ゆっくりわさび

家に帰宅するなり、自分を迎えてくれたのは無残にも散らかされた部屋と
開けっ放しの冷蔵庫、そして水道の水がジャーと音を立てたまま流れ続けている。
そして部屋の奥で笑顔の紅白の饅頭だった。

「ゆ? ここはれいむのおうちだよ、ゆっくりしていってね!」
と言い出す、お饅頭。

これは、ゆっくりという生物らしく、見た目は人の顔だをした生き物だ。
このゆっくりは、ゆっくりれいむという種族で、赤いリボンをしているのが特徴。
それからゆっくり達の顔は、みんな女の子の顔をしており髪の毛もしっかりついている
ゆっくりの赤ちゃん達も生まれながらに髪の毛と、種族がれいむならリボンも付いているらしい。

「おじさんはだれ? ここはれいむのおうちだからかってにはいらないでね」

人の家に無断で侵入しておいて、よくもまあそんな事が口から出てくるものだ
これが動物ならば家の主が帰ってくれば一目散に逃げ出すのだろうが
このゆっくりという種族は知能をもち、人語を話す、動物と違い会話ができる知能がある。
しかしその中途半端な知能は人間にも動物にも圧倒的に劣る。そのアホな知能のお陰で大抵のゆっくり達は長生きができないのだ
なぜかって? どんなに悪事を重ねても(ゆっくり達に善悪はわからない)満面の笑顔で。
「ゆっくりしていってね!」などとほざく。

善悪が分からないということは可哀想といえば可哀想だ。

とりあえず俺は、ゆっくりれいむを無視して部屋の片付けに取り掛かった。

まずは出っぱなしの水道を止める。けっこうキツめにひねっておく。
次は部屋の片づけだ。
本棚からあふれ出された本を片付ける、いくつかはページやカバーをやぶり捨てられている
多分、食物と思いページを食べたのだろう。
食べられないと分かると、はき捨てたページと思われる、ゆっくりが吐き出した胃液でぐちゃぐちゃになっている塊が
そこら中に散らばっている。
それらを一つ一つ、手に取り、ゴミ箱に捨てる。
もちろんゴミ箱もご丁寧に倒されてあり、中のゴミが散らばっている。
そのゴミも一緒に、さっきのページの塊と一緒にいれていく。
ゆっくりのよだれと見られる白い液も雑巾で拭いていく。


その様子にゆっくりれいむは、この男が部屋の片付けに来てくれたのだと思いこう言う

「おじさん、れいむのおうちをきれいにしてくれてるんだね、ありがとう」

ほう、勘違いしているとはいえ、ゆっくりもお礼を言うことくらいはできるのか

「でもきれいにしたらでていってね、ここはれいむのおうちだから れいむがひとりでゆっくりするよ」

やれやれ、前言撤回だ。 このゆっくりという生き物は、自己中心的で自分の事しか考えられないらしい
この性格が災いして、黙っていればそこそこ可愛いかもしれないのに、人の怒りに触れてしまう
その結果、殺されてしまう。 こういえば怒るとか喜ぶとかがよく分かっていないらしい
完全に自分のルールの中だけで生きているのだ、子供のうちは仕方ないかもしれないが、大人になっても
こうであるのだからどうしようもない。まあ、ゆっくりだしね。でもやっぱり喋るのがいくない。
この喋る機能のせいで、大抵の人の神経を逆撫でしてしまうのだ。

そして最後に開けっ放しの冷蔵庫を見る。
中に入っていたものは食い散らかされ、見るも無残な姿になっている。
倒れて、ぼたぼたと中身が流れている紙パックのオレンジジュース、牛乳
潰れた卵パック、袋を破り捨てて食ったと思われる、ハムやウィンナー
野菜も全滅。 どの野菜も不味い茎や根っこの部分だけご丁寧に残っている。

はぁ… と冷蔵庫を閉めようと思った俺は冷蔵庫の奥に残っているものを発見した。

「こ、これは… わさびじゃねーか!」

前に刺身用に勝ってきた 新品のわさびである。
なぜ新品かというと、大抵の刺身にはわさびも一緒にくっついてくるものなのだ。
だから使わずに新品だった、それだけ事なのだ。

