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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/35.html">
    <title>003：さいごの皇帝 (5)</title>
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    <description>
      「どうしてそう思うのよ？」
　マイティナは少し落ち着かない目でシーズを見た。
「あなたが自分で、彼は自殺したと語ったのよ。覚えていないの？」
　そう話す声も、先ほどよりも固くなっていた。ポーガルも脂汗を額に流している。
「あんな推理の内容で、実際に行えるわけがないでしょう。推理はあの騎士団長に適当に納得してもらうためのでっち上げです。人というのは単純で、面倒なものに対して、適当に筋を通した話をされれば、簡単にそれを受け入れるのですよ。
　まず、昨日話した推理の穴をお教えしましょう。
　自殺するには、そのための剣が必要です。しかし、それをどうやって持ってくるのですか？」
　何を馬鹿なことを、とでもいうような顔でマイティナは答える。
「そんなもの、人目を盗んでいくらでも――」
「できるはずがないでしょう？　夜であろうと巡回する騎士がいるはずです。たとえ皇帝であろうとも、巡回ルート、その時間、そのようなものを知れるはずがありません」
「それは、私も同じじゃない！」
「ええ、確かにそうです。ですが、それを知る人がいます。騎士ポーガル、あなたですよ」
　いきなり呼ばれて、ポーガルはびくりと身をすくませた。
「皇帝の寝室の警備は、長く勤め、かつ腕が立たねばなりません。それだけで、あなたが騎士の中で高い地位にいることが知れます。おそらく、あの騎士団長の次でしょうね。そしてもちろん、巡回についてのあらゆる事は熟知しています。
　あなたは夜の巡回時、いつも装備していた剣は自分の部屋に置き、巡回に出ます。そして倉庫に少し急いで倉庫に行き、剣を一本取ります。それを帯剣し、巡回を終えます。
　そして昨日。今度は二本帯剣し、いつものように寝室の警備に回ります。剣が二本あっても、まず誰も気にしません。
　でも、殺すのはあなたじゃありません。侍女長であるマイティナ、あなたです。
　皇帝の食事や部屋の掃除などを行うのは侍女長の役目です。そして、皇后の他に入ることができる、唯一の人物。
　あなたは、いつものように掃除をするために寝室に向かいました。そして、待機しているポーガルから剣を受け、中に入り、皇帝を殺害。そして掃除をして、部屋を出ます。そして、偶然やってきた私達がそれを発見しました。もし誰も来なければ、食事を運んだときに発見するつもりでいたのでしょう？
　    </description>
    <dc:date>2005-12-31T12:40:56+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/34.html">
    <title>第三話　「首領達とバトルを」 (2)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/34.html</link>
    <description>
      　オルニアの所には二人来た。装備は同じようなもので、二人とも短剣を持っている。
　待たずにこちらから一人に接近。反応も待たず、鳩尾に拳を突き入れる。これで、一対一の勝負に持ち込める。気絶した男から離れ、対峙。
　鋭さに光るナイフが突き出される。横に跳んで回避。そして至近距離で短剣を投擲。予想していなかったのだろうが、それでも男はなんとか叩き落した。
　だが、それは隙となる。
　停滞無く再度跳ぶ。右手に新たな短剣を現し、ピタリと男の首に突きつける。
「降参？」
　微笑を浮かべて尋ねると、男は刃で首を切らないように小さく頷いた。確認し、オルニアは短剣を引いた。
　次の瞬間、男の剣がオルニアの剣を打ち上げた。手から抜け、くるくると上空で短剣が回る。男は無防備なオルニアの胸に、容赦なくナイフを立てようと――
　した時には、男の胸を長剣が穿っていた。オルニアの左手がその柄を握っている。
「何もしなければこんなことしなかったのに……」
　少し哀れみの混じる声を吐く。男は既に息絶えていた。しばらくして、降ってきた短剣が長剣に当たり、跳ねた。


　　　　　[[前へ&gt;第三話　「首領達とバトルを」 (1)]]　　　　　[[戻る&gt;航界記]]　　　　　次へ    </description>
    <dc:date>2005-12-31T12:30:59+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/33.html">
    <title>リンク</title>
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      我が友人のＨＰ

