注意!!
fuku2008の続きです。
虐待要素皆無!
ラヴコメ要素あり(ちょっとだけ)
本当にごめんなさい!



00.
ゆっくりの虐待を始めて間もない頃

永遠亭やゆっくり愛護団体が発刊している

ゆっくりの生態について詳しい本を読み漁り

ゆっくりの中にも『美しいゆっくり』と『不細工なゆっくり』が居る事がわかった。

とある文献によると栄養状態が良く、髪の艶が良かったり

肌の色がいいゆっくりや、生まれつき下膨れが大きいゆっくり等

より『ゆっくりしている』外見のゆっくりが『美しいゆっくり』で

他のゆっくりから大切にされたり、多くのゆっくりから求婚されるらしい。

逆に身体に異常があったり、栄養状態が悪く薄汚れていたり

髪や装飾品が壊れたり汚れていたりするゆっくりは

『ゆっくりできない』ゆっくり、つまり『不細工』なゆっくりであるとされ

孤立したり、悪い時には他のゆっくりに攻撃されて怪我を負ったり殺されたりする事もあるらしい。

饅頭風情が外見にこだわるのか、と

内心結構驚いたのを覚えている。

そして、ゆっくりの外見を改造する事に傾倒し始めた俺は

虐待目的ではなく『ゆっくりの基準』で『完璧なゆっくり』を創ってみようと思ったのだ。






01.
それから暫くして、川原で一匹のゆっくりまりさが

数匹のまりさ種に虐められているのを発見した。

そのまりさは、人間の俺から見てもなんとなく他のまりさよりも劣っていた。

本来まりさ種の髪の毛は、個体による程度の差はあれ

そこそこ綺麗な金色をしているが

そのまりさの髪は、どこか白茶けた色で

装飾品のトンガリ帽子も、成体サイズの体に似合わず少し小さい

おまけに他のまりさに囲まれているため見えにくいが

饅頭顔の目のしたあたりに、そばかす(?)が浮いている。

あぁ、あれが『不細工なゆっくり』というヤツなのだなぁ…と漠然と見ていると

「こらーーー!!」

川原の端から成体のゆっくりれいむが、ゆっくりにしては早いスピードで跳ねてくる。

その後ろを少し遅れてゆっくりぱちゅりが追いかけてくる。

その姿を見て、いやな顔をするのは不細工まりさを虐めていたまりさたち

「ゆゆっ、ゆーとーせーのれいむがきたぜ!」

「それにあのぱちゅりは、すぐにまりさたちのおかあさんにチクるいんけんなやつじゃないか?」

「おかあさんにおこられたら…」

「「「ゆっくりできない!!」」」

『ゆっくりにげろーー!!』とゆっくりしないで慌てて逃げ出すゆっくりまりさたち

…うん、典型的ないじめっ子だね。

息をきらせて不細工まりさに駆け寄り、心配そうに声をかけるれいむ

「ゆっ、まりさ…大丈夫?」

「む、むきゅう…ぱちゅりとれいむがきたからには、ゼェ…もうあんしんだよ…ハァ…」

「いっしょにゆっくりしようねっ!」

花が咲くように微笑むれいむに、お礼を言いながらゆっくりと起き上がる不細工まりさ

「あ、ありがとう…れいむ…いつもごめんね」
 でも、もうまりさにかかわらないでほしいよ…れいむまであいつらにいじめられちゃうから…」

ただでさえ不細工な顔に噛み跡までつけたまりさが、卑屈な表情に涙を浮かべて背を向ける

「ぁ、まりさっ!」

れいむから逃げるように、草むらに消えていくまりさ

「むきゅ、せっかく助けてあげたのに…」

「…まりさ…」

切なそうな顔でその後姿を見送るれいむ…

そのまなざしは恋する乙女のそれだった。


「なんだこの寸劇…」

思いもよらずゆっくり主演の少女向けの読み物みたいな一部始終をみせられた

この俺のやり場の無い感情はどうしろというのだ。

それにしても、不細工なゆっくりが虐められるというのは本当なのだな

他のゆっくりに噛まれた傷口からは、少量とはいえ餡子が漏れ出していた。

見たところ同じ群れか、そうでなくても近くに住むゆっくり同士だろう

そいつらに何度も虐められるというのはどういう気分なのだろうか…

しかも自分ではどうする事もできない『外見』を理由に、だ…

――――ティン―――とキた。

もし、あの不細工まりさを他のゆっくりが驚くほどの『美ゆっくり』…否

『完璧なゆっくり』に整形することができたらどうなるだろうか?

