※虐待成分皆無? 酷い目にはあいますが、はっきり言ってぬるま湯です
※某有名ホラーアクションゲームの4のパロディです ネタバレが嫌な人はご遠慮ください
※台詞が読み難いので、漢字表記です
※各ゆっくりの喋り方がよく分からないので変な所があるかもしれません
※不完全なスペイン語表記あり
※登場する人物は全てゆっくりです 便宜上、村人等の表現をします
※登場するキャラの配役は、どちらの原作にも余り関係しません





【ばぁいおぅはざぁど ゆっくりぃ ふぉうぅ…】

           ③

「ヘーイ、アッガーイ!」
「ミエンナ!」

「みょみょみょんっ!?」

気が付くと、ミョンは村の入り口にいた。
前回袋男に『さあ、お食べなさい!』状態にされ、餡子の髄(?)まで恐怖が染み渡り、
饅頭としてのランクが上がったミョンは、それがトラウマになってしまった。
しかし、村の門が開かない為、進まざるを得ない。
散々足りない餡子脳で考えて、あるアイデアが思い浮かんだ。

「そうだみょん! 村人に見つからないように一匹ずつ狙撃するみょん!」

前回襲われた時に倒しても倒してもどこからとも無く現れてきた事は計算に無い様だ。
だが、狙撃しようにも肝心の狙撃銃が無い。
USY(合衆国)の組織も不況の煽りを受けてまともな装備を支給してくれなかったのだ。
補佐官であるユユコ・ハニガンに抗議してみたが、彼女に言わせれば
今回の任務は装備や食料に至るまで現地調達で賄えとの事。
そもそも、どうやら組織内部にスパイがいるらしく、物資どころか救援ヘリも
迂闊には動かせないらしい…。 万事休すとはこの事である。

「仕方ないみょん…。
荷物の底にあったこの“大きくて邪魔な筒”でも使ってみるみょん…」

そう言って取り出したのは蛇の傭兵さんも大好きな兵器だった。
どうやって入っていたのかは謎だが、ミョンには大き過ぎる為地面に固定する必要があり、
邪魔になる為今まで見向きもしなかったのだ。
そして何故かこれは本物の兵器で、しかも弾数無限であった。
何というご都合主義であろうか。 だが、これも話の展開の為である。

「設置完了だみょん! よーし、しっかり狙って…!」

発射! 命中! ロケット弾!
今だ! 出すんだ! バックファイアー!

お見事としか言い様の無い当たり。
標的の村人は木っ端微塵に四散し飾り一つ残っていない。
そして奇妙な事に、この事態に周囲の村人は何事も無かったかの様に反応しない。

「ふふんっ! ミョンの余りの腕前に全く気付いていないみょんね!」

狙撃される方もされる方なら、する方もさすがゆっくりである。
順調に村人は数を減らし、村の中央が開けたところで通り抜ける事にした。
それでも声だけは聞こえるのだが、一体何故?
だが、村の出口に差し掛かったところで…。

「どぼしでぞんな所に覆面がいるのぉおおおっ!!?」

出口の門の前に袋覆面が立っており、トラウマが蘇ったミョンは悲鳴を上げた。
当然見つかり、さっきまでいなかった筈の村人に追いかけられるミョン。
どこをどう走ったのか、気が付けば村の見張り塔の上にいた。

「はぁ…、はぁ…。 どうやら、ここには上がって来れないようだみょんね…」

そう、この塔に登るには長い梯子を昇る必要があり、村人達は昇って来れない様だ。
民家の二階には昇れるのに、その境目がわからない、わからないよー。

「斧や鎌を投げても届かないし、暫くここで様子を見るみょん…」

見張り塔で篭城を決め込むミョン。
だが、世の中そんなに甘くは無かった。
塔の上目掛けて何かが投げ込まれたのだ。

「か、火炎瓶だみょーんっ!!」

攻撃できない事に業を煮やした村人達はミョン目掛けて火炎瓶を投げ込んできた。
石造りの為塔自体は燃え落ちないが、生身のミョンは無事ではすまない。

「あ、熱いっ! 体中が燃えるみょんっ!!」

瓶の中の可燃性の液体を浴びて体中に引火したミョン。
地面を転がっても消えず、水を掛ければ更に燃え上がる事になる。
本当に油は危ないので、揚げ物の際には細心の注意を払いましょう。
話は逸れたが消火器など持っている筈も無く、あっと言う間に黒焦げになるミョン。

「も、もう駄目だみょん…」

何という事か。 この村からの脱出も出来ずに再度ゲームオーバーを迎えるのか?
これではいつになったら先に進めるのやら…。

You Are ...