そのわさびを見つめ、俺は面白い事を考えた。
このゆっくりに天国と地獄を見せてやろうと。

後ろを振り向きゆっくりれいむの方を向く。

「おうちがきれいになったよ ありがとう おじさんはもうでていってね」

まだそんな事を言ってやがる、まぁいいや、俺はゆっくりにある提案を持ちかけた。

「ごめんな、ここはれいむのお家だったんだよな、でもおじさんも帰るおうちがないからここに住まわしてほしいんだよ」

ぷぅーと顔を膨らませこう言い返す。
「だめだよ、ここはれいむだけのおうちだもん ゆっくりするのはれいむだけだよ」

なんという自己中饅頭だ。 仕方ないので条件を出すことにした。

「じゃあおじさんがいまから美味しい食べ物を持ってきてあげる だから一日だけでいいから泊めて、お願い」

その条件を聞き、ゆっくりれいむの顔つきが変わった。

「おいしいものくれるの、じゃあいいよ でもあしたになったらでていってね」

ちゃっかり明日には出て行けといい忘れない所にゆっくりの自己中心な性格を感じる。
そして俺は、ゆっくりに占領された我が家を出て、夜のコンビニに向かった。



「いらっしゃいませー」

コンビニに着いた俺は、早足で目的の商品を買う。
目的の商品は、わさび二つと、抹茶アイス二つだった。

「ありがとうございましたー」

商品を店員から受け取ると急いで家へと向かう。




家のドアを空けるなり、ゆっくりれいむが近寄ってきた。

「おじさんおかえり! はやくおいしいものたべたいよ!」

ぽよんぽよんとゴムボールのように跳ねまわり、よだれを垂らしながら俺の持っているコンビニの袋に飛びつこうとする。

「まだ駄目だよ、この食べ物はよーく冷やさないとおいしくないんだ、今食べたらおいしくないぞ」
そう俺に諭されゆっくりは残念そうに袋をみる

「ゆぅ… わかったよ がまんするね」

とりあえず買ってきたわさびとアイスを冷蔵庫に入れる。アイスだけは溶けないように冷蔵庫の一番上の冷凍庫に入れる。
ちなみにこの段は何も入っていなかったのでゆっくりに襲われずにすんだ場所である。
それ以前にゆっくりの跳躍では一番上まで届かないということでもあるが。

とりあえずよく冷えるまで一時間程度置いてみる事にした。
その間また何かされては困るので、監視もかねて、ゆっくりれいむと遊んであげる事にした。

そして一時間後
買った時よりもよく冷えた、わさびとアイス。
これを別々に同じ容器に入れる。透明なガラスの容器なの冷たさを一層引き立たせる。
遠目で見ると一見同じ、抹茶アイスだが片方はわさびの塊である。
チューブのわさびを二本まるまる使ってできた一品である。

「これでよし… と」

思わず口元がにやける、これから始める悪戯に対して、いい歳しつつもワクワクしてしまうのだ。
最初に抹茶アイスの方だけをゆっくりれいむの方へ持っていく。

「これが美味しいアイスっていう食べ物だよ」

ゆっくりれいむの目には、コンビニの抹茶アイスが輝いて見える。
冷たそうで美味しそう。透明な器に入れてあるのでより一層そう感じる。
初めて見る食べ物に、ゆっくりれいむの口元からはよだれがだらだら溢れてきていた。

「まずは俺が一口」

ぱくっとスプーンでアイスを口に運ぶ俺。
感想は、まぁ抹茶アイスですね… くらいか
それを見たゆっくりれいむは自分にも早く早くとばかりに、ぴょんぴょんとアイスに食いつこうと跳ねる跳ねる。

「おじさん! はやくれいむにもそれちょうだい ゆっくりはやくたべたいよ」

ゆっくりはやくという言葉の意味はわからなかったが、スプーンで一口すくい、ゆっくりれいむの口に入れてやる。
ゆっくりれいむの口の中に広がる、極上の冷たく甘い刺激! 一口のアイスを何度も下で転がし味わいまくる。