いままで虐待目的で数多くのゆっくりの外見を改造してきたのだ

一匹くらい、興味でそういう事をやってもいいんじゃないだろうか?

考えたときには足が、体が勝手に動いていた。

草むらに逃げ込んだ不細工まりさを追って…


02.

「ゆぅ…」

れいむとぱちゅりが助けに来てくれたとき、本当にうれしかった。

とてもかしこく、人間の文字を読む事もできるぱちゅり

自分が住んでいる巣の近くにある群れの長の娘で群れの若いゆっくりのなかで一番きれいなれいむ

昔から虐められっ子の自分を何度も助けてくれる。

でも、今は違う

いまの自分を昔のように庇っていたら、あのふたりまでゆっくりできなくなってしまう。

水溜りに移る自分の顔をみて、絶望的な気分になった。



まだ子ゆっくりだった頃、不細工な自分を守ってくれたのは病弱なお母さんぱちゅりだった

群れで唯一の医者だったお母さんの子供だから

不細工な自分でも、表立って虐められる事はなかった。

三匹のおねえさんぱちゅりと、

沢山の奥さんが居て、時々かえってくるお父さんまりさ。

みんな自分に優しく、時々虐められる事があっても

とてもゆっくりした生活だった。

捕食種の襲撃で家族を亡くし、一人になってから虐めは一気ににひどくなった。

捕食種のせいで怪我をした群れのゆっくりたちの、ストレスのはけ口にされた形だ。

まだ幼いまりさには、そんな事は判らず。

『群れの中に住んでいては不細工な自分は虐められる。』

そう思って、群れから少し離れたところにある

母ぱちゅりの薬草庫に住む事にした。

しかしこのまりさはまりさ種なのに、狩がそれほど上手くない

とても苦しい生活だったが、ある事件をきっかけに

あのれいむのススメもあり

お母さんぱちゅりから教えてもらった薬草の使い方を活かして

ゆっくりに効く薬草を群れに持っていったり、怪我をしたゆっくりを手当てして

かわりに食べ物を分けてもらう事で少しはマシに、細々と生きてきた。



冬篭りの時などは、栄養があって美味しい虫さんやミミズさんは取れなかったため

ふつうのゆっくりは苦くて食べようなどとは思いもしない

だけど栄養だけは抜群の木の根を齧って生き延びた。

そんな生活をしているうちに、もともと不細工だった顔に

見た事もないような醜い粒々が浮くようになった

あまりの気持ち悪さに、今では医者としての仕事すらさせてもらえない。

冬篭りがあけて、最初に群れにいってから…自分の顔に粒々が浮かんでから

もうずっと長い事ゆっくりしていない。

ほかのゆっくりたち、特に今日のまりさたちは

自分のことを『殺す』つもりだった…右頬の噛み傷から漏れる餡子がその証拠だ

これほど憎まれている自分を庇い続ければ、あの二人にも敵意は向くだろう

きっと群れの中でゆっくりできなくなってしまう。

この場所から…離れよう、一人で生きていこう

お母さんが遺してくれた薬草庫や

あの二人と離れるのはとても悲しいが、ゆっくりできない自分のせいで

あの優しい二人がひどい目に遭うのは嫌だった。

知らずに流れた涙が、自分を映す水溜りに波紋を作り…

波紋が静まり、再び水面が自分と”その背後に立つ影”を映した。

