注釈・過去のゆっくりと人の会話は『』合いの手は「」で表します。

ドスにまつわる二、三の話
  • 冬のある日酒場で三人の出稼ぎの男が出会いました。
  • 彼らの村にはドスがいるORいました。
  • 奇縁を面白いと思った三人は自分の村に現れたドスの話をすることにしました。
  • 以上あらすじ
ここから注釈
  • 死なないゆっくりがいます。
  • 東方キャラがちらっとだけ出ます。















1・やさしいドス
うちの村には結構前からドスがいるんだがこれがゆっくりにしては変わった奴でなぁ。
協定結んでからは畑荒らしが出たら侘びの品もってくるわ、それに文句言う泥棒ゆっくりは俺らの目の前でキチンと潰すわ。
人間の怖さを知ってるんだろうな。どうやって人間と上手くやってくかを模索していたよ。いや、今もしてるのか。
まぁ子供の遊び相手もしてくれるし、薬草やキノコの知識も下手な人以上にあるから今じゃちょっとした村の人気者だな。
それでまぁ半年ほど前だよ。知り合いに虐待お兄さんがいてなぁ、そいつが行方不明になっちゃったんだよ。
そいつ最後に会ったときにあのドスがむかつくからあいつを自力で虐待してやるぜ!って言ってたんだよ。
「なかなか夢あふれる奴だな」
家族に聞いたらハバネロランチャーまで作ってゆっくりプレイスに向かっていったんだそうだ。
「用意周到だなおい」
「つうかハバネロランチャーってなんだよ」
協定も結んでいたから下手したら協定破棄で村が攻撃されるからな。鎮圧できるけど被害が出ちまうかもしれん。
ってなわけで友人の俺にちょっとゆっくりプレイスに見に行ってきてほしいって頼まれたんだ。
「なんであんたなんだ?」
……俺さ、『人外に好かれる程度の能力』らしくてな?人妖やゆっくりに懐かれるんだよ。人間はさっぱりなのによぉ………
「す、すまん。続けてくれ」
まぁそれで見に行ったんだが。そこにはいつもどおりのゆっくり達がいたわけよ。
「ほぉほぉそれで?」
とりあえずドスに聞いたんだ、俺の友人が来たはずなんだがドスは知らないか?ってな。
ドスは言った。
『おにいさんのともだち?ゆっくりできないようだったからゆっくりさせてあげたよ!!』
「って、ドスはお前の友人殺したんかい!?」
いや違う違う。文字通りゆっくりさせられてたんだ。ゆっくりオーラってわかるだろ?あれだよ。実にゆっくりしてる顔してたよ。
だが問題があってなぁ。
「問題?」
そいつ行方不明になったの三日前でな。栄養やばいだろと。
「そりゃやばいな、最悪栄養失調で死ぬだろ」
で、俺はドスにたのんだ。こいつそろそろヤバいからコイツを家に帰してやってくれってな。だけどドスは断った。
ドスだって馬鹿じゃない。俺の友達が虐待お兄さんだってのは知ってたから帰して完調モードで次に来られたら
「ヒャッハァ!」
確定だからな。群れを危険に晒したくなかったんだろうよ。
でも俺としても友達見捨てるわけにもいかんし根気よく頼んだ。そいつは俺の大事な友達だ。こいつの家族も心配してる。頼むからそいつを返してくれってな。
しばらくしてからドスは判ったって言ってくれた。
『わかったよ、おにいさんのおともだちやかぞくがいなくなったら
 おにいさんがかなしむし、おにいさんがかなしいとどすもかなしいからね』
自分の能力に感謝したのはこれが初めてだったよ。こうしておれは友を背負って下山したわけだ。
「で、それから友人はどうなったんだ?」
あぁ、何とか持ち直した。最近は
『あのドスには別のドスを倒せるようになってから挑む。俺の虐待道はまだ未熟だった、不覚………!!』
とか言ってた。
「虐待お兄さんっていうよりはそれただのバトル野郎じゃねぇか?」
俺もそう思う。
俺の話は以上だ。次は誰だい?
ってお前等凄い勢いで酒飲んでるな。こんなんていうかよ、チビリチビリって呑むのが通だろうが。
「何をいってる、酒は量だ」
「それにアルコール濃度が濃ければなおよし」
……文化の違いってけっこうあるのな。

