嫁ちゃん

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嫁ちゃん - (2014/08/19 (火) 03:29:10) のソース

――――&sizex(6){蛇のお&color(red){姫}さま}

鈴■&color(red){・}Ri■■e  
#ref(http://www60.atwiki.jp/yomechang?cmd=upload&act=open&pageid=15&file=231b.png)

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千九百九十三年生まれの(?)二十一歳。ただし肉体年齢は十六で止まっている。
童顔であること、身体つきが幼いことから、成人しているようにはとてもじゃないけれど見えない。
数え方によっては今年で九歳であり、人間でない彼女にとって、年齢というのは対した判断基準にならない。

墨汁のように黒い髪とアルビノめいて白い肌の持ち主。右目は血のように&color(red){赤}く、左目は闇のように&color(black){黒}い。
メラニズムとアルビノの混ざったような容姿をしていて、太陽に当たりすぎると肌は真っ赤になる。
恥ずかしかったりするとすぐに顔を真っ赤にする。感情も顔に出やすく、嘘を吐くのはあんまり得意じゃない。

髪は腰の辺りまで伸びているが、もっと長かったのを旦那さんに切られてこの長さになっただけ。でもお気に入り。
猫よりも手入れに力を入れているためにさらさらつやつやでいつも甘い香りがする。蜂蜜みたいな香り。
長い髪を好き勝手に結んでいることもあるが、基本的にはストレートヘアー。ハーフアップとかもよくやる、かも。

身長は百六十センチぴったり、体重は軽すぎに片足突っ込んだ軽め。胸はAAAカップで、お尻はぺたんこ。
それを大変気に病んで大豆とかを食べてはいるのだが、効果は無い。ので、物理的に洋服で隠そうとしている節がある。
端的に言えばゴスロリ服の着用。フリルとかリボンで胸を、ふわふわスカートでお尻を、隠すことに全力を出す。

身長にコンプレックスは無いが、高めのヒールの靴を愛用する。旦那さんがヒール靴だったのを真似てこうなった。
元はひとが殺せそうに凶悪なヒールのブーツとかが好き。今でもブーツは好き。たまに履いている。

鈴のような声を持つ。ちょうどいい具合にひとの声らしい温かみを持つため、不気味なことにはならない。
でも一度聞けば印象的なものだから覚えるのは簡単。そして、二度と聞き間違えないような声ではある。

左手の薬指に嵌めた指輪と、右耳にだけ付けたピアスと、桜をかたどったペンダントが宝物。
指輪には自宅へ即時帰宅出来る魔術式を、ピアスはご先祖様の形見、ペンダントは蛇を従える魔術を、篭めている。
蛇に愛された少女ではあるのだが、ペンダントの力がなければ蛇を使役できない。その補佐があって尚、数匹しか操れない。

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ごく普通の家庭に生まれ、優しい両親に囲まれ健全に育つ。少し怖がりだが冒険の大好きな女の子、それが彼女で。
しかし、八つの誕生日を迎える日に両親が他界。親戚の居なかった彼女は孤児院に送られることになり、そこで過ごすことになる。

だがその孤児院は、身寄りのない子供を集めて、金持ちの少女趣味や奴隷商人に売りさばくための場所だった。
それでも始めの一年は“&color(black){売り物}”として優しく扱われる。が、怖がりの彼女は孤児院に馴染めず、売れ残る。

一年経ったある日に移されたのは“売れ残り”用の部屋、売れ残った少女たちの掃き溜め。
食べ物は商品たちの食べ残し、怒鳴り声や体罰の行きかう部屋で、なんとか友達を一人見つけ、
さらにその一年後に移されて来た少女と仲良くなる。そして、十二までこの孤児院で過ごす。

孤児院から出るきっかけになったのはある日の体罰。風呂桶に閉じ込めて水を流し込むというもので、まあ死ぬわけで。
しかしここで出てくるのが彼女の先祖、遥か昔に存在した蛇の神。朱■ととある少女に名づけられた、真っ白な蛇の神様。

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ずっとずっと昔のこと。雨の降るたびに氾濫するような川が、とある村の傍に存在していた。
人々は荒ぶる川に怯えながらも、よく肥えた土地に畑を拵え、細々と暮らしていた。
――白く濁り溢れる川は白濁川と呼ばれ、村人に生と死を与える、絶対的な存在だった。
ある大氾濫の後、村の少年が川の傍で真っ白な蛇を見つける。見つけられた蛇、アルビノのヤマカガシは。
村で神様と崇められ、やがて人の姿を、人の言葉を、人を超越する祟りの力を身につけることになる。

白蛇は氾濫と疫病を司る祟り神になった。人々の信仰が彼の姿をそう定め、捧げられる生贄がその力を強くした。

そんなある日、村に一人の赤子が生れ落ちる。その赤子に、人々は恐れ、怯え、最後は白蛇へと捧げてしまう。
アルビノだったのだ。真っ白の肌に赤い瞳、真っ白の髪。それはまさに、あの白蛇が取る人の姿と類似していた。

