────────? 


「ゆゆっ!ここはありすのゆっくりぷれいすよ!」


 ────────────。


「ありすはしらないわ!
 ここはありすだけのゆっくりぷれいすだもの!
 さっさとでていくか、あまあまをよこしなさいね!」


 ──────?
 ──────────。


「どあってなんなの!?
 はいってないっていってるでしょ!?」


 ──────────────────。
 ────────────────────。


「いだい!あだまをつかまないでね!
 そんないなかもののことなんかしらないわ!」



「はいっでない!そこにははい"ってないわよ!
 ゆっぐりはなじでね!」



 ────────────────────。



「はな”ぜ!はな"ぜ!」



 ……。
 ──……。
 ────────────────?




「ごんなどごじらない!
 ぞんなばごじらない!
 ありずにはがんげいないわ!!
 がんげいないっでいっでるでしょぉおおおお!?」



 ────────────────?
 ────────────────?


「ゆぎ?! 
 ぐ、ゆぐ、ぎ、が、があ、ぱ、ぅぎぃ!」


 ────────────────?
 ────────────────?
 ────────────────?
 ────────────────?



「じらな、じらなぃ、じらなぃっ、じらなぁッ!
 いだ、いだい!
 yぐう、ぎ、が、あ、あg、ぎぃッッ!!!」



 ────────────────?
 ────────────────?
 ────────────────?
 ────────────────?
 ────────────────?
 ────────────────?
 ────────────────?
 ────────────────?
 ────────────────?




「いだい!いだいの!じらない!
 じらない!ばげぼの!じらない!
 だずげ!だずげで!
 ばりざ!ばりざ!ばりざぁ!!」




 ────────────────!? ────────────────!?
 ────────────────!? ────────────────!?
 ────────────────!? ────────────────!?
 ────────────────!? ────────────────!?
 ────────────────!!? ────────────────!!?
 ────────────────!!? ────────────────!!?
 ────────────────!!? ────────────────!!?
 ────────────────!!? ────────────────!!?
 ────────────────!!!? ────────────────!!!?
 ────────────────!!!? ────────────────!!!?
 ────────────────!!!!? ────────────────!!!!?────────────────!!!!? ────────────────!!!!?
 ────────────────!!!!? ────────────────!!!!? ────────────────!!!!? ────────────────!!!!?
────────────────!!!!? ────────────────!!!!?────────────────!!!!? ────────────────!!!!?────────────────!!!!? ────────────────!!!!?
 ────────────────!!!!? ────────────────!!!!?────────────────!!!!? ────────────────!!!!?────────────────!!!!? ────────────────!!!!?

 ────────────────────────────────────────!!!!?




「ば       ゆぐ
                 じだが だ」



                        ・

                        ・

                        ・

 どこか遠くで、誰かが必死に叫んでいる。
 誰かが誰かは理解できたけれど、れいむは理解したくなかった。
 れいむのあんよが踏みしめる、親まりさの舌が暖かい。
 何一つ見えない暗闇の中、上昇感と落下感が交互に襲う。
 弾むような音が、規則正しくれいむの耳に響き続けた。
 全力で跳ねているのだろう。
 脈打つ餡子の音の激しさが、親まりさの疲労をれいむに伝えた。
 餡子越しに聞くせいでか、言葉の意味までは聞き取れない。 
 声は二つ。
 餡子が痺れそうなほど甲高く、皮が震え上がるほど大きな声だ。
 互いに張り合っているかのように、その声はどんどんと高まっていく。

 れいむにとってその声は、あまりにもゆっくりできない響きだった。

 どれほどの時が過ぎたろうか。
 それとも、些細な時間だったろうか。
 れいむには既にそれさえも胡乱だ。

 ようやく。
 声の片方がだんだんと低く、小さくなっていく。
 そうしていつか聞き取れなくなり、二度と聞こえなくなってしまった。

 不意に親まりさの体が止まる。
 れいむのあんよが、舌の震えを感じ取った。
 けれど、それも一瞬のことだ。上下感覚が舞い戻り、再び弾む音が響く。
 体の震えが止まらない。

 見えないことが怖い。聞こえないことが恐ろしい。
 そのことを叫びたくても、まりさの口はぴったりと閉じていて、れいむたちは舌と上
あごの間に挟みこまれてしまっているから、体はすっかり圧迫されて、叫びたくても叫
べない。

 助けて。 
 誰か助けて。お姉さん助けて。 
 怖い。暗いの怖い。聞こえないの怖い。
 あったかいの、こわい。
 助けて、助けて、助けて、たすけて、助けて。
 助けて、助けて、助けて、助けて、助けて──────