2・無能、というか役立たずなドス
じゃぁ次はおれが話すよ。
それにしてもおまえんところのドスはいいなぁ、村とうまくやってそうで………。
「まぁ、毎年マツタケ持ってきてくれるしな。以外と話せばいい奴だぞ」
うちのところははなぁ………。
去年までうちの村のちかくにドスが率いる群れがいたんだ。来てしばらくしてから協定も結んだ。

しかし、協定結んだ当初は畑荒らしは確かに減ったんだがまた増えてきてなぁ………。
捕まえても捕まえても
「ゆ!どすがしかえししてくれるぜ!!」ってきかないから永遠にゆっくりさせてやってたんだがな。
あまりにやまないから有志でドスの巣に直談判しにいったわけだ。念のため防毒マスクかぶってな。
どうして畑荒らしを取り締まらない、協定ではそれをやるのはお前の役割だったはずだ、とドスに責めたわけだ。
そしたらドスの奴
「ゆぅぅぅぅ………めんどくさいよ」って言いやがったんだよ!
自分で協定決めといてそれはないだろうが!
しかもこともかくに
「おやさいはかってにはえるからじゆうにしても………」とぬかしやがった!
お前はただのゆっくりから進化したんじゃないんだろうかよって!でかくなったんだから少しは頭使えよ!
「最近はドス化した飼いゆっくりを捨てる飼い主もいるらしいからな……
 もしかしたらそんなゆっくりが祀り上げられたのかもしれんが……
 野菜は勝手に生えてくるってドスにもなってそりゃないだろ」
さすがの俺らも怒りが有頂天入ってなぁ。つい、
『さすがどす!』
『どすはわかってるね!』
『うるさいおにいさんたちはゆっくりでていってね!』
『おやさいさんはかってにはえてくるんだよ!そんなこともわからないの、ばかなの?』
とかほざいてるゆっくりを潰して回っても誰も文句言わないよなぁ。
「言わん言わん」
「まぁその気持ちは判らんでもない、むしろ潰せ。農村と俺の飼ってるゆっくり達が少し平和になる」
お前の飼ってるゆっくりは知らんがまぁ、一度パニック起こせばゆっくりなんてあっという間だったよ。
『ゆぎゃぁぁ!』
『み、みんながごろざれでるあいだにまりざばゆっぐりにげるよ!!』
『逃がすかこの畑荒らしがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
農夫/投擲技能/鎌/成功(のうふはかまをなげた!かまはゆっくりまりさにあたった!まりさをたおした!)
『べびゅっ!?』
『よ…よぐもまりざwべぎゅし!?』
『わからないよぉ、わからないよぉ!』
『むきゅ~ん!? だ、だからおやさいとるのやめようっていったのに……』
体付きぱちゅりぃは反省してるようだから捕獲した。今頃は俺の家で寝てるだろうよ。
「お。おまえまさかHENTAIお兄さ………」
馬鹿言うな、おれは体つきでもゆっくりには劣情を向けん。せいぜい頭のいいペット止まりだ。
「それならいいんだが……」
『ぼ…ぼっどゆっぐりじだがっだ………』
暴れまわって気が付けばドスを残して群れは壊滅してたよ………。
「そりゃそんなに暴れればな」
で、惨状を見てドスは叫んだよ。
『どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉぉぉ!?』ってな。
まぁ、そんなこと言ったらこう返すしかないだろ?
『『てめぇがちゃんと監督してねぇからだろうがぁぁぁぁぁぁぁ!!ひゃぁたまらねぇ、殲滅だ!!』』
農夫/打突技能/竹槍/大成功(のうふはたけやりをつきだした!くりてぃかる!!)
農夫/刺突技能/包丁/大成功(のうふはほうちょうできりつけた!くりてぃかる!!)
お兄さん/虐待技能/抉り取り(何をとは言わない)/大成功(おにいさんはすででどすまりさの  をえぐりとった!!これはいたい!!)
「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
(どすまりさをたおした! おにいさんたちはれべるがあがった!!)
ハイテンションになってたからぜんぜん考えてなかったが今思うとドススパーク撃って来なくてホント助かったよ………
「パニくったんだろ」
「老練したドスでない限り、混乱すると攻撃するって考えががすっぽ抜けるらしいからな」
まぁ、倒してっつてもドスはまだ生きてるがな。
「「??」」
ドスの生命力ってのはかなりのもんだからな。村に持って帰って縛り付けて、ストレス解消に使ってんだよ。
『無能なドス、ここに晒す』って書いてな。適当に槍で突くとまだ悲鳴をあげるんだよ。
「必用な餡子が傷付かなきゃ死なんらしいからなゆっくりって」
ついでに畑泥棒も一緒に晒してる。
「気持ちはわかるが同意はできない」
おまえんとこのドスとゆっくりが人間的な意味でまともすぎるんだよ。うちのドスはゆっくり的にまともすぎたんだろうよ。
「そんなものかねぇ」
そんなものだ。まぁ、ドスを晒してからは畑荒らしは無くなったなぁ。
「「元凶がそんな目あったらっ無くなるのは当たり前だろうが!」」
ちげぇねえ。

