• いろいろ設定お借りしています
  • 文章ほとんど書いた事ないので注意
  • 全然いじめてないかも
  • ぺにまむあり



ある群れに、引きこもり気味でお家に遊びに来る友達もほとんどいない、ちょっと寂しい生活を
送っているゆっくりれいむがいた。

れいむは他のゆっくりより小さい声しか出せない恥ずかしがり屋さん。
喋ろうとしてもゆっくり考えてからじゃないと口に出せない、ちょっと頭の回転が遅い子。
だから、何か発言しようとしても他のゆっくりの大声に負けてしまう。
やっと話そうとしてもみんなは次の話題に夢中になっている。
そうこうしている内にほとんど喋らなくなり、存在感がない、影が薄いゆっくりになってしまった。
少し恋心を抱いていたまりさの「れいむはくらくてゆっくりできないよ!」という
心無い一言も原因で友達とも遊ばなくなった。
別にいじめられていたわけでもない、喋らなくてもみんなと一緒にいてにこにこ笑っていれば
良かったのに、自分で殻の中に閉じこもっていた。




「ゆふー…」

れいむは丸い体をゆーらゆーらと揺らしながら溜息を漏らしていた。
他のゆっくり達が輪になって楽しそうに談笑しているところから遠く離れた場所で、何度も何度も。
気分を紛らわすために外に出てみたが、憂鬱なのは変わらなかった。

「どうして一人で居るんだい?れいむ。ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね…」

やっぱりお家へ帰ろうとれいむが考えてたとき、突然後ろから声を掛けられた。
人間だ。人間はゆっくり出来ないかもしれないから、見かけたらすぐ群れのリーダー報告するのが義務。
でも今は群れの誰とも会いたくない。
もうどうなってもいい、そんな気分だった。

「ひとりでいさせてね!」

最初は邪険にして、プクーと膨らんで追い返そうともした。
けれど人間は優しそうに微笑んで諦めず元気付けようと話をしてきた。
れいむは胸にこみ上げてくるものを感じ、次第に心の殻を溶かして、ぽつりぽつりと一人ぼっちでいる
理由を打ち明け始めた。
今まで溜めていたものを全部吐き出した。
こんな自分はもう嫌だ、変わりたい、存在感があるみんなに注目されるゆっくりになりたい、と。

「よし!俺にまかせろ。れいむを注目されるようにしてあげるよ」





「よし、ここでフェロモンを…こっちはオーケーだな。
さて次はれいむのまむまむをいじろうかな。ヒャハー!改造だー!」

お約束で、人間の正体はゆっくりをゆっくりさせない虐待お兄さんだった。
殺風景な部屋の中、台の上で眠らされているれいむ。
その周りではピンセットやハサミなど色々な道具が散乱している。
薬のせいで、効果が切れるまで覚めない夢の世界にいるれいむには気付けない。
お兄さんは心底楽しそうな笑みを浮かべながら、れいむに改造手術を施し続けた。




三日後、お兄さんとれいむはゆっくり達の群れの場所に戻ってきた。

「ゆー!ひどいよ!あやまってね!あやまってね!」
「大丈夫だって、いじめられたりしないって、笑顔笑顔!練習したろ?」

れいむは不安でたまらなかった。
群れに帰る当日になってから、鏡を使って後ろ姿を見せられたからだ。
素敵なリボンの下に斜め横にギザギザした、まるでムカデの様なものがあった。
ちょっと変な感覚はするが、跳ねても寝転んでも痛みはない。
だが、この異形になってしまった姿。
ある時期、群れでちょっと変な子が大量に生まれた時のみんなの様子を思い出して、
身震いが止まらなかった。



「はい、注目!」

お兄さんは大声で叫んだ。
広場で思い思いにゆっくりしていた群れのゆっくり達は突然の人間の乱入にあわてふためいた。
追い出そうか、逃げ出そうか騒がしくなったが、お兄さんは気にせず言葉を続ける。