「しあわせー!!!」

たった一口のアイスを思い切り味わったゆっくりれいむの表情はご満悦といった感じだった。

「おじさん! もっとちょうだい! もっとゆっくりたべたいよ!」

きらきらした目と表情で、もっとよこせと訴えてくるゆっくりれいむ

「いいよ、全部食べなよ」

俺はそう言って残りのアイスを全部あげることにした。

「ゆっくりいただきまーす!!!」

物凄い勢いで、器の中に頭を突っ込みむしゃむしゃとアイスを頬張るゆっくりれいむ。
こんな汚い食べ方は動物でもしないだろう。見ていて哀れにしか見えない。

あっという間にアイスを感触し、満足そうなゆっくりれいむ。
ゆっくりゆっくり言ってる癖にゆっくり食べるという頭はないのだろうか。
ゆっくりれいむは俺の方を向きこう言う。

「おじさん! もっとないの! もっとたべたいよ! いますぐもってきてね!」

そう来ると思った。俺はすぐに準備してあったわさびアイスを持ってくる。

「はいはい、ちゃあんと準備してあるよ」

ゆっくりれいむの傍に、わさびアイスを置く。

「いただきまーす!!!」

おかわりのアイスを目の前にゆっくりれいむは、抹茶アイスではないわさびアイスに飛びつく。
思い切り大きな口を開け、わさびのアイスを丸呑みだ

「やった!」
思わず口から喜びの声が漏れる。ついにこの馬鹿饅頭にわさびの塊を食わせる事ができた。
これからどうなるのか? 考えただけでぞくぞくしてくる。

「ん…? なんだかこれへんなあじがするよ さっきのとはちがうよおいしくないよ」

バカタレめ、食い意地はって一口で丸呑みにするからだ。
全部食ってからようやく気付きやがった。しかしもう遅い!

数秒後、ゆっくりの表情がみるみるうちに変わっていく

「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ぐぢのなががからいよ! めがいたいよ!」

ついにわさびの効果がきき始めてきたか。
ゆっくりれいむは目から顔から大量の涙と汗をたれ流し、のたうち回りはじめた。

「うげえええ!!! ぶぅうぅおえええええええええええええええええええ!!!」

口を大きく広げ、なんとか食べたわさびを吐き出そうとする、ゆっくりれいむだが、既にわさびは消化済みらしい

「いだい!いだい!いだいよ おくちがいだいおおおおおおお!!!」

目からは涙は止まらない、いや顔全体から液という液が垂れ流しになっている状態だ。
このままでは自分は死ぬと悟ったゆっくりれいむは、のたうちまわるのをやめ、ある場所へと突撃した。
その場所とは水道である。この危機を打破する為には水を飲むしかないと判断したのだろう。

「みずぅ!! おびずうううううう!!!」

物凄い形相で水道の方へ飛び跳ねていくゆっくりれいむ。
だが、そんな簡単にいかせるわけにはいかない。

「そうはいくか!」

俺はすかさず、後ろからゆっくりれいむを掴み、壁に叩きつけた。

「うぶぇ!!!」

壁に投げられずりずりとすり落ちていくゆっくりれいむだが、口の辛さと、目の痛さがそれを許さなかった。
すぐさま起き上がり、水道へと網突進を開始する。

「びず!!! びずぅううううう!!!」
「オラァ!」

またまたすかさず、飛び上がった隙を狙う。

「ぶふぅ!!」

飛び上がったゆっくりれいむを殴りつける俺。もちろん全力ではない。
それでもゆっくりに対してはかなりの威力があったらしく、殴られた勢いでぼよんぼよんと床を何回もバウンドし叩きつけられた。

「ゆ… ゆぅ…」

今ので結構なダメージらしくなかなか起き上がってこない。相当に顔にもダメージを受けている。
だが、目の痛さと口の辛さは休むのを許してくれなかった。

「ゆぅぅぅ!! ゆっぐりどいてねぇえええ!!!」

修羅のような顔で、三度目の突撃を開始する、ゆっくりれいむ。
もはや、ゆっくりれいむには水道しか見えていない。
そして俺は、水道を守護する門番な気分になっていた。
飛んできては、殴り、投げ、殴り、投げの繰り返し。
それでも、ゆっくりれいむは水道に行くのをあきらめなかった。

