■注意
  • fuku2740.txt および ゆっくりいじめ系996の続き
  • 現代設定、ペットゆっくり。虐待されないゆっくりが居ます。

  • 想定外の途中ぶったぎり
  • 苦痛を味わうゆっくりは居るけど虐待というか……なんというか……
  • タイトルに反してうちのれいむの出番極小














■前回までのあらすじ
れいむを買ってきたけど喜怒哀楽の怒哀が無いよ!どうしよう?














暖かい布団の中でうとうとと幸せを噛み締めていた俺は
目覚ましの音で叩き起こされた。
自分で設定した時間とはいえ、どこかやり場の無いイラッと感があるのは仕方ない。
昨日はあの後、ネットでもゆっくりに関して調べて夜更かししちゃったしな……。
さて、れいむはどうなったかな。ちゃんと眠れてるといいんだけど。
自室から出てリビングのれいむの様子を見に行くとしよう。
扉を開けると、ゆっくり用寝床の上でゆらゆらと揺れている赤いリボンとタオルの塊があった。

「ふわぁ~あ、おーい、れいむ起きてるか~?」
「ゆ~ん……ゆゆっ!ゆっくりおきたよぉ~!ゆっくりして……ゆべっ!!」

ビクッ!!と反応してからこちらに振り返り、返事はするもののその瞳は半分閉じたまま、
元気さをアピールしようと軽く跳ねているが足取りは不安定。
不規則な軌道を描いたそれは近くの壁の頭をぶつけてうつぶせに転がってる様を見る限り、
やっぱり新しい寝床に馴染めずにしっかり眠れてなかったみたいだな。

「眠いならゆっくり寝てていいぞー、今日はれいむはお留守番だしな」
「ゆぅ……わかったよ、ゆっくりねむるね……」
「おう、起きたらにあるエサ食べていいからな」

そう言うと、ずりずりと体を引きずりながら寝台に上ってタオルに包まるれいむ。
その間にリビングの家具や冷蔵庫、本棚なんかを調べてみたがやはりちゃんと躾けられているゆっくりだけに
何の被害もなかった。そういう所は流石である。
リビングに面したキッチンで昨日のカレーを温めている間に大きく「れいむ」と書かれているゆっくりの頭部を模した食器皿を袋から取り出し、
1kg1000円のゆっくりフードと昨日のカレーで出た野菜クズを盛って広げた新聞紙の上に置いておいてやる。
れいむは流石に眠いのか、エサに反応せずにゆぅ……ゆぅ……と揺れていた。



うーん、やっぱ朝食べるカレーは格別だな……。味の馴染み方が違う。
俺は眠っているれいむを見ながらカレーと牛乳をたいらげつつ、今の現状と今日やる事を考えていた。
夜、ネットで調べたがゆっくりの大まかな飼い方、習性の説明は結構詳しく掲載されているものの、
ゆっくりの病気や感情に関してはよくわからなかった。
よくかかる病気としてはゆっくり風邪やゆっくりエンザなんかの説明や対処法は載っていたが
そういう病気ではないだろうしな……れいむの感情の欠落は。
俺には専門的な知識はもちろん無い。そうなると、困った時はやはり詳しい人に直接聞くのが一番だろう。
買ってきたゆっくりショップの人に聞きにいくのも手だけどあそこ開くの昼からなんだよな……。
よし!それじゃ午前中のうちに大家さんの所に行ってみるか!入居者にゆっくりを飼わせるくらいなんだから相当に詳しいはずだろう。
となると善は急げ、食べ終わった食器をシンクに放り込んでから急いで身支度、準備完了!!
待ってろよれいむ、ちゃんと調べてきてやるからな……。

「ゆぅ……ゆぅ……ゆっくりしていってねぇ……むにゃむにゃ……」

すっかり熟睡したのか、幸せそうによだれを垂らしながら寝言を言ってるれいむの頭をなでてから
近くに住む大家さんの家を訪ねる事にした。




ピーンポーン……ピーンポーンピンポンピンポンピンポン

「誰?今日は特に予定もなかったはずだけど……」
「おはようございまーす、ゆっくりの話をしに来たんですが~」
「定期的に話をしにきてとは言ったけど、流石に次の日の朝からいきなり来たのは君が初めてだよ……おはよう……」

