支持者の多い順に大別すると、「祐一に会った」「香里に会った」「その他」の意見に分かれる。
【祐一】「人に会いに・・・って、誰に会いに来たんだ?」
少なくとも、こんな場所で待っていないと会えないような人に思い当たる節はなかった。
【少女】「それは秘密です」
口元に指を当てたまま、小さく微笑む。
【祐一】「秘密と言われると、余計気になる」
【少女】「そうですよね」
【祐一】「せめてヒントだけでも」
【少女】「ヒントですか・・・?」
呟きながら、困ったように眉を寄せる。
【少女】「・・・実は、私もその人のことよく知らないんです」
【祐一】「・・・は?」
【少女】「名前も知らないですし、何年のどのクラスかも分からないです」
【祐一】「会ったこともないのか?」
【少女】「いくらなんでも、それはないですよ」
少女の言っている意味はよく分からないが、つまりはやっぱり秘密ということらしい。
【祐一】「まぁ、どうせ俺が知ってる名前じゃないだろうしな&」
【少女】「・・・・・・」
(共通、1月9日)
以上より、普通に考えるなら祐一ということになる。
しかし後述する理由により、この解釈では栞が嘘を吐いたということになってしまう。
姉である美坂香里に会いたかったという説も存在するが、誤読に近い誤りと言えるだろう。
栞が香里と会いたがる理由は十分にある。また、香里と栞は絶交状態にあったのだから、クラスを知らなくてもおかしくはないというのが「栞は香里に会いに来た」とする主な理由だが、それでも姉の名を知らないはずはない。また、栞は入学式には学校に登校している。
付け加えておくと、香里が、栞は次の誕生日まで生きられないと本人に教えたのは「去年のクリスマスの日」(栞シナリオ、1月23)であり、少なくとも比較的最近まで、多少はお互いの交流があったと考えるべきだろう。
多数説に対する有力な反論として、栞は祐一の下の名前と学年を知っている、というものがある。
【祐一】「ほら、あゆのせいで戸惑ってるじゃないか」
【あゆ】「祐一君が変なこと言うからだよっ」
(中略)
【あゆ】「ねぇねぇ、キミって何年生?」
【少女】「えっと・・・1年です」
ということは、俺よりひとつだけ年下になるのか。
その小柄な体からは、もっと下の年齢を想像していた。
【あゆ】「ということは、ボクのひとつ下だね」
【祐一】「えっ! あゆって俺と同じ学年だったのか?」
(共通、1月8日)
以上を根拠とした説であるが、栞が初対面の相手の会話を覚えているのかという疑問が当然浮かぼう。しかし、
【栞】「・・・運命」
栞がぽつりと呟く。
【栞】「確か、あゆさんがそう言っていましたよね」
【祐一】「そうだったか? そこまでは覚えてないけど」
【栞】「私は全部覚えていますよ。その日のこと、全部」
【栞】「私にとって、本当に大切な思い出ですから」
【祐一】「思い出って言うほど昔のことでもないだろ?」
【栞】「祐一さん・・・」
【栞】「思い出に時間は関係ないです」
【栞】「その人にとって、その一瞬がどれだけ大切だったか・・・」
【栞】「どれだけ意味のあることだったのか・・・」
【栞】「それだけだと思います」
【祐一】「・・・そんなに貴重な時間だったか?」
思い返しても、いつものようにあゆをからかっていたという記憶しかない。
【栞】「だって、あの時の祐一さんとあゆさん、面白かったですから」
(栞編、1月19日)
という記述もあり、栞はあの日の会話を全て覚えているということになる。
最終更新:2006年09月18日 04:51