池沼唯の夏祭り

池沼唯の夏祭り


8月の午後、蝉の鳴き声がうっとうしく響く夏真っ盛りの時期。
ここ平沢家でも唯も憂も学校は夏休みであり家で過ごしている。
高校3年生といえば大学入試が控えており勉強に精をださなければいけない時期。
しかし、唯は池沼なので入試など縁がなくいつも通りだらしなく床に寝そべってごろごろしている。

一方で憂はというとそんな唯の横で宿題に励んでいた。
高校2年の夏休み。
憂は本当ならばこの貴重な時間を友人とプールにいったり映画にいったりと遊んですごしたかったであろう。
しかし、憂は唯という重度の池沼の面倒を見なくてはならず唯を置いて出かけるわけには行かない。
今日も同級生の梓と純から遊びの誘いの電話がきたが断ってしまった。
嗚呼…今頃は二人とも楽しいときを過ごしているに違いない。

憂「はぁ-」

憂は深く溜息をつくと横で呑気にゴロゴロ転がる唯を恨めしそうに睨む。

唯「あう~、あつ゛い~、う~いあいす~(=p=)」
憂「もうお姉ちゃん、さっきスイカ食べたでしょう、お腹壊すからメッ!」

憂はわがままをいう唯を軽く叱り勉強に再度励む。
しかし、こんな池沼とはいえきちんと体調を管理するところに姉に対する愛情が感じられる。

今日のお昼は天ぷらそばの出前を取った。こう暑くては料理する気が起きないからだ。
しかし唯がスイカを食べたいと駄々をこねたため天ぷらを食べずにラップにくるんでとっておいた。
スイカと天ぷら、一般的に食い合わせの悪いものとされているためである。
このような配慮ができるところが池沼の妹にしてはもったいない程良くできた妹である。

唯「やーの、う~いあいす~(=p=)」


そんな憂の心遣いもかまわず唯はわがままをいう。
まったくどっちが姉なのかわからない、いや、はたから見ればもう親と子の関係にも見える。
そういえば今は盆休みだというのに平沢家では親は家に帰ってこない。

重度の池沼である唯に嫌気がさしてしまったのだろう。
まったく無責任な親である。これでは憂がしっかりものに育つのは仕方無いことである。
しかし生まれてからずっと池沼の姉の世話を義務づけられた妹とは…。
本当に同情させられる境遇である。

唯「う~い、あいす~、あいす~("p")」
憂「いい加減にしなさい!!」

バチーン

憂はいうことの聞かない池沼にとうとう我慢ができず手をあげてしまった。
こんな暑い中、本当は遊びに行きたかった憂の心境を思うと仕方の無いことである。

唯「びえ~ん~!!う~い、ぶった!!いた~い!!("p")」

かまわず騒ぎ立てる唯。
ただでさえ蝉の声が鬱陶しいのに、さらにこの池沼の泣き声。
憂はこっちが泣きたい気持ちであった。

ピンポーン

突如、呼び鈴がなった。
こんな時に来客かと泣き叫ぶ唯をほうって置いて玄関に急ぐ憂。

憂「はーい」

扉を開けるとそこには一人のおばあちゃんがいた。
この老人は平沢家の隣に住む一文字というおばあちゃんである。
小さい頃はよく二人とも世話になったし、今でも唯の世話や差し入れを頂いたりと度々世話になっている。
手にはスイカを持っており、どうやらまた差し入れにきてくれたのであろう。

一文字「これ、憂ちゃんと唯ちゃんにと思って、どうぞ」
憂「わざわざすみません、いつもありがとうございます」

さっきスイカ食べたんだけどな…と思うが、心遣いはありがたい。
憂が丁寧にお礼をのべてスイカを受け取ると奥から唯の泣き声が響く。

唯「うぇーん!!うぇーん!!("p")」

一文字「あらあら、唯ちゃんまた泣いているの?」
憂「お騒がせしてすいません…お姉ちゃんたら…もう…」

憂が決まりが悪そうに答える。

一文字「あらあら、いつも大変ねぇ…そうだ、今日夏祭りがあるから気分転換にいってみたらどうかしら?」
憂「え…」

そういえば今晩は町内の夏祭りがある日だと憂は思い出した。
唯を一人で置いていくわけにもいかず、この池沼と一緒に行くには…と一瞬思ったが
泣いている姉の気分も良くなるかもしれない、何よりも憂も夏祭りを楽しみたい思いが強く、
すぐに行こうと決心した。