「みぃつけ 」

 聞き覚えのある声が、れいむの耳に、

 衝撃。

 何だ とても気持悪 物が  むの頭からあんよにかけて走 抜け 。
 暗かっ のに明 くな た。でも何 見えな 事には変わり くて。
 それも 瞬。再び視 は闇に沈 。
 痛 は無い。  猛烈に気持悪 。餡 が全部腐 ような心地。折角 姉 んが見  
てくれ のにど して。
 あ。 っくり痛 なって た。刺 ってる。あん に何 刺さって 。どぼ で。ど
ぼ でばり の 口の中   、あんよに痛いの 刺さっ るの。


「……ったな  りさだね…… ス……?
 ちょー  聞 たい    んだ ど良い?
 良  くて  くけど 」 

   れ?この 声。 姉さん?

 お さん。お姉  。 姉さ 、お姉さ 、お姉さん───!!

 意識が、急激にはっきりとする。
 れいむは必死に叫び声を張り上げた。

 おねえさん、れいむはここだよ。
 たすけてね。
 かわいいれいむをたすけてね!

 しかし、声が響かない。
 まりさの舌と上あごで、れいむの体は固定されている。
 叫びなど上げられるはずもない。
 れいむは足の痛みさえ忘れてもがく。
 まりさ、お姉さんが来てるんだよ。
 みんなのことを助けてくれるよ。
 やさしいやさしいお姉さんだよ。
 だからゆっくりれいむを出してね、
 お姉さん早く気づいてね、ゆっくり早くたすけT───




                          」


             衝

───再 の 。              。

 潰                  
       ?                やめ

 おそら                ん   で
              と  
           痛                吐。


 何 も          何度 、  も。    は続 。
          度も、         衝



「人の 屋  し さぁ。
 そ  けなら だ  よ。
     ウチの  ビ助 、食   ろ」


 痛 。痛い 叩 れるたび体 痛いもの 食い込  くる。
 ぐちゃ と何か 潰れ 響き 耳に、何度も何 飛び込   た。
 け ど、    よりも、れ むが 怖 たのは別 音だ。
 こんなに怖  姉  の を聞  のは初め    。



「居 よね?赤ちゃ  さぁ。
 ね。
 質 してる  けど。 
  え 。
 答え  てば 
 喋 よね?喋 ん しょ?」


 痛  出し 。れい がお話すれ みんな助 。 
 やべ  だず  。
 お姉   止  。
  りさ 悪 ばり じゃな のに  


「ね ?
   。  。 ぇ。ね ってば。
 ねぇ ね 。

 聞けよ  調子  てん   えぞ」


 餡子がま さの喉 らせり上 てくる。
 甘い匂 。
 ま さが死につ ある臭 。
 粘ついた暖 な溶岩が、れいむの体を前に押 出し、親まりさの 歯に押し付け いく。
 痛みがます す酷くなる。
 その痛 がゆっ りと、れいむの思考を覚醒させ いく。 

「あ?
 ゆっく なんだろ?舌あん ろ?
 答 ろよ。 あ、答 ろっつってん ろ! 
 ぶ  ま   てぇのか?
 あァ?
  ち  られ ぇの ってんだよコラ」


 ざ り。

 何 が食 込む音が響 。
 光 、まりさ 頬に開いた傷 から漏れ 出てくる。


                            「早 言 ッ ってん ろ
                              魔な は追  出す だろ手前 は ォ」


 だから 見えた。
 そ は、指だ。
 お姉さんの指 。


                     「プレイスが うこう言ってよォ。知ってん よ、見てんだよ」


 ぎちぎちと捻り。
 みちみちと引き裂き。
 ぶつぶつと肉を千切りながら。


                      「ゆうかんときもそうだよ、ワケワカンネェ事抜かしてよぉ」


 父まりさのお口の中をかき回しながら、ゆっくりと潜り込んでくる。
 穴はどんどん大きくなって、
 父まりさのお口もどんどん開いていって、
 何もかもが見えるようになって、


                              「ゲスがどうのとか抜かしてよぉ。
                               グチャグチャに踏み潰しやがってよォ。
                               仕舞いにゃあまあまとか抜かしてよォ!」


 ジグザグに切れて捩れた舌や、
 お口の中一杯の歯は歯茎ごと折られてて、
 れいむのあんよにも刺さっていて、
 ざぐざぐに切れてジグザグに捩れた舌が、
 餡子に埋まりかけてて、
 くしゃくしゃになった子まりさの泣き顔が、
 お姉さんの指に摘まれた瞬間、
 指ごと見えなくなってしまって。



