~ゆっくりレティの生涯(後編)~

 -冬-

 冬、それは一年でもっとも気温が下がり、様々な生物が活動を休止する季節である。
 ゆっくりは冬眠することができないので、巣穴の中でゆっくりとした時間を過ごしている。
『ゆぅゆぅ・・・z z z z z 。』
 エネルギー消費を抑える為、ゆっくりレティは気持ちよさそうに眠っている。
 巣穴の中はゆっくりレティが移動できる程広いため、通常種達は飛び跳ね遊びまわっているが、閉ざされた巣穴の中
 で出来る事など限られているため、すぐに飽きてしかたなく落ち葉の上に戻り眠りにつく。
 しかし、ゆっくりパチュリーを除けば所詮皆餡子脳、一晩眠れば深く印象に残っていない昨日遊んだ事など忘れてし
 まう。
 窮屈な巣穴の中でも毎日楽しく過ごすことができるのは、ある意味ゆっくりの特権である。
 ゆっくりパチュリーによる食糧の配分も順調であり、群れのゆっくりは皆春を迎えたら何をしようか思いを馳せなが
 らゆっくりと過ごしていた。

 しかし、越冬を開始して1ヶ月半が経とうとする日、事件が起こった。
「むっきゅー!これはどういうこと!?まりさせつめいして!」
「ゆ!・・・・・ゆぅ。」
 問い詰められているゆっくり魔理沙の横では、通常の2倍近くに膨れ上がったゆっくり霊夢が涙を流していた。
 ゆっくり霊夢は「にんっしん」していた。
 2匹はまたしても理性に負け「すっきり」してしまったのだ。
 ただ、以前と違うのは胎内妊娠型で「にんっしん」しているという事である。
 そして、ゆっくり霊夢は夏起こった出来事が記憶に深く刻み込まれているため、これから起こる事に恐怖し涙を流し
 ている。 
 身動きのできないゆっくり霊夢は通常種に押され、ゆっくりレティの前に運ばれた。
『ゆっくりー!』
 群れの掟をまたしても破った2匹に対し、ゆっくりレティはご立腹である。
「むきゅ、おおきなあかちゃんがうまれたらしょくりょうがたりなくなるわ!
 ここからでていくにしてもそとはさむくてでていったらしんじゃうわよ。
 かわいそうだけどしにたくないならみんなでれいむにのってなかのこどもをつぶすしかないわよ!」
 ゆっくりパチュリーの宣告を聞き、ゆっくり霊夢の顔はみるみる青ざめていく。
「い、いやあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !もうあかちゃんはしなせなくないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
「むきゅぅ・・・、れいむはいやみたいだけどまりさはどうするの?」
 我を失って泣き叫んでいるゆっくり霊夢には正常な判断ができないと判断したゆっくりパチュリーは、事の決定を父
 親役であるゆっくり魔理沙に委ねる事にした。
「ゆ・・・・・。」
 ゆっくり魔理沙は押し黙り、その貧弱な餡子脳で必死にどうしたらいいのか考える。
 1分考えた後、ある結論に達した・・・。

「あかちゃんはまたつくればいいよ!れいむがしなないようにあかちゃんをつぶすよ!」

「どおじでぞんなごどいうのお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」
 ゆっくり魔理沙の導き出した答えを聞き、ゆっくり霊夢は泣き叫びながら抵抗しようとその重い体を必死に動かそう
 とする。
 しかし、「にんっしん」しているゆっくりが抵抗できる筈もなく、ゆっくり霊夢はゆっくりレティの舌に巻きつけら
 れ、まったく身動きが取れなくなってしまった。
「むきゅ、みんな!れいむのためよ。」
 ゆっくりパチュリーが先陣を切り、ゆっくりレティの舌をうまく伝ってゆっくり霊夢の上に飛び乗る。
 その後を無言でゆっくり魔理沙、ちぇん、みょんが続いていく。
「いやだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!れいむの、でいぶのあがぢゃんがあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」
「むきゅ!みんないっせいにとぶのよ!おもいっきりとぶことがれいむのためよ!」
 一瞬の沈黙の後・・・。
「いくわよ、せーの!」
「ごめね ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !れいむう ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ !」
「ゆるしてねー!ゆるしてねー!」
「すまないみょ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ん!」
「やめでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」

 ぶちゅっ!

