皆が帰った後色々私なりに色々調べたが、結局たいした情報は得られなかった。
師匠とは連絡も取れず、部長も捕まらなかった為だ。
そんな時轟音が響いた。
横で寝ていたトモカが飛び起きる。
「な、なに?!」
私も窓を見て辺りの様子を伺う。だが異変はない。
「あれって・・・」
「多分、銃声。敵側に何かあったのかもしれない」
近い種類の音を聞いたことがある。
あれは遺跡探索中の時だったかな・・・死ぬかと思った。
敵サイドで何かのトラブルが起きたのか?
「それじゃ・・・は・・・?」
何かを呟くトモカ。
「ここは警備の人たちが居るから大丈夫。私はちょっと見てくる」
音がしたのは裏山。師匠との“リハビリ”で何度も行っているから詳しい。
「ライリは止めても聞かないと思うから・・・でも、気をつけてね」
ちょっと心配そうな顔をして微笑むトモカ。
そして私は病室を出て、裏山に向かった。
師匠とは連絡も取れず、部長も捕まらなかった為だ。
そんな時轟音が響いた。
横で寝ていたトモカが飛び起きる。
「な、なに?!」
私も窓を見て辺りの様子を伺う。だが異変はない。
「あれって・・・」
「多分、銃声。敵側に何かあったのかもしれない」
近い種類の音を聞いたことがある。
あれは遺跡探索中の時だったかな・・・死ぬかと思った。
敵サイドで何かのトラブルが起きたのか?
「それじゃ・・・は・・・?」
何かを呟くトモカ。
「ここは警備の人たちが居るから大丈夫。私はちょっと見てくる」
音がしたのは裏山。師匠との“リハビリ”で何度も行っているから詳しい。
「ライリは止めても聞かないと思うから・・・でも、気をつけてね」
ちょっと心配そうな顔をして微笑むトモカ。
そして私は病室を出て、裏山に向かった。
控え室に居る警備の人たちに話をつけておく。
そこに相手が何人いるかは分からないが、こっちにも土地勘があるから勝機は・・・あるはずだ。
そんなことを考えながら走っていたら看護婦さんに怒られた。
急いでるので走りながら謝ってやり過ごす。
数分もせずに裏山前に着く。息を整え装備を確かめる。
いつもの剣、未記入の護符、即時発動用の記入済み護符も全部揃っている。
防弾プレートまで用意してある。強度も鍛えたし狙撃兵器で撃たれても防ぎきれるはず。
ここまで用意してれば戦うことになっても十分渡り合える、そう信じたい。
「さて、とりあえず登ってみるかな・・・」
狙撃しようとしていたのなら、恐らく中程までは登っているはずだ。
そう考えて私は自分に“強化”を施す。一瞬、体を微かな魔術光が包み込む。
これで感覚も強化され、普段ではとても感知できないような事も探知できるはずだ。
暗い夜道もかなりはっきりと見える。
これで何かを見逃すことは無いだろう。
そこに相手が何人いるかは分からないが、こっちにも土地勘があるから勝機は・・・あるはずだ。
そんなことを考えながら走っていたら看護婦さんに怒られた。
急いでるので走りながら謝ってやり過ごす。
数分もせずに裏山前に着く。息を整え装備を確かめる。
いつもの剣、未記入の護符、即時発動用の記入済み護符も全部揃っている。
防弾プレートまで用意してある。強度も鍛えたし狙撃兵器で撃たれても防ぎきれるはず。
ここまで用意してれば戦うことになっても十分渡り合える、そう信じたい。
「さて、とりあえず登ってみるかな・・・」
狙撃しようとしていたのなら、恐らく中程までは登っているはずだ。
そう考えて私は自分に“強化”を施す。一瞬、体を微かな魔術光が包み込む。
これで感覚も強化され、普段ではとても感知できないような事も探知できるはずだ。
暗い夜道もかなりはっきりと見える。
これで何かを見逃すことは無いだろう。
山道を少し走ったころ、小さな音を聞いた。
これは・・・自然の音じゃない。音の方向はこっちか?
どうやら何かあったらしい。この機を逃す手は無い。
私は音のした方向に駆け出していった。
これは・・・自然の音じゃない。音の方向はこっちか?