「ゆっぐり!どいてよぉおおおおお!!!」
「おみず! のませでぇええええええ!!!」
「ほんどに ほんどにじんじゃうううう!!!」

根気負けという奴だろうか、俺はついに水道への道を開けてやる事にした。

「しょうがない、俺の負けだ 早く行けよ」
「おびずぅぅぅ!!!」

真っ赤な顔をして一目散に水道へと向かう、ゆっくりれいむ。
もはや、ゆっくりれいむの顔は限界に来ていた。
口の中の感触がまるでない、焼け爛れたようにジンジン痛みが襲ってくる。
眼球が飛び出そうだ、涙も枯れ果てている。

一歩、一歩、水道が近づいてくる。
そして、水道の真下までたどり着いた。後はこの上まで飛び上がるだけだ。
ゆっくりれいむは最後の力を振り絞り、大きな跳躍を見せ、見事水道の蛇口まで飛び上がった。
そして、蛇口をひねれば水が出るという事を知っていた、ゆっくりれいむは蛇口に口を挟み、ひねり始めた。

「む゛ー!!! む゛ー!!!」

必死に蛇口を回そうとするが、一向に回る様子がない蛇口。
どうして? どうして回らないの? と涙は出ずとも、悲しい表情のまま蛇口を必死にひねり続ける。
なぜ回らないのかというと、別に特別な仕掛けを仕掛けたわけでもなく、きつめに捻っておいただけだ。
しかしゆっくり程度の口の力ではまわすことも適わない。

「む゛ー!!! む゛ー!!!」

ぷはっと口を離してしまい、そのまま水道の流し台にすっぽりはまる、ゆっくりれいむ。
なんともお似合いの格好だ。これが便器だったらさぞや面白い光景だったろう。

「どうじで… どうじでまわらないの!!」

すっぽり水道にはまった、ゆっくりれいむを上から見下ろす俺。

「どうしたんだよ? 早く水を飲まないと本当に死ぬぞ」

にやにやした顔つきで、ゆっくりれいむに状況を聞いてみる。

「おじざん… だめだよ じゃぐちがあかないよ… おねがいだよ じゃぐぢをひねってね!」」

ここに来て、俺を頼ってきたか。仕方ない俺は鬼でも天狗でもない、助けてやろう。
もちろん条件つきでな。

「とりあえず、ゆっくりれいむよ、ここは俺の家だ、それだけはまず最初に認めてもらう」
「ゆぅ… わかったよ ここはおじさんのいえだよ… だからはやくじゃぐちを」

もはや反抗する気力もないのか条件を認める、ゆっくりれいむ、なんがか張り合いがないな。

「次に、散々人の家を散らかした罰だとして、しばらく働いてもらうからな」
「わかった わかったよぅ だからはやくおみずを… おびずをください!!」

条件に承諾したのを確認したので、俺は蛇口を思い切りひねった。
ジャアアアアーーー!
勢いよく冷たい水が噴出してくる。
その真下にいた、ゆっくりれいむに水がどばっと落ちてくる。

「おびずぅぅぅ!!!」

大きな口を限界まで広げ、冷たい水がわさびで腫れた口を癒してくれる。
もちろん顔中に水はかかるので、目にも潤いがすこしづつではあるが戻ってくる。

しばらくそれを見ていると、真っ赤に腫れていたゆっくりれいむの顔が普通の肌色に戻っていく。
顔色が良くなったのを確認すると蛇口の口を逆にひねり水を止める。

「ゆぅー」

命が助かったのを顔全体で安心しているのか、ゆっくりれいむの表情は非常に穏やかだった。

「良かったな、お水が飲めて、飲ませてやったんだから、明日かたは俺の言うことに従ってもらうぞ」
「ゆ? おじさんなにいってるの? ここはれいむのおうちだよ、おじさんはでていってね」

