xarpa2において、格は動作に携わる物体の役割を表します。日本語の「が」「を」「に」、英語の主語・目的語などの違いに相当します。その名に「格」が含まれるにも関わらず、所有格や積格は格の一種ではありません。
格の違いを表すのには格副詞という日本語の助詞に似たものを使います。格副詞には主語を表す「ri」や目的語を表す「di」をはじめとして、場所を表す「mi」や理由を表す「si」などいくつかのものがあります。格副詞によって動詞に関連付けられるものを動詞の項と呼びます。
格副詞の一覧表を載せます。
| 格副詞 | 格の名前 | 和訳 | 説明 |
|---|---|---|---|
| ri | 主格 | ~が、~は | 文の主語を表す |
| bi | 能格 | ~が、~によって | 動作の主を表す |
| di | 受格 | ~を | 動作によって変更を受ける対象を表す |
| ni | 終格 | ~に、~まで、~へ | 動作の終点を表す |
| ki | 起格 | ~から | 動作の起点を表す |
| mi | 処格 | ~で | 動作の場所や時間を表す |
| si | 因格 | ~によって、~のために | 動作の目的や原因を表す |
| ti | 具格 | ~を使って、~によって、~で | 動作の方法や手段を表す |
| vi | 指格 | ~のときに、~ならば | 動作の条件を表す |
| wi | 共格 | ~とともに | 動作の同行者を表す |
| gi | 操格 | ~によって | 動作の黒幕を表す |
能格「bi」は一般的に言う能格とは意味が異なり、常に動作主を表す格です。
主格「ri」は通常では能格「bi」に対応した働きをするため、能格「bi」が通常使われることは滅多にありません。
主格「ri」は能動態や受動態と密接にかかわっており、それらを使った表現の下では能格以外の格を表すようになります。能格はそのような時に主に使われます。
文を主語と述部に分けたとき、主語に含まれるすべてのものは述部を満たしている必要があります。逆に言うと、「~のすべての物は~である」という文を作る為に主格「ri」を使うということになります。主格以外の格ではそのような制限はありません。