俺の話はこれで終わりだ。最近は山でしかゆっくりを見なくなったな。最後はあんただぜ?
ってそれ頼んだの俺だろうが!何勝手に食ってんだよお前等ぁぁぁぁぁ!
「馬鹿野郎、飯の場ってのは常在戦場だぜ?」
「俺の村でもそれは常識だ」
うぅ……おれの焼き魚。
3・ゲスなドス
ま、まぁ落ち着け。俺が頼んだ焼きとりやるからさ。
じゃ、じゃあ最後は俺だな。
俺の村に来たドスはあんたん所のドスより酷かったぜ。

最初に俺の村に来るなりドススパーク撃ってきて、
『どすのどすすぱーくをうたれたくなかったらきょうていをむすぶんだぜ!!』
って脅迫してきやがった。こっちはドスゆっくりなんて見たこともなかったからな、あっさり協定結んじまったわけよ。
「典型的ドゲスだな」
「すてきなまでにドゲスだな」
しかも協定内容がまた酷い。
1・人間はゆっくりを殺さないこと
2・ゆっくりは山の麓をゆっくりプレイスにする
ここまでは未だいいんだよ。 
3・人間はゆっくりに食べ物をせがまれたらあげること
4・ドスのいうことは人間はきかねばならない

酷いもんだろ?山の麓といえば集会開いたり桜や椛の木の下で宴会開いたり、と俺らの憩いの場だったんだよ、それを奪われたうえにこんな要求をしてきたわけだ。 
だけど断ればドススパークだろ?これで協定結ぶしかなかったわけよ。
「まぁいきなりビーム撃たれたらこわいわな」
「ドス種に初めて会ったんならしょうがない」
それからがもう地獄だよ、ゆっくりは傍若無人に村中練り歩いては
『たべものをよこすんだぜ!!』
と喚いて、よこさなかったり蹴り飛ばしたりしたら大群で体当たりしてくるわけよ。
まぁそれでも我慢してたんだよ。野菜の菜っ切れでもやってればすぐに喜んで帰るからさ。
だけど、秋になって事情が変わった。あいつら、いつも俺らから餌もらってたから冬篭りの貯蓄してなかったんだよ。
それで自分らのせいなのに
『ふゆのためにごはんをよこすんだぜ!!』
というわけよ。指定した量はそりゃあもうたくさん。
冗談言うなって。自慢じゃないがうちの村はかなりカツカツだ。そんなに持ってかれたれ俺ら全員が餓死しちまうっての。
『つべこべいわずにとっととわたすんだぜ!!』
俺らの一存では決められんって説得してドゲスに帰ってもらってから村中で今後どうするか会合を行ったんだよ。
いっそ村を捨てるって意見も出たんだがそこに救いの主が現れた。
「そいつは一体?」
赤と青の色の服を着たその方は自分はお医者兼何でも屋だ、と言った。そして、俺達に奴との戦い方を教えてくれたんだ。
「それは親切なお医者様だな」
「なんか裏あるんだろ?」
あぁ、それは俺達が事を成したときにドゲスの奴を生かして捕まえてくれと言う頼みだった。何に使うんだろな一体。まぁ知りたくもねぇが。