 ゆっくり霊夢の胎内から何かが潰れた音がし、産道と思われる場所からは潰れた皮と餡子混じり流れ出ていた。
「あ、あ、あかちゃんが・・・れ、れいむ・あか・ん・・・・・。」
 ショックのあまりゆっくり霊夢は気を失ってしまった。
「むきゅ~・・・。みんな、れいむをべっどにはこぶわよ。」
 体が縮んだゆっくり霊夢を4匹の通常種達が協力し寝床まで運び、ゆっくり魔理沙を残し皆無言でその場から離れた。
 次の日、ゆっくり霊夢は目を覚ましたが、呆然としたまま丸一日が過ぎてしまった。
 そして一週間後、ゆっくり魔理沙の懸命な看病のおかげでゆっくり霊夢はなんとか元気を取り戻すことができた。
「れいむごめんね・・・まりさきめたよ!はるになったらここをはなれていっしょにくらそうね!」
「ま、まりさ!こんどはたくさんあかちゃんといっしょにゆっくりしようね!」
 子供を潰され苦しんだ元凶はゆっくり魔理沙であるが、その懸命な看病を餡子脳で都合の良い方向に理解したゆっく
 り霊夢は、ゆっくり魔理沙の申し出をあっさり受け入れた。。
 2匹は幸せな生活を想像しながら春になるのを今か今かと待つのであった。


 -晩冬-

 いよいよ冬も大詰め、一年で最も雪が降る季節。
 順調に越冬を迎えたゆっくり達もこの時期になると所々の巣で騒がしくなる。

 とある仲の良い一家の巣では・・・。
「ぴぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !やめちぇおかあしゃあ ぁ ぁぁ ぁ ぁ ん!」
「いちゃいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !おとおしゃんやめちぇえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
 巣穴の中はまさに地獄絵図、越冬中に子育てをしようとしたゆっくり霊夢と魔理沙であったが、食糧が足りなくなり
 自分の生んだ子供達を次々と貪っていた。
「ごめんね、ごめんね。いきておちびちゃんたちのぶんもゆっくりするよ。」
「うっめ、めっちゃうっめ♪」
 泣きながらプチ達を食べるお母さん霊夢に対し、お父さん魔理沙は食事を楽しむようにプチ達を貪っていた。
 プチ達を食べたところでまだまだ続く冬を乗り切れる筈もない。
 子供を食べようと考えた時点でこの一家の運命は既に決まっていた。
 春を迎える頃、この巣穴には1匹の餓死したゆっくり魔理沙の死体が転がっているのであった。


 一方ゆっくりレティの群れでは・・・。

 ※ NatureEND(人間の介入無し)→★
   AQNEND (某着物の少女が登場)→☆

 ★ NatureEND

「ゆゆ?ぱちゅりーなんだかへんなおとがするよ?」
「まりさ、こわいよぉ。」
「いりぐちのほうからへんなおとがするみょん。みてくるみょん。」
「ひとりじゃきけんだよー、ちぇんもいくよー。」
「むきゅ、たしかにへんなおとが・・・。」

 パラパラパラ・・・ドサ・・・ズザザザザザザザザザザ!!!

