ゆっくりペットショップに関する法律が作られた
ゆっくりをペットとして取り扱う場合、国へ申告する必要が出てきたのだ
飼い慣らせばペットになる反面、害獣としても名高いゆっくり
繁殖力が非常に高く景観を著しく損ねることがある
粗製濫造を防ぐために国から認可された店でしか販売できなくなった
しかし、認可と言っても書類上の手続きと講習を受ける程度である
そしてもう一つゆっくりにとって大きな法律が整備された



その日はゆっくりめーりんがショーウィンドウに並んでいた
他にはゆっくりみのりこ、ゆっくりていなどと希少種が目白押しだ
現在、希少種などは存在しない
なぜならばどの種もほぼ一通り揃ったからだ
今では店で普通にゆっくりちるのやゆっくりえーりんが買えてしまう
今日もゆっくりしずはを求める客がやってくる
そんな日常に影を落とすものがあった

「ゆぅ~…」
ゆっくりれいむだ
れいむは他のゆっくりから隔離されたスペースで飼育されている
マジックミラーを使用し店内にいるゆっくり達からはれいむの姿がみえない
しかし、れいむからは店内の様子が丸見えになっている
店内では客がゆっくりを物見している
そしてゆっくり達はそれに答えそれぞれ精一杯のアピールを行う
だが、れいむにはそんな機会すらなかった
「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」
必死に叫ぶも防音が施された水槽から音が漏れることはない
それは隣の水槽のまりさも同じだった
二匹は産まれたときからこの水槽から出たことがない
与えられるのは最低限の食事のみ
家族との触れあいもない
同じくまりさの隣のありすもそうだ
そうして、3匹が成体になると強制的に発情させられる
れいむとまりさの間に合計30匹の赤ゆっくりが生まれた
まりさ20個にれいむ10個である
店員はそれを数えると赤ゆっくりを取り上げる
「やべでええええ!!でいぶのあがぢゃんがえじでええええ!!!」
「ばりざのごどぼがえぜええええええ!!!」
必死に店員の手にしがみつくもふりほどかれて壁に激突する
「ゆべえぇえ!!??」
生まれて初めて感じる痛みにれいむは思わず餡子をはき出した
まりさはというと
「ゆ~♪おそらをとんでるみたい~♪」
店員がまりさを掴みれいむとありすによく見えるように持ち上げた
そして無言のまま、まりさを床にたたきつけた
「ゆびゃあああああああああ!!!」
「ばりざあああああ!!!ゆっぎじじだえええええ!!!」
「んほぉぉぉっぉ!?!?!?」
突然の自体にありすは発情し、れいむはただただ涙を流すばかり
理由が分からなかった
どうしてゆっくりできないのか。いったい自分達が何をしたというのか
この狭い水槽に閉じ込められ、その上赤ちゃんまで取られて
どうして自分達は不幸なのか
結局、まりさは見せしめとして殺され、れいむも発情したありすに犯し殺された
そのありすも殺され水槽には新しいれいむ、まりさ、ありすが補充された


ある日のこと、店内のゆっくりていを購入した男性がやってきた
「ていを購入したんですが、どうも最近いたずらが過ぎて困るんですよ」
ゆっくりていはいたずらを好む
しかし、それは悪意からではなく飼い主の気を引こうとしての行為
ていは寂しがりやなのだ
「うーん、直接体罰を加えるのが嫌でしたらこちらはいかがでしょうか?」
店員は店の奥から箱を取り出した
そこには1個のまりさがポツンと存在していた
「躾にはちょうどいいですよ」
それを聞き男性はそれとゆっくりれいせんを購入した
れいせんとていは相性がいいのでよくセットで飼う人が多い
この男性も例に漏れずそのタイプだった

男性は家に帰るとさっそくれいせんとていを引き合わせた
「うさ?」
「ゆっくりしていくウサ!」
二匹はさっそく仲良く部屋を走り回った
一方、まりさは未だ箱の中
防音機能が施された箱のなかで叫び続けていた
「ゆっくりしていってね!まりさもゆっくりさせてね!」
まりさの叫びも虚しくれいせんとていは二匹でゆっくりしていた


