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小説や小説 - (2006/08/09 (水) 17:36:09) のソース

少年の朝

ビープ音が頭の中に響き渡る。
少し目を開くと、朝日の日光がカーテンが少し開いた窓から私を照らしていた。
相変わらず寝てる私にとっては鬱陶しい。カーテンをちゃんと閉めておくべきだった。
時計を見ると、朝4:30。
明らかに隠居生活を楽しむ爺さんの起きる時間である。
そしてその爺さんは朝から庭の掃除か盆栽の手入れか読書でもしているのだろう。
まったくご苦労な事だ。
多分私はそんな爺さんではないので二度寝しなければいけないだろう。
しかし、二度寝すると確実に8:30まで寝るだろう。
そうすれば確実に学校に遅刻する事になる。
私は少し考えた後に、起きる方を優先した。

]ベッドから未だぼやけてる視界のぼやけてる景色を頼りにのっそりと芋虫のように降りた。
まだ頭が起きてないらしく、すこしふらついた。
私ももう歳かな?
と頭の中でぼやく。
母が聞いたら「お前は千年生きそうだから、16歳なんてまだ赤子だよ。」
と言われそうだが。
階段をのっそりと、そしてゆっくりと、下りて行く。
私は他人からいつも「年寄りくさい」、と言われる。
言動が爺さんみたく難しい言葉を使うからだろう、昔からそうだ。
小学2年にはすでに発言も大人びていた。
「お前少しは子供らしくしろ。」と、よく大人達に言われたものだ。
その度に「子供だからって子供らしくしている必要は無いでしょう。」と屁理屈をこいていたが。
トイレに入るとトイレットペーパーが無いのに気付き、私は直ぐに補給した。
大便をするワケでは無いのだが。
そして私はトイレを済ませ、食堂へと歩いていく。

勿論、手は洗った。


朝食はいつも各自で作る。とゆうより各自で作るようになっている。
皆起きる時間がバラバラだからだ。
父は会社が近いので8:00に起きれば十分だし、姉は夜通し大手アニメ会社でアニメを制作しているし、母は6:00に起きる。
皆バラバラなのも凄いよな、とまた頭の中でぼやきながらサンドイッチ用10枚切り食パンをオーブンの中に2、3枚つっこむ。
普通ならちゃんと並べるが、今日は面倒なのでそのまま焼いた。
その間にマーガリンとハムと賞味期限が切れそうな牛乳を用意する。
その牛乳をマグカップに注ぎ終えた頃、オーブンから金属を叩いた様な音が鳴り響いた。
私は所々焼けていないサンドイッチ用10枚切り食パンをオーブンから取り出し、適当にマーガリンをぬる。
そしてハムをのっけて、皿に投げ入れる。
流石に一枚皿から飛び出し、ハムもずれていた。
そんなことも気にせず、私はゆっくり。そして確実にトーストを食べ始めた。
途中牛乳を飲みながら2~3枚食べ終わる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
今から何をしよう。
いつもなら制服に着替えて家を出ているのだが、どう考えても早すぎる。
・・・・・・・・何もやる事がない。
私は散歩でもしようかと思ったが、こんな朝にするのは何と無く面倒だった。
とりあえず外に出てみよう、何かあるかもしれない。
パジャマとつっかけをはいた状態で私は外に出た。
今は梅雨で湿気はすごいが、朝だからなのか少し肌寒い。
道路に出てみると、誰も居ない。
代わりに動物の様な物体が一匹、私に向かって唸っていた。
それは、昔見た夢で出てきた物と同じような形をしていた。
昔とは、私が丁度10歳の頃だ。


そこは人気の無い古びた駅で、私しか居ない。
そして手には何故か日本刀が持たれており、反対側のホームには動物の様な魔物が一匹。
その動物の様なものは、私を見ていた。
そして牙の様な物を剥き出しにして、走り出した。
その目標は、・・・・・・私だ。
一直線に私に向かってくる。
私は反射的に日本刀を抜いた。
何所で習ったワケでも無いのに、その物の牙を日本刀で防ぐ事が出来た。
そして思いきり力をいれて、それを牙ごと切った。
今でも覚えている。肉を切る感触、変な色をした血のような液。そして血まみれの私の手。
私は怖くなった。

夢はそこで切れている。
そこで起きてしまったから。
そしてその後も動物の様な物が幾度と無く出た。
そしてその動物の様な物も、それに似ていた。
やはりその動物の様なものも、私を見ていた。
また牙の様な物を剥き出しにして、走り出した。
その目標は、・・・・・・やはり私だ。
一直線に私に向かってくる。
私の手の中で何かが形を作り始めた。
それは、日本刀だった。
形成し終わると、私は反射的にその日本刀を抜いた。
何所で習ったワケでも無いのに、その物の牙を日本刀で防ぐ事が出来た。
そして思いきり力をいれて、それを牙ごと切った。
肉を切る感触、変な色をした血のような液。そして血まみれの私の手。
それが私は怖くなかった。
もう何度も切ってきたから。
この日本刀が何なのかは分からないが、助かっている。
コイツ等に殺されずにすんでいるから。
しかし、死体はそこら中に落ちている。
他人には見えないらしい、皆平気で踏んだりしている。
何も無い所でコケるのは、このせいでもある。
他人に話せば変人扱いされるので、話したりはしない。
そういえば、これとは違う殺られ方でこの前やられているのを見た。
頭に一撃、銃の様な物で撃たれて死んでいた。
他にも首を折られたり、元の姿では無い状態になったりしていた。
車に跳ねられたのだろうか?と、今でも考える事がある。
そして、今も考えていた。
そして家に戻ろうと思った、その時。
耳を劈く鋭い音がした。
家から近い所からしたので、私は走っていった。