どうやら寝起きだったらしく、ところどころ寝癖がついた顔をこすりながら大家さんは出てきた。
低血圧のようだ。うちのれいむも見習って欲しい。

「という訳なんですけど、どうしたらいいんですかね?」
「いや……もしかして君、あの子を選んだのは特に理由無かったの?」
「ええ、ただ単に周りと比べて浮いてたのでつい。悪かったですかね?」
「はぁ……まぁ、そんな事だろうとも思ってたけどね……」

大きく溜息をついて呆れる大家さん。てっきり、俺が全部わかっていてれいむを選んだと思っていたようだ。
我ながら計画性の無い選び方だったのは事実なので少々胸が痛い。

「うーん、どこから説明しようか。まずあの子がどういう経緯でこうなったのか、でいいかな?」
「ええ、本人に聞いてもさっぱりわからないので手の打ち様が無くて……」
「そりゃそうだろうね、基本的に市販されてる飼いゆっくりは出荷前に記憶消されるし」
「そうなんですか?どうりで……」
「といっても、大方見当は付くけどね。まぁ、口で言うのもなんだし家で映像資料でも見てみる?」
「はい、お願いします」
「ちょっと待ってて、軽く片付けてくるから」

数分後、大家さんの家に入らせてもらった。
部屋はこざっぱりとしていながらも生活感のある感じのリビングで……ん?

「あれ?大家さんはゆっくりを飼ってないんですか?」
「ああ、うちはちょっとね……仕事の関係でゆっくりは飼えないんだよ。大好きなんだけどね~。
 生態や環境によるゆっくりの未知の習性、生態の分析が仕事だから、キッツい資料も多いんだよ。見返すことも多いし。
 だからうちでペットとして飼う訳にはいかないんだよね……。君たちに今、ゆっくりを飼ってもらってる理由の一つかな」
「なるほど……他にも何か理由が?」
「それはまだヒミツ。まぁ、じきにわかると思うよ」

会話を交わしながら大家さんが奥の部屋から一枚のDVDと、二人分の飲食物の乗ったトレイを持ってきた。
タイトルは……「N○Kスペシャル ペット化するゆっくり~ゆっくり加工場、新たな産業へ~」
それをリビングの端にあるTVの下のデッキにセットしながら大家さんが話しかけてきた。

「ちょっと昔のだけど、基本的に今と同じはずだよ。多少の差異がある部分は説明するからとりあえず黙って見てみてね
 はい、飲み物とポテチ。ちょっと長いけど今の君の知りたい事が全部入ってると思うから」

そう言ってTVの電源を付け、コーラを抱えて隣に座る大家さん。1.5リットルとは……サイズが異常にでかい。甘党なのか。
とりあえず俺も麦茶を貰い、黙ってDVDを見ることにする。





チャラララーン、チャッチャ~、チャララララー、チャララ~
新たな需要、求める人々の声、増える需要
チャラララーン、チャラチャチャッチャ~、チャラララー、チャララ~
見つかった可能性、眩い未来、希望の光


■N○Kスペシャル ペット化するゆっくり~ゆっくり加工場、新たな産業へ~


●序章:ゆっくり誕生から今日への歴史

昭和初期に突如出現した謎の生物、ゆっくり。人語を解し何でも食べる彼らは、突如日本の山林に現れた。
日本語を使用できる野生の獣の存在は山神様として里の人間に愛され、彼らもまた、人間を貴重な話し相手として共存していた。

