「……い、いつから……見てました……?」 「そうだな。……この染みがほとんど無かったときから、かな?」 「………………ぁ………ぅ………」 「詩音だって俺のを調べてるんだ。俺も調べたっていいよな?」 「……あ、あの……」 「いいよな?」 「……………………はい」 許可が下りたので調査開始だ。 まず怪しいのは、このぷっくりと膨らんだ突起だ。 それを舌先で刺激すると、詩音の口から喘ぎ声が漏れた……。 さらに身をこわばらせ、突起自体も心なしかぷるぷると震えているように見える……。 怪しい、怪しすぎる! ……これは徹底的に調べる必要があるな。 俺は詩音の潔白を信じながら、舌で突起をしつこく弄り続けた……。 「……ん……ぁ……はぁ……。……け……ぇ……ちゃん……。……そ、そんな所を調べたって……何も出てきませんよ……?」 ……それもそうだ。 凶器を隠すとしたら……ここか。 俺は凶器の隠し場所らしき箇所に舌を侵入させようと試みるが、下着が邪魔で上手くいかない。 「……詩音。この布切れが邪魔で奥まで調べられないんだけどな」 「……そ、それなら取っちゃっても構いませんよ。……この凶器、危険じゃないみたいですから、これを使って調べてください……」 詩音は腰を浮かせ下着を脱ぎ捨てると、俺の下腹部に腰を移す。 俺はその間にズボンからコンドームを取り出し、慣れた手つきで身に付ける。 ……こんな物を常備しているのが少し悲しい。 「……どうぞ。思う存分調べちゃってください……」 詩音が腰を下ろすと、凶器との疑いが晴れたソレがつぷつぷと詩音の中に沈んでいく……。 「……ど、どうですか……? ……凶器、見つかりました……?」 「……急かすなよ。これから調べるからさ……」 俺は詩音の中をじっくりと調べ上げる。 見落とすことなど無いよう、角度を変え何度も何度も。 ずりずりと擦り続けていると、詩音の呼吸が荒くなってきた……。 「……どうした、詩音? もうギブアップか?」 「……ギ、ギブアップって……? ……きょ、凶器を調べてたんじゃないんですか!?」 「甘いなッ!! 勝負はとっくに再開されているんだぜ!!?」 俺は繋がったままの詩音を抱え上げ、仰向けに寝かせるとそのまま覆い被さった。 そしてお互いの指を絡め、手をしっかりと繋ぎ、休むことなく詩音を攻め続ける。 「……ぁ……ぐ……や、やっぱりソレ、凶器だったじゃないですか……!」 「危険が無いと判断したお前が悪い! ほれ、さっさとギブアップしちまえッ!!」 「……だ、誰が……んん! ……け、圭ちゃんこそ、もう限界なんじゃないですか……?」 ……詩音の言うとおり、俺の限界もすぐそこまで迫っていた。 とはいえここまで来ると、もう意地だ。 何が何でも先にギブアップさせてやる! 「……あっ……はっ……ぁ……ん……ああ……!」 詩音がイヤイヤするようにかぶりを振る。 これは詩音が絶頂を迎える寸前という合図だ。 ……当然だが、この勝負は俺に分がある。 詩音の弱点なんて知り尽くしているし、そもそも詩音の中を鍛え上げたのは俺なのだから。 「……う……あ…………ああ……ッッ!!!」 詩音は一際甲高い声を上げ、身を反らし……果てた。 ほぼ同時にきゅっきゅっ、と締め付けられた俺自身も達し、詩音の中で脈打つ。 …………俺はお互いの荒々しい呼吸を耳にしながら、激闘を制した余韻に浸っていた……。 「……圭ちゃん……。……この勝負……」 「……ああ。この勝負は……」 「私の勝ちですね」 ……………………は? 「ちょっと待て! お前の方が先にギブアップしただろうがッ!?」 「……何を言ってるんですか? 圭ちゃんが先にギブアップしたじゃないですか!?」 「いーや、お前だ!」 「いーえ、圭ちゃんです!」 お互い譲らず、平行線のまま。 となれば、勝負の行方は当然……。 「…………それなら……もう一回勝負しますか……?」 「……の……望むところだ!! 今度こそ、白黒はっきりさせてやらぁッ!!」 ……とまぁ、当時の俺たちはこんな感じで、じゃれ合っているんだかセックスしているんだかよく分からない事をしていた。 この日は三回の勝負で決着がつかず、後日の再戦を約束してお開きになったと記憶している。 こういうのは曖昧な関係だったからこそ出来たことで、今やれと言われても出来ないだろう。 この後、しばらくして俺と詩音は正式に付き合うことになる。 その際に俺と魅音の間で色々とあったのだが……まぁ、その話はまた別の機会にってことで。 Chapter-1 -[[Hold me tight]] Chapter-2 -[[アンダースタンド1]]

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