「みょ…、みょん…?」

言葉通り奇妙な事が起きた。
体力ゲージが見る見る減っていき、最後の一線という所でピタリと止まってしまった。
いつまで経っても力尽きないのである。
何を隠そう、このミョンは燃焼では決して死なないのである。
いや、死ねないのである。 そういう設定なのだから仕方が無い。
だからこそ、この責め苦から逃れる事も出来なかった。

「ゆぎゃああああ…! どぼじで死ねないのぉおおお…っ!!?」

体中が焦げて真っ黒になり、動く事さえ難しい。
だが、死ねない。 いっそ殺してくれとさえ考えた。
だから下に降りようとしたが、“かみ殺し”の恐怖が先立って降りられなかった。
そして、死のうと思っても死ねないので、やがてミョンは考えるのを止めた…。

Yukkuri is forever ...



“ゴーン、ゴーン、ゴーン…!”

どこかから鐘の音が響いてくる。
遂にミョンに御迎えが来たのだろうか?
だが、それは幻聴ではなかった…。

鐘の音を聞いた村人達は皆一様に立ち止まり、各々手にした武器を落とした。
そして、「バブルス・・・」という謎の言葉を残して塔の隣の建物の中に
吸い込まれる様にして消えていった。
後には静寂だけが残されて…。

「ゆ…っ、ゆ…っ、ゆ…っ」

失礼、雑音だけが残されていた。
真っ黒な焦げ饅頭となったミョンは気が付けば村の中央に立っていた。
周囲を霞む目で見回し、村人が全員いなくなった事を確認するとゆっくりと動き出した。
最後の力を振り絞って周囲に何か回復アイテムが無いか探そうとしているのだ。
ここで何も無ければそれはそれで面白いのだが、話が進まないのでそうしない。
村中這いずって何とか幾つかの草を見つけた。
赤色や黄色の草には目もくれず、美味しかった緑の草だけを食べようとすると、
突然ハニガンから通信が入った。

「ミョン、草さんの食べ方についてなんだけど…」
「い、今…それどころじゃ…ないみょん…。
もう風が…吹いただけで…ゆっくりしそう…なんだみょん…」
「赤い草さんをキャプチャーしたようね。
赤い草さんは『レッドハーブ』と呼ばれていて…」
「そんな解説は…後でゆっくり聞く…」
「黙って聞きなさい」
「……………」
「単体では不味くて食べられないんだけど、
緑の草さんと混ぜる事でとても美味しくなるそうよ」
「そ…、それは本当かみょん…? じゃあ早速…」
「話の途中よ」
「……………」
「赤い草さんには旨味が含まれているんだけど、それ以上に苦味が含まれていて、
でも緑の草さんと混ぜる事で旨味だけが引き出されて…」
「………ごっくん」
「ちょっと! 何勝手に食べてるのよ!?」
「そんな長い話最後まで聞いてたら本当にゆっくりしちゃうみょん!
確かに混ぜると美味しかったみょん! 感謝するから、もう通信を切るみょんよ!?」
「待ちなさい! あなたが手に入れた黄色い草さんだけど…」
「この草さんがどうしたみょん?」
「とっても美味しいらしいんだけど…」
「本当かみょん!? 早速食べるみょん!!
むーしゃ、むーしゃ…! 結構イケるみょん!!」
「…有毒よ」
「ごふっ! げふっ! そ、それを先に言うみょん!
もう食べちゃったみょんよ!!?」
「最後まで話を聞かないからよ。 自業自得ね…」
「ど、どうすれば良いみょん!? な、何か体が痺れて…」
「これも緑の草さんと一緒に食べると良いみたい。
一緒に食べる事で毒性が滋養強壮の効果に変わるそうよ」
「む、むーしゃ、むーしゃ! むっきりー!!」
「何となく体力の最大値が上がった気がしない?
余談だけど赤い草さんも混ぜると更に美味しくなるんだって」
「用量・用法を守って正しくお使いくださいって事みょんね…」