それからまりさが箱から出されたのは次の日だった
ていが悪戯をして飼い主の気を引こうとしたのだ
「駄目じゃないかてい、そんなことをしたら」
「ていはしらないうさ!きっとれいせんうさ!」
「ウサー!?」
笑顔をうかべるていと驚愕の表情のれいせん
飼い主はやれやれと箱からまりさを取り出した
「ゆっくりしt―」
まりさが第一声を発するよりも早く飼い主はまりさの帽子を破り捨てた
「いたずらばっかりしてるとていにもお仕置きをしないといけなくなるぞ」
「うさ?!」
ゆっくりの間では帽子、あるいは飾りを無くすとゆっくりできないとされている
だと言うのに目の前のまりさは呆気なくその大事な半身とも言える帽子を破り捨てられた
ていにはそのようなものはない
だからか、飼い主は続けてまりさの底部を定規で殴りつけた
「ゆべっ!ゆべっ!やべでっ!!べっ!」
それをれいせんとていは戦々恐々と眺めていた
まるで他人事のように、しかし自分に降り掛かる事のように
やがてまりさが餡子をはき出すと飼い主は箱にまりさを戻した
「いいか、悪い子はさっきのみたいになっちゃうんだよ?」
「ごめんなさいうさああー!!」

その日以来ていは悪戯をすることがなくなりれいせんとゆっくりとした時間を過ごしていた
そしてまりさは用済みになった
「どぼじで…どぼじでごんなごどずるの…?」
捨てられる直前にまりさは男性に問うた
「ばりざもゆっぐじじだいよ!でいやべいぜんみたいにゆっぐじじだいよ!おなじゆっぐりだよぉぉぉ!!」
パァンと気持ちのいい音が響いた
やかましいので男性が平手打ちをしたのだ
「いいか、一度だけ教えてやる。おまえはゆっくりじゃないんだ」
「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ!!ばりざはゆっぐじだよおぉぉ!」
そのまままりさは生ゴミとして処理された



現代においてゆっくりの定義は改められた
その結果、れいむ、まりさ、ありすの3種はゆっくりではない、と言う法律が出来た
まりさは潜在的にゲス要素を含み、野良のゆっくりと番になると飼い主を餌やり係あるいは奴隷と見なす
ありすは発情すると相手のゆっくりをすっきりで殺し、それが野良ゆっくり拡大の温床とも言える
れいむは良いところが何もないからだ
仮に野生にいたとして、子どもが出来ると狩りにも出ず、番が死ぬとシングルマザーというのをやたらと強調する
寄生虫に成り下がる
ドスまりさもまりさ種の亜種としてゆっくりとは認識されていない
ただ身内に甘いだけのデカイやつとして真っ先に駆除された
ぱちゅりー種、みょん種、ちぇん種はゆっくりである
この3種のみで人工的に群を作ったところとても円滑に群が機能するようになった
また、みょんとちぇんはそれぞれゆゆこ、らんが本能的に庇護対象として求めていることもあった
現在、非ゆっくり3種は食用、躾用としてのみ繁殖されている
先ほどの飼い主のようにゆっくりに直接体罰を下せない人間が非ゆっくりに体罰を加え
それを見せしめとする形で躾を施す
あるいは
「ふらん、れみりゃ、おやつだぞ」
「れみりゃだあああああ!!」
「うー、あまあまだどぉ♪」
「あまあまはふらんもたべるのー♪」
「もっぢょゆっぐじ…」
などとかつての捕食種の餌になる

そうしてまたペットショップでは非ゆっくり3種が補充される
もはやこの3種はペットではなくただの消耗品
今日も使い捨てられるためだけに産み落とされる


by お題の人

非核三原則みたいな感じだ>非ゆっくり3種

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最終更新:2022年05月19日 13:15