14-3
「ネコ大丈夫?」
「壊れはしないと思う…
さすがに想定外の重さを引っ張るとなるとだめだ。」
「壊れはしないと思う…
さすがに想定外の重さを引っ張るとなるとだめだ。」
あの変態に渡す荷物を台車に乗せて走ってるものだから
出力最大にすればバイク並みの速さがでるこのスクーターも
今日は自転車の速度ですら出てない。
さっきからベルガーが少し走っては止まって待ってる感じだし…
出力最大にすればバイク並みの速さがでるこのスクーターも
今日は自転車の速度ですら出てない。
さっきからベルガーが少し走っては止まって待ってる感じだし…
「今日日直でしょ?」
「そうだけど…」
「大丈夫。いくらこんな速度でも遅刻するほどじゃないし。先に行くといい。」
「そうだけど…」
「大丈夫。いくらこんな速度でも遅刻するほどじゃないし。先に行くといい。」
ベルガーが端末を取り出すと時間を確認する。
「うーん…そうさせてもらうよ。ティオ、くれぐれも先輩とケンカしないようにね。」
そういうとペダルに足をかけ、ベルガーは去っていった。
「べつにケンカしてないし…」
学園の敷地内にはいりメインロードを箱を引っ張りながら走る。
予定時間よりは遅かったけど、まだ人もまばらだ。
遠くで運動部がまだ練習している声も聞こえる。
予定時間よりは遅かったけど、まだ人もまばらだ。
遠くで運動部がまだ練習している声も聞こえる。
にしても…パーツだけじゃなくって折角くれるっていうんだから
IFJの最新小型マイマイジェットもらえば良かったなぁ…
汎用性高いからって富士宮選んだのがまちがいだったかも…
IFJの最新小型マイマイジェットもらえば良かったなぁ…
汎用性高いからって富士宮選んだのがまちがいだったかも…
などと考えていると、自転車で登校して来た男子生徒に挨拶をされた。
誰だろうと考えてるうちに駐輪場のある方に行ってしまう…
誰だろうと考えてるうちに駐輪場のある方に行ってしまう…
うん…帰ったらIFJのおじさまに連絡しよう…
『ニャッニャッニャッ』
機械工学科と情報技術科の間に入るために
スクーターのウィンカーを左に出す。
校舎の間をすり抜けるとがらりと雰囲気が変わる。
旧校舎の校庭らしいのだけど、今は農学部の実習地になっていて
なにやら品種改良された巨大植物が大量に植えてあって
時々ウネウネと動くものだから朝なのにとても不気味だ…
スクーターのウィンカーを左に出す。
校舎の間をすり抜けるとがらりと雰囲気が変わる。
旧校舎の校庭らしいのだけど、今は農学部の実習地になっていて
なにやら品種改良された巨大植物が大量に植えてあって
時々ウネウネと動くものだから朝なのにとても不気味だ…
校庭を抜けるとこれまた不気味に旧校舎が建っている。
何代前の旧校舎なのやら…
この旧校舎、一応高等部の文化部のクラブハウスとして利用されている。
画鋲ゴマ競技部は運動部らしいんだけど…なんでここに部室があるのか謎だ…
何代前の旧校舎なのやら…
この旧校舎、一応高等部の文化部のクラブハウスとして利用されている。
画鋲ゴマ競技部は運動部らしいんだけど…なんでここに部室があるのか謎だ…
スクーターごと旧校舎に入る。
朝練なんてしてる文化部はいないから、
ギシギシという床の音と台車のコマの音が響く響く…
一番奥の教室の前で止まる。
汚い字で戸のガラス部分に『画鋲ゴマ競技部』と張り紙がしてある。
朝練なんてしてる文化部はいないから、
ギシギシという床の音と台車のコマの音が響く響く…
一番奥の教室の前で止まる。
汚い字で戸のガラス部分に『画鋲ゴマ競技部』と張り紙がしてある。
「ついたよ。ネコご苦労様。」
そうスクーターに声をかけると、すぐさま猫型に変形をはじめる。
『ニャァン』
伸びをすると廊下の窓から外へ飛び出す。
さて…さっさとこの荷物を部室に置いていこう。
戸に手をかけてゆっくりと開く。
戸に手をかけてゆっくりと開く。
中に人がいた。
ズボンはいてない!
っていうかお尻丸出し!!
ズボンはいてない!
っていうかお尻丸出し!!
ガシャン!!!
即座に戸を閉める。
「な…なにしてんのよ!!!ヘ…ヘンタイ!変態っ!!ど変態っっ!!!」
顔は見てないけど、明らかにヤツだ!
あの変態だ!!!
あの変態だ!!!
