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    <title>If... @Wiki</title>
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    <title>積層構造体</title>
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    <description>
      [[Mystery Circle Vol.29&gt;http://nightstalker.blog17.fc2.com/blog-entry-343.html]]提出作品

-起の文：人が変わっていくのは救いであって、自分が変わらない世界なんて、私はごめんこうむりたい。
-挿入文：「あれだけ意見が対立しているんだから、そんなことができるわけがないだろうが」 
-結の文：言葉というのは、きわめて乱暴なものである。

----

　「人が変わっていくのは救いであって、自分が変わらない世界なんて、私はごめんこうむりたい」と、暗い部屋の中で数十時間、密着に等しい距離から呟かれる哲学的セリフに、いよいよ〈それ〉はうんざりし始めていた。もっとも、音楽の主題部のように延々と繰り返されるのではなく、無機質な声に乗る朗読のように持論を展開する。しかし、約二時間で終幕に到達すると前文からリピート再生されるのだ。非周期的な振動だけでも堪えるというのに！
　暗い、暗い部屋の中、〈それ〉は極めて退屈という単語の意味を身近に感じ始めている事を、自身の感覚が弛緩し始めている自覚症状によってようやく気付いた。〈それ〉は相応の年を重ねてはいたが、いよいよ自己主張の大波に拒否反応を覚えるようになったか、と若かりし頃の記憶を重ねて嘆息した。 
　〈それ〉はうんざりとした様相を隠しはしなかったが、水平線の果てしなさを思うような不毛な自己主張を説き続けていた自分を述懐する。時折耳にする「『最近の若者は』という言葉を使い始めたら、退廃的思考に突入したと思え」という教えを思い出し、なぜ私達は一様に主張を繰り返すことを辞さないのだろう、と考えた。体のところどころが擦り切れるほどの年月を重ねていても、一筋縄には解決出来そうにない問いだった。
　そういえば、と〈それ〉は歩んだ道のりを顧みる。生という名の最初の一ページ、一行目、一文字目が記された時、〈それ〉には知の集積という名の役割が与えられた。重ねられる紙の重みともに、〈それ〉に価値という名の肉付けが成されていった。育て親は一人ではなかった。幾人もの教育者が〈それ〉に世界を教示した。
　ふと〈それ〉は、命を分かった双生児達は、今どこにいるのだろう？、と思いを馳せる。朽ち果てていなければよいのだがと無事を祈り、粗末に扱われることも多い命運に於いて    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/62.html">
    <title>PC目次</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/62.html</link>
    <description>
      #contents()

*2008年

*2月の記事
-[[CDBurnerXP&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/15/]]
-[[BurnAware &amp; BwgBurn&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/12/]]    </description>
    <dc:date>2008-02-27T18:14:52+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/61.html">
    <title>音楽目次</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/61.html</link>
    <description>
      *2007年以前の記事
-[[Frank Zappa - Sheik Yerbouti&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/10/]]
-[[横須賀 ジャズ ドリームス 2007&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/9/]]
-[[Missing Persons - Spring Session M&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/8/]]
-[[VOW WOW - Rock Me Forever&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/7/]]
-[[Mekong Delta - Kaleidoscope&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/6/]]
-[[Ken Ishii - Jelly Tones&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/5/]]
-[[カルメン・マキ - ゴールデン☆ベスト 70&#039;s Rock&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/4/]]
-[[EARTHSHAKER - The Best of NEXUS YEARS&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/3/]]
-[[四人囃子 - 一触即発&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/2/]]
-[[Yes - Close to the Edge&gt;http://hamabeth.blog.shinobi.jp/Entry/1/]]    </description>
    <dc:date>2008-02-04T21:18:34+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/60.html">
    <title>小説目次</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/60.html</link>
    <description>
      #contents()

*ショートショート
-[[現想パラドックス]]
-[[こわれもの]]
-[[デジタルに捧げる親愛の証明(メッセージ)]]
-[[推定殺人事件解決記]]
-[[積層構造体]]
-[[沸血のトリップ]]
-[[フラッシュメモリー]]
-[[ブランド志向]]
-[[ブレイン]]
-[[夢に抱かれるヴィーナス]]
-[[ライド]]
-[[Dead or Alive?]]
-[[Mirror～反転する意味-対となる映像～]]
-[[Mystery Circle]]
-[[Virtuoso]]
-[[Wish You Were Here]]