どうやら何かあったらしい。この機を逃す手は無い。
私は音のした方向に駆け出していった。
「で、来ちまったがリンはまだ来てないのか」
リンの判断は当たっていたようだ。感知魔法には明らかな変化があった。
病院の裏山に向かう二つの反応。それを追いかけるように病院の前に来たとき、轟音が響いた。
音の方向は間違いなく二つの反応の方だった。
くそっ、間に合わなかったのか。そう思ったが、反応は二つとも消えなかった。
まだ大丈夫らしい。きっと片方はヤスだろう。そんな時、背後から声をかけられた。
「ごめん、おまたせ」
そこに居たのはリンだった。
「色々調べて、GPSの機能も大体掌握したんだ。何とか間に合った・・・と思ったんだけど」
どうやら、呼びつけておいて遅れたのはその辺の事情らしい。つーか、俺が来てるの前提かよ。
「それでね、裏山にノリともう一つ、GPSの反応が移動していったのは分かったんだけど途中で両方消えちゃったんだ。
多分山の奥に入ったからだと思う。もっと距離が近いと相対位置補正機能で確かめられるんだけど、今の・・・」
泣きそうな顔のリン。
「安心しろ。こっちにも二つ反応あったけど、まだ両方消えてない。だから多分大丈夫だ」
ほっとするリン。
「そういえば、ライリさんには連絡取ってみたか?」
状況が状況だが、きっと説明すれば助けになってくれるはずだ。
「あぁ・・・あの人、なぜかGPSに登録がないよ。端末も繋がらないし」
「でも、病院に居るはずだから・・・っ!?」
探知魔法に新たな動きが出た。病院から一つの反応が裏山に向かっていく。そして・・・消えた?!
「どうしたの・・・?」
不安そうなリン。ここで嘘を言っても仕方ない、真実を告げる。
「誰かが病院から裏山に向かってたんだが、途中で反応が消えた。
でも、このまま向かってたらヤスノリ達らしき反応の方に着く」
「急がないと、ヤスが危ない!」
もしそれがトモカの警備なら容赦しないだろう。状況によってはヤスノリが危ない。
俺とリンは反応のある地点へ急いで向かっていった。
リンの判断は当たっていたようだ。感知魔法には明らかな変化があった。
病院の裏山に向かう二つの反応。それを追いかけるように病院の前に来たとき、轟音が響いた。
音の方向は間違いなく二つの反応の方だった。
くそっ、間に合わなかったのか。そう思ったが、反応は二つとも消えなかった。
まだ大丈夫らしい。きっと片方はヤスだろう。そんな時、背後から声をかけられた。
「ごめん、おまたせ」
そこに居たのはリンだった。
「色々調べて、GPSの機能も大体掌握したんだ。何とか間に合った・・・と思ったんだけど」
どうやら、呼びつけておいて遅れたのはその辺の事情らしい。つーか、俺が来てるの前提かよ。
「それでね、裏山にノリともう一つ、GPSの反応が移動していったのは分かったんだけど途中で両方消えちゃったんだ。
多分山の奥に入ったからだと思う。もっと距離が近いと相対位置補正機能で確かめられるんだけど、今の・・・」
泣きそうな顔のリン。
「安心しろ。こっちにも二つ反応あったけど、まだ両方消えてない。だから多分大丈夫だ」
ほっとするリン。
「そういえば、ライリさんには連絡取ってみたか?」
状況が状況だが、きっと説明すれば助けになってくれるはずだ。
「あぁ・・・あの人、なぜかGPSに登録がないよ。端末も繋がらないし」
「でも、病院に居るはずだから・・・っ!?」
探知魔法に新たな動きが出た。病院から一つの反応が裏山に向かっていく。そして・・・消えた?!
「どうしたの・・・?」
不安そうなリン。ここで嘘を言っても仕方ない、真実を告げる。
「誰かが病院から裏山に向かってたんだが、途中で反応が消えた。
でも、このまま向かってたらヤスノリ達らしき反応の方に着く」
「急がないと、ヤスが危ない!」
もしそれがトモカの警備なら容赦しないだろう。状況によってはヤスノリが危ない。
俺とリンは反応のある地点へ急いで向かっていった。
ひたすら夜の山を駆ける。道なき道だがこんな道は“リハビリ”じゃいつものことだ。
・・・いた。
勢いと音を殺し、止まって身を伏せる。息を整えつつ相手を注視する。
どうやら、一人らしい。背中が見える。距離は・・・ここから駆けて20歩というところか。
右手に何かを持って木に隠れて様子を伺っている・・・恐らく銃だろう。
この夜間で銃・・・何らかの暗視対策を取っているはずだ。
ならば・・・手元の護符を探り、未記入の護符を取り出す。
『ショック』の呪文を刻んでいく。
なぞったところが薄く光った後黒い文字に変わる。記入完了だ。
次にプレートを取り出し、こちらには、両面の刻印をなぞる。
そして、再び相手を見る。まだ、動いていない。
誰かと交戦している途中なのかもしれない。だが、その相手はここからは見えない。
突撃をかけるのは危険かもしれない。