憂「そうですね、ありがとうございます!」
一文字「ふふふ…じゃあね」

一文字さんが去るとさっそく憂は泣き叫ぶ唯に夏祭りのことを話す。

憂「お姉ちゃん、今夜夏祭りに行きましょう」
唯「うぇ…なつまつり?("p")」
憂「そう、夏祭りよ!カキ氷に金魚すくい、花火も楽しめるわよ」
唯「あう、かきごーり!ゆいたべたいー(^p^)/」
憂「それならもうわがままいわないの!良い子にしてなきゃ連れて行かないわよ!いい!」
唯「あう、ゆい、いいこいいこ(^p^)」

先ほどまで騒いでた唯はもうキャッキャッと大喜び。
まったく現金で単純な池沼だと呆れながらも憂も久々の息抜きに楽しみを抑えきれず微笑むのであった。


日も沈み始めそろそろかなと憂は夏祭りに行く準備を始める。
この間もたびたびアイスをねだる唯であったが、 憂が『夏祭り』という言葉を
ちらつかせることで唯をなだめることができた。

憂「お姉ちゃん、いい、ちゃんと良い子にしてるのよ」
唯「あう、ゆい、いいこ(^p^)/」
憂「わがままいって泣いたりしちゃだめよ!」
唯「あう♪(^p^)/」
憂「それと人がいっぱいいるから絶対に私から離れちゃだめよ!」
唯「あーう♪(^p^)/」

本当に約束を守れるのか、そもそも理解しているのか不安な憂であったが、
何も無いことを祈り家をあとにした。

唯「あ~♪(^p^)」

手をつないで一緒に歩く唯と憂。
唯はご機嫌で涎をだらしなくたらしている。
それをやさしく注意しハンカチでふき取る憂。

憂「もう、お姉ちゃんだらしないわよ」フキフキ
唯「あ~う♪かきごーり♪(^p^)」
憂「ふふ…お姉ちゃんてば、よっぽどカキ氷が楽しみなのね、ねえ何味が食べたいの?」
唯「あぅ?(^p^)」
憂「何の味が好きなの?ほらいちごとかメロンとかあるでしょう」
唯「あう!ぱあぷるあるぜんちん!(^p^)/」
憂「え…?そんな味ないわよ(パープルアルゼンチン?何のことかしら??)」

そんなやり取りをしながら唯と憂は夏祭りの会場に到着した。

憂「着いたわよお姉ちゃん!人がいっぱいね」
唯「あ~う!いっぱ!いっぱ!キャッキャッ(^p^)」

夏祭りの独特の雰囲気と大勢の人に唯はもう大興奮。

唯「かきごり!かきごり!(^p^)」
憂「はいはい、でもお姉ちゃんいきなりカキ氷よりまずは焼きそば食べましょ」

唯はカキ氷を食べられないことに少しムッとしたが屋台の焼きそばの良い匂いをかいですぐご機嫌になった。

唯「あう♪やきそぱ♪やきそぱ♪(^p^)」
憂「すみません焼きそば2つください」
屋台の兄ちゃん「あいよ、2つで600円だよ」

焼きそばを購入して階段に腰をかけさっそく食べる二人。

憂「はい頂きます」
唯「いた~きます(^p^)/」
憂「美味しいねお姉ちゃん」
唯「うまうま♪(^p^)」ぺチャぺチャ

あいかわらずみっともなく犬食いをする唯、音をたてるわボロボロこぼすわで目に余る汚さである。
憂は情けなくなり叱ろうとしたが野外であるし唯が泣き叫ぶことを恐れて軽く注意するだけにとどまった。