中から何か倒したのかガシャンという音がした後、
変態の怒鳴り声が聞こえてくる。
変態の怒鳴り声が聞こえてくる。
「あっ…朝から変態変態うるせぇ!!!」
少し焦った声…何かやましいことでもしてたに違いない!
「まさか…アンタそういう趣味もあるの…」
「どういう趣味だよ!!」
「わ…私の口からそんなこといえないわっ!け…汚らわしいっ!!」
「どういう趣味だよ!!」
「わ…私の口からそんなこといえないわっ!け…汚らわしいっ!!」
ガタゴトと部室の中から聞こえてきた。
しばらくして物音がおさまったかと思うと
戸が勢いよく開く。
しばらくして物音がおさまったかと思うと
戸が勢いよく開く。
「どんな想像してんだよこのエロチビっ!!」
「アンタに言われたくないわっ!」
「アンタに言われたくないわっ!」
変態が私の顔をまじまじと見てくる。
「な…なによ…」
「お前顔真っ赤だぞ?相当エロいこと考えてたな。」
「ち…ちがうわよ!見たらわかるでしょ!私怒ってるの!!!」
「お前顔真っ赤だぞ?相当エロいこと考えてたな。」
「ち…ちがうわよ!見たらわかるでしょ!私怒ってるの!!!」
お嬢様もエロいこと考えるんだなぁとか言いつつ変態がニヨニヨ笑っている。
「つーか…ちゃんと来たんだな。」
「何よ…来いっていったのアンタでしょ…」
「何よ…来いっていったのアンタでしょ…」
ん?と変態が視線を下に向ける。
「何ソレ?」
変態が顎で私の足元の小ぶりのダンボール箱の方を指す。
「あぁ…コレ。アンタに渡すものよ。運んで。」
偉そうだなぁ…とかぶつくさ言いながら変態がダンボール箱に手をかける。
「見た目より重いなぁ…俺にって何はいってんだよ…」
部室の机にのせると変態はすぐさまガサゴソと梱包を解いて中身を見た。
「10kg分の画鋲よ。」
「10キロって…」
「10キロって…」
昨日の夜ベルガーの部屋で10kgの鉄アレイを見つけたので
勝手に拝借して練成してみた。
必要になるたびにメンテナンス頼まれたら面倒だもの…
勝手に拝借して練成してみた。
必要になるたびにメンテナンス頼まれたら面倒だもの…
「ちゃんと防錆紙に包んであるから1年は持つでしょ。何か問題ある?」
「いや…もつとかもたないかとかじゃなくて…
まぁいいや。これにとりあえずサインしろ。」
「いや…もつとかもたないかとかじゃなくて…
まぁいいや。これにとりあえずサインしろ。」
変態がカバンの中からペンとよれよれになった紙をよこす。
入部届けとでかでかと上部中央にかかれている。
そのしたに入部を希望するといった旨の定型文がかかれていて
署名欄は空欄だった。
入部届けとでかでかと上部中央にかかれている。
そのしたに入部を希望するといった旨の定型文がかかれていて
署名欄は空欄だった。
「…入部したからって私活動に参加する気なんてないんだからね。」
そういって、しぶしぶ空欄に名前を書く。
書き終わったのを確認すると、満足そうに入部届けを二つ折りにして
再びカバンにしまった。
書き終わったのを確認すると、満足そうに入部届けを二つ折りにして
再びカバンにしまった。
「じゃ、私行くから。」
カバンを持ちあげて、行こうとすると慌てて変態が声をかけてくる。
「まてよ!ちっこいの!!」
…なんでこう、人のコンプレックスを連呼するのかしら。
変態をにらみつける。
変態をにらみつける。
変態がいきなり肩をつかんできた。
「きゃっ!」
私の声で我に返ったのかすぐさま手を離す。
「ちょ…えっ…あーもー…とにかくその変態って呼ぶのどうにかしろ。
俺変態じゃねぇし…」
「露出が趣味なのに変態以外になんて呼べばいいのよ!」
「露出してねぇし!つーか趣味でもねーし!!」
「さっきも脱いでたじゃない…」
「アレは変態行為じゃない!
で、だ。仮にも俺は上級生なんだから、『先輩』とかでいいだろ!」
「…先輩っていうのも嫌だわ。…そうね…ヤスノリって名前で呼んであげるわ。」
「呼んであげるわって…まぁ変態って言われるよりマシか。なんか腑に落ちないが…」
「私の事もティオって呼ばせてあげる。」
「…偉そうだなぁ…ぉぃ…」
「私は特別な存在だもの。巫女だし。」
「は?」
俺変態じゃねぇし…」
「露出が趣味なのに変態以外になんて呼べばいいのよ!」
「露出してねぇし!つーか趣味でもねーし!!」
「さっきも脱いでたじゃない…」
「アレは変態行為じゃない!
