白線でたら死ぬよな普通
※CUBE外伝終わんないんだけど・・・







ここは幻想郷、の里、の端っこにある住居。
丁度里の出口に一番近いこの家に住んでいる男、彼は畑仕事もしなければ狩りにも出かけない。
しかし、生活はできている。その理由は毎日やってくるあいつらのお陰だった。
「ゆっ! きょうはここでごはんをたべるよ!」
「だめだよまりさ! ここはにんげんのいるところだよ!」
「だいじょうぶだよ! なにかあったらまりさがやっつけるよ!」
二匹のゆっくりれいむとまりさが森から顔を出し、里へ侵入しようとする。
男は棒を一本持って外へ出た。
「あー、ここゆっくりは立ち入り禁止だよ」
「ゆっ! なにいってるの!? いじわるしないでとーしてね!」
「いじわるなんてしてないよ、ほら、ここを見てよ」
棒で地面をこんこんと叩く。
見てみればそこには一本の白線があった。それは男の住居の淵から村を囲っている柵の淵まで引いてある。
「ちょっと前にドスまりさとかなんとかが人間の住むところとゆっくりの住むところを分けたんだよ、知らなかった?」
「そんなのしらないよ! うそつくおじさんはゆっくりしんでね!」
ゆっくりまりさはジャンプして白線を越えた。
と思った瞬間先程やってきた木々の中に吹っ飛んだ。
「ゆぎいいいいいいいいいい!! いだいよおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「条約違反だから罰を与えただけだぞ、お前らがここにこなければ痛い思いをしないですんだのに」
男は家の前に置いておいた椅子を引っ張ってそこに座る。ゆっくりが来ない日もあるからいつも椅子は家の前においてあるのだ。
「ゆぎぃ! しね! ゆっくりできないおじさんはゆっくりしね!」
「まりさ! だめだよ! どすまりさのいうことだからしかたないよ!」
れいむがやめるように言うがまりさは男に対しての復讐心しかないようだ。
「まりさをおこらせたばつだよ! ゆっくりしねえええええええええええ!!」
歯を剥き出しにして目は血走っている。どういう構造なんだろうか。
丁度すねの辺りにまりさがぶつかる。痛くないというのは皆も分かるだろう。
「あ、足が線から出てた」
体当たりをされた足は線からはみ出ている。男は反撃しようとするのを止めて足を引っ込めた。
「ゆゆ! にげるなんてひきょうだよ! ゆっくりしねぇ!」
少しだけ顔をほころばせるまりさ。
ダメージに耐え切れず逃げたとでも思ってるのだろうか。
「はい条約違反二回目」
男は棒をまりさの顔面につきたてた。
「いぎあああああああああああああああ!!! あがっ! ゆっぎゅうう!!」
「まりさあああああああああああ!!」
れいむの悲鳴とまりさの絶叫、男は騒音の苦情が出ないかちょっと不安になった。
棒を抜いて線の外に蹴りだす。
「ほら、もう痛い目見たくなかったら来るなよ」
「いっぐ、ゆっぐ、おぼ、えでろおおおお」
まりさはれいむに舐めて貰いながら巣へと帰っていった。
あれだけ悲鳴をあげればびびって他のゆっくりも来ないと思い、男は家に入って寝た。