「お兄さんは怪我をしていたこのれいむを助けました。大怪我で治すのが難しかったので、
こんなものを付けました」

お兄さんはれいむを両手で持ち上げ、後ろ姿を群れのみんなに見せた。
れいむは大勢の視線に晒され、小さく縮こまる。

「ジッパーと言います。でも、これが何なのかわかりませんね?」

れいむを地面に置いて、二匹の熊のぬいぐるみをリュックから取り出すお兄さん。
片方のぬいぐるみのジッパーを開けて中に詰まっていた綿を次々と取り出して見せた。

「この通り開けたりするとれいむが大変な事になるかもしれません。
皆さんがゆっくり殺しになるかもしれません」
「ゆゆ!?なにぞれえええ!?」

お兄さんは「ゆっくり殺し」という部分をさらに大声で強調する。
れいむには初めて知らされた、驚愕の事実。
お兄さんはれいむの叫びを無視して、残っていたもう片方のぬいぐるみのジッパーを開けた。
中から大量の飴玉が出てきてバラバラと地面に落ちて、群れのざわめきが一層大きくなった。

「さて、これはみんなを騒がせたお詫びのあまあまです。ちなみにれいむのを開けてもあまあまは
出て来ません。だから絶対開けたりしないでね。それでは、ゆっくりしていってね!」
「「「「ゆっくりしていってね!」」」」

一方的に喋って颯爽とお兄さんは去っていった。
れいむを飴玉の近くに残して。


ショックを受けて少しの間固まっていたれいむだが、お兄さんに言われたことを思い出し、
勇気を振り絞って、練習を繰り返した、笑顔を作りながらのただいまの挨拶をする。

「ゆ、ゆっくりしていってね!」


「うめ!めっちゃうめ!」
「ぺーろぺーろ、しあわせー!」
「むきゅー!みんなでびょうどうにわけるべびゅううう!!?」
「あまままままあああ!!」
「そのおおきいのはまりさのなんだぜえええ!!」
「ゆほ!ざんねんそれはありすのぺにぺによ!」
「おちびちゃんのぶんもちょうだいね!たくさんだよ!」


みんな飴玉に夢中でれいむに寄って来るものは皆無。目も向けてくれない。
実はれいむがいなくなっていたことに気が付いていなかったので、しょうがないのかもしれない。
全然注目なんかされてないよ。前と同じでれいむなんかいないのと同じだよ。
れいむはその場で涙を堪えることしか出来なかった。



「いっしょにあそびにいこうね!」
「ゆ!?ゆゆ!?…ゆっくりしていってね!」

しかし、次の日から様相は変わった。
遊びに誘われた事なんてずっとなかったのに、今日は誘われたのだ。
どうしてかわからなかったが、れいむは多少ぎこちなくしながらも承諾した。

(ありがとね!)

遊びに誘ってきた仲間とぽよんぽよん跳ねながら、れいむは心の中で感謝した。
笑顔で挨拶していればいいんだよとアドバイスをくれたお兄さんに。
ただジッパーのことは合点がいかなかったけど。



「かーごめかごめ、かーごのなかのとーりは、いーついーつでやる♪
よあけのばーんにつーるとかーめがすーべった、うしろのゆっくりだあれ♪」

中央に居るゆっくりは目をつぶって、その周りを他のゆっくりが輪になって歌を歌いながら回り、
歌の終わった時、後ろにいるゆっくりを当てるお遊び。
中央にうずくまっているのはれいむだ。

「ゆーんとね…ありすだよ!れいむのうしろにいるのはありすだよ!」

歌が終わったので、笑顔でくるり!と振り向く。

「ゆ!?」

遊びに参加していた全員が固まり、背後でれいむをじっと見つめていた。




「れいむがころんだ!…まりさも…ころんだ!」

言葉の最後の「だ!」で動きを止める遊び。
運動神経があまりないれいむはこの遊びは苦手だ。

(ゆゆー…ちょっとうごいちゃったかなー?)