で、だ。仮にも俺は上級生なんだから、『先輩』とかでいいだろ!」
「…先輩っていうのも嫌だわ。…そうね…ヤスノリって名前で呼んであげるわ。」
「呼んであげるわって…まぁ変態って言われるよりマシか。なんか腑に落ちないが…」
「私の事もティオって呼ばせてあげる。」
「…偉そうだなぁ…ぉぃ…」
「私は特別な存在だもの。巫女だし。」
「は?」
ヤスノリはきょとんとしてる。
畏怖の念でも芽生えたのかしばらく黙って聞いてるかと思うと
いきなり大声を出す。。
いきなり大声を出す。。
「あー!だからお前はちっこいのか!!」
「巫女と身長関係ないし!」
「巫女と身長関係ないし!」
どういう頭の回路してるのかしら…
「小さい小さいって…私気にしてるんだからね!これ以上言うとネコで殴るわよ!」
「ぉー怖い怖い。」
「ぉー怖い怖い。」
手のひらを見せて降参のポーズをとってるけど
ヘラヘラと明らかに反省の色が見えない。
ヘラヘラと明らかに反省の色が見えない。
「もう私行くわよ!」
戸に手をかけるとまたヤスノリがとめる。
「あーもう一つお前に言いたいことが。」
「何よ…」
「お前ベルガーと付き合ってんの?」
「何よ…」
「お前ベルガーと付き合ってんの?」
全く…本当に…どうしようもない頭の回路の持ち主だわ…
「ただの幼馴染よ!!」
そういい捨ててさっさと部室を後にする。
ベルガーは幼馴染でそれ以外の何者でもないわ…
優しく接してくれるのは家政婦のフミさんの孫だから。
私をそういう対象としてる訳がないじゃない…
それに…私小さいし…
優しく接してくれるのは家政婦のフミさんの孫だから。
私をそういう対象としてる訳がないじゃない…
それに…私小さいし…
旧校舎からでる。
農学部の実習地に植えてある変な植物は光合成が活発になってきたのか
触手みたいな蔓を四方にウネウネと動かしている。
いったい何のための植物なのか…
農学部の実習地に植えてある変な植物は光合成が活発になってきたのか
触手みたいな蔓を四方にウネウネと動かしている。
いったい何のための植物なのか…
「ネコーーーーーーーーーーー!」
大きな声でネコを呼ぶ。
ネコは私の声に反応して目の前までやってくる…はずだった。
ネコは私の声に反応して目の前までやってくる…はずだった。
おかしい…
いつもなら遅くても数十秒でくるんだけど。
いつもなら遅くても数十秒でくるんだけど。
「ネコー!」
さほど遠い場所ではない。
GPSは実習地を示している。
視線を実習地の方に向ける。
すると、旧校舎の端のほうでやたらウネウネ動いている植物を見つけた。
基本的に猫だからじゃれて夢中になってるんだわ…
そう思ってそちらの方に向かう。
GPSは実習地を示している。
視線を実習地の方に向ける。
すると、旧校舎の端のほうでやたらウネウネ動いている植物を見つけた。
基本的に猫だからじゃれて夢中になってるんだわ…
そう思ってそちらの方に向かう。
『キシャーーー!』
案の定ネコは植物の蔓とじゃれていた。
じゃれてるっていうか…ケンカね…
巨大植物は蔓をつかってネコを捕獲しようと必死になってる風にも見える。
ひときわ太い蔓が鞭のようにネコに向かっていく。
ネコは旧校舎の側壁に重ねられた道具類を踏み台に木の上に避難する。
巨大植物は再び先ほどの太い蔓で攻撃準備をしている。
じゃれてるっていうか…ケンカね…
巨大植物は蔓をつかってネコを捕獲しようと必死になってる風にも見える。
ひときわ太い蔓が鞭のようにネコに向かっていく。
ネコは旧校舎の側壁に重ねられた道具類を踏み台に木の上に避難する。
巨大植物は再び先ほどの太い蔓で攻撃準備をしている。
「ネコ!ビームよ!」
そう指示すると、ネコは木の上から巨大植物に向けて目からビームを発射した。
ビームは見事巨大植物に命中した。
ボロボロと焦げた蔓が地面に落ちていく。
ビームは見事巨大植物に命中した。
ボロボロと焦げた蔓が地面に落ちていく。
にしても…本当にいったい何のための植物なのか…
ネコが木の上から降りてくる。
と道具類に足をのせたとたんガラガラと倒れてしまった。
ネコが驚いて私の足元に駆け寄った。
と道具類に足をのせたとたんガラガラと倒れてしまった。
ネコが驚いて私の足元に駆け寄った。
「あーあー…片付けなきゃいけないじゃない…」
倒れた鉢植えや竹箒をしまおうと近づくと
明らかに場違いなものが倒れていた。
明らかに場違いなものが倒れていた。
金属製の…細長いケース…
しかも大きい。
しかも大きい。
誰かの忘れ物かしら…
ケースの表面をみてもネームタグもない。
ダイアル式ロックだけど良くみるとバンド部が少し浮いている。
鍵が…かかってない。
ケースの表面をみてもネームタグもない。
ダイアル式ロックだけど良くみるとバンド部が少し浮いている。
鍵が…かかってない。
中の物に名前が書いてあるかもしれない…
そうおもってゆっくりケースを開く。
中には銃が入っていた。
中には銃が入っていた。
形からしてレールガンね…
んん?!コレ…IIの最新軍用モデルじゃないっ♪
かっこいいー!ちょーかっこいーー!