だが、トモカの危険を少しでも減らしておきたい。
聴覚の強化を切っておく。これから使う『ショック』で自分が気絶しては意味がない。
左手に護符を、右手にプレートを持ち、立ち上がる。
まず護符を相手の方に投げる。
護符が飛ぶ音でこちらに気づいたのか、振り向いた。
だが遅い。閃光と轟音があたりを包み込む。
その時には私は目を閉じ、右手のプレートを相手の右手をイメージして投げ放っていた。
プレートに掛けられた付与は“追尾”と“加速”。私がイメージしたところへ最速で突き刺さる不可避の一撃。
記憶に刻んだ相手の位置めがけて距離を詰める。
目を開き、相手の姿を確認する前に私は剣を振るっていた。
・・・いた。
勢いと音を殺し、止まって身を伏せる。息を整えつつ相手を注視する。
どうやら、一人らしい。背中が見える。距離は・・・ここから駆けて20歩というところか。
右手に何かを持って木に隠れて様子を伺っている・・・恐らく銃だろう。
この夜間で銃・・・何らかの暗視対策を取っているはずだ。
ならば・・・手元の護符を探り、未記入の護符を取り出す。
『ショック』の呪文を刻んでいく。
なぞったところが薄く光った後黒い文字に変わる。記入完了だ。
次にプレートを取り出し、こちらには、両面の刻印をなぞる。
そして、再び相手を見る。まだ、動いていない。
誰かと交戦している途中なのかもしれない。だが、その相手はここからは見えない。
突撃をかけるのは危険かもしれない。
だが、トモカの危険を少しでも減らしておきたい。
聴覚の強化を切っておく。これから使う『ショック』で自分が気絶しては意味がない。
左手に護符を、右手にプレートを持ち、立ち上がる。
まず護符を相手の方に投げる。
護符が飛ぶ音でこちらに気づいたのか、振り向いた。
だが遅い。閃光と轟音があたりを包み込む。
その時には私は目を閉じ、右手のプレートを相手の右手をイメージして投げ放っていた。
プレートに掛けられた付与は“追尾”と“加速”。私がイメージしたところへ最速で突き刺さる不可避の一撃。
記憶に刻んだ相手の位置めがけて距離を詰める。
目を開き、相手の姿を確認する前に私は剣を振るっていた。
妙なことが起きた。俺達が追っていた二つの反応が同時に消えた。
つか、感知の魔法一式が消失しやがった
魔力が切れた訳じゃない。慌てて立ち止まり自分の魔導具を確かめるが機能している。
傍らで走るリンも異変に気づき、立ち止まった。
「魔術ごと魔法が消えた・・・?」
解除していないのに消えた。どうなってんだ一体。
「そんなこと有るの?」
驚いて聞いてくるリン。
「わからねぇ。だが使ってた感知系の魔術が全部消えちまって反応が消えた。魔導具が故障した訳でもないんだよな・・・」
瞬間、閃光が見えた。
眩い光に思わず目を閉じる。
「何これ!?」
驚くリンの声が聞こえた。
多分・・・『ショック』だと思う。
今のは魔術師見習いでも使える初級魔法。一瞬だけ魔力によって光と音を発生させ人を驚かすくらいの用途しかない魔法だ。
だが、今のはその規模威力共に異常な性能だった。
いったい誰が今の魔術を・・・。
数瞬の後、目を恐る恐る開くとあたりは再び暗闇に包まれていた。
そして同時に反応が復活していた。だが反応が一つ減っている。誰が・・・消えた?
「今のは・・・」
困惑する俺。
「ノリ・・・」
リンの不安そうなか細い声。
反応が一つ減ったことをリンに告げるべきか。
このまま無防備に距離を詰めて本当にいいのか?
つか、感知の魔法一式が消失しやがった
魔力が切れた訳じゃない。慌てて立ち止まり自分の魔導具を確かめるが機能している。
傍らで走るリンも異変に気づき、立ち止まった。
「魔術ごと魔法が消えた・・・?」
解除していないのに消えた。どうなってんだ一体。
「そんなこと有るの?」
驚いて聞いてくるリン。
「わからねぇ。だが使ってた感知系の魔術が全部消えちまって反応が消えた。魔導具が故障した訳でもないんだよな・・・」
瞬間、閃光が見えた。
眩い光に思わず目を閉じる。
「何これ!?」
驚くリンの声が聞こえた。
多分・・・『ショック』だと思う。
今のは魔術師見習いでも使える初級魔法。一瞬だけ魔力によって光と音を発生させ人を驚かすくらいの用途しかない魔法だ。
だが、今のはその規模威力共に異常な性能だった。
いったい誰が今の魔術を・・・。
数瞬の後、目を恐る恐る開くとあたりは再び暗闇に包まれていた。
そして同時に反応が復活していた。だが反応が一つ減っている。誰が・・・消えた?
「今のは・・・」
困惑する俺。
「ノリ・・・」
リンの不安そうなか細い声。
反応が一つ減ったことをリンに告げるべきか。
このまま無防備に距離を詰めて本当にいいのか?
「分からんが、気をつけよう」
そうリンに声を掛けると、俺達は反応の示す場所へ向かっていった。
そうリンに声を掛けると、俺達は反応の示す場所へ向かっていった。