で、その日の夜に俺たちはゆっくり掃討戦を開始したわけだ。
「何事も迅速が尊ばれるからな」
「どうやって、ドスの群れと闘ったんだ」
まず、お医者様からもらったジョロキア煙幕弾頭を巣穴に打ち込んだ。
「えげつねぇ」
「暴徒鎮圧用に都で作ったとかいう奴じゃねぇか」
まぁ結果は推して知るべしって奴だ。
『ゆげふぉ!ゆげふぉ!!』
『きゃ、きゃらいぃぃぃぃぃぃぃ!!』
ゆっくり共が巣から出てきたんだが中にはその場で餡吐き出して死ぬ奴等までいたな。辛いのが毒って話ホントなんだな、ってあのときは思ったよ。
「そりゃジョロキアって俺らでも悶絶する奴出るじゃねぇか」
人間でもそうなんだから、さぞかしゆっくりには地獄だろうな。だが、一番肝心のドスの奴が出てこない。
とりあえず、いつもドスの側にいた変な型のついた帽子のまりさをとっ捕まえて聞いてみたんだ。
『おい、ドスはドコにいる?』
『どどどどどずばおぐのべやにいるよ』
ドスのやつ、別に部屋作って住んでたんだよ。
「頭のいい奴はそうするな、俺のところのドスは普通の群れのように分散式にしてるけど」
「ドゲスは頭いいやつもいるらしいからなぁ」
まぁ
『そうか、おぉいこいつ潰していいぞ』
『いぃやっほぉぉぉぉぉぉぉ!!このクソ饅頭がぁぁぁぁ!日ごろの恨み思いしれぇ!!』
『ぎゃぼ、ぐぎぇ、ゆっげぇぇぇぇぇぇぇ!!』
『とりあえずジョロキア弾頭もう一発用意しとけ、いざというときに使う』
そして俺たちは巣穴に侵入した。
「出てきてくれば楽だったろうに」
今更言うな。で、部屋を見つけた俺らがドスに遭遇したわけだ。
「そこから派手なバトルだな!?」

いや、霧状になったジョロキア煙幕吸って咽て転がりまわってた。いくらドスでも完全密閉は無理っぽいわな。



「「え~~~~!?」」
「ドゲスと村人のスーパーバトルは?」
「ドススパークを掻い潜り一撃必殺を叩き込む男のロマンは!?」

知るか、そんなロマン犬にでも食わせろ。念には念を入れて開けてる口めがけてジョロキア弾頭を直接放り込んではい終了。
失神したドスを外に運び出してお医者様に引き渡して終わりだ。しっかし、ゆっくりを調べて医療の役に立つのかねぇ?

「あいつらのよだれには凄い免疫がある、とか村の医者が言ってたなぁ」
「他にも薬でも飲ませて反応確かめたりするんじゃね?」

しかし、お前らの話を聞いてて思ったんだがドスでもかなり性格が違うんだな。ゆっくりはみんな悪党ってわけじゃないっていうやつの気持ちもわかるな。

「それは俺も思った」
「俺もだな」

まぁ、人の生活に迷惑かける奴は潰すがな。
「何を当たり前なことを」
「うちの村はドスが潰すからなぁ」
「だからそのドスをこっちの村にくれ」
「ごめん、無理」

まぁ酒もここまでにしとこうぜ、どうせ明日も早いんだ。店員さん、おかんじょ~!!

後書きと言う名の補足。
えーりんに捕まったドゲスも未だ生きてます。生物としてはですけど。


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最終更新:2022年06月03日 22:01