「ところで、ハニガン。 村人達の入って行った建物なんだけど…。
う~ん、駄目だみょん。 鍵が掛かっていて入れそうに無いみょん。
扉に書かれている奇妙な紋章と関係あると思うみょん?」
「それはその地方に伝わる宗教の、『ゲス・イルミナドス』の紋章ね」
「ゲス・Tノレ三メドス…? 舌を噛みそうな名前みょん…」
「恐らくその先に長の娘が監禁されている筈よ。
まずはその扉を開く為の鍵を探して」
「分かったみょん」



村を隅々まで調べてから先へ進むミョン。
二階建ての民家のショットガンも取り忘れない。
途中鶏が金の卵を産んだりもしたが、屋根の上にあった桃色の石の方が
価値がありそうだと判断して放っておいた。
後に散々後悔する事になるがその話は語られないかもしれない…。



農村を抜け、農場に辿り着いた。
農場に入って直ぐに大きな鉄製の箱を見つけたが、
ミョンにはそれが何かまでは分からなかった。
恐らくコンポスト用の箱だと判断して近づくのは止めておいた。

近くの小屋に入るとそこにもレジ(タイプライター)が置いてあった。
あの小気味の良い音が気に入ったのでとりあえず鳴らしておいた。

“カタカタカタ、チーン!”



さて、農場には何人かの村人がいる様だ。
普通のゆっくりかと思えば、集団で襲い掛かり殺そうとしてくる。
しかし、こうして動物の世話をしたり、村人同士で会話もする(ミョンには意味不明)。
そして村の民家には食事の跡もあった(食料も水も腐っていたが…)。
余所者に対して極端に閉鎖的な土地柄なのだと思えなくも無いのだが…?

だが、攻撃してくる以上こちらも対処しなくてはならない。
多少気は引けるがこちらから先制攻撃する事にした。
まずは、目の前の牛舎で作業している村人から…。

引き金を引く直前に標的が屈んでしまい、弾が外れて後ろにいた牛に当たってしまった。
叫びを上げる牛、そしてそれに気付いて村人が襲い掛かってきた!
しかし、相手は一人なので特に問題も無く倒してしまい、牛の前に謝りに行った。

「牛さん、ごめんね! わざとじゃないから許してね!」
「ンモォオオオオッ!!」

“ドカ…ッ!!”

「みょ…? お空を飛んでるみたいー!」

一瞬、何が起こったのか分からなかった。
気が付くと、ミョンの体は空中をキリキリと舞っていた。
そして次の瞬間、ミョンは頭から地面に叩きつけられていた。

「ハリケーンミキサー!!」

そんな声が聞こえた様な気がした…。

You Are Dead ...



“カタカタカタ、チーン!”

「みょみょみょみょん?」

気が付くと、ミョンは農場の小屋の中にいた。
何が起こったのかは分からないが、牛さんは怖いという事だけは何となく理解した。

「今度は誘き出してから倒す事にするみょん…」

何人かの村人がいたが、壁を叩いて音を立て一匹ずつ誘き出してから倒すという
作戦が功を成し、楽に倒す事が出来た。
集団ならともかく、一対一においてミョンの敵ではないのだ。



さて、村人を倒してからゆっくりと農場を観察すると、
所々に青いコインが吊られているのが見えるではないか。
そして何と書いてあるのかは分からないが、近くの木に張り紙がしてあった。
ミョンは野生の感で、的っぽいので探して撃っておく事にした。
探し回ったところ、全部で七枚あった。
一体これは何を意味するのだろうか…?



牛舎の柵内に犬がいたが、以前出合った犬とは別の様だ。
時々吠えてくるが、近づくと逃げ出してしまう臆病な犬だ。

「うるさいみょんね…! これでも喰らうみょん!!」

そう言って、例の兵器を取り出す。
村への潜入に一役買ったアレである。

「焼き払え!!」

巻き起こる爆発! 轟く爆音!
この攻撃の前に立っていられる奴は(結構いるが大抵は)いない。
立ち込める爆煙が晴れるとそこには塵一つ残さず…。

「どぼぢで生ぎでるのぉおおおおおっ!!?」

その後何発打ち込んでも全く効いている気配が無く、
余りにも不気味なので無視する事にした…。



農場を調べていると、何かの置物を見つけた。
側面に何かを填めていた様な小さな窪みがある。

「分かったみょん! ここにさっき見つけた桃色の石を填めるみょんね!」

「何で入らないのぉおおおっ!!?」

残念だが形が合わない様だ。
誰もが一回は通る道だろうか…?