「てぃむぽー!」
「わからないよー!」
 突如巣穴が崩落し、様子を見に行ったゆっくりちぇんとみょんは巻き込まれて下敷きになってしまった。
「「「ちぇーん!みょーん!」」」 
 崩落は止まることなく残った3匹目掛けて迫ってくる。
「むきゅ!れてぃのところまでにげるわよ!」
「「ゆっくりしないでりかいしたよ!」」
 3匹は必死に飛び跳ね、ゆっくりレティのいる奥の部屋へ向かう。
 しかし、崩落はどんどん迫り・・・。
「むっきゅう ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ !」
 体が弱く、体力の少ないゆっくりパチュリーがついに土砂の下敷きになってしまった。
 ゆっくりパチュリーの悲鳴は2匹にも届いていたが、今足を止めると自分達もゆっくりできなくなると貧弱な餡子脳
 でもさすがに理解していたため、ひたすら前へ進み続けた。
 そして一番頑丈に作ったゆっくりレティの部屋に入った時、ようやく崩落が止まった。
「「ゆぅ、ゆぅ、ゆぅ、やっとゆっくりできるよ。」」
 この冬、幻想郷には大寒波が到来し、例年以上の雪をもたらした。
 通常種達には到底作ることができない程頑丈な巣穴を作ったが、所詮はゆっくりの作るもの、雪の重みでついに巣穴
 が崩落してしまったのだ。
 ちなみに、ゆっくりレティの群れの巣穴が崩落する数日前には周辺の巣穴のほとんどは既に崩落し、中のゆっくりは
 あの世へ旅立っている。
「れてぃ、みんなゆっくりできなくなっちゃたよぉ・・・。」
「れてぃ、これからどうしよう?」
 いつも寝てばかりいるゆっくりレティもさすがにこの緊急事態に直面し、膨大な餡子脳をフル回転して助かる方法を
 考えている。
 そしてある結論にたどり着いたゆっくりレティは、静かに2匹に背を向け壁を掘り始めた。
「ゆゆ?れてぃ、でぐちはそっちじゃないよ!」
「れてぃ、まりさのいうとおりだよ!」
 2匹を無視してゆっくりレティは必死に壁を掘り続ける。
 ゆっくりレティの導き出した結論はこうだ。
 崩落した場所は土が軟らかくなっているため、掘り進んでも再び崩落の危険がある。
 当然天井を掘るなど自殺行為で、唯一希望があるのは崩落の反対側を掘り進むというものだ。

 崩落から三日が経った。
 ゆっくり霊夢と魔理沙は空腹で元気が無く、ゆっくりレティも体を動かしているため体力の消耗が激しく、頬に貯め
 た食糧の消費ペースが上がり、ついに底を尽いてしまっていた。
「おなかへったよぉまりさぁ。」
「まりさもおなかぺこぺこだよれいむぅ。」
 2匹がぼやいているとゆっくりレティは動きをピタっと止め、2匹の方へ擦り寄って行く。
「ゆゆ?どうしたのれてぃ?」
「たべものくれるの?」

『ゆっくりくろまく~!』

「「どどどどど!どうじでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!」」
 素早く(ゆっくり比)舌を巻きつけられた2匹はそのまま口の中へ消えていった。
「いだいよお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!でいぶをだべないでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!」
「まりざはおいじぐないよお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!でいぶをだべでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!」
 3分後、ゆっくりレティは何事も無かったかのように壁を掘り続けていた。
 ゆっくりレティは分類上は捕食種に位置し、群れを作るのは食糧を集めさせて自分自身がゆっくりするためである。
 しかし、群れを作るもう1つの理由があった。・・・それは非常食である。
 そう、食べられた2匹はまさに非常食として今日まで生かされていたのだ。

 さらに3日が経過した。
 ゆっくりレティの体力は既に限界であり、その頭の良さからもう助からないのではないかと脳裏によぎるようになっ
 ていた。
 しかしその時!

 パラッ・・・

 はがれ落ちた壁の小さな穴からは一筋の月明かりが差し込んでいた。
『ゆゆ!?』
 嬉しさのあまりゆっくりレティ体当たりで壁を壊して月明かりの中へ飛び込んだ。
『ゆ!ゆっくりいぃぃぃぃぃ・・・い?』
 ゆっくりレティは確かに外へ出ることに成功した。
 ただその場所は・・・・・。
『ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!』 
 ゆっくりレティはものすごい勢いで自由落下を開始した。
 壁を掘って貫通した先は崖の中腹であり、当然足場など無かった。

「う~♪きょうはたいりょうだどぉ~♪」
 1匹のゆっくりれみりゃ希少種(体付き)が月夜の空を食べかけのゆっくり魔理沙を持って飛んでいた。
 春になり浮かれて巣穴を開けっ放しにしたまま寝ていたゆっくり一家を一網打尽にした帰りである。 
『ゅぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!』 
「う~?なんのおとだどぉ~?」
 突然訳のわからない音が聞こえたゆっくりれみりゃは空中で静止し、辺りを見回した。
「なにもないどぉ~?」
 しかし音はだんだん大きくなっていき、上からだと気づき見上げた時だった。
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!』 
「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
 気づいた時には既に手遅れ、ものすごい勢いでゆっくりれみりゃを巻き込みゆっくりレティは落ちていった。

 ブッチャッーン!