憂「ふぅ…」

憂はこの夏祭りの幻想的な雰囲気に酔いしれていた。
池沼の世話という辛い日常の繰り返し。
もちろん今も隣にその元凶がおりこの苦行から逃げ出すことができないことはわかっている。
それでもこのいつもとは違う雰囲気は日常の不満や苦しみを一瞬ではあるが忘れさせてくれる。

憂「来て良かった…」

憂は心からそう思った。
一方、唯は焼きそばを急いで食べていたため喉に引っかかり苦しそうにむせていた。

夏祭りも中盤。
憂は唯と手をつなぎ夏祭りの雰囲気を楽しんでいた。

憂「あ、お姉ちゃんお面が売ってるよ」
唯「おめーん♪キャキャッ(^p^)」

唯は憂にせがんでお面を買ってもらおうとした。
憂もご機嫌だったので快く承諾をした。

憂「何がいいの?」
唯「これー♪(^p^)」

唯が選んだのはかわいいキャラクターのお面ではなく豚さんのお面であった。
誰も買おうとする人はいないのか豚さんのお面は余りまくっていた。

憂「ぶっ!こんなのでいいの?」
唯「ブーブーゆいぶたさん!(^OO^)」

おデブの唯に豚のお面はあまりにも似合いすぎて憂は思わずふきだしてしまった。
唯はとても満足そうでキャッキャッとはしゃいでいる。

さて、お面屋を離れ再び二人で人混みの中お店を見てまわっているその時、唯は遠くにあるものを目にした。

唯「あう?(^p^)」

唯が目にしたものは金魚すくいでの人だかりである。
唯はすっかり興味津々である。
こうなったら唯は止められない。その人だかりに向かって走っていった。
憂は祭りの雰囲気にのまれ油断していたのか、唯の暴走を止めることができなかった。

憂「お姉ちゃん、まって!どこ行くの!」
唯「あ~う♪(^p^)」ダダダッ

憂は急いで追いかけようとしたがこの人混みの中うまく走れずに転んでしまった。
そしてとうとう唯を見失ってしまったのだ。

憂「お姉ちゃん…どうしよう…」

あれほど離れるなと注意したのに…
予想していた最悪なことが起こってしまった
やはり池沼の世話をする憂に安息の時間など与えられることはなかったのだ。
憂はただ途方にくれるしかなかった。


唯は金魚すくいの屋台の前で金魚がたくさん入った水槽をみつめていた。

唯「あう!おさかなさんいっぱい♪(^p^)」
屋台のおじさん「お!お客さんやってくかい!1回200円だよ」
唯「あーう♪ゆいやるー!ゆいとくいー(^p^)/」

唯は幼稚園の時、ザリガニを風呂桶がいっぱいになる程とった事があり生き物採集には自信があった。
しかし唯はお金を持っているわけがない。いったいどうするのだろうか。

唯「あーう♪(^p^)/゜」バシャ

なんと!この池沼はお金を払わずに、しかも直接手で金魚をとろうとして水槽に手を突っ込んだではないか。
これには屋台のおじさんも周りの人たちも吃驚である。

屋台のおじさん「…ハッ、お客さん何してんだ!!」
唯「おさかなさん♪ゆいとるのー(^p^)/゜」バシャバシャ
屋台のおじさん「(こいつ池沼か…)ちょっと!止めろって!誰か連れの方はいないの!」

周りの客はひいてしまっている。
屋台のおじさんも良い迷惑である。
このままでは商売にならない。
しかしいくら注意しても唯はいっこうに止める気配が無い。
水槽に手をいれキャッキャッっと大興奮しながら金魚を掴もうとしている。

屋台のおじさん「ふざけんな!!この池沼!!」

バコーン!!