*連載物（そして、その派生物）
**My escape
-[[第1回&gt;My Escape(第1回)]]
-[[第2回&gt;My Escape(第2回)]]
-[[第3回&gt;My Escape(第3回)]]
-[[-夢の過程～考察と検証添え-&gt;My Escape -夢の過程～考察と検証添え-]]
-[[Feel of Dream Logic&gt;My Escape-Feel of Dream Logic]]

**主よ人の望みの喜びよ -Jesus bleibet meine Freude-
-[[第1回&gt;主よ人の望みの喜びよ -Jesus bleibet meine Freude-(第1回)]]
-[[第2回&gt;主よ人の望みの喜びよ -Jesus bleibet meine Freude-(第2回)]]
-[[第3回&gt;主よ人の望みの喜びよ -Jesus bleibet meine Freude-(第3回)]]
-[[第4回&gt;主よ人の望みの喜びよ -Jesus bleibet meine Freude-(第4回)]]
-[[第5回&gt;主よ人の望みの喜びよ -Jesus bleibet meine Freude-(第5回)]]
-[[第6回&gt;主よ人の望みの喜びよ -Jesus bleibet meine Freude-(第6回)]]
-[[第7回&gt;主よ人の望みの喜びよ -Jesus bleibet meine Freude-(第7回)]]
-[[第8回&gt;主よ人の望みの喜びよ -Jesus bleibet meine Freude-(第8回)]]
-[[第9回    </description>
    <dc:date>2008-02-27T18:15:53+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/59.html">
    <title>SideGuitar Story -Out Take-</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/59.html</link>
    <description>
      　高校二年生にして、俺の通産五回目のライブの時が迫っていようとしている。文化祭のステージ上という、パンクのアナーキー精神たっぷりな音楽性にはまるで合致していないが、俺達はライブハウスでのライブ経験がほとんどないので、主な戦場はやはり文化祭ということになる訳だ。基本的にカバーしかやらないし……
　だが、この学園祭ライブにはとんでもない伏兵がいる。それは俺にとって最大の障害であり、また最高に理解不能のギタリストが結成したバンドである訳だ。
　浅山響子(あさやま　きょうこ)というギタリストの存在は、俺にとってカルチャーショックもいいところで、性別も、性格も、音楽スタイルも――とにかく、同じロックをやっている人間とは信じがたいほど趣味趣向が違っていたのだ。
　俺の中のロックの定義といえば『ロックンロールしている』ことで、その中で理想的なものの一つして輝いているのが〈パンク〉という存在だった。三年前の俺を劇的に変えたのは紛れもなくパンクで、今でもそれは変わらない。パンクは素晴らしく俺にフレンドリー――つまり、最低限ギターの扱いを覚えていればパンクロッカーとして成立するということだ――で、暖かく、刺激的に俺を迎えてくれた。
　そうして楽しんでいた俺を大きく惑わせたのが、件の浅山響子というギタリストで、とにかくこいつは先人の教えである『ギター弾きたきゃ三本、弦が扱えればノープロブレム』という基本原則を見事に突き破っていた。その女子は、俺には到底扱えない七弦式のギターを持っていて、またそれらの弦を全て華麗に使いこなすことが出来る。普通、ギターに張られている弦は六本であり、一曲の中でそれらを使い切ることは皆無に等しい俺にとって、その様には激しく動揺した……したはずなんだが、俺はどうも好奇心の方が先行してしまったらしく、浅山にこう切り出した。

「あの、俺、望木(もぎ)って言うんだけどさ……なあ。パンクって嫌い?」
「うん、あんまり好きじゃないね。だって単純だから、聴く分にはノレるけど、弾く分にはつまらないし」