 ゆっくりれみりゃは物言わぬ肉まんに、ゆっくりレティも物言わぬ巨大な饅頭となった。
 こうして捕食種ゆっくりレティの生涯は閉じたのであった。


 ☆ AQNEND

「むきゅ~♪このままならぶじはるをむかえられそうよ♪」
 ゆっくりパチュリーの発言を聞き、通常種達は歓喜する。
「みょーん・・・でもはるになったられいむとまりさとはおわかれみょん・・・。」
「わかるよーさみしいんだねー。」
「むきゅぅ、しかたないわ、ふたりのきめたことだもの。そうべつかいはせいだいにやりましょうね!」
 ゆっくり霊夢と魔理沙は春になったら群れから出て行くことを皆に伝えており、ゆっくりレティの承諾も受けていた。
「さみしいけどたくさんあかちゃをうんでゆっくりしようってきめたんだよ!」
「ゆぅ、れいむといっしょにさいこうのゆっくりぷれいすをみつけてゆっくりするよ!」
 通常種達は長い時間を過ごした仲間との別れは寂しいが、ゆっくりできる春を待つのであった。


 -春-

「むきゅ~♪そろそろそとにでてもいいころよ。れてぃをよびにいきましょう♪」
「「「「「ゆ~ゆっゆっゆ~♪」」」」」
 5匹は歌を口ずさみながらゆっくりレティの部屋へ向かった。
『ゆっくり~♪』
 ゆっくりレティは足早に入り口に向かい、舌を使って器用に塞いだ入り口を掘っていく。

 ビューーー

 通常種が通れる程の穴が開き、春の心地よい風が吹き込んできた。
「むきゅー♪みんな、れいむとまりさのそうべつかいのためのおいしいたべものをさがしにいきましょう♪」
 先陣を切ったのは意外にもゆっくり霊夢であった。
 越冬中に亡くした子供達への思いが強く残り、ゆっくり一倍この春の待ち望んでいたのだ。
 ゆっくり霊夢は光の中へ飛び込んだ。
「ゆっく・・・。」
「春一ゆっくりみーつけた!」

 グチャッ!

 希望に胸を膨らませて巣穴から飛び出したゆっくり霊夢はほんの数秒で物言わぬ饅頭と化した。
 ゆっくり霊夢のすぐ後ろについていたゆっくり魔理沙は目の前で起こった出来事が理解できずに呆然としていた。
「いいわ~その顔!希望に満ち溢れ巣穴から飛び出したゆっくりを潰す快感!たまらない!たまらないわ~!」
「れいむ?なにねてるの?いっぱいゆっくりしようってやくそくしたよ!ねぇおきてよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
 ゆっくり魔理沙はゆっくり霊夢の亡骸の傍で必死に叫び続けていた。
「あらあら、つがいだったのね。大丈夫よ、あなたもすぐに同じ場所へ行くのだから。」
 ゆっくり霊夢を潰した少女の右手には玄翁(げんのう)が握られていた。
「よくも、よくもれいむをころしたなあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !ゆっくりしねえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
 ゆっくり魔理沙はゆっくりらしからぬ物凄い剣幕で少女に飛び掛った。
「あぁ、その我を忘れて飛び掛ってくる顔もいいわ~。・・・潰しがいがあってね!!!」

 グチャッ!

 飛び掛るゆっくり魔理沙を少女は玄翁で横から思い切り殴った。
 ゆっくり魔理沙は物凄い勢いで木に激突し、少女の宣言通りゆっくり霊夢と同じ様に物言わぬ饅頭と化した。
 ゆっくり魔理沙に続いて巣穴から飛び出した3匹の通常種達は・・・。
「わからない!わからないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
 ゆっくりちぇんはもう何が起こったのか理解できず、泣きわめいている。 
「みょ、みょみょみょみょみょ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ん!」
 ゆっくりみょんは体力も有り、力の強い(ゆっくり比)ゆっくり魔理沙が一瞬にして潰されてしまったのを見て動揺
 している。
「むきゅ!むきゅきゅきゅきゅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ん!・・・・おぇぇぇ。」
 ゆっくりパチュリーは、目の前で起こった惨劇に絶えられず嘔吐してしまっている。
「あらあら、春先からこんなにたくさんのゆっくりを見つけられるなんて、あぁ!し・あ・わ・せ!」
 玄翁を握る少女の手に力が込められた次の瞬間!