しかし昭和中期に入り都市開発、山林の開拓が進むにつれゆっくりの生息域は大幅に減少。彼らは人里に姿を現すようになる。
そして新たな問題として文化の相違、つまりは都市部におけるゆっくり害が社会問題になる事となった。
ゆっくり達は性格こそ様々で人語を解するが、行動においては野生動物のそれとまったく変わらなかったのである。
農村部では畑への被害が増加し、都市部ではゴミ荒らしや道路に突入しての事故死、商店への被害も多々発生した。
ゆっくり固有の問題としては言語を解せるという事が大きな問題となった。
日本語で泣き喚き、命乞いをされればそう簡単に迎撃できる物ではなくなってしまう。
かといって言語による説得も、野生動物と似た思考を前提とするゆっくり達にはまず効果が期待できず、
ゆっくり自体の迎撃は容易だがこれによる精神的な負担も当事者の肩に大きく圧し掛かり、ノイローゼになる人も多発した。

これらの問題に対して国がついに対策を行う。「ゆっくりの捕獲、駆除による管理を行う機関」としてゆっくり保健所を各地に設立。
捕獲されたゆっくりや人里に侵入したゆっくりを捕獲し、それらの駆除処理によって頭数を管理する事のみを目的とした機関である。
精神的に負担の大きい仕事ではあるが、より負担をかけずに捕獲、駆除する為に新技術もいくつも開発された。
また、その存在はゆっくり達のコミュニティ内でも恐れられ
「人間の嫌がる事をすると自分がゆっくりできなくなる」
「人間の住処でゆっくりするには、まず先住ゆっくりに聞いてルールを知る必要がある」
などと言うことが常識化した事や、
野生のゆっくりとの交渉術の周知、各地の住人自体がゆっくりの扱いを理解、適応し始めた事も問題解決に大きな影響を与えたと言える。
このような対策によって大半のゆっくりは人間にとって、大きな脅威となる存在、害獣では無くなったのだ。


とはいえ、ゆっくり保健所は本来の目的を果たすと同時に新たな問題を抱えることになった。
単純に駆除機関としてだけの存在としてはゆっくり側からの自発的な被害の軽減により逆に大きくなりすぎてしまったのだ。
そこで保険所は縮小化するのではなく、第一次転向期を迎える事になった。それがゆっくりによる加工製造技術の研究、利用。
すなわちゆっくり加工場の誕生である。昭和後期の事であった。

加工場の出現によって様々な便利商品や食品が生み出され、ゆっくりは人間の生活にとって欠かせないものになった。
しかしここでも大きな問題に当たる事になる。民営会社による独自研究とその商品化だ。
結果、国立機関としてのゆっくり加工場は民営各社との競争に付いて行けずに解体、民営化。
関係者はスペシャリストとして各会社に吸収され、ゆっくりの商品価値がより大衆に認知される事になった。


そして近年、ゆっくりの新しい活用法として人間はより親密な「ペットとしての商品化」を計る事になった。
元々ゆっくりをペットにする好事家は少なからず存在したのだが、野生のゆっくりは前述の通り野生の獣に近い習性である。
また、それらよりも高い知能を持っているが故に既存の動物におけるセオリーが通用しなかったりと飼うには敷居が高いのだ。
個体の性格差も大きく、素直で従順な個体ならばまだしも、我侭で自己中心的な唯我独尊ゆっくりだと飼い主を見下す事もしばしばある。
そしてやはり、ゆっくりがペットとなる上で最大の長所であり問題点でもあるのが「人語を話す」という事だ。
話し相手として共に喜びや楽しみを共有するには最高の長所だが、悪態や悲鳴などで大声を上げられてはたまらない。
困った事にゆっくりは感情表現が激しく、泣いたり怒ったりすると非常に大声になってしまう個体が多い。
これが都市部でのゆっくり飼育の大きな妨げになっているのだ。

この問題を解決する為に、ゆっくりのペット化において
  • ゆっくりの種別による均一化、事前調教
  • 喜怒哀楽の調整、大声の習性
これらが最大の課題であり、必要不可欠な要素となった。

そして今日、それらの問題は全て解決を迎えるに至った。これが新たな歩みである。
それでは、ペット用ゆっくりの誕生から出荷までの流れを順序だてて見てもらう事にしよう。



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年05月03日 15:31