                              「上等じゃねぇかよ。
                               潰したんだろ?食ったんだろ?ア?
                               あん時みたいによぉ、ゆうかみたいに
                               グチャグチャ噛み潰しやがったんだろ?!
                               返せよ。返せっつってんだよ!」



 何かが右目の上にかかって。
 れいむのことをありすが見てて。
 ありすはもうめちゃくちゃに泣いてて。
 そのありすの目にれいむが映って。
 れいむの髪が真っ黄色で。
 ああ、ありすだ。
 ありすのおねえちゃんの皮だこれ。
 ぺったんこだ。
 もうやだこんなの。


                               「返せネエよなぁ。
                                返せるわけネェよなぁ。
                                餡子返してもらっても困るしなぁ。
                                ただの餡子ンなっちまったもんなぁ」


 見たくない。
 見たくないのに。
 歯の隙間から子まりさが見えて。
 子まりさの目は飛び出しそうで。
 どうして。
 れいむが。
 れいむが。れいむが───


                              「スゲェ気分ワリぃんだよ。
                               判るか?判ンだろ?
                               チビスケ死にそうだもんなおい。
                               あ?
                               何泣いてンスカ?
                               人んガキ殺して泣けば済むンスカ」


 まりさの顔がパンパンに膨れ上がって。
 やめておねえさん。
 お肌がどんどん黒くなって。



 「     ん」

 声が出ない。
 粒餡がのどに絡み付いて、今にも溺れてしまいそうだ。
 お姉さんの指に、どんどん力が入っていく。
 まりさはもう、限界で。 



「     ん   ぶだよ 
      ざんので ぶ よ 
 や  ね 
 ば ざが  とにじ じゃう 」


 だから、必死に搾り出す。 
 届いてほしいと、必死に願う。
 これ以上はもうやめて。
 何度も咳き込む。
 腹を絞る。
 喉につかえていた粒餡が、ようやくのことで転げ出た。。
 腹の奥底に、空気が一気に入ってくる。 
 一息に膨れ上がるからだ。
 皮が引きつる。
 あんよの傷口が裂けていく───関係ない。
 ゆっくりしないで聞こえるように、
 腹の奥から声を絞り出す───!!



「おでがいだがらぼうやべでぇぇぇええええええええええ!!」



 おねえさんの、ゆびが
 まりさを

                                       「嘘。
                                        れい、む?」



 止まった。
 子まりさが、ゆっくりと指から落ちていく。
 わかってくれた。
 おねえさんは、わかってくれたんだ。


                                     「よかった……
                                      生きてた……
                                      生きてたよぉ……
                                      れいむ……れいむ……」 



「れいむは、ここだよ。
 たすけてね!
 かわいいみんなをたすけてね!」
 叫ぶ。
 上昇感。
 お姉さんが、父まりさの体を持ち上げたのだ。
 折れ砕けた歯の隙間から、
 泣きそうなお姉さんの笑顔が見えて。


                                     「今、助けてあげるからね」

 まりさのお口が、開いていく。
 ゆっくりと明るくなっていく。
 どんどん。どんどんあかるくなって、
 おねえさんのお顔がはっきり見えて、
 壁さんが見えて、
 天井が見えて、
 こんなにお口が開くわけ無いのに、
 なのに、なのにどんどんお口が開いていって───

 ブヅン、と。

 致命的な破断の音が、お口の中に響き渡る。
 もう、開いているのではない。
 お姉さんは。
 まりさの上あごを、
 ゆっくり右手でつかんでいる。
 大きなものが、降ってきた。
 左手だ。
 お姉さんの左手が。
 ありずの子供 、ぶちゅ、て潰れで。
 そのまま舌を押さえ込んで。
 ばりざの上あごを引っ張っで。

 ぶづぶづぶづぶづ。ぶづぶづぶづぶづ。

 ばりざのほっぺが千切れていっで。

 ぶづぶづぶづぶづ。ぶづぶづぶづん。

 茶色いお空ざん見えで。
 ばりざ居る。
 浮がんでる。
 白目剥いでる。

 ばりざのお帽子ざんどごいっだの。
 頭さんどうじで浮かんでるの。
 ばりざのお口どごいっだの。

 でいぶ、
 ばりざの舌ざんの上なのに、
 どぼじでばりざのお顔見えるの"。

 ばりざのお顔ずごぐ怖がっでるのに"、
 恐がっでるまま固まっでるのに"、
 どぼじでお姉ざん笑っでるの。


                                 「消化される前だったのかな……
                                  泣かないでね。
                                  もう大丈夫だからね、
                                  もう大丈夫だからね……」


