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夢への掛け橋(後編) - (2007/11/12 (月) 11:10:21) のソース

前編
-[[夢への掛け橋(前編)]]

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昭和59年 二月中旬 

「はあ!はあ!」 
私は雪の降る村の中を全速力で走っていた。 
滑ってコケてしまいそうになるが、そこは慣れたものである。 
上手くバランスを取りながら、翔けて行く兎の様に、ある場所へ向かっている。 
今は朝の九時。しかし雪で辺りは薄暗く、走る私の顔に当たる空気は寒さを通り越して痛みへと変わっていたが、そんなの気にならない。 

二か月前の、あの日の『出来事』以来、私達の関係は更に深くなった。 
そうそう。その後も必死に勉強して苦手な数学も合格ラインを越えて、よほど下手を打たない限り、合格間違い無しと言うレベルまで到達した。 
受験勉強を始めた九月の段階では、中堅クラスの高校の合格すら危うく興宮一の底辺校。 
通称「ポン校」への進学以外有り得なかった私が、圭ちゃんや大切な仲間達。暖かく見守ってくれ、挫けそうになった時は叱咤激励してくれた知恵先生、校長先生。 
多くの人のおかげで先週、興宮一の難関校を受験する事が出来た。 
今年は例年に無い高倍率で、私は持てる力の全てを使って試験に臨んだ。 
そして先生達の都合で臨時休校になった今日、朝起きると受験校からの合否の入った封筒が届いていたという訳だ。 
震える手で封筒を開けて三つ折りにされた紙を開いて私は【合格】の文字を見つけ何度も読み返した。 
【補欠合格】でも【不合格】でも無い、正真正銘の【合格】である事を確認した後、急いで服を着替え家を飛び出した。 
この結果を一番初めに伝えたい人がいるからだ。 

もう分かっているよね? 
そう。圭ちゃんに早く伝えたくて私は走っているのだ。 
雪さえ無ければ、もっと速く走れるのに・・・。一分一秒でも時間が惜しい。 
あと少しで着くという所で、道端にある雪ダルマの前にしゃがんで、かぁいいモードになりかけているレナを見つけるが、走るペースを落とさずに圭ちゃんの家へ急ぐ。 
圭ちゃんの家に到着し、焦りを抑えつつチャイムを鳴らす。 

ガチャ。 

「あら魅音ちゃん?おはよう♪今日も寒いわね?」 
圭ちゃんのお母さんがドアを開け、そう言った。 
「おはようございます!あの、小母様、圭ちゃん居ますか?」 
私は元気に挨拶し、圭ちゃんが家に居るか聞いてみた。 
「ごめんなさいね。まだ寝ているの。外は寒かったでしょ?御入りなさいな。お茶でも飲みながら、圭一が起きるまで話でもしない?」 
そう言って私を家の中に招き入れてくれる。「御邪魔します」 
そう言って私は家の中に入り、リビングで紅茶を飲みながら、圭ちゃんのお母さんと話をし始めた。 
「そういえば魅音ちゃん。圭一との中は、どこまで進展したの?」 
「ふえ・・・?あう・・・。そ、その。あ、あははは」 
圭ちゃんのお母さんが、そうニヤニヤしながら聞いてきて、私は顔を真っ赤にして俯きながら口ごもる。 
「ふふふ。可愛いわね☆けど、避妊だけはしっかりさせるのよ?」 
流石は大人だ。私の言動で分かってしまったようだ。 
「あら?もう十時過ぎじゃない?魅音ちゃん、悪いんだけど圭一を起こしてくれないかしら?魅音ちゃんが起こしてくれたら圭一喜ぶと思うわよ?」 
「は、はい!分かりました!」 
私はこの場から逃げ出す様にしてリビングを出て、圭ちゃんの部屋に向かった。 