ついにぶち切れたおじさんの蹴りが唯の顔面に炸裂した。
何か格闘技でもやっていたのだろうか。見事にクリーンヒットし唯はぶっ飛んでしまった。

唯「びぇーん!びぇーん!("p")」

これには唯もたまらずに涙と鼻水と涎をだしながら逃げるようにその場を離れていった。
やがて唯は人混みを離れ暗闇の方へと消えていった。

唯「むひぃーむひぃー("p")」

唯が泣く泣く逃げた先はお祭りの屋台から離れた森のほうであった。辺りもすっかり暗く人の気配も無い。
唯はだんだん不安になり怖くなってしまった。

唯「あう~!う~い!どこ~!("p")」

唯は大声で憂の名を呼ぶがもちろん憂が答えるはずもない。
全てはこの池沼が憂の忠告を無視して好き勝手したことが悪いのにこの池沼は反省するわけが無い。
唯は焦って大慌てで憂を探し始めた。

唯「あう~!う~い!う~い!ゆいこあい!("p")」

とその時茂みの向こうで何か音が聞こえる。
唯は憂がそこにいると思いこみ急いで音のするほうにむかった。

唯「あう♪う~い♪(^p^)」ガサッ
男「おわっ!!!!!!!!」
女「きゃあ!!!!!!!!」

そこにいたのは憂ではなく一組のカップルであった。しかも良い雰囲気である。
そこに暗闇から人間とは思えない容姿の唯がいきなり現れるのだからかなり驚いたのだろう。

男「てめぇ!!おどかすんじゃねえ!!」
女「腰が抜けるかと思ったわ…」

もっともである。
しかし憂がそこにいると思っていた唯は思わぬ結果に不機嫌である。
不満そうなうなり声をあげる。

唯「むぅー!むぅー("p")」
男「あ!てめぇふざけてんのか」

男は女の前でみっともない驚く姿を晒されかなり苛立っている。
しかし唯は変わらず奇妙なうなり声を男にむかって発する。

唯「むぅー!むぅー!("p")」
男「なめよって!!!」

ボコォ!!

男は唯に強烈なボディブローを食らわす。

唯「あぅ!("p")」
男「プッw変な声だしやがって」
女「見てこいつw豚のお面しているわw」
男「しかも『いなかの米』なんてロゴの入った間抜けなTシャツきてやがるわww」

この情け無い格好に男達はおもわず笑ってしまう。
唯は苦痛に泣き叫びながら地面に転がる。

唯「びぇー!いたいー!びぇーん!("p")」

男「なんやこいつ池沼か?」
女「ねえ、もうほっときましょうよ」
男「いーや、俺は昨日サッカーで日本代表が負けてイライラしてるんや、憂さ晴らしにはちょうどええ」
男「覚悟しろや池沼豚ちゃんw」

そういうと男はオラッ!と叫びサッカーに負けた腹いせに何発も何発も唯にハラパンを繰り返す。

男「おらぁ!!」ボコォ!!
唯「あぅ!ぁぅ…("p")」

男が一発殴るたびに唯はなんとも奇妙なうめき声をあげる。
男はそれがおかしく唯に何度もハラパンを食らわす。

男「おらぁ!夏祭りらしく花火をあげるぜ!ドカンと一発池沼花火!!た~まや~ってか!!」

ボカーン!!

唯「ぁぅ…("p")」
男「おいおい元気ねぇな、不発か?」

脂肪に覆われた腹が衝撃を吸収してくれるとはいえ流石の唯もこれは苦しそうである。
突如ガクガクと痙攣し始めたかと思うとオエっと勢いよく吐いてしまった。

唯「ゲロゲロゲロ~(=p=)」ビチャビチャ

女「ちょっとーやりすぎなんじゃないの」
男「おおスマンスマンwつい池沼ちゃんの反応が楽しくてなwおい大丈夫かww」

男がちょっとやりすぎたかと反省し唯に手を伸ばす。
すると唯はその手にガブリと噛み付いた。唯の必死の抵抗である。

男「ぎゃあああ!!!!」

普段だらしなく口を開けたままで顎の力が常人より弱い唯とはいえ
池沼であるが故、手加減と言うものを知らない。
男は痛そうに悲鳴をあげる。
思わぬ唯の逆襲にこれに男はすっかり頭に血が上ってしまった。