もうレプリカでてるんだー!
なんて良い趣味をもった人なの…会ってみたいものね…
んん?!コレ…IIの最新軍用モデルじゃないっ♪
かっこいいー!ちょーかっこいーー!
もうレプリカでてるんだー!
なんて良い趣味をもった人なの…会ってみたいものね…
しばらくケースのレールガンを見つめる。
この無骨なフォルム、この重厚感!
たまらないっっ!!
この無骨なフォルム、この重厚感!
たまらないっっ!!
ちょ…ちょっとだけ。
構えるだけ…
構えるだけ…
ゆっくりと取り出す。
重・・・い…
充電ユニット装着っと…
装着と同時にレールガン特有のキリキリとした音が響く。
なかなか良くできたモデルガンね…
重・・・い…
充電ユニット装着っと…
装着と同時にレールガン特有のキリキリとした音が響く。
なかなか良くできたモデルガンね…
銃口を向けると
ネコが心配そうに木の下に座ってこちらを窺っている。
ネコが心配そうに木の下に座ってこちらを窺っている。
「これはモデルガンよ。心配しないの。」
カチッ ドッカーンなんてね…
ドカーン!!!
「ぇ…」
ちょ…ちょっとどういうことー!
ほ…本物じゃないっ!!
っていうかネコ!ネコは!!
ほ…本物じゃないっ!!
っていうかネコ!ネコは!!
ネコがいた場所を確認する。
「……」
首がもげて頭が地面に転がってる…
胴体部分は木っ端微塵…
胴体部分は木っ端微塵…
「や…やばっ…」
慌てて充電ユニットを取り外してレールガンをしまう。
するとミシミシと木が音を立てて校舎の方に倒れていく。
するとミシミシと木が音を立てて校舎の方に倒れていく。
「どぁあああ!!!」
校舎内からヤスノリの叫び声が聞こえてきたかと思うと
ガラスの割れる音が…
ガラスの割れる音が…
ケースを元にあった場所にたてかけて
急いで窓の方に向かう。
急いで窓の方に向かう。
ヤスノリが窓から顔を出している。
木は完全に倒れずもたれかかってとまっている。
枝が部室の窓を貫いたらしくガラスが1枚割れていた。
木は完全に倒れずもたれかかってとまっている。
枝が部室の窓を貫いたらしくガラスが1枚割れていた。
「へん…じゃない…ヤスノリ…」
「何があったんだ!」
「えっ…その…」
「何があったんだ!」
「えっ…その…」
私がレールガンでやりましたとは言えない。
物は軍用最新兵器だし…
それ以前にベルガーにも秘密の趣味なのに
私がそういうのに興味があって扱えるとか言える訳がないじゃない!
物は軍用最新兵器だし…
それ以前にベルガーにも秘密の趣味なのに
私がそういうのに興味があって扱えるとか言える訳がないじゃない!
「お前の猫の頭転がってるぞ…」
「あっ…えーと…
そう!アンタにあげた画鋲引っ張ってきたせいで…
んで…回路いかれちゃって…
爆発しちゃったのよ!!」
「そんな馬鹿な!」
「あっ…えーと…
そう!アンタにあげた画鋲引っ張ってきたせいで…
んで…回路いかれちゃって…
爆発しちゃったのよ!!」
「そんな馬鹿な!」
ホントに馬鹿な理由だわ…
チャイムがタイミングよく響く。
「わ…私行くわ!じゃあっ!!」
ネコの頭を抱きかかえると
慌ててその場を去る。
慌ててその場を去る。
「ちょ…窓どうすんだよ!!」
ヤスノリの声を無視して私は機械工学科の校舎へ向かって駆け出した。
やっとかけたー… 追加設定あるけどそのうち書く。
ネギおまたせだょ…