圭ちゃんの部屋の前に着き、控え目にノックして襖を開けて、小さな声で 
「圭ちゃ~ん。入るよ?」と言って部屋の中に入った。 
カーテンを締めた暗い部屋の中で圭ちゃんは爆睡中だった。 
私はちょっとした悪戯を思い付き、圭ちゃんの布団の中に潜り込んだ。 
仰向けで寝ている圭ちゃんの横に横向きで寝転がり「くっくっく。圭ちゃんが爆睡してるから、いけないんだからね?」 
と小さな声で呟き、私は圭ちゃんの首や胸に鼻を押し付けて匂いを嗅ぐ。鼻孔内に圭ちゃんの香りが広がる。 
頭がボーッとしてきて、私は夢中になって匂いを嗅いでまわる。 
なかなか起きないので次の段階に駒を進める。 
私は圭ちゃんの寝間着のボタンを外し、胸元をはだけさせた後、乳首に舌を這わせた。 
圭ちゃんは乳首が弱い。それこそ女の子の様な声で鳴くので可愛い。 
「ぴちゃぴちゃ。ちゅっ」 
そんな音を立てながら私は舌で刺激を与え、たまに軽く吸ってみたり歯で噛んでみたりする。 
「んっ?・・・あっ!うぅっ!」 
圭ちゃんは寝ぼけているのか、両手で私の頭を抱き締めてきた。 
可愛いなあ~。乳首を愛撫されて感じているのだろう。時折小さな声で喘ぐ。 
私は御褒美に左手を圭ちゃんのパンツの中に潜り込ませ、朝立ちして元気いっぱいのオットセイの頭を手の平で、なでなでしてあげた。 
よしよし♪君は偉いなあ~。君のお父さんは寝坊助だから、君と遊んであげようかな~? 
とか考えてると、圭ちゃんが目を覚ます。 
「んあ~っ??・・・うおっ!?み、魅音っ!?お前何してんだよっ!!てか!いつから居たんだ!」 
「おはよう♪圭ちゃん☆何してるって?ナニしてるんだよ。圭ちゃんがなかなか起きないから、おちん〇んと遊んであげてたんだよ。もう十分位遊んであげてるかなあ~?くっくっく」 
私は自分でも分かる位ニヤニヤしながら話す。 
圭ちゃんのパンツの中から手を出して、手の平を見ると、我慢汁でテカテカしていた。 
「うわ~。圭ちゃんのおちん〇んよっぽど嬉しかったんだねぇ?涎で私の手の平がベタベタだよ~?」 
私は手に付いた我慢汁を綺麗に舐め取った後、この夜這いチックなプレイを今度からレパートリーに入れておこうと脳内メモに書き込んだ。 
すると圭ちゃんは真っ赤な顔で「うっ・・・。ま、まあ、それより朝からどうしたんだ?何かあったのか?」 
「んふふ~☆じゃじゃ~んっ!!なんと!高校から合格通知が届きました!」 
と合格通知をジーンズのポケットから取り出して圭ちゃんの顔の前に突き付ける。 
「おおっ!!やったじゃなぇか!よく頑張ったな!おめでとう!」 
そう言って頭を撫でてくれた。 
合格通知を封筒に入れ枕元に置いた後、私は全身の力を抜いて圭ちゃんからの御褒美を堪能する。 
やがて頭から手を離し、私の耳元に手を添えて口を開く。 
「ところでだ・・・。ウチのお袋は下に居るのか?」 
「うん。居るけど、どうしたの?」 

お腹でも空いたのか?・・・まさか。 
「お前が、あんな事するから治まらねぇ・・・」と私の手を自分の股間に持って行き握らせる。 
「それに・・・。おお~すげぇな?ドロッドロじゃねぇか?」 
素早く私のジーンズのボタンとチャックを片手で器用に外し、微妙にずりさげた後、ショーツの中に手を入れて指を動かして陰部の濡れを確認した。 
「んっ。だ、駄目だよ。下に圭ちゃんのお母さんが居るんだよ?もしかしたら小父様も居るかも知れないし・・・」 
小声で止めるが圭ちゃんは更に激しく手を動かしながら言う。 
「大丈夫。大丈夫。魅音が声を出さなかったら下まで聞こえ無いって・・・」 
そう言って私を抱き上げて自分の上に私を乗せる。 
「今日もアレ持ってるんだろ?」 
「・・・うん」 
私は財布の中から今や愛用の品になった『うす☆うす』を取り出す。なんだかんだ言いながら私はノリノリである。 
「こんだけ濡れてたら大丈夫だろ。魅音、今日は手で着けてくれ」 
私のジーンズを脱がして、自分の寝間着を膝まで下げながら言う。 
「ん・・・」 
私は圭ちゃんの肩に頭を預けて口で包装を開け、指に避妊具を持つと、両手を股間の方へ持って行ってオットセイに装着してあげた。 
「着けたよ・・・」 
私は両手を圭ちゃんの頭の横に置いて言う 
「よし。入れるぞ」 
片手でオットセイを持って、反対の手で私のお尻を上から下に動かして挿入してくる。 
「んうっ・・・」 
ズププ。 私の中にオットセイが入ってきた。 
「ふうっ・・・どうだ気持ち良いか?」 
根本まで挿入されたオットセイで、私の子宮口をノックしながら圭ちゃんは意地悪そうに聞いてくる。 
「・・・分かってるくせに」 
「声出すなよ?魅音、俺の首か肩にでも口を当てておけよ」 
そう言って両手でお尻を掴んで上下に揺さぶりだした。 
「んう!ふっ!ふう!ふう!」 
私は圭ちゃんの首や胸に口で吸い付きながら、声を押し殺す。 
「おい、何かいつもより締めてくるなあ?興奮してるのか?」 
私は図星を突かれ、羞恥心で顔が熱くなる。そんな姿を見て圭ちゃんは乱暴に突き上げ始めた。 
「んっ!んっ!ふうっん!んあっ!!」 
私は絶頂に達したが、圭ちゃんは、まだ大丈夫な様だ。 
私は枕に顔を押し当てて声を抑える。 
「んう~~~っ!?んっんっんっ!!!!んあ~っ!!」 
私は何度も絶頂を迎え気が狂いそうになる。 