 グチャッ!グチャッ!・・・ブチャッ!

 断末魔さえ残す事さえ許さず3匹は物言わぬ饅頭と化した。
「うふ、うふふふふふふふふふふ!はぁ・・・はぁ・・・たまらないわ~!饅頭を潰すこの快感!1匹潰すたびに快感
 が私の体を駆け巡るわ~。」
 少女は全身はあま~い匂いで覆われ、饅頭を潰した快感に酔いしれっていた。

『ゆ!ゆっくり!?』
 巣穴の入り口を開け終ったゆっくりレティが巣穴から出ると、目の前には惨状が広がり、その中心には1人の少女が
 立っていた。
「まあ!巣穴が大きいからひょっとしたらと思っていたけど、まさか初めて見るこんな大きなゆっくりがいるなんて!
 あぁ、この幸運に感謝するわ。」
 ただならぬ少女の気配を感じ取ったゆっくりレティは、この惨劇の主犯がこの少女であると確信する。
 そして、見るからにひ弱そうな少女になら勝てると結論を出した。

『ゆっくりくろくお・・・お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」

 ゆっくりレティは今だ嘗てない大声で悲鳴を上げた。
 少女の動きを封じようと伸ばした舌が巨大な杭で地面に固定されていた。
 杭を打ち込んだのは当然少女であり、その激痛は今まで痛みという痛みを感じたことがないゆっくりレティにとって
 すさまじいものであった。
「ふふふ、普通のゆっくりと違って潰しがいがありそうね♪」
 少女はにっこりと笑い、ゆっくりとゆっくりレティに近づいていく。
 ゆっくりレティは初めて恐怖というものを味わっていた。
 そして、この少女には敵わないと判断し、舌を無理やり引き千切ってでも逃げようと結論を出した。
『ゆっぐりー!』
 杭を引き抜くためにゆっくりレティは力いっぱい上へ飛んだ。

「に・が・さ・な・い・わ・よ!!!」
 シュン!

 一瞬風を切る音がしたと思った次の瞬間!
『うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
 とてもふとましい悲鳴を上げ、ゆっくりレティは杭を引き抜くことができず地面へ落下した。
 しかし、まだ体力の残っているゆっくりレティは再び杭を引き抜こうと飛・・・べなかった。
『ゆ゛!ゆっくり!?』
「まさか、護身用の折りたたみ式薙刀がこんなところで役に立つとは思わなかったわ。」
 少女の両手には薙刀が握られ、近くには大きな饅頭の皮が落ちていた。
 先ほどの風を切る音、それは体が空中に浮かんだ一瞬のうちにゆっくいレティの「足」が切り落とされた音であった。
 舌も固定され、「足」も切り落とされたゆっくりレティにはもはや抵抗手段は残されていなかった。
「うふふふふふ、あなたは初めて見るゆっくりだから特別にゆっくりと殺してあげるわ。」
『やめでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!』
 その後はまさに地獄絵図であった。
 髪を剃られ、帽子は八つ裂きにされ、片目に薙刀を突き刺され、全身の皮はゆっくりと剃り落とされていった。
 30分後、そこには薄皮を残した巨大な饅頭が片目から黒い涙を流している姿があった。
「ウフフフフ、気に入ってもらえたかしら?私がこんなにもゆっくりとゆっくりを痛めつける事は滅多にないのだから
 光栄に思いなさい。」
『も・ゆる・て・・・・・。』
「あらあら、私に攻撃しようとした時の威勢はどこにいったのかしら?まぁいいわ、そろそろ他のゆっくりも潰したい
 し。」
 少女は薙刀をしまい、玄翁に持ち替えた。

「楽しませたくれたし特別に教えてあげるわ、私の名前は稗田阿求。さようなら。」
 グチャッ!