失敗するとスタートラインに戻らなければならない。
でもれいむが何度失敗したような気がしても「うごいたよ!」の声は掛からなかった。
れいむは一番にゴールに辿り着いた。
やったよ!みんなはどうしてるかな?と後ろに振り向く。

「ゆ゛!!?」

全員がものすごい間近で動きを止めたままれいむの背中を見つめていた。



「あまあまをかくして…」
「あけちゃったらゆっくりごろし…」
「なかのひとが…」
「なぜだかとってもきになるのぜ…」

(ゆっくりできないよ…)

れいむがぽよぽよ跳ねてお家に帰る途中、突き刺さるような視線が背後から飛んできていた。
あれやこれやとジッパーについて囁かれ、れいむはいたたまれない気持ちでいっぱいだ。
そう、れいむの後姿はとても注目されていた。


実はお兄さんはジッパーを縫い付けたとき一緒に、ゆっくりフェロモンというものを塗っていた。
これはゆっくりが他のゆっくりを見て、ずっと一緒にいたいと思ったときに発するもの。
相手を気にさせる誘惑効果があるのだ。
ゆっくりが出会ってすぐ番になってしまうことがあるのは、このフェロモンが影響を
及ぼしているからなのかもしれない。
ゆっくりフェロモンはそんな状態にしたゆっくりを何百匹と潰して、色々な工程を経て、
やっと極少量抽出されるとても貴重なものなのだ。
れいむの場合、それだけでは効果が薄いものだったが、ジッパーに対する好奇心や期待などが
相まって、ものすごい気になるという効果になった。



「ゆっくりしたいよ…」

注目されるというのはこんなに大変なものなのか。
れいむは連日視線に晒されまくり、また引きこもりたくなっていた。
だが、遊びの誘いは無下には断れず、後ろ姿を注目される生活を送る毎日。
「ちょっとだけあけてみようよ!」など毎日何回も言われて、必死で断らなければならなかった。
ストレスで髪の毛が一部禿げたりした。
れいむがゆっくりできるのはお家の中だけだった。



しかし、そんな生活にも光が差す出来事が。
注目されたおかげか、れいむにもずっと一緒にゆっくりしてくれるという素敵なまりさが現れたのだ。
ジッパーが付いているのを気にしているうちにれいむ自身も気になってしまった。
そんな告白をされて一瞬だけ疑問に思ったがもちろんオーケーした。
正にジッパー効果。付けてて良かったジッパー!ジッパーのおかげで結婚できました!


さて、つがいになったゆっくりがする事は一つ。すっきりだ。
だがちょっとした問題が起きた。

「れいむのまむまむ、きつきつすぎるんだぜえ!!」
「ぎぼぢいいよおおお!!」

ほっぺを激しくすーりすーりしてボルテージを上げてから、さらに上げようと後ろに回って
パンパン!とぺにぺにで叩きつける様に貫こうとするまりさ。
だが、れいむのまむまむが狭すぎて上手くいかない。
実はまりさのぺにぺには他のゆっくりよりも幾分小さめなのだが、それでもきつ過ぎるのだ。
虐待お兄さんの魔の手がここにも及んでいた。

「うほほおお!!ほう?…ほ…」
「まりざああ!!ゆ!?どしたの!?」

おまけにまりさは目の前のれいむの背中にあるジッパーが気になり始めた。
特に振動でプラプラと揺れるスライダー部分が。
この体勢ではどうしても目に入るため、行為に集中出来ない。
一旦気になってしまうとその事しか考えられなくなり、何となくぺにぺにが萎えてきてしまった。

「ゆー…」
「ゆゆーん…」


「「すーりすーりすーり!すりすりすりっ!…すっきりーーー!!!」」

結局、二匹はすりすり型のすっきりで愛を確かめ合った。
群れの掟により、初産は胎生妊娠でなければならない。
行為が終わるとれいむはお腹に愛の結晶が宿った事が分かり、幸せ分が溢れて涙になって出てきた。




事故もなく、番のまりさもよく働き、妊娠を理由にれいむはお家にこもっていたために
注目されずにすんでストレス軽減。
順調に出産日を迎えたれいむだったが、その日重大な問題が起きた。

「れいむ!しっかりするんだぜえええ!!」
「いだいーーー!!あがぢゃんどぼじでゆっぐりうばれでぐれだいのおおおおお!!!」
「むきゅー…むりみたいね…」

子供が生まれる場所が全く広がらず、子供が出てこられないのだ。
群れの医者であるぱちゅりーは、れいむの下膨れを切る手術をしなければ、
子供は産めないと判断を下した。
だがその方法は母体が生き残る確率はとても低い。

(むきゅーん…どうしたらいいの?)

