「第十六章 下」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

第十六章 下 - (2008/12/30 (火) 10:15:24) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「そんじゃあ次は俺たちの番かな」 「ニャースに比べるとつまんないかもしんないけどね」 ムサシとコジロウが、顔を見合わせて穏やかに笑う。 「ピカピィ?」 てっきり、君たち二人もペルシアンと同じく出世街道を歩んだとばかり思っていたのだが? コジロウが取り出した身分証明書に看護婦さんは目を丸くしていたしね。 「まあ、幹部に昇進する話はあったにはあったんだけど……」 「それが決定される直前に、あんたの元飼い主がロケット団を潰しちゃって……」 ムサシは遠い眼をして言った。 「白紙になった上に焼却処分された、って感じよね」 「ピ………」 ……それは悪いことをしたな。 僕が過去にしたことは社会的にとても評価されていることなのに、 こうして元ロケット団員の、それも馴染み深い相手の声を聞くと妙な背徳感に襲われる。 その後は?――そう尋ねようとした時、ペルシアンが一口に言った。 「その後、婚期を逃した二人は相棒の関係をちょっとだけ進展させて、  養子を貰ってその子を育てつつ、その他にも新たな人材育成に貢献しましたとニャ。  めでたしめでたし……ニャアァッ」 ボコ、と嫌な音がペルシアンの頭上で響く。 「ちょっと、勝手に終わらせてんじゃないわよ!」 「ピ、ピカピ……?」 け、結婚していたのか? それに養子って……。 ペルシアンが涙声で通訳すると、コジロウは照れくさそうに鼻の頭を掻きつつ、 「いや、籍は入れてないんだ。  俺とムサシは相棒のままでいいんじゃないか、って二人で相談して決めたんだよ」 「ほんと不器用だニャ。素直に結婚すれば良かったのにニャー」 「お前は黙ってろっ」 ボコ、と再び嫌な音が響きペルシアンが沈黙する。 ムサシは目頭を押さえながら言った。 順序立てて説明するつもりが、ペルシアンに邪魔されて混乱しているのだろう。 「養子って言っても、孤児を引き取って育ててあげただけよ。  15の時には自立して、今はボスの下で立派に働いてるわ」 「といっても、育ての親には連絡の一つもよこさない馬鹿息子さ。  タマムシで元気にやってるって昔の仲間に聞いて、安心するくらいだよ」

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: