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四つの願い

原題:Darby O'Gill and the Little People
公開:1959年6月24日
時間:91分
監督:ロバート・スティーヴンソン*



  • 目次

ストーリー

20世紀初頭のアイルランド*。領主のフィッツパトリック卿から農園を預かるダービー・オギールは酒場で妖精の話をして友人たちを楽しませていた。その物語によると妖精には三つの願いを叶える力があるが、四つ目の願いを叶えた瞬間、最初の三つの願いはキャンセルされるという。

ある日、ダービーは高齢のため任を解かれ、ダブリンの若者マイケルが後任に任命される。ダービーは娘のケイティにそのことを言い出せずにいた。ある晩、見張りに出たダービーは古井戸に落ちて妖精たちの国へ迷い込む。一度妖精の国に入った者は二度と帰らせてもらえないと知ったダービーは隙を見て逃げ出し、追ってきた妖精のブライアン王を監禁する。ブライアンは釈放を条件に三つの願いを叶えてやると進言する。果たして四つの願いのルールを知っているダービーの選択とは?

概要

仕事の引退を宣告されたダービーおじさんが願いを叶える力を持つ妖精と再会したことで巻き起こる騒動を描くファミリー向け映画。VHS発売時のタイトルは『ダービーおじさんと不思議な小人たち』

ウォルトは当初、バリー・フィッツジェラルドにダービーとブライアン王の二役を演じさせる予定だったが、フィッツジェラルドは高齢を理由に断った。なお、代わりにダービーを演じることになったアルバート・シャープのほうが3歳年上だった。シャープは半ば引退状態だったが、1940年代に『フィニアンの虹』を観劇したウォルトの強い希望で復帰を果たした。

マイケル役は20世紀フォックスの俳優だったショーン・コネリーが貸し出される形で出演。本作がきっかけでアルバート・R・ブロッコリーの目に留まり、後の当たり役である『007』シリーズのジェームズ・ボンド役に起用されることとなった。2020年10月31日、コネリーが亡くなり、本作のメインキャストが全員鬼籍に入ることとなった。

オリジナル版とは別に修正版が存在しており、アイルランド人の登場人物がアイルランド語の掛け声をあげるシーンが後のバージョンでは英語で吹き替え直されている。

大きな人間と小さな妖精の共演シーンは合成ではなく、大きな人間をカメラの近く、小さな妖精をカメラから遠くで演技させる強制遠近法で撮影された。会話シーンではお互いが遠くにいるため、目線の位置などが緻密に計算されていることがわかる。

同時上映は『ドナルドのさんすうマジック』(1959年)。

歴史

1947年、ウォルト・ディズニーはアイルランド民間伝承委員会とともにアイルランド*を旅行した際にこの映画の構想を立てた。ワトキンの脚本をもとに『Three Wishes』を実写とアニメーションで制作する予定だった。企画は進まなかったが、1956年に再びアイルランド旅行を行った。10月にワトキンを脚本家として起用し、『Darby O'Gill and the Good People』(1903年)を基にした新作『The Three Wishes of Darby O'Gill』を発表した。1958年2月の時点で、映画のタイトルは『Darby O'Gill and the Little People』となった。

撮影は1958年5月にスタジオで開始し、一部のロケはサンフェルナンド・バレーのアルバートソン・ランチで行われた。俳優の顔が見えないようにするシーンでは強い照明を予告なしに使用したところ、バーバンク*の変電所が落ちてしまったという。

キャスト

ダービー・オギール アルバート・シャープ 熊倉一雄
ケイティ・オギール ジャネット・マンロー 井上喜久子
マイケル・マクブライド ショーン・コネリー 大塚明夫
ブライアン・コナーズ王 ジミー・オディア 滝口順平
ポニー・サグルー キーロン・ムーア 金尾哲夫
シェーラ・サグルー エステル・ウィンウッド 高橋和枝
フィッツパトリック卿 ウォルター・フィッツジェラルド
マーフィー神父 デニス・オディア 塚田正昭
酒場の主人 大木民夫
妖精 辻村真人
町の男 牛山茂


楽曲

タグ:

長編映画
最終更新:2021年09月08日 17:01