ドゲス物 虐殺




「ゆっ!にんげんたちのむれがみえたぜ!!」
「おやさいがたくさんはえてるぜ!!」
「これだけたくさんあればいっしょうたべていけるぜ!」
「さいこうだぜ!!」

人間の里の近くに集まった巨大なゆっくりまりさたちが思い思いにそんなことをしゃべる。
その数なんと五匹。めったに現れないドスクラスのゆっくりがこれだけ集まるのは奇跡に等しい。
そして彼女らは全てドスと同じ能力を持つ。このゆっくり達の戦闘能力はゆっくりの中でも最強といえた。

「ゆっへっへ、さっそくいくんだぜ」
「これだけいればにんげんなんてかんたんにしたがうんだぜ」
「でもにんげんはこざかしいぶぶんもあるんだぜ。まりさはねんのためうしろからえんごするぜ」
「わかったんだぜ。それじゃあいくぜ!!」
『ゆ!』

そんな掛け声とともに一匹は後ろの里が見える位置に隠れ、四匹は人間の里へと入っていった。





「ゆーっへっへっへ、ここはこのどすまりささまがせんきょしたんだぜ!!」
「いのちがおしくなかったらさっさとおやさいとびゆっくりをだすんだぜ!」
「さっさとするんだぜ!!まりささまはかんだいだがのろまはきらいなんだぜ!!」

里に入るなり大声を上げるドゲスまりさ達、その光景に農作業していた男達が顔を上げる。

「ありゃあどすゆっくりか?」
「結構いるぞ。こりゃあ大変なことになったな」
「俺、他のやつらに伝えてくる。時間を稼いでくれ」
「分かった。急いでね!」

非常事態に男達の空気が変わり、素早くやるべき事を決める。
一人の男が手伝いの子供達を連れて里の奥へと走っていった。
その間に他の男や女達は持ってる農具を近くに置くと、降参するかの様に笑顔でどすまりさ達に近づいていった。

「なにやってるんだぜ?さっさといったものをさしだすんだぜ!」
「ああ、分かっている。今使いを出して持ってこさせているから少し待っててくれないか?」
「ふん、ならいいんだぜ」

手を軽く上げてひらひら振りながらリーダーらしき男がゆっくり近づく。
自分は武器を持っていないから抵抗する気は無いという意思表現だ。
その姿に満足したのか正面のドゲスまりさはうなずく。しかし脇のドゲスまりさが怒ったように叫ぶ。

「まりさはまてないんだぜ!まわりにあるやさいをさっさとよこすんだぜ!」
「申し訳ありません、ここにあるのはまだ成長しきっていないため、まりささまのお口にはあわないのです
 今使いが取りに行ったのは以前取れたとってもおいしい物ですのでもうしばらくお待ちください」

男は口調をがらりと変えてぺこぺこと頭を下げた。その情けない姿に怒ったまりさも満足したのか下がる。

「ゆん…それならいいんだぜ。まりささまはかんだいだからまっててやるぜ」
「ありがとうございます。さすが寛大なまりささまです」

男は頭を下げながらドゲスまりさたちに気づかれないよう心の中でにやりと笑った。

男の言った事は嘘である。周りの野菜はかなり育っており、収穫には早いが食べようと思えば十分食べられる。
だがそんなものを出すのはいろいろな意味でもったいない。
それにこれが農業に携わる者ならすぐにばれる嘘だが、相手は普段あるものはかたっぱしから食う⑨な饅頭だ。
下手に出て哀れな姿を見せれば十分ごまかせると男は踏んでいた。そしてそれは成功したようであった。




しばらく待つと男が荷台を牛にひかせながらやってきた。その荷台には以前とれた野菜がたくさん乗っている。
その野菜の量に思わずどすたちはよだれをたらす。

「こちらでよろしいですか?」
「いいんだぜ!!さっさとよこすんだぜ!!」

満足そうにうなずくどすまりさたち。一匹にいたっては興奮状態ですぐにでも食らいつきそうだ。

「そうですか。それでは死んでください」
「ゆ?なに…」

次の瞬間どすまりさたちは一瞬にして餡子の塊となった。



「ゆ…あ、あああ…」

こちらは森に隠れていたどすまりさである。彼女はどすまりさが餡子の塊になった理由をまざまざと見せ付けられていた。
最初は普通に里の人たちは従っていた。その光景にこのどすまりさも満足していた。
慢心していたといえばそうかもしれない。まりさはさりげなくどすゆっくり達の後ろに回る里人に気づかなかった。
そして野菜が届けられていざもらおうとした瞬間だった。里人が紙きれを取り出したのは。

