※俺設定注意
 英国人を貶める表現が出てきます。注意










ヨーロッパ北西部のとある島国。
雲をついて林立する摩天楼。
暗闇を照らし出すイルミネーションは、そこが世界でも有数の大都市であることを示している。

並び立つビルの合間に時折見える建造物は、中世の古雅をそのままに残す。
夜の帳から街を守るように覆う霧は、それ自体が歴史と伝統を物語っているようにも感じられた。
そう、ここは霧の都とも名高い王都・倫敦。大英帝国の栄誉ある首都である。

千年以上も昔からそうしていたように、今日も霧の古都は優雅に、だが眠ることなく夜を過ごす。
街灯に照らし出された街中では、今も人が行き交い、昼も夜も変わらないようにすら見えた。

霧と繁栄に包まれた王都に、だが自然は何の贔屓も無く接する。
今日は満月。淡い光を湛えた月が倫敦をやさしく照らしだす・・・筈だった。



何かが。何かが月を覆っている。
雲ではない。つい先ほどまで、月はその顔を地上に向けていたはずだ。
霧でもない。濃霧と名高い倫敦の霧は、今日はその名を裏切って淡く街を包んでいるだけに過ぎない。
ならば、一体何が。

影だ。
とてつもなく大きな影が、月・・・いや、空そのものを覆いつくしている。
まるで黒い絨毯のように、空は真っ黒に染まっている。

いや、大きいのではない。
多いのだ。
何か小さな影が、それこそ無数に集まってこの空を塞いでいた。
一体何が?鳥か?蟲か?蝙蝠か?あるいは、他の何かか?



それは、ゆっくりだった。
蝙蝠の羽を持った空飛ぶ肉まん・・・・・・ゆっくりれみりゃ。
一匹は三十センチに満たないそれが、群れに群れてこの空を満たしている。

勿論、王都にいる人間達がそれに気付かぬはずは無い。
彼らは一様にポカンと口をあけながら空を見上げ、この異常な光景を見続けている。

『お、おい!?ありゃ一体なんだ!!(※)』
『何だ・・・蝙蝠・・・?いや、違う・・・人の、頭・・・?』

(※彼らの言語は日本語に通訳しています)

ゆっくりは世界規模で見るなら非常に分布している領域は小さい。
日本と、台湾に少々。あとは世界にいるかいないかといった所だろうか。
英国人たちがこのけったいなナマモノを知らないのも当然といえた。



一匹のれみりゃがふと街を見下ろした。
光り輝く建造物の合間に、人間達を見咎める彼女。
そして理解した。あれこそは、我々の食料だということを。

それは本能に刻まれた記憶。
血を啜り永遠の命を手にする吸血鬼の宿命。
かつて海を越えてこの王都にやってきたドラキュラ伯爵のように、彼女達もまた獲物の血に飢えていた。

「うー!!」

一声、高く鳴く。
一斉に集まるれみりゃたちの視線。
彼女は羽根を使い、器用に眼前の人間達を指した。

そして彼女の同胞達も思い出す。
吸血鬼の矜持を。捕食者の悦びを。そして目の前にいる者に、何を理解させるのかを。

そうだ。
偉大な先人がそうした様に、我々もこの霧の都を恐怖に突き落としてやる。
この優雅な都市を、地獄の釜の底に化けさせてやる。



何をすべきか理解した彼女達は、一斉に急降下を始めた。
狙うはあの人間達。あの赤い血がたっぷり詰まった美味しいご馳走だ。
その思いを胸に、彼女達はおのおの狙いをつけた人間に襲い掛かる。

空から落ちてきた無数の肉まんたちが、この街にいる全ての人間に対し襲い掛かってきた。

『う、うわあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』



















『あああああああああああああああああああああ!!!!・・・・・・あ、あれ?』

途端、素っ頓狂な声を出す英国人達。
一体何がどうしたというのであろう。

確かに、彼らは襲われていた。
彼らの周りにはれみりゃたちが群がり、それそれがその牙を身体に突き立てようとしてくる。

だがれみりゃ達の攻撃は通用しなかった。
それは当然である。なんと言ってもゆっくりなのだ。
いくら捕食種で牙持ちだろうと、それが通用するのはゆっくりまで。
人間の肌を突き破るような鋭利な牙を彼女達は持っていないし、咬合力が足りないせいでどうしても甘噛みのようになってしまう。