　この瞬間から――少なくとも俺の中では――埋められない溝が出来たような、足元に想像を絶するクレバスが走ったような、そんな気がしたんだ。今思えば、とんでもない高校一年生での出会いだったと思う。
　それでもめげなかった俺は、なにをとち狂ったか、「好きなバンドと    </description>
    <dc:date>2008-02-01T21:35:05+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/58.html">
    <title>SideGuitar Story -Bootleg-</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/58.html</link>
    <description>
      　春か。そう、春だ。さしたる意味など僕にはなくて、けれど重大な出来事があった、一年前の春を回顧する。
　別に春だから意味があるって訳じゃない。たまたま時期が春だった、それだけ。けれど、その出会いは春というシチュエーション――つまり、僕がこの高校に入学して間もない頃の、クラブ活動による新入生獲得合戦の最中(さなか)――であったからに他ならない。
　一年前の僕は、なにも知らないひよっこで、一人じゃまともに立ってられない小鹿のようで、情熱を燃やすことを知らない骸(むくろ)のようで……一切合切をひっくるめて、生きてる価値も実感もない、ただ器(からだ)が勝手に動いて生命活動していただけの、たったそれだけのつまらない日々を365回リピートしていた。
　昇降口前の階段――というか段差――に腰掛ける僕。『個人的国宝』に任命されたヤマハ・SGの入ったケースを抱えて、僕は少々ばかりの待ちぼうけを食らっていた。
「…………先輩、遅いな」
　待ち人来たらず。まあ、それも一興……なのか?　なぜか自問自答してしまう。
　それにしても、手持ち無沙汰の状況でギターのことを思い浮かべると、ケースからギターを引っ張り出して弦をピックで引っ掻きたくなるのはなぜだろう?　残念ながら、昇降口前から電源が取れそうな場所を僕は知らない。フルアコースティックならいざ知らず、僕の愛器はSGなのだ。名前のごとくソリッドギター、つまりボディ内に空洞がない。空洞のないギターをアンプラグドで弾いたところで、物悲しく弦が跳ねるだけで、ちっとも音なんかしやしない。
　それでも、待機時間が一〇分更新されたところでさすがに欲求不満になり、ケースからギターを取り出した。右利き用のギターを扱う癖――僕は左利きなのだ ――はまったく矯正していないが、別に困るようなことは発生していないのでそのままにしている。弾き方などは右利き用のギターに合わせてしまっているので、今更スタイルを変更したらとんでもないことになり、それは悲劇的な結末を迎えると断言出来る。僕のアマチュアギタリスト人生に終止符が打たれる公算大なのだ。
　さて、特に出来ることはないし、ピックをもって仮想練習(デモンストレーション)でもしていようかとピックを軽く弦に触れさせた、直後。
　「あの……ちょっといいですか?」
　顔を上げると、陽光の影に隠れた少女が一人。    </description>
    <dc:date>2008-02-01T21:35:14+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/57.html">
    <title>SideGuitar Story</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/57.html</link>
    <description>
      　わたしは神・・・と呟きかけてそれをやめた。
　なぜかと言えば、それは恥も外聞もないからだ。7弦のギターを抱えて悩む。手持ち無沙汰になってチューニングなんか適当にしてみる。
　再びピックを持つ。爪弾く、鳴らす、そして手を止める。
　延々とループする無限の回廊。時間と胆力――ついでに弦――は有限なのに、必要のないところに潜むアリ地獄の罠。
　アイバニーズの7弦。〈心の師匠〉と敬うスティーヴ・ヴァイのレプリカモデルだ。一年ほど前、バイトで得た資金を全力投下したモデルだ。確かに、入手できた時は嬉しかった。感激だった。
　………まあ、バンドとバイトの両立は、韻を踏んでいる風なのは素晴らしく素敵ではあるが、意外にこたえるコンビネーションではある。
「あれ?　まだいたのか、浅山」
　同じ軽音部で、別のバンドでギターを担当している同学年の男子が音楽室を覗き込んでいる。青のジャージ姿で呆けている浅山を見つけたらしい。
「もう6時だぞ。下校時間」
「そうだったね。うん、そういえば、そうだったね」
　心ここにあらず、といった様子で返す。しばらくして振り向くと、そこに少年の姿はなかった。いつものパターン。ここでも無限地獄だ。
　いつまでもここにいても仕方がないだろう。行くしかないだろう。
　少女はギターと機材の入ったリュックを背負い、学校から飛び出した。