後ろに回りこんだ里人はいっせいに紙きれを投げる。そしてどすまりさ達にに触れた瞬間。



どすまりさ達は一瞬で背中からふっとばされてしまった。


隠れていたどすまりさにはわからなかった。あの紙切れはなんだ。どうして自分達を一瞬で殺せる。

混乱するどすまりさだが一つだけ確信できることがあった。それは人間は一瞬で自分達を殺せる手段があることだ。
こうしてはいられない。早く逃げなくては、そして二度と人間にはかかわらないように…

「はい、そこまで」


ぴと


「ゆひぃ!?」

背中に何かが当たる。その感触に思わず震えるどすまりさ。
いつのまにやらまりさが気づかない内に人間が自分の無防備な背中側に来ている。

「ま、まりさはかんけい…」
「ないわけないだろ。他のどすが里を襲っててそれをじっと見るやつが」
「ゆ、う…」
「お前らは気づかないだろうと思ってたかもしれんがばればれだぞ?気配を隠す方法も知らないのかよ」
「た、たすけ…」
「やなこった」

男の言葉に黙るどすまりさ。どうやら逃げられそうになかった。
だが相手はやる気満々ではあるが、どうやら一人のようだ。他に恐ろしいやつはいない。ならば逃げれるかもしれない。
どすまりさは短時間の間にそこまで考えると足に力をこめた。

「にんげんさんは…」
「ん?」
「にんげんさんはゆっくりしないでしんでね!!」

がばっ

次の瞬間どすまりさは高く飛び上がった。そしてそのまま人間をおしつぶそうとする。
背中をとられてはどすすぱーくも当たらない。ならばこれぐらいしか撃退方法はない。

「お、そう来たか…はぁっ!!」

男はそれを見ながらこぶしを構え、落ちてくるどすまりさへと突き上げる。
普通ならそのままつぶされるだろう。まりさもそう確信した。だが…


ぱあぁぁんっっっ!!!!!


当たった瞬間どすまりさは破裂した。





「うーす、お疲れさん」
「お帰りーってお前すごい格好だぞ。一瞬餡子人間かと思った」
「いや、吹っ飛ばせるかなーと思って思いっきり殴ったら破裂した」
「はぁー、相変わらずむちゃくちゃだな。そこまでして勝てないあそこの門番も相当だが」
「水浴びしてくる」
「さっさと行って来い」

リーダーの男はしっしと追いやるように先ほどどすを殴り殺した男をおいやる。
そしてそのまま残骸の処理の指示の続きをはじめた。


近年どすゆっくりと呼ばれる妖怪クラスのゆっくりが現れるようになったが、人里は大きい変化というものは特になかった。
というのも幻想郷は妖怪が外と比べて圧倒的に多い。そしてそれに対抗するためには人間も強くなくてはならないのだ。
そんな環境の中、饅頭が少しくらい強くなったところで話にならないのである。
せいぜい話のネタになる程度の存在であった。

今日も、幻想郷は平和だった。





~~~~~~~~

実際のところ人里の人間の強さは不明なんですよね。少なくとも妖怪に対抗はできるみたいですが。
なのでめっちゃ強くしてみたというものです。
「現実的なドスまりさ」の逆バージョンをイメージしました。思ったより練れませんでしたが。


過去作品
巨大(ry
餌やり
ゆっくり対策
巨大まりさ襲来
ゆっくり埋め
どすまりさの失敗
原点
ゆっくり駆除ありす
まきぞえ
なぐる
ゆっくりのある田舎
現実的なドスまりさ
ゆっくりゃの飼育
崩落
狩人
ゆっくりと共存

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最終更新:2022年05月21日 21:47