男「ふざけんな豚ァアア!!!」ドカッ!!
唯「ぁぅ…("p")」

男は足で唯の全身にこれでもかと蹴りを入れまくる。

男「てめえみてえな社会のゴミクズが調子にのんなや!ええ!!」ドカッ!
唯「…("p")」
女「あーあwもうこうなったら止められないよw」

唯はもう悲鳴をあげることもかなわないほどボコボコにされていた。
それでも男の気は晴れず、唯のつけていた豚のお面を剥ぎ取ると地面に叩き付け、思いっきり踏み潰す。
お面はグチャグチャになり今の唯の顔とますます瓜二つになった。

男「豚が豚の面なんぞつけよってアホか!!」

そういうと男はボロボロになったお面を遠くに投げ捨ててしまった。
唯は何も言うことができないまま、ただそれを哀しそうに見ていた。

男「あ~池沼に絡まれて最悪だったわ…トホホ」
女「だからほっとけっていったのに、ねえそろそろ花火が始まるし行きましょうよ」
男「せやな、じゃいこか」

そして男達は苦しそうに地面に這い蹲る唯など気にもかけず去っていった。
ただ暗闇には地面に倒れこんだ池沼だけが残った。
その様子はまるまると太った巨大な芋虫がうごめいているようにみえ不気味である。

唯「ぁ~ぅ("p")」ゲフォ

唯は大声で泣きたかった。
しかしあまりの痛みでそれはできず、ただ小声で呻くことしかできなかった。
憂と一緒に食べた焼きそばは全て吐いてしまった。
憂に買ってもらった豚のお面はボロボロにされた挙句どこかに捨てられてしまった。
また憂に怒られる、叩かれる。
痛みと暗闇の恐怖の中でふと唯はそう思った。

唯「ぅ~ぃ…("p")」
唯「ぅぃ…ぃちゃぃ…ぅ~ぃ…("p")」

それでも唯は憂の名を呼ぶ。
唯には憂しか頼る人がいないのだ。
その不気味な声は闇にむなしく響くのみであった。


一方で憂は一生懸命に唯を探していた。
周りは楽しそうな笑顔の中
憂はただ一人泣きそうな顔である。

憂「もう!お姉ちゃんてば!離れるなって言ったはずなのに!バカバカバカ!!」

憂はやっぱり連れて来るんじゃなかったそう思った矢先。
あるものが目に留まる。

憂「あれはお姉ちゃんのお面…」

ボロボロの豚のお面が人混みから少し離れたところに落ちている。
こんな豚のお面なんてお姉ちゃんぐらいしか買う人はいないだろう。
そう思い憂はお面を拾い上げ、唯が近くにいるかもしれないと辺りを必死に見渡した。

憂「こんなにボロボロでどうしたんだろう…」

憂が不安に感じると森の奥からなにやら音が聞こえる。
不気味に感じたが良く聞くとそれは憂には自分の名が呼ばれているのだと気付いた。

憂「お姉ちゃん!?」

憂は必死に声の元に駆け寄る。
やがて地面にうごめく奇妙な何かを発見した。

憂「ヒッ!!…お姉ちゃん!?」
唯「ぁぅ…ぅ~ぃ…("p")」

そこには必死に憂の名を呼ぶ無残な唯の姿があった。

憂「お姉ちゃん…酷い…何でこんなことに…」

元々は唯が憂の言い付けを守れずに勝手に行動したのが原因で自業自得である。
先ほどまで唯の自分勝手な振る舞いに腹を立てていた憂であったが、 唯を発見できた安堵感と惨めな姿をみて非常に哀しくなった。
そしてどうしていつもいつも私達だけが不幸な目にあわなければならないのか。
この理不尽な境遇を心から呪った。
しかし恨めしいこの思いを誰にぶつけていいのかわからずに憂はただ唯を見つめていた。