結果、彼女達は人間の周りを飛び回りじゃれ付いているようにしか見えなかった。
所詮ゆっくりなんてどこまでいってもこんなものだ。



「うーうー♪」
「たーべちゃうぞー!」

パタパタと羽音を鳴らし飛び回りまくる彼女達。
いつもならば笑って見過ごすはずの英国人達も、今回ばかりは事情が違った。



いつの間にか空を覆って何故か自分達に襲い掛かってきた人間の頭部をデフォルメしたような変な生き物。
空一面を覆い尽くすほどのれみりゃたちに攻撃されて、心穏やかにしていられる人間は少ない。
加えて、いきなり攻撃してきたのもまずかった。彼らの心にはこの変な生き物=害獣のイメージが付いてしまった。
あと、なんかムカついたりイライラしたりした。それはゆっくりだからしょうがない。

結果、いろいろな事情が複雑に絡み合った末に一人の男性がブチ切れた。
目の前を飛び回り群がってくるこのウザイ饅頭に我慢がならなくなったのだ。

『うるっせえええええええええぇぇぇぇ!!!!死ねぇい!!!』
「うべらぎゅぼっ!?」

怒りをそのまま拳に込めた彼の正拳突きは、あっさりとれみりゃの口を貫通し、中を抉り通し、後頭部から手を突き出させるに至った。
当然と言えば当然の結果。人間を怒らせればゆっくりなんてこんな風に蹂躙されるしかない。

『貴様らもだっ!!死に晒せァ!!』
「う゛あ゛っ!!?」
「ぶべぇっ!!」
「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

続きざまに拳を振るい、蹴りを見舞う彼。
やはり木っ端のように引き千切られ、死んでゆくれみりゃ達。



そんな彼の狂気が伝染したかのように、次々と他の人々もれみりゃを血祭りに上げてゆく。

『喧しいぃわゴラァ!!貴様らなんぞこうしてくれるわァ!!』
『キャオラッ!!』
『死ねぇッ!!死ね死ね、死んじまえェッ!!』
『英国人ブリーカー!!死ねぇ!!』
「「「「う、うあああああああああーーー!!!?」」」」

叩き潰す者、蹴り殺す者、切り裂く者、引き裂く者それぞれだ。
ぶっちゃけかなり怖い。

当のれみりゃ達からしてみれば、これは極めつけの悪夢だった。
何故自分達の攻撃が通用しない?
何故自分達が殺されているのだ?
何故、何故?自分達は吸血鬼のはずなのに?

当たり前のことだが、彼女達は吸血鬼などではない。
あくまで彼女達のモデル、レミリア・スカーレットが吸血鬼である。
そこん所を勘違いした結果が今の惨状だ。特に同情すべきところは無い。



かくして狂気は広がり続け、今や霧の都は肉汁の香り漂う肉まんペーストの都へと変貌を遂げていた。
最早れみりゃ達に怯える者などただの一人もいない。
皆が皆、外に出てれみりゃを狩りまくっている。かなり頭の悪い光景といえるだろう。

そんな中、最初にれみりゃをぶち殺した男性がまたもや何かに気付いた。
一番最初に狂気に染まった彼は、またしても最初に一段上へと昇り詰めたのだ。

この匂い。一体なんだ。
このたまらなく食欲をそそる匂い。
美味しそう。

匂いの発信源であるれみりゃを掴み、彼は一口ガブリといった。
皆さんは決して初めて見かけた動物を食べたりしちゃ駄目だぞ!
そして口の中に広がる肉汁。そして脳髄に届く電気信号。そして・・・・・・

『う、う、う、旨い、旨いぞおおおおおおおおォォォォォォォッッッッッ!!!!!!!!』

この街を揺るがしかねないほどの大音声で、叫んだ。



元々英国人の食べ物は貧相である。
食えるものといったら朝食と紅茶と、そのお茶請けとフィッシュアンドチップスくらいであろうか。
とにかく彼らは毎日毎日貧相なもんしか食ってないのだ。

そんな折、彼はれみりゃという味の衝撃と出会った。
まさしく衝撃。まさしく驚天動地。
一体自分は今まで何を食べていたんだ。そんな思いに囚われるほどの極上の美味。

ベシャベシャに茹でられた野菜とか大量の芋揚げとかウナギゼリーだとか日本人からすれば毎日拷問ともとられかねない
メニューに慣れきった彼には、それほどれみりゃが素晴らしく思えたのである。

もっと食いたい。
もっと、もっとだ!
もっと輝けええぇぇぇぇぇ!!!