「(ゆ、誰?!)」

「ゆっくりしていってね!!!」

恐ろしい速度で掴まれ、何かに放り込まれる。

加工場が販売している『ゆっくり捕獲袋』の中で

抵抗する事も許されず、皮肉にも数ヶ月ぶりの『ゆっくり』を味わいながら不細工まりさは意識を喪った。



03.
突発的に不細工まりさを拉致し、虐待を含む作業を敢行する

思えば無茶をしたものだ。

というのも、そもそも人間である俺の目から見て

このまりさの以前の姿のように特別劣っているとかなら

簡単に造形することができる。

ゆっくりの『醜い』という感覚は

人間の美醜の感覚と似通ったところがあるからだ。

対して、ゆっくり達のいう『美しい』姿というのは

人間の感覚では理解し難い物であるということだ。

以前収集した愛好家達の雑誌では『よりゆっくりしたゆっくりが好まれる』とあり

高価な色つき写真で『ゆっくりしたゆっくり』が掲載されていた。

まぁ、たしかに多少色艶の良い饅頭である事は認めるが

結局饅頭の性癖等、理解できなかった。


仕方なく、まず『駄目な部分』『明らかに余計な部品』を排除するところから始めたのだが…

これが愉しくて死の寸前まで追い詰めてしまった。

一瞬慌てたが、なんと言う事はない…体の大部分を削り取った事で

他のゆっくりと『違う部分』は一切なくなった。

そこからの造形で、俺が目指したのは

結局愛好家の写真に載っていたゆっくりしたゆっくりではなく。

以前お歳暮にもらった『美味しい饅頭』だった。

もちろん目鼻立ちは多少調整したが、色艶や形などは記憶の中の饅頭を参考にした。

こいつらは生きた饅頭だ、なら優れた饅頭を手本にすれば良いに違いない。

モチモチした手触りと食感、厚みに…色調節して再現する

今まで行ってきた改造とは違う製菓にも通じる(というかそのものと言える)繊細な作業。

出来上がったゆっくりは、目を閉じているが

今まで見てきたゆっくり達より、なんとなく…というかかなり『美味そう』に見える気がする。

髪の毛は、自作したりするわけには行かないので

注射器で『ゆっくり用栄養剤』の原液(通常は12000倍に希釈して使う)を注入する。

なんでも栄養状態の良いゆっくりは自然に色艶がよくなるそうな…

この栄養剤は高価な物だが、このさい惜しみなく大量に注入する。

「ふぎっ!ゆっ!ゆがっ!?」

意識が戻らないまま、血走った目で痙攣している。

…あ、不味かったか?

死なれては困る、手っ取り早く健康になってほしかったのだが…箱の裏には注意書等は無いし…大丈夫だろう

「ひがっ、ゅ…ゅ ぁ゛ぁ ぁ ぁ…………」

目だけでなく体中に血管の筋が浮かび、恐ろしいほど痙攣している。

外見的に手を加えるところはもう何も無い。

「ふぅ、完成だ」

俺が持ちうるすべての技術を結集し、完成したのは

『完璧な美ゆっくり』だった。

不細工…いや、今は美まりさ(?)が逃げ出さないように

加工場の大ヒットロングセラー商品『透明な箱』にまりさを移してから

俺は友人の家へと出かけた。

「ユガッ!ギィ!!?」

………帰ってきて死んでたらどうしよう?