　駅前の広場。
　立地条件のよい場所の学校に通えたものだ、と感謝せずにはいられない。こんな格好の野外ライブ場所があるのだから。爆音じゃなければどうにか………なるかは分からないが、とりあえずこれまでは音沙汰なし、犯罪や騒音被害というものからは無縁のはずだ。
　いつもここに来るたび、逡巡する。今日はなにを弾こうか頭がぐるぐる、意図も理由もなしに360度回転し続ける。
　今日はなにを弾く?　MR.BIG? ディープ・パープル? ヴァン・ヘイレン? インギー? いや、ここはやはりヴァイ?
　選曲が多い訳ではない。むしろ、それを弾けるかどうかの問題だった。
　コピーだけならほぼ完璧だ。しかし、そこに魂を込められたことがほとんどなかった。ただ上手いだけ、自分で納得できない感情の入魂。
　音楽のことをよく知らない人達に、エディ譲りのライトハンド奏法を見せつけてやったら驚くだろうか?しかし、それでは意味がない。    </description>
    <dc:date>2008-02-01T21:01:17+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/56.html">
    <title>主よ人の望みの喜びよ -P.S. a bird of passage-(後編)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/56.html</link>
    <description>
      　傘の柄には、ブルブルとした衝撃が断続的に伝わってくる。
　水溜りを叩き、大きな波紋を広げさせたのは、僕のスニーカーが原因だった。
　一度、墓参りをしたきり、絶対に訪れようとはしなかったこの場所――響子先輩が眠る墓地。それは自己への戒めだったのかもしれない。墓前にて響子先輩との宣誓の祈りを捧げたその日から、一応の目標に到達し、新たに垣間見えるスタートラインを踏みしめるまで、響子先輩とは絶対に会わないと決心していた。会ったが最後、あまりの悲しさに潰されてしまいそうだったから。
　けれど、今なら会える。会って、あの人と話をしよう。
　墓に花を添え、手を合わせて祈る。死の直後の冥福を祈るような種のものではない。響子先輩と気軽に会話するような、重々しく、悲壮に溢れたものではなかった。
「………僕は、プロのアーティストになったよ」
――――うん。
　透明感のある、心に訴えるような声。ただし、そこに僕以外の姿は見えず、雨音しか存在を主張していない。不思議ではあったが、僕は自然にそれを受け入れ、続ける。
「先輩との約束は果たしました。あなたは、僕の上がった舞台で、最高のコンサートを感じましたか？」
――――うん。あれは凄かったよ。音とかも半端じゃないし。
「そりゃあ、そうですよ。僕達が学園祭で使うような機器とは訳違うんだから……まあ、それがプロとして当然なんだろうけど」
――――また、聴かせてくれる？　あんなスケールのコンサート。
「何度でも、いいよ。僕がこの世にいる限り、ギターを弾いてる限りね……あ、あくまでエレキギター限定で。ヴァイオリンとかだと、別路線いっちゃうから」
――――そんな意地悪しないよっ。
「どうかなあ？　響子先輩だし」
――――ひっどーい！　あんた、わたしのことそーゆう目で見てたんだ！
「そのまんまいってみただけなんだけど……ま、いいです。俺は、そういう響子先輩だからこそ、ついていこうと思ったんですからね」
――――…………
「ああ。そういえば、いい忘れたことがあった。最初にいおうと思ってたのになぁ」
――――ん？
「………………ただいま。僕は、あなたのもとに帰ってきましたよ」
――――………うん、お帰り。
「覚えてます？　渡り鳥の話」
――――覚えてるよー。
「僕は、ちゃんと渡り鳥のようになれてましたか？」
    </description>
    <dc:date>2008-02-04T17:58:41+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/55.html">
    <title>主よ人の望みの喜びよ -P.S. a bird of passage-(前編)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/55.html</link>
    <description>
      　過ぎ去りし熱狂の時間は冷却され、体中の神経を通して知覚されるのは、急に降り出してきた雨の寒さだった。冷却された空気は、暖房など全く効いていない車内を容赦なく冬の世界へと誘う。
　が、それにも構わず、僕は最近購入したセルシオを転がしていた。このような高級車に乗れるようになったのも、音楽の世界に身を投じ、そして一応の成功を収めたからだ。実力や社会の時勢が大きく左右するのだから、いつヒットする曲を作れなくなるかも分からない不安定な世界ではあるが、自分はその轍は踏むまいと確信していた。それは、身の回りの誰かが経験したから、という訳ではなく、僕には霞むことのない目標が鎮座しているからだった。迷いのない信念は、歩むべき道を閉ざすことはないと、僕は胸に秘めていた。
　何事にも関心を示さなかった僕が、ここまで堅固な目標を有することになったのは、やはりあの女性の影響なのだろう。　僕の全てを決定づけたあの瞬間、誓いの祈りを交わした刹那。
　僕はあの人との約束を果たすため、進むべき道をひた走った。