狂気に浸されすぎて何を考えているか分からなくなった彼が取った行動は、さらにれみりゃを食うことであった。
今まで握っていた拳を開き、突き通すから掴み取るの動作へ。
そして齧り取り、咀嚼、飲みこむ。結局れみりゃが死ぬのは変わらなかった。

『旨い旨い旨い旨い旨いィィィィィィィ!!!!!
 もっとだ!もっと食わせろ!!
 足りない足りない足りない足りない足りないィィィィィィィィィィィィィィッッッッ!!!!!!』

あふれ出る狂気をそのままに、彼は疾走り出した。
ここに一匹の狂った修羅が誕生したのである。



やはりこの狂気も広がり続け、古都は魔都、いや狂都と化した。

『ヒャッハー!我慢できねぇ、虐待だァ!!』
『うっめ!これめっちゃうっめ!!』
『むーしゃむーしゃしあわせー!!』
『んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』

虐待をする者、貪り食う者、そしてHENTAIに目覚めた者。
最早正気の者は一人もいなかった。

彼らは己が欲望のまま虐め、食い、そして犯す。
英国紳士という名の変態の完成である。
死んでもお近づきにはなりたくない。



れみりゃ達もまた狂気の世界に足を踏み入れ始めていた。
極め付きの悪夢のはずが、それより更に上があったのだから仕方ないと言えばそうなるだろう。

最早彼女達に吸血鬼の矜持など一欠けらも残ってはいない。
人間が彼女達の餌だなどという認識は根底から覆されている。逆だったのだ。何もかもが。
自分達は人間の餌で、殺され嬲られ食われ犯され―――搾取されていくのだ。

窮地に立ったれみりゃ達に残された手段などひとつも無い。
いや、あった。たった一つだけ残った最後の手段。
今は砕け散った吸血鬼の矜持と同じく本能に刻まれた言葉。

それさえ呼べば、この悪夢も終わる。
それさえ呼べば、もうこんなこあいひとたちに虐められなくてすむ。
だから呼ぼう。最後の、最後に残されたこの言葉―――!

「ざ、ざぐやああああああ!!!!だずげでえええええええええええええええ!!!!!!」

当然、さくやは来なかった。
彼女達の悪夢はまだまだ始まったばかりである。




今狂都と化した倫敦では約750万の人々が暮らしている。
その全ての―――なんと子供でさえも―――住民が、今は狂いれみりゃ達を殺す一騎当千の殺饅機械となったのだ。
750万×1000の威力の前には、空を覆うほどのれみりゃの数も些か分が悪い。
人々が空とぶ饅頭を捕まえ、虐殺してゆく光景はまさに英国無双といった有様だった。

夜が明けるまでに彼らはれみりゃ達を皆殺しにし、翌朝なんでこんなことをしたのだろうと後悔の念に襲われたり、
虐待の高揚感が忘れられずいろいろ調べて日本に渡ってくる人がいたりするのだが、それはまた別のお話。




















「―――――はっ!」
「どうした、鬼威惨!」
「い、いや・・・鬼意山、それがな。何かを感じ取ったのだよ」
「むぅ・・・?何かとは、一体・・・・・・」
「うむ・・・・・・。ここより遠く離れた異郷の地で、我等と志を共にする者が数多く生まれた、様な気がしてな」
「何言ってんだ厨二病乙」
「ちょ、お前!お前も途中までノリ良かったじゃねぇかよ!」
「いやでもそれはないわ」
「ですよねー」










おわり









―――――
あなたのおじいさまは
せまりくるれみりゃをちぎっては食いちぎっては食い
正に英国無双といったありさまで
近づくゆっくりを片っ端から真っ二つにして最終的に
全身に爆弾をくくりつけて敵のドス共全てごと吹き飛んだそうです

これはひどい、書き溜めです。
大富豪のとき誰かが言ってたお題「英国無双」を勝手に書いちゃいました。
ごべんなざい。

あと上の出来事は本当なので新しいヘリの代金お願いしますね。
おねがいしますね。

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  • ゆっくりしたおかーさんにごはんをあげよう!
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  • ゆっくり再調教
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最終更新:2022年05月03日 23:09