 薄皮一枚で繋がっている体の頬の部分に阿求は玄翁で力いっぱい殴りつけ、体内の餡子を支えていた力のバランスが
 崩れたゆっくりレティは一瞬でその形を崩し、物言わぬ巨大な饅頭と化した。
 こうして捕食種ゆっくりレティの生涯は閉じたのであった。

 ※補足

 Q:ゆっくりレティはあまり通常種と食べていないようですがどうして?
 A:通常種ばかり食べていると当然群れの通常種も良く思いません、自然とゆっくりレティに近づく通常種が減って
   しまい、結果的に食糧をすべて自分で集めなくてはならなくなってしまうからです。


 End
                                               作成者:ロウ


 後書き 

 最後まで読んでくださった方々にまずはお礼を申し上げます。
 ゆっくり達の生涯シリーズ第10弾『ゆっくりレティの生涯』はいかがだったでしょうか?
 ゆっくりの一年という設定や漫画が投下され、これは面白いと思いゆっくりレティを中心とした1年のSSを書かせ
 ていただきました。
 また、突如雨が降り出してゆっくり魔理沙がプチ魔理沙を帽子の下に避難させ、最終的には溶けてしまうという漫画
 を参考に、一部SSに組み込ませていただきました。

 私の設定ではゆっくりレティの群れにいれば、通常種達は安全である(一部例外あり)という設定だったので、赤ち
 ゃんを簡単に見放したゆっくり霊夢と魔理沙に苛立った方もいたと思うのですが、なかなか潰すことができませんで
 した。
 また、ゆっくりレティの群れのみのSSではゆっくり虐めが少なくなってしまうため、季節ごとに他の通常種との比
 較を行い、いかにゆっくりレティの群れが安全であるかというSSにさせていただきました。

 ゆっくりレティの虐めが最後のAQNENDだけになってしまって申し訳ありません。
 あの巨体を自然の中で虐めるのは私には無理でした・・・orz

 次回のSSは、たぶんまだ語られていないゆっくりれみりゃが希少種へ進化するSSを書きたいと思っています。
 しかし、忙しいとはいえこのSSを書くスピードは遅すぎるよね・・・。


 おまけ(という名のゆっくりの考察報告書2)

 ※注意
 考察という名のもとに私の中での設定を書きまくっています。


                                            ○○年○○月○○日

 2ちゃんねる ゆっくり虐待スレ
 虐待お兄さん 様
                                      2ちゃんねる ゆっくり虐待スレ
                                                   ロウ

                   ゆっくりレティの考察(報告)


 なかなか姿を見せない保捕食種ゆっくりレティですが、この度ある程度の研究報告が上がったので、まとめ報告書を
 作製いたしました。

 1.特徴

(1)大きさ

 生まれたばかりの赤ちゃんでも通常種の成体ほどの大きさであり、成体になると2m近くにまで成長する。
 体が大きく動くスピードは遅いが、一歩が大きいため通常種よりも早く移動できる。

(2)舌

 自分の身長の2倍近くまで伸びると言われ、そのしなやかさを利用し、食料確保から巣穴の作製まで幅広く使われる。

(3)ふとましい声

 他のゆっくりとは異なり声がとてもふとましい。SSでは『』が使われる。
 他の生物(ゆっくり含む)に攻撃する時のみ『ゆっくりくろまく』という言葉を発する。

(4)主食

 ゆっくりを主食とするゆっくりれみりゃやフランとは違い、非常に雑食性が強い種である。

(5)中身

 スタンダードな粒餡


 2.習性

(1)群れの作成

 捕食種に位置するゆっくりでは非常に珍しく、群れを作って生活する。
 群れには必ずゆっくりパチュリーがおり、あまり話すのが得意ではないゆっくりレティに代わり群れを取り仕切る。
 群れを作るのは安全を保障する代わりに食糧を集めさせるためであり、ドスと呼ばれる種と違い通常種を利用して
 いるに過ぎない。
 そのため、群れでは手間のかかる子供を生むことを禁止させられ、ひどく規律を乱すものは容赦なく食べられてし
 まう。
 ゆっくりがゆっくりを殺すことを禁忌としているがそれは通常種だけであり、ゆっくりレティが他の通常種を食べ
 ても咎めるものは現れない。
 ただし、利用しているとはいえ貴重な食糧供給源であるため、危険が迫った時は口の中へ避難させたりして全力で
 通常種達を守る。
 例外として、何らかの原因で食糧事情が厳しくなった際は群れの一員でも容赦なく食べられてしまう。
 通常種達は非常食としての役割も担っている。

