いままで書いたもの
  • とかいはコーディネイター
  • 植物型ゆっくり
  • 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~
  • 取替えられた子
  • お前なんかドスじゃない



      ギャクウ
オッス、オラ虐空。
惑星虐ータで産まれたけど虐待力が低かったせいで地球に捨てられて
しまった可哀想なユイジーメ星人だ。本名は虐ロット。ゆ虐のしすぎ
で心臓の弱い爺ちゃんを殺したり男か女か調べるために女の股を叩い
たりしたせいで警察に捕まったり世間から白い目で見られたりするけ
どゆっくりを虐待できればオラそれで満足だ。
そんなわけでオラは今日も今日とて虐待するゆっくりを探して山にや
ってきたんだ。

「オラなんだかワクワクしてきたぞ」
「ゆ、なんだかこっちからこえがしましたよ」

と、ワクワクしているオラの足元の茂みから、もそもそと三匹のゆっ
くりが現れた。オラはそいつらを見てついヒャッハァと叫んでしまう。
紫の髪に目玉みたいな変な飾りのゆっくりと、赤い髪とネコミミと黒
い尻尾のゆっくりと、どういう構造と色をしてるんだかよくわからな
いマントをつけたゆっくり。どれも今まで虐待したことが無いゆっく
りだ。

「ゆっ! このにんげんさんはさとりたちをいじめようとしてるゆっ
くりできないにんげんさんよ! ふたりともきをつけてね!」

リーダー格らしい紫のゆっくり……さとりとかいう名前らしい……が
きっとこちらを睨みつけながらそう言った。どうしてオラが何をしよ
うとしているのかわかったのか不思議だったが、きっとまた無意識の
うちに口から色々垂れ流してたんだろうと自己完結する。
そんな事を思ってると、マントのゆっくりがさとりとオラの間にずい
っと割り込んでこう言った。

「うにゅ! さとりさまとおりんりんはうにゅほがまもるよ! おに
ーさんはうにゅほとたたかってね!」

なんというヒャッハー。オラなんだかゾクゾクしてきたぞ。
背後からネコミミのゆっくり……消去法で言うと、おそらくおりんり
んと呼ばれているゆっくりがきゃーとかすてきーとか黄色い声援が飛
び出す。たぶんこのうにゅほとつがいなのだろう。
産まれてこの方彼女どころか女友達すらできた事の無いオラは、まっ
たく悔しくなんか無いぞという思いを殺意とともに拳に込めて構えを
取った。
そんなオラの姿を見て、うにゅほは笑いながら声を上げた。

「うっにゅっにゅ! うにゅほはかくゆーごーとかかくぶんれつとか
できるんだよ!」
「カクユーゴーって何だ? 食いもんか?」
「ゆっ! かくゆーごーっていうのはね、よくわからないけどなんか
こう……とにかくすごいんだよ! ゆっくりかくごしてね!」

うにゅほが言い終えると、ぱかっと大きく口を開けてその中から何か
太くて硬くて熱いものを出し始めた。
うにゅほは、喉からその棒を伸ばしながら器用に声を上げた。

「せ~い~ぎょ~ぼ~お~(ダミ声)」

てってれてってってーってってー。
何処からか奇妙な音楽が鳴り響いた。驚いて周囲を見渡してみるが、
どこにもそれの発生源らしきものはない。うにゅほの背後に控える二
匹もまったく動じてないので、オラの気のせいなのだろうと納得する。
口からはやした猛々しいせーぎょぼー。それを自慢げに天に翳しなが
ら、うにゅほは高らかに要求した。

「じゃあおにいさん、うにゅほに『かく』をちょうだいね! ゆーご
ーしたりぶんれつしたりするからね!」
「……いや、オラそんなもん持ってないけど。そもそも核って何?」
「……うにゅぅ。じゃあ、やめる」

うぃんうぃんと淫猥な音を立ててせーぎょぼーを口の中にしまいこむ
とうにゅほはとぼとぼと寂しそうに後ろの二人の元まで戻っていった。
さとりはそんなうにゅほの様子を見て大きく溜息をつき、おりんりん
はうにゅほの背中にほっぺをぴったりとつけて優しくすりすりをした。

「うんがよかったね! きょうはだーりんのえむぴーがたりなかった
みたいだよ! ここからはおりんりんがあいてをしてあげるからね!」

と、今度はおりんりんが前に出てきた。

「おりんりんはすごいんだよ! ずっとゆっくりしちゃったゆっくり
をあやつって『ふじみのぐんぜー』をつくれるんだよ! ところでふ
じみのぐんぜーってなに?」

ついさっきまで落ち込んでいたはずのうにゅほが元気そうに飛び跳ね
ながらそう言った。死体という事は虐めても反応が無いという事だ。
これはつまらな……厳しい戦いになる。
オラは額に流れる冷や汗を拳でふき取り、構えを変えて相手の出方を
伺う。

「おりんりんのぞんびふぇありーさん、ゆっくりしたいをうごかして
ね!」

おりんりんが高らかに宣言すると、空中にぼうっと靄のようなものが
現れた。
その靄のようなものは、しばしおりんりんの周囲を旋回すると、どこ
か困ったような表情(靄に表情もクソもないが、なんとなく困ってる
ように見えた)でおりんりんの耳元によっていった。
そしておりんりんははっとした顔で叫ぶ。