 ゆっぐりどお姉ざんの指がでいぶを挟んで。
 でいぶゆっぐり持ぢ上がっで。

 お空どんでるびだいなのに、
 ぜんぜんでいぶは嬉じぐなぐで。
 はじめでお姉ざんに触っだのに、
 すごぐ餡子ざん悲じぐで。

 ずごぐ高い高いざんまで、
 でいぶの体が持ぢ上がっで、
 だがら、ぜんぶ見えぢゃっだ。

 お父ざんばりざ、千切れでで。
 お顔は死んでで、体びぐびぐ。
 喉ぢんごの穴ざんがら、 
 う"んう"んみだいに、餡子ざん漏れで。

 ありずのお母ざん、お目目なぐで。
 髪ざんもお飾ぢもぶづぶづで。
 頭に穴ざんぼっごり開いでで。

 ぐにゃぐにゃになっだばりざのごどもが、
 お母ざんありずにずりずりじでで。
 でもぞれでほっぺ破れじゃっで、
 ぞれでもずりずり止べないがら、
 ばりざもありずも混じっじゃっで。

                                 「痛かったね、怖かったね。
                                  あんよに傷ができてるけど、
                                  ゆっくり直してあげるからね。
                                  もう、怖がらなくていいから。
                                  ゲスどもはもういないからね。
                                  みんないなくなったから……」 


 どおじでばりざ達死んじゃっだの。                          
 どおじでお姉さんは殺じぢゃっだの。
 でいぶがお勉強やすんだがら?
 ばりざだぢと遊んだがら?
 でいぶがお外に出ぢゃっだがら?
 もうなんにもわがんないよ。
 ぜんぶぜんぶぼうやだよ。

 お外ごあいよ。
 おねえざんごあいよ。
 おぞどはゆっぐりでぎないよ。
 おねえざんもゆっぐりでぎないよ。
 恐ぐでゆっぐりでぎないよ。
 でいぶゆっぐりでぎないよ。 
 でいぶゆっぐりでぎないよ。
 でいぶゆっぐりでぎないよ……。





───それからも。
   お姉さんは、ずっとれいむを大切にしてくれた。
   お声はとても優しくて。
   お顔はとてもにこにこで。
   くれるご飯は甘々ばかりで。
   れいむはどんどん大きくなって。
   何もかもが、幸せばかりで。
   それでも、時々思い出す。
   お外に出るたび、思い出す。
   幸せするたび、思い出す。

   二つに裂かれたまりさの体を。
   お目目の失せたありすの顔を。
   溶けてしまった子まりさを。
   潰れてしまった子ありすたちを。
   あの顔も、その顔も、みんな恐怖で歪んでいて、
   紙切れみたいにくしゃくしゃで。

   れいむはその時、見ていない。
   お姉さんのお顔を見ていない。
   それでも、時折夢に見る。
   目で見ていないはずなのに、
   瞼の裏に、見えてしまう───


───れいむはずいぶん長生きした。


   お姉さんのお部屋の中、お姉さんと何年も、
   ゆっくりできずに生き続けた。

   ゆっくりできずにお部屋で生きて、
   ずっとゆっくりしてしまうまで、
   一生、お外に出なかった。



                         Happy end






あとがき

 長編に挑んだ結果がこれだよ!
 次はもうちょいオーソドックスな話にしますorz
 あと、アップローダーを変に使ってごべんなざいorz

追記:
 感想、意見等ありがとうございました。
 感想フォームにて、

れいむがちゃんと野良家族に「おねえさんとれいむのゆっくりプレイス」って言ったのに
お姉さんに向かっておうち宣言するってどういうことなの・・・

 との疑問をいただいたので、解説します。

 野良一家は「れいむのお姉さん」が人間だとは思っていません。
「お姉さん」を「れいむの姉」、つまりは「れいむ種」だと思っています。
 また、野良たちにとって人間種とは胴付き二本足の怪物であり、れみりゃと同類の存在と認識しています。
 つまり『ゆっくりごろしのばけもの』。ありすがお姉さんにボコられながら『ばけぼの』と叫んでいたのもこのため。 


 正直描写不足だったと思います、わかりづらくて申し訳ないorz



gdgdな人の書いたもの。


ゆっくりいじめ系2053 まりさがなにかにむしゃぶりつく話
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ゆっくりいじめ系2700 足焼きれいむの受難

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最終更新:2022年05月03日 22:50