悩みに悩んでふとれいむの方を見ると、ジッパーが目に入った。
…ぱちゅりーは群れのみんなを集めるように指示した。



「むきゅー!みんなのいけんがききたいわ!」

ぱちゅりーはれいむの状態を説明し、手術をするべきか意見を募った。
だがそんな事は普通のゆっくり達に判断する事など出来るわけがない。
隣同士で顔を見合わせ困るしかなかった。

しかし、そのうちぱちゅりーの視線がチラチラとジッパーの方を何度も往復しているのに
気付き始めた。
それにつられる様に群れのみんなはジッパーを凝視し始める。
フェロモンの効果はもうほとんど失われているのだが、ジッパーは気になるものと餡子脳に
深く刻み込まれていた。
ぱちゅりーは何も言わないが、みんなが気付き始めた。
医療行為なら問題ない、子供を取り出すためならゆっくり殺しにはならないんじゃないか、と。

(ゆぎぎぎい!くるしいよ!あかちゃんゆっくりしててね!ゆー?どうなったの?)

れいむの大きく膨らんだ下膨れはぼこぼこ!と波立っていた。
子供が出口を探しているが、見つからなくて暴れ回っているのだろう。
苦痛に耐えながら助けを求めようと周りを見ると、当然群れのみんなはれいむに注目していた。
だが視線がどうもお腹じゃなくてその後ろに集中しているとれいむは思った。

(ぐがが!!ゆー…なんだかゆっくりできないね…)

同じ姿勢に耐えられなくなって、痛みに絶えながら、気力を振り絞って今度は逆の方に体を倒してみる。
一瞬、みんなと視線があったがすぐにそれは後方に移った。
夫まりさの顔も見えたがみんなと同様だった。
れいむは気付いた。みんなジッパーを見ているんだと。

「ゆぐぐぐ!!どうしてそんなにうしろをみてるの!?じっぱーさんはあけちゃだめなんだよ!!」

れいむはジッパーを隠すように仰向けになった。
群れの視線を避け目を泳がせると、ふと周りの風景が目に入る。

木の枝の上ではたくさんの鳥やきめぇ丸達が興味深そうにこちらを見つめていた。
リス達も手に持った木の実を齧るのをやめてじっと見つめている。
他の大勢の動物達も丘の上から身動きもせずれいむを注視していた。

「なんなの!なんなのおおおおお!!なんでごんなにみられでるのおおおおお!!!」

近くの岩場かられいむに銃口を向けていたスナイパーお兄さんも、狙うのをやめて
双眼鏡で覗く事にシフトした。
もちろんれいむを改造したお兄さんも群れの近くの茂みから観察中。
お互い一度だけ目が合ったが軽く親指を立てあっただけ。

「ゆっぐりでぎだいーーー!!やべでね!やべでね!れいぶをみだいでねえええ!!」

れいむが仕方なく視線を向けた青い空、そのまた向こうの宇宙では虐待お兄さん専用衛星が
れいむを監視して全世界にネット中継していた。
無限に広がる宇宙、地球から数光年離れたところにいた未確認飛行物体の中の高知能生命体も
モニター越しに興味津々だ。


医者ぱちゅりーの指示でれいむはうつぶせに体勢を変えられていく。

「ゆや゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!じゅうぼぐじないでえええええ!!!!
じっばーざんあげぢゃだべえええええ!!!ぜっだいあげだいでねえええええ!!!」





結果を言うと、れいむの子供は無事に生まれた。
めでたし。









あとがき

読んでくれてありがとうございます。
最後ごめんなさい。
ゆっくりの後ろ姿にジッパーが付いてたら気になって開けたくなりません?
え、ならない?ごめんなさい。
口がうるさいゆっくりにはジッパー付けて売り出せば良さそうな気が。
勝手にスナイパーお兄さん出演。





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最終更新:2022年04月17日 01:37