唯「ぅ~ぃ…("p")」
憂「…」

唯の無残な姿をみて憂はある思いにかられた。
もし、自分がこのまま唯をほおっておけばどうなるだろう。
8月とはいえ夜は肌寒い。
もともと常人より身体機能が弱く、今の衰弱した唯ならば
一晩ここに放置しておけば十中八九無事ではすまないであろう。

幸いここは人気も少なく、迷子のまま発見できなかったことにするのは容易い。
自分は姉を暴漢に襲われ失ってしまった悲劇の妹として同情される立場でいられるだろう。
それに姉の介護から解放され自由な時間を過ごすことができる。
なによりこのまま生きていても池沼であるゆえ姉は不幸になるだけであろう。
この先、生きて大勢の人に迷惑をかけたり恨みを買われるよりは、
ここで不幸な最期を遂げ大勢の人に同情されたほうが唯にとっても幸せなのかもしれない…。

憂「…お姉ちゃん…」
唯「…("p")」

憂はこれが姉の為なんだと必死に言い聞かせ、
唯と顔をあわせないように振り返りその場を立ち去ろうとした。

唯「…ぅ~ぃ…("p")」
憂「…」

唯は相変わらず地面に這い蹲り憂の名を呼び続ける。
憂は何も聞こえないと自分に言い聞かせ早く唯から離れようと足を進める。

唯「…ぅ~ぃ…("p")」
憂「…」
唯「…ぅ~ぃ…ごめんなたい…("p")」
憂「…!!」

憂は思わぬ唯の謝罪に驚き歩みを止める。

唯「…ぶたさん…こあして…ごめんなたい…("p")」

豚さん?このボロボロの豚のお面のことであろうか?
もしかして、せっかく買ってもらった豚のお面を壊してしまったことに申し訳なくなり謝っているのだろうか。
ふと、憂は豚のお面を被り無邪気にはしゃいで喜ぶ唯の姿を思い出した。

憂「お姉ちゃん…わ」

憂が何かを考え、口に出そうとしたその瞬間、
大きな音と共に空が鮮やかな色に染まる。

ド~ン!!ド~ン!!

花火が始まった。遠くから歓声が聞こえてくる。
憂はそのあまりの美しさに感動すると同時に花火のその儚さに切ない気持ちを強く感じた。
そして以前、唯のぎょう虫感染の治療時に言われた医者の言葉を思い出す。


医者『身体機能全体が常に危険と隣合わせであり、本人にその自覚が持てないのが一番の困難な所ですね』

憂『では…、姉はこのまま良くなる可能性は無いということですか?』

医師『100%無いとは言い切れませんが、その可能性は非常に大きいです。』

 『はっきり申し上げますと、このような方の寿命が短いことも、それが大きな要因となっています』



…憂は儚い花火に唯の人生を重ねてしまい、急激に何ともいえない気持ちになる。
花火は大勢の人に見送られ喜ばれながら消えていく。
だが唯はこのままほっておけば誰にも見送られずに孤独のままこの世を去ってしまう。
なんて可愛そうで救われない人生なんだろう。
そして再び響き渡る大きな音にハッとさせられ無邪気な姉を見殺しにしようとした自分を物凄く恥ずかしく感じた。


憂「やっぱりそんなことできないよ…ごめんねお姉ちゃん」

憂はボロボロと涙を流し急いで唯のもとに駆け寄る。
いくら池沼とはいえ血を分けた姉妹。
なんだかんだいって憂には唯に確かな愛情があった。
幼い頃からずっとずっと一人で世話をしてきたのだ。
その関係はもはや只の姉妹をこえた深く強いものであろう。

