身体の大半を機械に置換した者達、機械の身体だけを指して義体または全身義体とも称される。
サイボーグと分類される辺り、アンドロイド・ロボットとの明確な定義差は2つ。
1つ目は元となる有機知性体が存在する事、2つ目は元から継承された性格・記憶がある事。
基本的には知類の脳機能を保護する形で甲殻に包み、それを機械の身体に搭載する事によって成る。
当然、極めて高価かつ高リスクな施術であり、多くの人間が自らと共に育った身体の100%を随意運動させられないように、作られた機械の身体を十全に操作するのは難しく才能すら問われる。
しかしながら、生身で居る事が危険・苦痛な者たちにとっては希望を齎す医療技術であり、人間形質を問われながら禁止されないのは、それが故である。
形質対策として政府では身体置換用義体に兵器を組み込む事を規制。脳機能補完の為に感知できる五感を搭載する事を強く推奨し、
緊急性を問われない施術に対しては、健常者に元となる身体の保管、傷病者には最低でも各細胞遺伝子と生殖能力の保管を義務付けている。
この緊急性を悪用した傷害の実行・教唆・脅迫に対しては極めて重い刑罰が下される。
こうした重いハードルを超えて尚、有機体の脆弱性を克服した身体は、極限・危険環境や重労働の現場において高い性能を発揮する。
一人当たりの価値と危険を重く問われる宇宙環境では、フルサイボーグを目指す者は決して少なくない。
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最終更新:2024年09月03日 14:15