 一見群れの一員となってもゆっくりできないように思われるが、群れの周囲に住むゆっくりはゆっくりレティを恐
 れ、新たなゆっくりプレイスを探しに旅立つことが多い。
 そのため、自然と群れの周囲からは他のゆっくりが消え、辺りの食糧を実質独占した事になり、ゆっくりレティに
 食糧を渡しても十分に自分が満足できる量の食糧を得ることができるのである。

 ゆっくりパチュリーを群れに迎え入れた後は群れの内政をほぼ任せるため、群れの一員の選定も任せる事になる。
 そのため、ゆっくりパチュリーと仲の良かったものが群れに入る事が多い。

 自分の口に避難させられるだけのゆっくりしか群れに迎え入れないため、ドス種とは違い大規模な群れになること
 はない。
 また、通常種達は反抗すれば当然食べられてしまうため、群れ内で反乱が起きることはない。
 ちなみに、成長に合わせて年に1、2回群れへ通常種を迎え入れる。

(2)普段の生活

 基本的に体を動かすことを嫌い、舌で出来る事はすべて舌で行おうとする。
 よっぽどの事がない限り眠っており、通常種達の持ってくる食糧を食べて生活している。
 分厚い皮は耐水性が高く、多少の雨では皮が溶け出すことはなく、雨の中呑気に眠っている事さえある。
 逆に暑さに弱く、夏場は極端に動くことを嫌う。
 越冬前になると準備のためそれなりに活動するようになる。

(3)食糧の確保

 空腹時には他のゆっくりを襲うものの、基本的には木の実や草花を食べて過ごしている。
 長い舌を使う事により、通常種達では取ることのできない位置にある新鮮な食糧を得ることができる。
 余った食糧は頬に蓄える習性を持ち、頬に蓄えられた食糧は長期の保存が効くようになり、越冬前には頬に大量の
 食糧を蓄える。


 3.繁殖方法

 繁殖方法は、他の通常種、捕食種とは大きく異なっている。
 レティ種はレティ種同士でしか「すっきり」せず(したくても他の種が小さすぎて押し潰してしまうのではと考え
 られている)、胎内妊娠型で1度に1匹しか子供を産まない。 
 子供を産むのは決まって越冬の直前であり、自分の巣穴とは別の出産用の巣穴を用意し、大量の食糧を蓄えた後に
 出産する。 
 ここで驚きなのが、子供が生まれるとすぐに子供を巣に残して入り口を塞ぎ、自分は越冬用の巣穴に戻ってしまう
 という事、つまり親が子供の世話をまったくしないのである。
 あまりに無謀と思うかも知れないが、きちんと考えた上での行動である事が明らかとなっている。
 胎内妊娠型で1匹しか生まないため生まれてくる子供は親から多くの餡子を受け継ぎ、大きさも通常種の成体程で
 生まれる。
 そのため、生まれた直後からかなりの知識を持っており、親が食糧の準備を怠らなければ無事春を迎えることがで
 きるのである。
 また、成体サイズでは他の外敵に襲われてしまう恐れがあるが、越冬中に体調1m程まで成長するため、生まれた
 子供の生存率は極めた高い。

 1年に1回しか出産せず、さらには1匹しか生まないというのが、ゆっくりレティの数が少ない原因であると考え
 られている。


 4.今後の方針

 多くの職人様によりさまざまなゆっくりの研究(虐め、虐待)が行われる事に期待していきたいと思います。


 おまけの後書き

 以上のおまけがゆっくりレティについて私が考えている設定です。
 これらの設定を基に今回のSSを書かせていただきました。
 あくまで私の考えている設定であるため、他の職人様に押し付けようなどという気は毛頭ありません。
 SS職人様の何かの参考になれば幸いです。


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最終更新:2022年05月03日 15:58