04.
俺が尋ねたのは寺子屋の同期の家だった。

そこそこ裕福な家で、里でも名士で通っている。

「おーい、いるかー?」

玄関で呼びかけると、女中さんが迎えてくれて案内してくれる。

子供の頃から何度も遊びに来た屋敷の中庭に案内されると、そこではバッチの付いた何匹ものゆっくりが跳ね回っていた。

その内何匹かは金色のバッチをつけている。

「や、久しぶりだね」

朗らかに笑いかけてくる友人は、膝の上で赤ゆっくりを転がしながら楽しそうにしている。

そう、コイツは俺には理解できない趣味だが

愛護団体にも参加する『愛でお姉さん』なのだ。

ゆっくりの群れに自ら赴き、里の名士としてゆっくりと協定を結んだり

ゆっくりが畑を襲わないように、森の中にゆっくりの餌になる植物を植えたりもしている。

結果、このあたりではゆっくりは畑を荒らさなくなり。

逆にイナゴなどの害虫を駆除してくれる益獣(?)として扱われている。

それで若くして家を継いだコイツの株も上がって、誰も彼もが万々歳というわけだ。

まぁ、それでも全てのゆっくりがそれに従うわけではなく

思えば最初は協定に違反したゆっくりを、コイツが悲しまないように

俺が捕まえて処理している内に虐待を趣味にするようになったのだが、今では立派な虐待お兄さん…

まぁ、そんなことは良いとして…

「今日は頼みがあってきたんだ」

「なに改まって、話してよ〜」

コイツは俺の一番の親友だ、嘘を付くのは気が咎めるが…あのまりさを完成させるためには仕方ない。

「実は、森で酷い怪我をしたゆっくりまりさを見つけてな」

「そんな、その子は大丈夫なの!?」

うわ、そんな必死に食いついてくるとは…

「ぁ、ああ…幸い一命は取り留めたんだが…これを見てくれ」

「これは…酷い、酷すぎる…」

俺が取り出したのはボロボロになったまりさの帽子だった。

「よく知らないんだけど、命が助かっても、これじゃ群れには戻れないだろ?」

「…うん、ゆっくりは帽子やリボンをなくしたゆっくりを…その…」

「殺しちまうんだろ?」

「…そういうことも確かに有るよ」

悲しい事だけど、と目を伏せる。

う〜ん…コイツ本当にいいやつだな…ボロボロにしたのは俺なのだが…絶対しゃべれないな…

「そのまりさは野良だ、お前のところのゴールドバッチのゆっくりみたいに加工場で帽子を直してもらったりは出来ないだろう?」

バッチを持っているゆっくりは、人間社会でもバッチの色による区別はあれどある程度優遇される。

その中でもゴールドバッチを持っているゆっくりは、万が一装飾品を喪っても無量で加工場で直したり新調して貰えるのだ。

だが普通、野良まりさの帽子を直してくれなんていっても

”あの”加工場聞き届けてくれるわけが無い…普通はね

「ううん、私が頼めば…」

コイツは加工場の上得意だ、と言うのもゆっくり関連商品やゆっくり自体も頻繁に、そして大量に加工場から買い上げているからだ。

加えて自身もゴールドバッチのゆっくりを何匹も育てている有名人、コイツのツテなら多少の無茶は通るだろう。

「あぁ、それが今日ここに来た理由なんだ」

「わかった、少し待ってて!」

あっという間に自室へと走り去っていく友人、あれ絶対付いてくる気だ…

本当は紹介状とか書いてくれるだけでよかったのだが、喜び勇んで出かける準備をしている…

視線を動かすと、そこらじゅうにゆっくりが居る。

こいつら…何匹居るんだ?

バッチをつけたゆっくりたちは、中庭で思い思いにゆっくりしながらしあわせを満喫している。

そのうち一匹のゆっくりれいむが近づいてくる

「ゆ、おにいさん!おにいさんが森の向こうのお兄さんだね?」

「…なんだ糞饅(ry…れいむ」

「お姉さんとの話はきいていたよ!」

「ぁぁーうん…それで?」

「うん!怪我をしたまりさを助けてくれたんだね?お兄さんがゆっくり出来る人で、ここのゆっくり達は、みんなすごくあんしんしたよ!」

「…どういうことだ?」

「ゆ!!」

その糞饅頭に曰く、自分達と遊んでいるときも友人は『森の向こうのお兄さん』の事を話しているのだという

いつも自分の支えになってくれている、一番中のいい人だ…と

「お姉さんの大好きな人が、とってもゆっくり出来る人でよかったよ!これからもお姉さんとゆっくりしてあげてね!!」

言うと、れいむは日向ぼっこしている仲間の下に戻っていった。

「…ふむ…」

大好きな人…というのはなんだか面映いな…、うん。

「おまたせっ!」

「うお゛ぁ!」

突然現れるなよ…心臓に悪い

余所行きの服を着た友人は、なんと言うか…ノーコメントだ。




『完璧なゆっくり』≪整形編2≫了

【あとがき】

インターバル長!?

というのも、最近仕事を増やしたので…筋肉マンフェアとかやってるところです

オープンスタッフなのですさまじく忙しく…PCもまともに触れないとか…でも月収20万オーバーだぜぃ。

かなり飛び飛びに書いてたので、ところどころ違和感のある…ぶっちゃけ前回以上に微妙な出来ですが

ご容赦ください…あと無駄なラヴコメ要素…これは駄目だ…生徒会の一存とか読んだせいだ…

次回くらいから虐待要素が入る予定です…予定です(未定ですともいう)


PS
ところで作中の一万二千倍という希釈値ですが

さすがにここまではいかないものの

1200倍に濃縮したカルピス原液(もはやゲル)を作って夏休みの自由研究に提出した事があります。

金賞をもらいました。

byバルカン300




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最終更新:2022年05月03日 15:18