この記事では単語を使って文を作り上げるまでを取り扱います。
xarpa2の文の例を示します。
この文はこれ(ma)と赤いペン(sinke harlcema)が「~にあたる」という意味の動詞koに結びつくことで出来ています。この例文では二つの名詞は動詞の左右にありますが、xarpa2では語順がかなり自由で、上の文は次のように日本語のような語順に変形することができます。
これ は 赤い ペン に 当たる。 ma bi sinke harlcema ri ko .
文節間のつながりを視覚的に示すと次のようになります。
これ は 赤い ペン に 当たる 動詞 ,-----------------+-ko 副詞 ,---bi ,-ri 名詞 ma ,-harlcema 形容詞 sinke
文節は上図のように品詞の情報をもとに規則的に連結して一つの木構造をなします。
文節は文を構成する要素の一つで、空白で区切られた文字のまとまりそれぞれを意味します。
xarpa2の文節は中心的なパーツとなる語幹と、文節間のつながりを表す文節接辞で構成されています。語幹は必ず子音文字で始まり子音文字で終わります。一方文節接辞は必ず母音文字のみで構成されています。文の構造を作るために文節が別の文節に繋がることを文節連結と呼びます。
| 文節 | 語幹 | 意味 | 文節接辞 | 品詞 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 文節接頭辞 | 文節接尾辞 | ||||
| ma | m | これ | -a | 名詞 | |
| bi | b | は | -i | 副詞 | |
| ko | k | 当たる | -o | 動詞 | |
| ir | r | に | i- | 副詞 | |
| sinke | sink | 赤い | -e | 形容詞 | |
| harlcemau | harlcem | ペン | -au | 名詞 | |
通常、文節接辞は接尾辞の状態で表記されます。例えばharlcemauの文節接辞は「-au」です。この接辞は左右の順番を真逆にすることで、全く同じ働きのまま向きが前向きになった接頭辞に変換することができます。すなわち、文節接頭辞「ua-」と文節接尾辞「-au」は、向きが逆であることを除いて全く同じ働きをします。
語幹は文節自体の意味や働きを決定するパーツです。
形式語幹は何の働きもしないダミーの文節を作るのに使います。形は1文字の「l」です。
属性詞は最も基礎的で中心的な語幹の体系です。属性詞はさらに細かい要素が組み合わされてできています。
文節連結は文節間のつながりを意味します。
文節同士が品詞の修飾/被修飾の関係で連結することを品詞連結と呼びます。
修飾の元となる方の文節を修飾語と呼びます。
文の一部を切り取って語幹に与える文法であるクロージャによって、文の一部がその外部の文に結び付くことをクロージャ連結と呼びます。
切り取られた文の一部の部分をクロージャと呼びます。
文節接辞は文節同士を繋ぐ糊の働きをするパーツです。
品詞接辞は語幹と文節に品詞の情報を与え、文節連結による修飾/被修飾関係を構築するパーツです。「-ee」以外の文節接辞がこれに当たります。
クロージャ接辞は、文の一部を切り取って語幹に与える文法であるクロージャを形成するパーツです。形は「-ee」です。
xarpa2の文は、語幹と文節接辞で構成される構造の前後を逆にすることができます。ただし、語幹の内部まで逆にすることはできません。すなわち、最初の例文は次のようにしても全く意味が変わりません。
harlcemは逆順にしてもharlcemのままであることに注意してください。
品詞による修飾は基本的に「形容詞→名詞→副詞→動詞」という順番を持っており、途中に修飾対象でない文節が現れてもそれを飛び越えて修飾することができます。
このように品詞辞によって文節が連結する仕組みを文節連結と呼びます。より詳細な説明は文節連結の記事で行います#TODO#。
前の節で次の文が同じ構造だと述べました。
これ は 赤い ペン に 当たる 動詞 ,-----------------+-ko 副詞 ,---bi ,-ri 名詞 ma ,-harlcema 形容詞 sinke
これ は 当たる に 赤い ペン 動詞 ,-ko-----, 副詞 ,---bi ir---------------, 名詞 ma ,-harlcemau 形容詞 sinke
このような動詞の項が動詞の前後をまたいで変形できる性質は品詞辞が前後どちらにでも付けられるために起こります。例えば副詞riは品詞辞iが後ろについているため修飾対象の動詞を後ろに探しますが、irになると前に向かって動詞を探します。
また、harlcemauのように品詞辞の末端にuが付与されると検索の方向が逆転します。すなわち、harlcemauとaharlcemは同じ挙動をします。この性質を反射と呼びます。
文によって名詞を修飾した場合などには文の中に別の文を入れることができます。
文を埋め込むには、文を埋め込み、クロージャの品詞辞ee ~ eeで囲みます。これをクロージャと呼びます。
クロージャの範囲が文の端まで及ぶ場合、終端のクロージャの品詞辞を省略することができます。