>サタンがこのように語っている間にも、憤怒と嫉妬と絶望の感情が、それぞれ彼の顔を曇らせ、蒼白ならしめること三度に及んだ。そのために彼の仮面が剥げ落ちた。もし誰かが目撃していたら、彼が偽装していたことが忽ち露見したであろう。天上に住む者の心は、このような醜悪な惑乱状態に陥ることなどありえないからだ。このことに彼もすぐに気づき、いかにも詐術の創始者らしく、平静なうわべを装うことによって心中の動揺を取り繕った。つまりこうやって、彼は、復讐の念を秘めた激しい悪意を隠すために聖者の風を装い、虚偽を働いた最初の者となった。 > ミルトン『失楽園』 >おお、悪の元兇よ、悪の創始者よ、悪は、汝が叛逆するまではおの天上では誰にも知られず、名称さえなかったのだ！ > ミカエル（ミルトン『失楽園』）