■■■

「ゆっぐぅ、あのおじさんはいじわるだよ! どうしてまりさたちにごはんをくれないの!」
「まりさ……しょうがないよ、どすまりさがきめたことだもん。 ほら、ぺーろぺーろ」
舐めてもらい、傷を癒しながらもまりさは男への復讐を考える。
今回は勝てなかったが、あの男にはダメージを与える事はできたはずだ。
足を引っ込めたのもまりさの攻撃が強烈だったからに違いない。
「ゆっ、れいむもういいよ、まりさはだいじょうぶだよ」
「ゆっ! よかった!」
安堵の表情を浮かべるれいむに対し、まりさは復讐にたぎった目を光らせ、外に出た。
「みんな! ゆっくりきいてね! まりさたちはにんげんにいじめられたんだよ!」
群れのゆっくり達は一斉にまりさを見た。
「どういうこと? とかいはのありすにわかりやすいようにせつめいしてね!」
「わかんないよー、どういうことー?」
「ゆっ! まりさたちがごはんをたべにいこうとしたらおじさんがでてきてうそをついてまりさをいじめたんだよ!」
それを聞いて群れはざわめき始めた。
ゆっくりを苛める人間は許さない、ましてや嘘をつくなんて。
「そんなにんげんゆるせないねー」
「いなかもののにんげんがちょうしにのってるのね! ゆるせないわ!」
人間が聞いたら笑い転げるような光景だろう、ゆっくりだって嘘をつくし弱いものいじめだってするのに。
しかもその大半を行っているのはまりさ種だというのに。
やっぱりゆっくりって単純だ。
「あしたまたあのおじさんのところにいくよ! みんなついてきてね!」
「ゆっゆっおー!」