パンパンパン!ちゅくちゅく! 
そんな音が布団の中から聞こえてくる。 

「み、魅音。もう無理だ。イクぞ」 
ビュルッ!ビュルッ!ドクドク・・・。 
圭ちゃんの朝一番搾りな精液が大量に避妊具の中に吐き出され、二人とも肩で息をしながら、キスした。 
「んむっ。ちゅく・・・。ん」 

二分程、口の中で舌を絡ませた後オットセイを引き抜こうと、掛布団を撥ね除けて圭ちゃんの上に跨がった状態の所で 
ガラッ!! 
と襖を開ける音がして部屋の中に光が差し込んだ。 
「圭一!!何時まで寝て!る・・・の?」 
圭ちゃんのお母さんが来たのだ。 
そしてニヤッと笑った後、襖をスススと締め。 
「二人とも、すぐに降りて来なさい」 
と言って下階へと戻っていった。 

OK.落ち着け園崎魅音。 
今の状況を把握しろ。襖のある場所から見える今の私達はどんな感じだ? 
圭ちゃんが頭を襖の方に向けて寝ていて、下半身に何も着けて無い私がその上に乗っていて。 
そして周りには脱いだジーンズとショーツがあって、枕の近くに避妊具の包装が開いて落ちている・・・。 
うん。言い逃れは出来ないだろう。 
とりあえず服を着よう。 
女は度胸!だ。 
なるようになるさ。 
「・・・ねえ?圭ちゃん、とりあえず服着て、下に行こうか・・・」 
「・・・そうだな」 
二人で後片付けをして身なりを整えた後、一階のリビングへ降りて行きコーヒーを啜る圭ちゃんのお母さんの前に正座して座る。 
そして圭ちゃんが「母上様、僕達に何か御用でしょうか?」 
と引きつった笑顔でわざとらしく聞く。 
すると「圭一、魅音ちゃん。私は何も言わないわ。恋人同士ですものね、ただ節度を持ちなさい。それに圭一。ちゃんと避妊はしてる?」 
「はい。大丈夫です。」圭ちゃんがそう言うと「なら、良いわ。圭一、魅音ちゃんを大事にしてあげるのよ?」 
とニッコリ笑って私の方を見た。 
「ああ。大丈夫だ母さん分かってるよ」 
「あ、あの小母様。その・・・すいません」 
私は頭を深々と下げた。すると 
「いえ、良いのよ☆魅音ちゃんみたいにシッカリした子なら大歓迎だわ♪そう言えば、さっき聞きそびれたけど高校受験の結果はどうだったの?」 
「あ、はい!なんとか合格しました!」 
「まあ、おめでとう!何か御祝いしなくちゃね♪」 
と言って何処かへ走っていった。 
「「ふう・・・」」 
二人同時に安堵の溜息が出た。 