なんという事だ。この饅頭は、つい数分前の約束すら覚えていない。
それも自分に都合の悪いことは全て忘れる、どうしようもない脳みそを持ってやがる。

「ゆっくりでていってね おじさんはきらいだよ」」

… やれやれだ、俺は冷蔵庫に向かい、最後のわさびチューブを取り出す。
そして、水道にすっぽりはまっている、馬鹿饅頭の元へと戻っていく。

「おじさん はやくでていってね まずいものをたべさせる おじさんはだいきらいだよ」

身動きが取れないその状態でよくもそんなセリフが吐けるものだ。
つくづくこの馬鹿饅頭に感心させられる。

「口を開けろ」

そう俺はゆっくりれいむに命じた。

「ゆ? またおみずをくれるんだね! ゆっくりあけるよ」

馬鹿でかい口を、あーんとばかりに大きく開ける。

「今度はゆっくり味わってね」

わさびチューブをゆっくりれいむの舌や口の中に塗りつける。そりゃあもうべっとりと。

「じゃあな、俺は出て行くよ さよなら」

水道にはまったゆっくりれいむを後にし、俺は家を一旦出た。
何かを自分の舌や口の中に塗られた気がしたが、男が居なくなって、ご満悦のゆっくりれいむ。

「ようやくゆっくりできるね… ゆっ!」

再び先程の悪夢が蘇る。
口の中が大火事だ、眼球が燃えそうに熱い、汗が止まらない。

「ゆびゅおあああああああ!!!」

すぐに真上にある、蛇口をひねろうとするが、なんと自分ははまって動けない。
んーんー! と精一杯の力で脱出を図ろうとするが全然取れない。
その間にも、顔の中から地獄の業火のような痛みが続く。

「おぼぇえええええええええ!!! おじざん!!おじざん! じゃぐちをひねってぇえええ!!!」

しかしそこにはもう男の姿はない。それに自分が今さっきでていってねと催促したのではないか、今更遅い。

「うぶぉああああああああああああ!!! だずけでぇええええええええええええええええええ!!!」

その声を俺は玄関の外から聞いていた、もう少し、ゆっくり慎重に言葉を選ぶ餡子があればこうはならなかった
のになと心の中で不遇に思った。
ゆっくりれいむは絶命する直前に幻覚を見た。
他のゆっくり達が綺麗な水のあるオアシスでゆっくりしているのに、自分だけは終わりのない灼熱の砂漠でさ迷っている。
どんなに足掻いても、オアシスには辿り着けずに永遠に砂漠をさ迷う自分。
その幻覚はそのまま今の現実に直結していた。
ほんのすぐ真上にある蛇口、しかし自分ははまっていて身動きがとれない。
水のあるオアシスの入り口は目の前だというのに。

「ゆぅー ゆぅー ゆぅ… ゆぅ」

息もたえたえになって意識が薄れてきた、それでも顔の中からの激痛はやまない。
もうこのまま死にたいが、激痛がまだ、死につれていってはくれなかった。
目はもはや眼球が飛び出そうだ、ぶちゅぶちゅと眼球の間から、中の餡子がちょっとずつ出てきている。

「いだいよぉおおお!! いだいよぉおおお!!」

ひたすら叫ぶのを繰り返す、ゆっくりれいむ、でも助けは誰も来ない。

「だれかだずげでぇえええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」

そして三時間後、俺は、ゆっくりれいむの悲鳴だけを聞くのも飽きたので友達の家へ遊びに行っていた。
帰宅して早速、洗面所を見にいく。
すると、燃え尽きたような黒い饅頭がすっぽり水道の流しにはまっているではないか、やはりこのまま絶命したか。
本当に心から哀れな生き物だと思い、その黒い饅頭の残骸を生ゴミ袋に捨てた。




自分の事ばかり考えて生きてきた結果がこれだよ!


ゆっくりわさび   終

ゆっくりにわさびを食わせたらどうなるんだろうと、考えたSSです。
もちろん自分は、大量のわさびなんぞ食った事ないので、大量のわさびを食べた生物がどうなるのかなんぞ
知りません。 すべて自分の想像です。 でも多分、死ぬんだろうな・・・

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最終更新:2022年05月03日 17:12