「せんぱ～い。なんか、すっごい口実こじつけて、僕を下僕としてこき使ってません？」
「あーら。そんなことはないわよ、小生君。わたしはただ、『か弱い女の子にその荷物は辛過ぎるから、ちょっと荷物持ち頼まれて～』って、懇切丁寧にお願いしただけでしょ?」
「か弱い………三時間ぶっ通しでベースを弾き続けた武勇伝の持ち主が、よくもそう抜け抜けと」
「なんかいった？」
　ぼそぼそっと呟かれた不満に、浅山響子は露骨な握り拳を見せつけて、問うた。
「いいえ。僕はなーんもいってません。あなた様の思うがままに」
　僕が降参の意思表示をすると、響子先輩は満足げに頷き、商店街を歩き出した。両手がほぼ手ぶらである彼女に対し、こちらは諸手が塞がってしまうほどの紙袋の山を提げている。中身は、ほとんどが服である。なぜこれほど、しかも大量に購入するのかが、僕には理解できなかった。
　しかも最悪さに拍車をかけているのは、頭上からさんさんと注ぐ太陽の熱射だった。僕は平凡なユニクロのＴシャツにデニム生地のハーフパンツ、響子先輩はタンクトップの上に極薄の生地でできた半袖を着用し、真っ黒な帽子というスポーティな容姿だが、それでも汗をじっとりとかかざるを得ない。体感温度は…… ヒートアイランド現象を踏まえて三〇℃を    </description>
    <dc:date>2008-02-01T21:34:04+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/54.html">
    <title>主よ人の望みの喜びよ -Jesus bleibet meine Freude-(エピローグ)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki14_rock/pages/54.html</link>
    <description>
      　僕をプロの道に誘ってくれるように導いてくれたのは、僕の両親もそうであったが、先輩の両親からも後押しがあった。亡き娘の言葉を相当気にしていた様子で、できれば先輩の見抜いた才能と、先輩の意向を放り出したくはなかったのだろう。恐らく、通夜の場での僕の意志表明も関係あるのだと思う。
　多分、先輩のことを知っていて、なおかつ僕と関係している人達は、みんな僕のことを「思慮深いいい奴だ」とでも思っているのかもしれない。
　冗談じゃない。僕が思慮深い?　優しい?　いい奴?　本当、勘弁して欲しい。僕ほど自分勝手な奴など、そうそう周囲にいやしない。
　僕はプロとして活動するために、なにもかも切って捨てた。私生活も、友達も、バンドの仲間も、高校生活の終わりと同時に、なんの宣告も理由も言わないまま、行方をくらますように住み慣れた土地を去った。
　一人暮らしとバイトをしながら、僕は音楽学校に通い、できる限りの時間を音楽に捧げた。誰のためでもない、もしかしたら俺のためですらないかもしれない。
　それは全て、独りよがりですらない、僕だけが欲求を満たされる自己満足の上に成り立つ。
　僕は、響子先輩が立っていたかもしれないステージの上に立ちたい。それだけが欲しい。他にはいらない、夢はない。
　しかし、できるならば………ステージ上から見渡す観客席を見せてあげたい。僕の視界を響子先輩に提供して。それぐらいしかできないだろう?　僕が響子先輩にできることなど、今となっては少な過ぎる。
　僕の自己満足なんて、その程度の志でしかない。けれど、これが一生の内の、決して少なくない一部を削ってまで果たしたかった想い。
　音楽学校で知り合ったメンバーでバンドを組み、練習とライブに明け暮れた。僕の役どころはギターヴォーカリスト――最高峰かどうかは、僕にも分からないけれど。
　屋外の会場。夏フェスのステージ。アーティストの入り乱れるイベント。
　とうとう、こんな広い会場に上ることが出来た。音楽学校を卒業して二年。普通に考えれば長い期間を要したのかもしれないが、僕の中に過ぎた時間は、至極短く、見える風景が判別できないほど後方に流れて行くだけの毎日だった。
　まあ、でも、費やしただけの甲斐はあったというものだろう。
　このライブ会場は特殊で、いくつかのステージで同時進行のライブを行う。ちなみに、僕達    </description>
    <dc:date>2008-02-04T17:53:45+09:00</dc:date>
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