相(アスペクト)は、述語が元となる動作のどのあたりを表しているかを表す要素です。
例えば、次の日本語は相の違いにより動作のどの部分を表しているかが異なります。
また次のような表現の違いも相の違いに近い概念です。
更に、複数の相を組み合わせて複雑な場面を表現することもできます。
重要な点は、相の表現が加わるごとに全体の動作のうちのより詳細な部分に視点が移動していくことです。
xarpa2では相を表現するのに主に接尾辞を使います。
次の形はすべての活用の原形となる相です。完結相はものごとを全体的に述べる相です。
| 接尾辞 | 相 | 意味 | 分布 |
|---|---|---|---|
| -o | 完結相 | する | 全体 |
最後に付与した相の分布によって使える文脈が決まります。例えば現在の状態を説明する文脈では、ものごとを全体的に表す完結相や一瞬で終了する開始相・終了相は使えません。そこではある程度の広がりを持ち、かつその間で動作の状態が変化しない未然相・進行相・完了相などを使うことができます。
これらの相は動作の最初と最後を抜き出します。
| 接尾辞 | 相 | 意味 | 分布 |
|---|---|---|---|
| -ousto | 開始相 | ~し始める | 一瞬 |
| -ounto | 終了相 | ~し終わる | 一瞬 |
進行相は動作が進行中であることを表します。一瞬で終わる動作に付けることはできません。
| 接尾辞 | 相 | 意味 | 分布 |
|---|---|---|---|
| -ouso | 進行相 | している | 継続 |
これらの相は動作が始まる前や終わった後の状態を表します。
| 接尾辞 | 相 | 意味 | 分布 |
|---|---|---|---|
| -oupo | 未然相 | まだしていない | 継続 |
| -outo | 完了相 | もう終わっている | 継続 |
一部の相は組み合わせることができます。
完結相 -o _____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_____ ~する 未然相 -oupo  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄____________ まだ~していない 開始相 -ousto _____∧___________ ~し始める 進行相 -ouso ______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ~している 終了相 -ounto ___________∧_____ ~し終わる 完了相 -outo ____________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ もう~し終わっている 開始+完了 -oustouto ______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 既に~は始まっている
注意しなければならないことは、相は時制とは異なり、表している動作が過去から未来までのどのタイミングで起こったかの情報は与えないことです。時制が無く相だけがある場合、その動作はすべて現在の状態を表します。