→[[肝臓を食べて特殊な効能を得る]] ・事実上、人体にとっての「ファイアーウォール」に近い機能を有しており、 一般的に薬物を経口で摂取すると注射より効きにくいのは肝臓が優秀なせい。 ・ヒトが体内に入った異物を無害化する反応には3段階ある。 ☆第一層反応……酵素によって、侵入した異物を酸化、還元、加水分解等で毒性が低い形に変形する。 ☆第二層反応……抱合体と呼ばれる物質の中に取り込んで、毒物を覆ってしまい体外へ排出する。 酵素による反応でかえって毒性を増してしまう一部物質などはこれで対応。 ☆第三層反応……腸内細菌によって有害物質を無効化する。酵素と違い、体内の別な生物に分解させる。 このうち、第二層反応までを肝臓が担当している。 ・ちなみに、雑食性であるヒトは異物の経口摂取に対してかなり高度な防御機構を持っており、 人間に有効な量の薬を(体重換算したしかるべき量を)モルモットに摂取させると、大抵あっけなく死ぬのだとか。 ・説経「阿弥陀の胸割」「摂州合邦辻」などに、同年月日刻に生まれた女の生き肝によって 難病が平癒する、というモチーフが好んで採用されており、肝臓という臓器にそうした効能が信ぜられていたと見られる。 参考文献 『アリエナイ理科の教科書』 『日本伝奇伝説大事典』 #amazon(4915540774, image, text)