憂「お姉ちゃん…ごめんね」
唯「ぅ~ぃ…ぶたさん…こあして…ごめんなたぃ…("p")」
憂「もう…怒らないわよ、あとで買ってあげるわ」
唯「ぃぃの、ゆい、かきごり、たべちゃい…("p")」
憂「そうね…買ってもう帰りましょう」
唯「ぁぅ…("p")」

憂は唯のかすかだが嬉しそうな返事を聞くと
地面に寝そべっている唯を背中におぶった。

憂「(う…重い、お姉ちゃん…ダイエットさせなきゃな…)」

憂は唯の涎で背中がベトベトになる。
一瞬汚く不快に思ったが、それが唯が生きている証拠なんだと感じさせ胸が熱くなった。
唯は暗闇の中でずっと憂の名を呼んでいた。
お姉ちゃんには私が必要なんだ。
どんな辛いことも二人なら乗り越えられる。
生きていれば例え池沼でも幸せはつかめる。
そう信じて何があっても頑張っていこう。
憂はそう強く決心するのであった。

唯「う~ぃ、う~ぃ」
憂「ん?なにお姉ちゃん?」
唯「う~いの背中あったかあったか♪(^p^)」

まだ夏とはいえ、もう秋はすぐそこで流石に夜は肌寒い。
憂の体温が唯には心地よかったのであろうか。
あるいは憂の唯の思う気持ちが通じ、唯に暖かな心地よさを与えたのだろうか。

憂「そうね…あったかあったか♪」

憂は唯を背負ったまま屋台へカキ氷を買いにいった。
そして花火を見ながら食べた後、二人は手をつないで帰路についた。


やがて二人は家に着く。

憂「さて、お風呂の用意をしなくちゃ、お姉ちゃんはここで待ってて」
唯「あう(^p^)」

リビングで待たされる唯。
ふと、テーブルを目にすると、そこにはお昼の残りの天ぷらがあった。
唯は焼きそばを吐いてしまいお腹が減っていた為、躊躇なくそれに手をつける。

唯「あ~う!うまうま~♪(^p^)」ぺチャぺチャ

天ぷらをバクバクと食べる唯、しかしカキ氷を食べたすぐ後に天ぷらとは…。
常人より消化器官が弱く、最悪の食べあわせに唯のお腹は大きな悲鳴をあげる。

ゴロゴロゴロ…

唯「あぅ、ゆい、ぽんぽんいちゃい…("p")」

ブブブブー!!

嗚呼…情けないことに唯はウンチを漏らしてしまった。
音を聞いた憂はすぐに唯のもとに駆けつける。

憂「あー!お姉ちゃんたら!!」

いつもなら厳しく叱り手をあげていただろう。
しかし先ほど何があっても頑張ろうと決意した憂である。
ここは自分を抑えやさしく注意するだけに踏みとどまる。

憂「もう、次はちゃんとトイレでウンチしましょうね」
唯「あう…("p")」

憂は唯の汚れたオムツを取り替えようと脱がす。
しかし脱がした瞬間タイミングよくまたもや唯のお腹が鳴り出す。

ゴロゴロゴロ…

これには憂も嫌な予感がして狼狽する。

憂「え…?ちょ…駄目よお姉ちゃん!今は駄目!!」

ブブブブブーーーー!!!!

先ほどより激しい音をたて、オムツに守られていない唯はそのまま床へとウンチを垂れ流す。
たちまちリビングには悪臭を放つ下利便が散らばる。
これでは掃除が大変である。はぁ…疲れているのに…とうとう憂の中で何かが切れた。

憂「…!!!こんの池沼豚ァ!!!!!ふざけるなァ!!!!!!!!!!」

ゴチーーーーーン!!!!!!

唯「びえーーーーん!!!("p")」

…嗚呼、憂のあの時の思いは何だったのだろうか。
夏祭りが持つあの独特の雰囲気が見せる儚い幻であったのだろう…。
平沢家にはいつも通りの憂の甲高い叱り声と唯の間抜け泣き声が響くのであった。


=おしまい=

 (2010.07.02)

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最終更新:2021年08月15日 23:51