※懐かしいよね



【罠】




森を抜け、人間の里にエサを探しに来たまりさズ。
一度襲撃に成功し味をしめたのか、目標は畑一本である。
「ゆっ!はたけがあるよ!」
「とうもろこしだ!」
まりさズはとうもろこし畑を見つけた。
道のりの坂は急だが、くだれなくはない。
「にんげんもいないよ!」
「「「ゆっくりしていってね!!!」」」
歓喜のゆっくりであった。

「「ゆーっ!」」
坂を駆け下りる二匹、あとに続く三匹。
目標めがけまっしぐらである。
「「とうもろこし!とうも」」
突然、先頭の二匹が消えた。
「「「ゆっ!?」」」」
「「ぎゃああああぁぁぁぁ!!!」」
悲鳴が下の方から聞こえる。
とっさのことにブレーキをかけるが、欲望エンジンはそう簡単に止まらなかった。

「「「ゆ゛っ!?」」」
フワッ、一瞬体が浮く。
ベシャッ、壁にぶつかる。
ヒューッ、落ち始める。
ボチャン、液体に落ちる。

「い゛だい゛い゛だい゛い゛だい゛ぃぃ!!!」
「がら゛だがあ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!!」
「ま゛り゛ざの゛がわ゛があ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!!」



『硫酸のたまった落とし穴』




落とし穴に囲まれたもろこし畑。
そのもろこし畑を、別のれいむ夫婦が発見した。
「ゆっ!とうもろこし!」
「すにもちかえってゆっくりしようね!」
下ろうと思った矢先、まりさズが先に滑り降りていくのを見た。
そしてその結末も見てしまった。

「ゆっくりできないよ!!!」
「あなのまえでとべばだいじょうぶだよ!」
「ゆっ!そうだね!」
そうとわかればゆっくりは急げ、二匹は畑めがけて駆け下りる。
穴を飛び越えるために、自らグングンと加速するゆっくり。
ここまでゆっくりしないのは初めてだ。

やがて穴の前にたどり着く。
「ゆーっ、ぴょーん!!!」
綺麗な踏切、姿勢も崩れずに高々と落とし穴を飛び越える。
「ゆーっ、ぴょーん!!!」
もう一匹もまた綺麗にジャンプした。

「もうすぐ畑だy…」
畑の土地に入ったとたん、初めれいむが沈黙した。
何が起きたかわからず混乱する後れいむ。
初めれいむが着地すると同時に、横に何枚かにスライスされ、各々がズレる。
「ゆ゛ーっ!」
止まらねば。
しかしついた勢いは殺せない。
刻一刻と畑に近づく。あがけどもがけどどうにもならない。
後れいむは、諦めた。



『見えないピアノ線』



落とし穴とピアノ線に囲まれたもろこし畑。
そのもろこし畑を、またぱちゅりーとちぇんが見つけた。
「むきゅ!とうもろこしよ!」
「おいしいよねーわかるよー」
その矢先ry
もちろん二組の惨劇も見ている。

ぱちゅりーは用心深く畑を観察した。
「はたけのはしらにはりがねがあるのよ。あれをこえればだいじょうぶ」
「わかったよー、わかったよー」
そういうやいなや、ちぇんは頭にぱちゅりーを乗せ、勢いよく走り出す。

第一関門、落とし穴前
「むきゅううぅぅ!!」
振り落とされないよう必死のぱちゅりー。
「あにゃああぁぁ!!」
限界まで加速したちぇんは、ぱちゅりーを乗せたまま高く高く飛び上がる。
落とし穴は余裕で突破。
このままピアノ線の柵を飛び越えるつもりだ。
「ああああぁぁぁぁ!!」
「むきゅ!これならいけるわ!」

勢いは衰えず、きれいな放物線を描いて、
柵を、越えた。
「むっきゅ!ゆっくりできるわよ!」
「わかるよー!わかるよー!」
二匹は空中で、喜びをわかちあっている。

やがて地面が近づく。
ぱちゅりーに気をつけて、ちぇんが着地する。
瞬間、閃光が辺りを包んだ。
ぱちゅりーは、初めて「ろいやるふれあ」を見た。



『万能地雷グレイモヤ』





【あとがき】
毎度お世話になってます、タカアキです。
畑はダミーです。地雷埋めて硫酸に囲まれた畑でもろこしが育つはずがない。
あと見えないピアノ線とか覚えてる人いるのかな。

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最終更新:2022年05月03日 09:54