その後、御祝いだと言って圭ちゃんの家族と四人で興宮でご飯を食べた。 
丁寧にお礼を言って別れた後、私は圭ちゃんと一緒に手を繋いで雪道を歩いていた。家まで送って貰っているところなのだ。 
「いや、しかし焦ったぜ!次からは気をつけよう!」と圭ちゃんが笑いながら言う。 
「・・・だから止めたのに」 
私は顔を真っ赤にして言うが、あの時はノリノリな気分でしていたので、正直そんな事を言う資格は無い。 
「そうだ、魅音。四月からはどうやって学校に通うんだ?自転車だと大変だろ?」 
「あ~。16歳になったら原付の免許取って通学するよ。流石に学校まで一時間以上かかるのはアレだしね」 
「中免の方が良くないか?二人乗りできるし・・・」 
ああ、なるほどね。でもそう言う事なら私は圭ちゃんの後ろに乗りたいよ。 
「ん~。原付で良いよ。私は圭ちゃんが中免を取って欲しいな。それで色々な所に連れて行って欲しいかな?」 
えへへ。と笑いながら言うと圭ちゃんが言った。 
「よっしゃ!じゃあ俺が中免取るぜ!だったらバイトして金溜めておかないとな!」 
フフフ♪頑張れ圭ちゃん。 
「でも、その前に高校受験が待ってるよ?まあ私でも受かる位だから大丈夫だろうけどね」 
「いや分からないぞ?意外と難しくて落ちたりしてな!」 
そんなの嫌だよ。冗談でも、そんな事言わないで・・・。 
圭ちゃんと一緒の学校に行きたくて頑張ったのに離れ離れになるのは嫌だ。 
私は泣いてしまいそうになる。 
そんな私を見て圭ちゃんが笑いながら言う。 
「冗談だよ。泣きそうな顔するなって!それに魅音が俺に勉強教えてくれるんだろ?だったら落ちる訳無いぜ!」 
いつの日か私が話した事を覚えていてくれたんだね。 
私なんか今まで忘れてたのに・・・。じゃあ今から一年間、私も頑張らないといけないね? 
圭ちゃんが私にしてくれた様に、次は私が圭ちゃんを助ける番だ。 
互いに支えあって、どちらかが困った時は手を差し延べられる関係まで行けたらできたら素敵だと思う。 

圭ちゃんと幸せになりたい。 
おはようのキスをしておやすみの抱擁をして抱き合って眠りたい。 
そして・・・いつかは圭ちゃんの子供のお母さんになりたい。 
そして死ぬまで一緒に仲良く暮らしていけたら・・・。 
それが私の夢。 

私は十二月のあの日。 
大好きな恋人に・・・圭ちゃんに何度目かの恋を再びしてしまった。 



<続く>

[[22才の別れ]]

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TIPS『女の戦い』 

「はあはあ・・・」 
私はレナの部屋で力尽きて倒れている。 

「はあはあ・・・」 
レナも同じく床に膝を付いて肩で息をしている。 
二人とも両頬が真っ赤に腫れている。鼻や口からは血が出ていたり。と御世辞にも美しい光景では無い。 

私は圭ちゃんに女にして貰った日から数日を経た、ある平日の放課後レナの家に行った。 
私は圭ちゃんと付き合い始めた。だからレナに・・・いやライバルには説明しておくべきだと思ったので家に行ったのだ。 
スンナリと分かってくれるとは思わなかったが・・・まさか罵倒し合いながらビンタの張り合いをするとは想像すら出来なかった。あの温厚なレナが・・・。 
もちろん私も引く訳にはいかなかった。 
圭ちゃんへの想いを馬鹿にされたくない。 
そして冒頭に戻る訳だ。 

「レナ・・・。あんたの気持ちは痛い程分かる。けど、圭ちゃんへの想いを馬鹿にしないで・・・」 
私は起き上がり、口から出た血を腕で拭き取る。 
「はっ!笑わせないで欲しいかなっ!かなっ!魅ぃちゃんは卑怯だよ!正々堂々勝負しようってレナは言ったのに横から掠め取ったんだよ!」 
口から血の混じったツバをペッと床に吐いて、そうレナが言った。 
私は本音を口に出した。 
「私はレナとこんな事したく無かった!レナに祝福されたかった!」 
「レナだって!魅ぃちゃんとは、こんな事したく無かった!祝福したいよ!でも私は我慢できなくて魅ぃちゃんに酷い事をしてしまったんだよ!」 
レナが泣きながら言う。 
私はレナを抱き締めて「ごめん!レナ!許して!私は目の前の幸せを逃したく無かったんだよ!」泣きながら話す。 
「レナも告白位したかったよね・・・事情はどうあれ私はレナの可能性の芽を摘んじゃったんだ。ごめんなさい」 
「ううん。良いんだよ?だよ?レナもごめん。圭一君と幸せになってね」 
レナも泣きながら私を抱き返す。 

そして二人で夜遅くまで泣き合った。