一匹のれいむは今日、一つの覚悟を決めた。

『おにいさんにじぶんをたべてもらう』と。

れみりゃに襲われ、家族が犠牲になって助けられたれいむだが、群れの皆からすれば家族を見捨てて助かった薄情なれいむだ。だから誰も受け入れてはくれなかった。
薄情者、家族を見捨てて逃げ出したゲス、親友のまりさにまでれいむはそう言われた…

受け入れてもらう事を諦め、群れを離れてゆっくりできる場所を探そうとして飛び出したれいむは、直後に発情期のありすの集団に襲われた。
必死に逃げ、人間の住む里の目の前で転んでしまいありすからのレイプが始まる。
滑る相手の気持ち悪い体から逃げようにも、何匹に圧し掛かれては身動きすらとれない。
小さい自分の体は朽ちてしまうだろう… きっと家族を捨てて一人で逃げたからこうなってしまったのだ…
そんな風にれいむが考えていると、突然圧し掛かっていたありすの重みがなくなった。

起き上がって辺りを見回す。すると、一人の人間がありすを踏み潰していた。
あぁ、自分は助かった訳ではないんだ…
親から聞かされていた人間の怖さを恐ろしさを思い出したれいむは逃げることを諦めて眠る事にした。
寝てる間ならば何も感じる事無く死ねると考えたのだ。

だが、れいむが目を覚ますとそこは天国ではなく人間の家だった。
男はれいむを虐待するわけではなく、純粋にありすのレイプから救出してくれたのだ。
ありすの重みで破けてしまった皮はしっかり治療され、美味しいご飯を男は差し出した。
居る場所がないのなら「ここに住めば良い」と言われ、男に飼われたれいむ。
一緒に遊び、男が仕事から帰ってくるのを素直に待ち、れいむは幸せな日々を過した。

体もソフトボールサイズから大きく立派なゆっくりになった。
ここまで大きくなれたのは男がいたからである。
だから、ゆっくりのできる最大の恩返し、自分の体を食べてもらう。れいむはそれを望んだのだ。

朝起きてその事を伝えると、寂しそうな顔をしながら男は「わかった」と言ってくれた。

そして、今、れいむは男の帰りを心から待っていた。
食べられたら自分が死ぬと分かっていても、れいむは1分1秒でも早く食べてもらいたかったのだ。
だが、いつも帰ってくる時間を過ぎても男は帰ってこなかった。
れいむは不安になった。「おにいさんはじぶんをたべてくれないのでは」と。
時計と玄関を何度も往復し、それでも男は帰ってこない…
れいむの不安はどんどん高まる。しかし、とうとう男は帰ってきた。
急いで玄関に向かい、男に文句をれいむは言った。

「おにいさんおそいよ!! かえってこないかとおもってれいむはふあんだったんだよ!!」
「悪い悪い、すぐ食べてやるからな」

笑いながら言う男にれいむは安心した。あぁ、ちゃんと食べてもらえるんだと。
だが、男が家に入ってくるとその後ろから別の人が家の中に入ってきた。数は5人

「お邪魔しま~す」
「久々だな~お前の家に来るのも」
「前きたときはゆっくりなんかいなかったのにな」
「変なもん飼う奴だ」
「それに相変わらず綺麗な家だな、まめな奴だぜ」
「うっせぇ、すぐ準備するから座って待ってろや」
「わかったよ」
「楽しみにしてますんで」
「美味い事を祈ってるぜ~」
「不味かったら承知しないからな」
「茶も入れてくれよな」

ぞろぞろ奥へ入っていく5人の男。これから食べてもらうはずなのに、何でお兄さんは人を呼んだのか? れいむは不思議に思った。

「さ、すぐ食べてやるからな~」

男に「どっこいしょ」と言われて抱えられ、テーブルの上に置かれたれいむは男に聞いた。

「おにいさん、あのひとたちはだれなの?」
「ん? あいつらはお前食うのを手伝ってもらうのに呼んだんだよ。いい奴ばっかだから大丈夫さ」

その言葉にれいむは固まった。慌てて男に聞き返す。

「て、てつだってもらうってなんで!? れいむはおにいさんだけにたべてもらいたいんだよ!!」
「でもなぁ、お前でかいから俺一人で食うのは無理だよ」

男の言ってる事は正しい。
まん丸と大きくなったれいむの大きさは男の膝まであるし、当然幅も大きい。だから中身の量も増える。
確かに一人の人間が食べきれる量ではないだろう。

「それでもおにいさんだけにれいむはたべてもらいたいんだよ!!」
「無茶言うなって。じゃ、切るからな」
「やべでよおおおおおおおおおおおお!! おにいざんがだべでぐれなきゃいみないよおおおおおおおお!!」
「だから食べるって言ってんだろ。それにお前の中身餡子なんだから半分は砂糖だろ?一人で食ったら病気になっちまうよ」
「いやだよ!! おにいざんひどりでだべでぐれなきゃやだよ!! おねがいだがらだべでよ!!」
「だから無理だって。じゃ、切るぜ~」

上から包丁をれいむの端に添えて、徐々に力を込めていく男。

「おにいざあああああああああああああああああああああんんんんんん!!」
「静かにしろよ、夜遅いんだから」

皮を切られ、中の餡子も切られていく。それでもれいむは動かない。
お兄さんには食べて欲しい、でも他の人間には食べられたくない。でも、そうしなきゃお兄さんは食べてくれない。
自分の問いが頭の中をぐるぐる回る。その間にも包丁はれいむの体に切り込まれていく。
中の餡子が切られていくことで、次第にれいむは目が霞んでいく。
死の間際に、れいむが一言だけ呟いた。
「おにいさんだけにたべてほしいよ…」と。




好きな人に食べて欲しいって言われても、でかくなりすぎたら一人じゃ食えないよね。
だったらどうする?→皆で食べればいいんじゃないかな?→でもそれはゆっくり的にはどうなんだろ?

好きな人に食べて欲しいのにそれ以外の人間に食われたら嫌なんじゃないかな…そう思って書きました。

最後に、こんな駄文を最後まで読んでいただきありがとうございます!!



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最終更新:2022年05月04日 22:34