「そうだ! したいがなくちゃあやつれないよ!」

おりんりんが慌てて辺りの茂みの裏とかにゆっくりの死体が無いか探
し始める。が、そんな都合よく死体があるはずもなく。しかしそれで
も必死に、瞳に涙を溜めながら死体を探した。その姿が余りに必死な
ので、オラはヒーローの変身を待つ怪人の心境で構えを取ったままそ
の様子をずっと眺めていた。

「ゆっ! おりんりんたちだ! ゆっくりしていってね!」

と、そこへ一匹のゆっくりれいむが現れた。
おりんの表情がぱっと明るくなり、そのれいむに向かってそれとなく
こう言った。

「ゆっ、ちょうどよかった! れいむ、ゆっくりしないでしんでね!」

『10円貸して』みたいなノリの、見事なそれとなさであった。

「どぼじでぞんなごどいうのー?!」

しかし、どんなにそれとなくてもその要求は明らかにおかしく、れい
むは大声を上げて逃げ出してしまった。
おりんりんはあわててれいむの後を追う。

「ゆぁー! まってー! しんでくれなきゃあやつれないよー?!
おりんりんとれいむはともだちでしょー?!」
「ふつうともだちにしねなんていわないでしょー?!」
「……それもそうだね。じゃぁ、うん……やめる」

れいむに言われて、おりんはとうとう諦め、すごすごとさとり達の元
へと戻っていった。
いい加減に構えを取るのとモノローグで変なキャラ付けをしたりする
のに疲れた俺は、地べたに座り込んでその様子を横目で眺めていた。

「しかたありません。こうなったらわたしがおにいさんをたおすしか
ないようですね」
「「ゆわーい」」

とうとう現れる大将格。その背後で下っ端二匹が暢気に声を上げた。

「わたしはあなたのこころをよむことができます。あなたにかちめは
ありません。ゆっくりあきらめてかえるのをおすすめします」

さとりはおもむろにそう言った。そして、俺が声を上げるよりも前に
にたりと笑みを浮かべて言葉を続けた。

「そんなのはったりだとおもいましたね?」

俺は驚愕する。それは確かに俺が思っていた事だ。いやしかし……

「どうせあてずっぽだろうとおもいましたね?」

続けて言い当てられる。まさか、そんなはずは……
俺は半信半疑で普通ではまずわからないだろう事を思い浮かべた。

「ら、らめぇ……そんなおっきいのはいらないよぅ……さ、さとりの
なかかきまわさないでぇ、あたまへんになっちゃうよぉ……とおもい
……へ、へんなこといわせないでください!」

さとりが顔を真っ赤にする。
これは本物だ。このゆっくりは本当に人の心が読めるんだ。そして目
の見えない子供の目を治す為に夜な夜な人間を襲ってその目を集めた
りしてるんだ。自分の目が抉られる光景を想像して俺は激しい恐怖に
震えた。
こうなったらシンプルに行くしかない。俺は右拳に渾身の力を込める。
右ストレートでぶっとばす。真っ直ぐいってぶっとばす。
右ストレートでぶっとばす。真っ直ぐいってぶっとばす。
右ストレートでぶっとばす。真っ直ぐいってぶっとばす。
何度も心の中で繰り返し、その必殺の右ストレートをさとりの顔面に
向かって繰り出した。
さとりは、不敵に笑って言った。

「よめました! あなたはみぎすとれーとでぶっとばすとおもいまし
たね!」

そして、その右拳はふてぶてしい笑みを浮かべるさとりの顔面、その
中心を的確に捉え、さとりを遥か遠くまで吹き飛ばした。
ひゅーんと気持ちのいい音を立てて、遥か遠くの茂みに突き刺さった
さとりの姿を見届けてから、俺は呆然と呟いた。

「……読めるだけで対策は出来ないの?」
「「さ、さとりさまー?!」」

俺の足元で固まっていた二匹が、飛んでいった上司の名前を叫びなが
らぴょんぴょんと逃げていく。普段なら追いかけて虐待する所だが、
なんだかやるせない気分になっていた俺はさとりの顔面を貫いた右拳
をポケットにしまうと、その二匹に背を向ける。
そして、ぽつりと呟いた。

「こんな事しててもしょうがないし、いい加減就職しようかな……」


おわり



おまけ


「ゆ゛、ゆっ……」
「ざどりざまがー!」
「あぶなかったね、ずんぼーがなければそくしだったよ!」
「しんではないけどこれじゃさとりさまがゆっくりできないよ!」
「うにゅ! そうだ! いっかいずっとゆっくりさせてからおりんり
んのちからでさとりさまをうごかせばいいんだよ!」
「ゆっ! さすがだーりん! ばかとてんさいはかみひとえだね!」
「なんかしらんがほめられたー」
「じゃあさっそくこのおっきいいしでっと……」
「「せーのっ」」
「や゛、やべ……ぴゅぐっ」

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最終更新:2022年05月19日 14:49