闘魂！拳闘会
-http://geocities.yahoo.co.jp/gl/maxkfighter    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/32.html">
    <title>第三話　「首領達とバトルを」 (1)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/32.html</link>
    <description>
      「どうするのよ？」
　オルニアは男達の方を睨みながら、アイドに尋ねる。
「とりあえず、中に入ろう。前も後ろも、となると、ただじゃ済まなさそうだし。まぁ、中でも待ち伏せてる可能性があるけど、そうはいないはずだよ。相手は外で仕留めるつもりだろうし」
　述べられた推論を受け入れ、小屋に入ろうと振り返る。が。
「……参ったね～。いつの間にか完全包囲」
　ずらりと並ぶ男達。扉の前に立つ男が口を開いた。
「何者だ？」
「……名乗るつもりは」
「僕はアイド。アイド＝モレイト。こっちはオルニア＝トッカ」
　勝手に紹介された。アイドを軽く睨みつけておく。
「どうしてここに攻めに来た」
　隠すまでもない。理由など、考え得る限り一つしかない。
「今金欠だから、よ。あなた達を捕まえて、犯罪管理所に突き出せば報酬がもらえるし、あなた達が貯めた金品があれば当分やっていけるし」
「……そうか」
　男は小さく呟いて、手を振り上げた。
　それがどうやら合図だったらしい。他の男が一斉に来る。オルニアは短剣を、アイドは二本の剣を構え――
　男達が上空に吹き飛んだ。かなり高く舞い上がり、引力に逆らえず地面に落下、激突。一気にほとんど戦闘不能の状態になる。
「な、何？」
　オルニアが目を丸くしていると、
「あ、リラー！」
　アイドの叫んだ方に目を向ける。向こうから、漆黒のローブがやってきた。
「大丈夫か？」
　どうやら先ほどのあれはリラーの魔呪だったらしい。オルニアの知識にある中で思いついたのは、おそらく高密度の空気を撃つ中位魔呪“重気拳（エアリアルフィスト）”。ただ、あれほどまでの威力、範囲で行うのは至難の業のはずだ。
　そんなことを考えているオルニアをよそに、アイドは元気いっぱいに答えた。
「うん、大丈夫だよ！」
　一応、オルニアも返しておく。
「助かったわ」
　三人は小屋の方に注意を向ける。まだ数人の男達が、そこに立っていた。今のを目の当たりにして、多少戸惑ってはいるが、隙というほどのものは現れない。訓練はされているようで、先ほど立ち合った男達と比べて武器の構えが堂々としている。
「それじゃ、始めよっか」
　アイドの軽い口調が、戦闘の開始の合図であった。


　　　　　[[前へ&gt;第二話　「山賊狩り」 (5)]]　　　　　[[戻る&gt;航界記]    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/31.html">
    <title>003：さいごの皇帝 (4)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/31.html</link>
    <description>
      　しばらくしてノデが戻ってきた。
「確かに、一つ減っていました。昨日の調査結果と変わっています」
　報告を聞き、シーズはうなずいた。
「ならば、まず間違いないですね。これは、痛みに耐え切れずに彼が自殺したのでしょう」
　解説にノデは少し考え、小さくうなずくと、部屋の外に出ていった。
「さ、私達も行きましょう。皇帝が死んでしまったのでは、もうここに用事はありません」

　その後、シーズはアイドを呼び、少し話した。
　アイドはうなずいて、その場を離れた。

　翌日。
　急遽王城からミルソナ帝国全域に「皇帝の死去、共和政となる」ことが通達された。

　オルニア達四人は、ミルソナ帝国の郊外を歩いている。先導するのはアイド。
「どこに連れて行くの？」
　オルニアは何も聞いていない。だが、他の三人はどうやら知っているらしい。ただ黙々と歩いている。
　やがて、そこに着いた。
「あ、あの人たち……」
　そこにいたのは、侍女長マイティナと騎士ポーガル。二人はとても仲良さそうに話している。
「こんにちは、二人とも」
　シーズが話し掛けた。二人はこちらに顔を向けて、表情を強張らせた。
「……こんにちは、皆さん。どうしてここにいると分かったんですか？」
　ほんの少し震える声を出して、マイティナは訊いてきた。
「昨日からアイドにつかせていました。リラーの魔呪があったので、気付かなかったでしょう？」
　昨日、シーズはアイドを呼び、マイティナを尾行するよう頼んだ。アイドはリラーに“気薄(スパース)”をかけてもらい、マイティナの後をついていった。そして、この場所を知ったのである。
「……それで、何の用です？」
　声に棘の残る声でマイティナは言う。
「予想はついているのでしょう？」
　対してシーズは冷静。試すような目でマイティナを見る。
「……私が、皇帝を殺した……とでも？」
「ええ」
　ぴきりと彼女のこめかみが引きつったのを、オルニアは見逃さなかった。