更に井戸の上に何か光る物が見える。
6年前の経験から何か重要な物なのだろうと取ろうとするが、
どう頑張っても届きそうに無い。
仕方なく井戸の縁に載って取ろうとするが、上を向いていたのが悪かったのか、
跳ねている内に足を滑らせて中に落ちてしまった。
これが普通の井戸ならそのまま“You Are Dead ...”なのだが、
幸か不幸か中にはたっぷりと詰まっていた。
何が…? そこが肥溜めであるという事からお察し頂きたい。

「ゆぎゃああああああっ!! くちゃいいいいいいっ!!!」

慌てて飛び出すがもう遅い!
全身黒焦げの次は○○塗れになってしまった!

「ミョン…、変わった迷彩を手に入れたのね…。
それは“フライ迷彩”というんだけど…、
とりあえず縁を切らせてもらって良いかしら…?」
「敵どころか味方まで近寄ってこないみょんーっ!!?」

近くにあった牛の水飲み場で体を洗い流した。
…が、やはりまだ何か臭う様な気がする…。

今度は惨劇を防ぐ為に、肥溜めの蓋を留めている支えの棒を撃って蓋を閉め、
その後で目標物を撃ち落として取る事にした。
ミョンと一緒に中に落ちなかったのがせめてもの救いだろうか…。

回収してみると白い珠の付いたペンダントだったが、
ミョンにはそれよりも気になる何かがある様だった。

「……………」

何故か肥溜めの蓋を見つめて黙り込むミョン。
そして徐に近づいたかと思うと…。

「やっぱりくちゃいいいいいいいいっ!!!」

何故しなくても良い事をするのか?
人、それを好奇心と呼ぶ。



農場を抜けると、そこは両側を小高い崖に挟まれた谷へと続いていた。
兵法書に依れば、この様な土地は何と言ったか…、
とにかく奇襲を仕掛けるのに絶好の場所である。
そしてご丁寧に、どこかで見た事のあるゆっくりの串刺し標識まであった。

「なんだか嫌な予感がするみょん…」

そういう予感ほど良く当たるものである。
下へ下へと続く細い道なので足元に注意していたが、
実は途中で上の方に橋が掛かっていた。
そして、そこには当然村人が待ち構えていて…。

「みょ…?」

何か大きな物が落下する音がした。
恐る恐る振向いてみると、道を埋め尽くすほどの大岩が迫ってくる!

「じゅにああああああっ!!?」

慌てて駆け出すが、転がるにつれ勢いを増してくる大岩。
段々とミョンまでの距離が狭まっていく!

「ミョン! Aボタンよ!! Aボタンを連打するのっ!!!」
「一体何の話だみょーんっ!?
と言うか、こんな時に通信してくるなみょん!!」

大岩との差が30センチ、20センチ、10センチと縮まり、そして…!

「今よっ! LボタンとRボタンを同時に押すのよ!!」
「みょーんっ!!!」

“ブツ…ッ! ザ―――――ッ!”



……………。

大岩が壁にぶつかって砕けた!
果たしてミョンは生きているのだろうか?
通信が回復次第、現場の状況を確認しなければ…!






【wikiを見て驚きましたが、いつの間にか掲載されていました。
どなたか存じませんが、こんな拙い文章をありがとうございます。
実は農場にはまだ、面白い事が隠されています。 それはまた今度の機会にでも…。
今回はお食事中の方には大変よろしくない描写が含まれていますが、
あえて文頭に注意書きを致しておりません。
気分を害された方には申し訳ないですが、作風の一つとご容赦下さい。
こんなシーンは後一回ですので、どうかご勘弁を…】

※①及び②で『7年前の事件』と書いていましたが、
正しくは『6年前』です。 間違って記憶していました…。


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最終更新:2022年05月21日 21:44