■■■

「眠い……」
男が椅子を反対向きにさせ、背もたれの部分に顎を乗せてうとうとしかけた時、森がざわめき始めた。
またゆっくりだと思って棒を握る。
しかし出てきたゆっくりの数に思わず声を漏らした。
「多すぎだろ」
50匹はいるであろうサッカーボールほどのゆっくり達が一斉に線の前に集まった。
「おじさん! ゆっくりをいじめるのはやめてね!」
「いなかもののおじさんはゆっくりしんでね!」
皆口々に男を罵倒する。
「苛めた覚えはございませんが」
「とぼけないでね! きのうまりさをいじめたでしょ!?」
一匹のれいむが男に向かって叫ぶ。
「何言ってるんだ、言ったろうよドスまりさとの約束だって」
「ゆ!?」
群れはまたざわめいた。
「いいか、この白線のことはドスまりさと寺子屋の人が決めたんだ。俺は門番としてここで働いてるんだよ、ゆっくりが人のところに来ないように、人がゆっくりのところに行かないように」
男は群れの中から一番傷の新しいまりさを見つけてそいつを呼ぶ。
「おい、お前昨日のだよな? 話聞いてなかった?」
「聞いてたよ! でもあれはうそでしょ!?」
「嘘なもんか、ドスまりさは人間より強いらしいんだぞ? 嘘ついたら俺がどうなるかわからん」
それには群れも納得せざるを得ない。
聞くところによればドスまりさは人をも倒せるほどの力があるらしく、それに逆らうことは危険ということだ。
幸いこの群れにドスまりさはいない。
「ってことはさ」
男は続ける。
「嘘ついてたのはお前じゃない」
「ゆっ!?」
他のゆっくり達もそのまりさを見つめる。
「だましたんだねー、わかるよー」
「こんなあぶないところにつれてくるなんてとんだいなかものね!」
まりさは群れのゆっくりたちから体当たりを食らう。
傷の性かすぐにぐちゃぐちゃになっていった。
「どおじべべああえええええええええええええええええええ!!!」
「だからお前のせいだっての」
はぁ、とため息をついて男はゆっくりに言う。
「それにしてもお前らはゆっくりできてないな」
「ゆぅ!?」
その言葉に一斉に振り返って驚きの表情を浮かべる。
怒ったり悲鳴上げたり驚いたり忙しい奴等だ。
「他人の嘘を鵜呑みにしてさ、こんな危険なところに来るなんて。ゆっくりしてないゆっくりだよな」
「そんなことないよ! ゆっくりしてるよ!」
文句を言ってれいむはこっちにやってくる。
「条約違反」
「ぶぎぇえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」
思い切り突き立てたのでたぶんれいむは死んでいるだろう。
それを無視して話を続ける。
「こうやってわざわざ危険に首突っ込むしさ」
「どうじでごんなごどずるのおおおおおおおおおお!!」
「わがらないよおおおおおおおおおおおおお」
「だからさ、約束だって言ってるだろ? お前らほんと大丈夫か?」
ゆっくりは悲鳴を上げたりがたがた震えたりするばかりである。
埒があかんと男は首を振った。
「じゃあよ、お前らのゆっくりってなんだ」
「ゆっ! あかちゃんといっしょにいることだよ!」
「しょうだよ! おかーしゃんといっしょにいるとゆっきゅりできりゅよ!」
答えたれいむの隣からちいさなまりさとれいむが出てくる。
「ほら! こんなにゆっくりしてるでしょ!?」
「ゆっゆ~♪」
赤れいむを見て皆の顔がほころぶ。
だが。
「条約違反、ラインでてるぞ」
「ぴゅぎゅううううううううう!!」
一匹の赤れいむが踏み潰された。
「でいぶのあがぢゃんがあああああああああああああああああああああああ!!!」
「保護者責任です、お前の責任です」
親れいむを指差すとまた群れがそれに体当たりする。
「ゆっくりごろしのれいむはしね!」
「ごべんだざいいいいいいいいいいいびぇがえ!」
またれいむがぐちゃぐちゃに踏み潰された。
男はまた深くため息をつく。
「なにも殺せとは言ってないだろう……ほんとゆっくりしてないな、おまえらって」
「ゆっ! ゆっくりをころしたゆっくりはしななくちゃいけないんだよ!」
「どうして?」
「おなじいたみをわからせてやるんだよ!」
随分といい頭をしているゆっくりがいるもんだ、と男は思った。
まるで被害者の遺族だな。
「同じ痛み……じゃあお前らが殺したれいむと同じ痛みを味わなくちゃいけないよな? 同族殺しだもの」
男は一匹のちぇんを捕まえて思い切り投げ飛ばす。
「わがんないよおおおおおおおおおおおおおぎぇっ!」
「ぎゅげえええええええええええええ!!」
群れの一匹のまりさに当たって二匹とも絶命する。
「ゆうぅ!! まりざをごろじだちぇんはどごだああああああああああああああ!!」
「わかんないよー! なにするのおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「おい、ちぇんを殺してもいいがその家族のれいむも殺さないと。同じ痛みを味わせるんだろ?」
「でいぶもじねええええええええええええええええ!!」
「どおじでぞんあごどいうのおおおおおおおおおおおおおお!!」
火に灯油をぶっ掛けたように燃え広がる殺戮の輪。
どこぞのエスパーみたいだ。
「れいむ、憎くないのか? お前の家族を、皆奪っていったまりさを」
「ゆぐぐぐぐぐ! まりざなんがじねええええええええええ!!」
「でいぶがじねえええええええええええええええ!!」
それから30分くらいたった頃。
結局、最後に生き残ったのはれいむだった。
「珍しい、れいむ種が生き残るなんて」
「ごろ……じて……もうゆっぐりできないよ……」
「殺さないよ、線越えてないもの」
疲れ果てたれいむは線に向かおうとナメクジのように這う。
「ゆっ……みんな、いまいくよ……」
線を越えようとしたその時、一匹のまりさが森から出てきた。
「ゆっゆー、まりささまがたべものをいただいちゃうぜ! ゆっ!?」
「……まり、ざ」
まりさはれいむを見つけて心配そうに駆け寄る。
「どうしちゃったんだぜ!? あのおじさんにやられたんだぜ!?」
「ちが、う……れいむが……いけなかったの」
「いまたすけてあげるぜ! かえってぺろぺろしてあげるぜ!」
まりさはれいむのリボンを引っ張り、森の中へ入っていく。
れいむは皆のところにいけなかった絶望と悲しみに打ちひしがれたような顔をしていた。
「さーて、今日のお仕事終わりー」
男は首を鳴らして家の中に入った。

あとがき
やめさせろ! ジーン!

CUBE外伝書きおわんねーから暇つぶしで書いたよ
わぁ、台詞多すぎー




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最終更新:2022年05月03日 16:24