「この子は白蛇様のような存在に違いない」

何も知らない人々はそうして赤子を白蛇に捧げ、白蛇はその赤子を自らの社に閉じ込めた。
“雪”のように白い、鈴の“音”のように泣く赤子、雪■と名づけて。

そして十数年が経つ。白蛇は成長した赤子に朱■と名づけられ、村人にもそう呼ばれるようになっていた。
社の中で共に過ごした十数年は朱■の心を動かし、やがて、朱■は雪■を愛するようになる。
二人はやがて婚姻の契りを結び、それ以降、朱■は生贄を取ることも、川を荒らすことも、なくなった。

社からは赤子の声が聞こえ、村人たちは畑仕事に精を出す。誰もが夢見たような、平和な暮らしがそこにはあった。

はずだった。

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ある朝、一人の少女が白く濁り波打つ川に気付き、母親に話した。
母親は答えた、「何かしらねえ……」

そして、ほんの数時間もしないうちに、村のほとんどは、白濁した水に流されて消えた。

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辛うじて高台にある白蛇の社に逃れた者はそこで聞くことになった、「雪■が死んだ」のだと、白蛇その人から。
最愛の人を喪った白蛇は自棄になり村を水に沈めた。何人もが死んだし、家は残らなかったし、何もかもが消えた。

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残った村人は、話し合った末に白蛇を封印することにした。
彼らは忘れてしまっていた、白蛇の祟る力の恐ろしさ、あの平和は一時、捧げられた少女によるものだったこと。

遠く街まで術師を呼びに行き、そして、白蛇が封印される日。

何もなくなった村で佇む白い男を、術師らは一週間も掛けてなんとか封印することに成功する。
動けなくなった蛇の体は社のある高台の穴に閉じ込められ、魂は厳重な封印の後、社へ閉じ込められた。
そして便利な神に据えられ、何百年もの時が経つ。

「あの少女といつか再び出逢う」ことだけを夢見ていれば、八百年の歳月も、あっという間だった。

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鈴■はその少女の生まれ変わりだった。身体と魂、ばらばらに転生するはずだった二つを無理に縛り付けた、
それこそ&bold(){本人の再誕}というかたちで、生まれ変わることを決め付けられた。
もちろんそれを決め付けたのは白蛇で、その術式は、彼と、白い少女との子供、自らの実子に仕込まれていた。
代が変わるごとに血や遺伝子と一緒に受け継がれた術式は、八百年の時を越えて、少女に宿った。

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そして白蛇は、死んでしまった彼女を生き返らせることにした。
自らと悠久のときを生きるにはあまりに脆い人の体を、負いや怪我や病で死んでしまわないようにした。
魔力からモノを作り出せる少女の異能はうってつけとも言えた。魔力で、自らの体を作り続けるように、彼は存在を作り変えた。

何も知らない少女は、刹那に見た夢の中で白蛇に出会い、ただ、「死にたくない」と願い、運命を押し付けられた。

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彼女は孤児院を脱出する、が、行く当てはどこにもなく、ただひたすらに放浪することになる。
逃げ出す際に殺してしまった三人の職員、自らを殺した水の恐ろしさ、そして、作り変えられた身体。
蛇の声はそんな彼女に名前を付けてやることにした、いつかの少女のような彼女に、

鈴■、と、新しい名前を付けてやり、ついに、白蛇は再び白の少女と出逢うことに成功する。

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家もなく彷徨う時間は四年、彼女が十六歳になるまで続いた。
それが終わることになったのは彼女が十六になった年の秋、公園で、とある男性と話したことによる。

初めて自分の名前を呼んでくれた人間だった。初めて自分のことを抱き締めてくれた人間だった。
初めて触れた人間というのは思っていたよりも恐ろしくなく、暖かで、優しいものだと知った彼女は、
あまりにあっさり恋に落ち、その男性の家に一年ほど居候させてもらうことになる。

結婚も約束したが、相手に二股を掛けられ、追いすがったところ、殺害というかたちでフラれる。

二度ほど殺されたが、白蛇が死なないようにと作り変えた身体には、なんら問題もなかった。

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帰る家も何もなくなった彼女は、また放浪することになる。今度は二年、彼女が十九になるまで。
昔の放浪と違っていたのは、彼女がどうにでもなれと自棄になっていたこと、罪悪感が失せていたこと、
なにより、白蛇より授かった刀の刃がてらてらと血に濡れるばっかりになったこと。

それでも最愛の人間(の生まれ変わり)と過ごせて幸せな白蛇は何も言わなかった。

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ある日、どこかの国の神殿で彼女は一人の男性と出会う。
初見一発「お父さんだ」と勘違いした彼女は、見知らぬその男性に話し掛けるも、轟沈。

しかし、二度目に会ったときに家に連れていってもらい、一緒に暮らすことに。
これまた一年ほど親子として暮らし、ぬいぐるみとか洋服をたくさん買ってもらったり、フリーダムに過ごす。
たくさんのペットやぬいぐるみに囲まれて、めためたになっていた精神状態が良くなる。

一年が過ぎた頃、銀杏の黄色くなる頃にプロポーズされ、クリスマスに挙式。人妻に。