　　　　　[[前へ&gt;003：さいごの皇帝 (3)]]　　　　　[[戻る&gt;001～020]]　　　　　[[次へ&gt;003：さいごの皇帝 (5)]]    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/30.html">
    <title>003：さいごの皇帝 (3)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/30.html</link>
    <description>
      　四人は広い一室に集められた。会議室だろう。楕円に並べられた机に椅子。オルニア達を含めて、合計八人がこの部屋にいる。
　皇后サルドニア。
　侍女長マイティナ。
　騎士団長ノデ。
　四人を除いた最初の発見者である騎士ポーガル。
　ノデが口を開いた。
「フィルアール様は心臓を鋭い物で一突きされておりました。おそらくは騎士が常備している剣であると思われます。その点で、これは騎士の一人が殺害したものと思われます」
「なら、どうして私が呼ばれたの？」
　不服そうにマイティナが言う。ノデは淡々と述べる。
「あなたには他の侍女に、不審者を見なかったか聞いていただきたいのです。それだけですので、もう出ても構いません」
　マイティナはノデを忌々しげに見てから、会議室を出ていった。
「ねぇ、あの人、騎士団長嫌ってるのかしら」
「ただ単に、あの言い方が嫌なだけだと思いますよ」
　オルニアとシーズがひそひそ話しているのとはよそに、話を進めていく。
「不可解な点は、すでに死ぬことが決まったも同然であったフィルアール様を、なぜ今殺したのか、という点です。先の短い人を殺して得るメリットというのは、かなり少ない。自分の手で殺さないと気が済まないという感情の持ち主か、突発的に殺してしまったか、どちらかだと思われます」
　ここでノデは、その場にいる六人を見渡し、
「ここにいる方々は、その可能性がある人です」
「ちょっと待ちなさい！」
　サルドニアが声を張り上げる。
「ならば、どうして私を呼んだの！？　私が夫を殺すとでも！？」
「あくまでも可能性がある人、です。夫婦間のいざこざによる殺人など、珍しいことではないですから」
　サルドニアは顔を赤くしてノデを睨んでいたが、やがて落ち着きを戻した表情に変わった。
「来客であるあなた方は、第一発見者。あなた方が来るまでに死んでいたかどうか、という証拠は今のところないので、いてもらっていますが、構いませんか？」
「別に構わないわよ」
　オルニアは軽く言った。他の三人はどうせ意見などないだろうし。
「ポーガル、お前が呼ばれたのは一番近かったからだ。言ってしまえば、殺すことのできる人間だ。お前の立ち位置は皇帝の部屋の前。マイティナに頼むまでもなく、お前が見たかどうかで分かることなのだ。不審者がいたかどうかは。どうだ、誰    </description>
    <dc:date>2005-12-23T12:03:14+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/29.html">
    <title>003：さいごの皇帝 (2)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/29.html</link>
    <description>
      　門は開いていた。
「問題ないようですね」
「そうか？」
　いちいち反発するリラーに対し、アイドは、
「……………………」
もう止める気はないらしく、致命的ではない限り見るだけにしたようだ。その結論は、オルニアはとっくの昔に出している。
「……ま、入りましょうよ。開放されてるなら面倒がなくていいじゃない」
　小さく嘆息し、オルニアは門をくぐる。後ろの三人も後をついてくる。
　王城だけあって、非常に広い。廊下は、大の大人が五人手を伸ばして並んでも、端と端が届くかどうか。ロビーと思しき所には、侍女らしき人が何人か忙しなく動き、所々に騎士姿の男が直立不動に立っている。一般人の姿は見当たらない。
「ねえ、普通に入ってるけど、大丈夫なの？　すごく浮いてる気がするんだけど」
　誰かと遭遇するたび、不信感を帯びた目で見られる。後ろめたいことはないが、肩が狭い。
「大丈夫ですよ。そんなに緊張する必要はありません」
（無茶言わないでよ……）
　そう思うのだが、他の三人はいたって冷静である。
（一般人と比較するだけ無駄か）
　この三人が緊張する状況など考えられない。神の前でもその風体は変わらないだろう。一介の王の前では、万に一つも変わるはずがない。
（多少は礼儀を身につけてほしいわ）
　まだ礼儀どうこうは見ていないのだが、容易く創造できてしまうのが恐ろしい。
　傍を通った侍女に王のいる部屋を聞くと、三階の一室にあるらしい。適当に歩き回って階段を見つけ、三階へ。示された通りに進み、言われた部屋の前に到着。
　扉を開ける。
　そこにあったものは、
「……………………！？」
　寝台に横たわる、血を流した男。
「ふぃ、フィルアール様！？」
　背後で悲鳴。見れば、騎士が一人。声を聞きつけて、ぞろぞろと人が集まってくる。ざわめきが広まっていく。
「また厄介なことに……」
　近頃こういうことばかりである。


　　　　　[[前へ&gt;003：さいごの皇帝 (1)]]　　　　　[[戻る&gt;001～020]]　　　　　[[次へ&gt;003：さいごの皇帝 (3)]]    </description>
    <dc:date>2005-12-23T11:57:18+09:00</dc:date>
    <utime>1135306638</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/28.html">
    <title>003：さいごの皇帝 (1)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/28.html</link>
    <description>
      　神界ミルソナ帝国。神界における規模第三位の国。
　今、城下町は小さな混乱を迎えている。
　この国を支える皇帝、フィルアール3世が不治の病で伏しているのだ。彼には跡継ぎがいないため、この先どうなるのかが今専らの話題である。

「やっぱり大きいわねぇ……」
　オルニアはきょろきょろと周りを見回しながら言う。
「それはそうでしょう。ミルソナは神界第三位の国ですから」
　横を歩くシーズが応える。
「それで、ここに来た用事は何なんだよシーズ」
　不機嫌であることを如実に示す口調で言ったのはリラー。それをどうという風もなくシーズは返す。
「今、この国の皇帝が病に倒れています。それを確かめてくるように知らせがあったのです。オルニア、付き合ってもらえませんか？」
「嫌だね」
「あなたには頼んでいません」
　そっぽを向いて拒否したリラーに、声の調子も変えずにシーズが言った。この二人、属する世界が反発し合う世界の所為かただの性格の差か、すこぶる仲が悪い。オルニアは、二人が一緒に行動できているのが不思議に思う時もある。
「まあまあ、ここは一つ協力し合おうよ、リラー」
　で、仲介役を買って出るのはアイドである。彼がいなければ、おそらくとっくの昔に袂を分かっていただろう。
「ところで、どうやって皇帝に会うの？　病気だったら、皇帝なら面会謝絶が当たり前でしょ？」
「それなら問題ありません。私が話せば大丈夫です」
　相変わらずリラーと目を合わせず、シーズはオルニアに話した。
「ハッ、大丈夫かねぇ？　意外と門前払いかもよ？」
　意地悪くリラーが言ったが、シーズは完全に無視。間でアイドがあたふたしている。
　そんな様子をちらりと見てから、オルニアは遠くにそびえる王城を見た。


　　　　　前へ　　　　　[[戻る&gt;001～020]]　　　　　[[次へ&gt;003：さいごの皇帝 (2)]]    </description>
    <dc:date>2005-12-23T11:57:02+09:00</dc:date>
    <utime>1135306622</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/27.html">
    <title>第二話　「山賊狩り」 (5)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/27.html</link>
    <description>
      「………………」
　オルニアは呆然としていた。
　“隕之崩落(ミーティアコラプス)”は、途中で止まっていた。どうやら二元魔呪で止めているらしい。
　だが、それでもかなりの被害を集落に及ぼしていた。どういうわけか建物には一切の傷を負わせていないが、その間の道のあらゆるところに、炎に包まれた岩が鎮座している。
　目の前では、その様子を見に来ていた男たちをアイドが素早く倒していた。とてもひどいことをしている気分だが、そもそもそれが目的なのでその感情を無視する。
「オルニア、向こうの建物よろしく！　全員倒したら、あの大きな建物の入り口で合流しよ！」
　彼はそう言い残して、近くの建物に突入していった。
　いつまでも呆けているわけにもいかず、オルニアはアイドに示された建物に向かった。腰の後ろのナイフを抜く。外にいた男たちがこちらに反応する前に柄で打ち気絶させる。扉は左手で触れて、消現の奇跡の力で消す。見れば、中にいるのは五人。こちらの方――おそらく唐突に扉が消えたのを見たのだろう――を見て、手近にあった武器を取ろうとしている。
「何だお前――」
　言い終わらせる前に、跳び膝蹴りで黙らせる。一瞬固まった空気の中を一人動き、男の一人を流れる動作で一蹴。一呼吸の緊張が解けて、手にした見た目に使い慣れていないとわかる剣を振りかざして迫った男には振り下ろされる前に先手を取って鳩尾に一発。力量の差を感じ取ったか、残る二人は逃走を図る。
　――逃がさない！
　右手に持った短剣を投擲。一人の足に見事に刺さり、転倒させることに成功。左手に鞭を出現させ、もう一人に向かって振るう。男は足を絡め取られ、同じく転倒。すかさず二人とも気絶させる。
（……これでよし）
　右手に先程投げた短剣と同じ物を現し、腰の鞘に収める。一際大きな建物に向かうと、既にアイドが待っていた。
「早かったね！」
「あなたの方がね」
　皮肉っぽく返してみたが、気にするところは無いらしい。アイドはにっこりと笑いながら、
「三人しかいなかったんだ。皆が動転してるうちに倒した」
「私のところには五人いたわ。合計八人か……規模は小さそうね。たいした収穫はないんじゃない？」
「収穫は少ないかもしれないけど、規模はあるんじゃない？」
「え？」
　何気なく言われたアイドの言葉にオルニアは一瞬理解をやめ―    </description>
    <dc:date>2005-12-23T13:38:30+09:00</dc:date>
    <utime>1135312710</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/26.html">
    <title>第二話　「山賊狩り」 (4)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/wiki7_makino/pages/26.html</link>
    <description>
      「ここから見えるあれがそうだよ」
　道無き道を歩くこと数分。ちょっとした崖の上から三人は下を見ていた。
　あったのは、切り開かれた場所に作られた、集落のようなもの。木製の建物が三つ。人が何人か歩いているのが遠目に見える。
「で、どうやって山賊を倒すのよ？」
　三対多数では分が悪すぎる。いくら強くても、数でかかられれば勝ち目は薄い。
　しかし、この問いにリラーが答えた。
「まずは混乱させるのさ。後は各個撃破だ。で、混乱のさせ方は――」
　そこで彼はすっと目を閉じ、
「数多の星の輝き、満ち満ちる空の光、その一粒を我に授け、未知なる力を前に示さん。リラー＝ドルーヴが指し示す――“隕之崩落(ミーティアコラプス)”」
　澄んだ詠唱が終わると、集落の上空に霧が現れ渦を成す。その中心から現れたのは、炎に包まれた巨大な石。
　最高魔呪“隕之崩落(ミーティアコラプス)”。隕石を現し崩れさせて、下にあるあらゆるものを破壊する、強力すぎる魔呪である。もちろん、多少の硬度では防げるものではない。こんな集落、ものの見事に――
「壊れちゃうじゃないの！」
　オルニアが叫ぶと同時、隕石は崩れ始めた。何事かと下から見ていた山賊たちは、自分たちを破滅に導くであろうその光景に慌てふためき、散り散りに逃げ惑う。当然の反応である。むしろそうしてくれないと困る。
「じゃ、行こっか」
　アイドが両手に刀を作り出し、こちらの返事を待つことなく行ってしまった。オルニアはごろごろと崩れる隕石を気にしながら、その後をついていった。


　　　　　[[前へ&gt;第二話　「山賊狩り」 (3)]]　　　　　[[戻る&gt;航界記]]　　　　　[[次へ&gt;第二話　「山賊狩り」 (5)]]    </description>
    <dc:date>2005-12-23T11:53:55+09:00</dc:date>
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