穣子(レス)1

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秋だ!ご飯だ!豊穣だ!感謝祭仕様貢物たっぷり恵みそのものカレーライス(feat. ししとう)

山盛りのご飯が食卓に置かれた。高さはお椀の数倍を数える。もはや標高という言葉を使いたいほどだ。
もうひとつ、ごすっと音を立てて置かれた。穣子の細腕でよくあんなものが持てるなと、○○は思う。
○○はスプーンを並べた。穣子はその間に福神漬け、らっきょう、生卵、納豆とカレー用トッピングを並べていく。
そのどれもが、山もりである。
食卓の中心ではズンドウ鍋いっぱいにカレーがおさまっている。敷き詰められた皿も今にも食卓から落ちそうである。
○○が何も言えないでいると、穣子はとすっと椅子に腰かけた。そのまま笑顔で手を合わせる。
「いただきま~す!」
「待てい!」
「あ、ハト麦茶出すの忘れてた」
「そうじゃなくて。なんでカレーなんだよ!」
「嫌い?」
「好きだよ!けど、このニ週間ずっとカレーじゃん!なんなの?インドの神様にでもなったの?釈迦なの?死ぬの?」
「おいしいよ。」
「そりゃおいしいよ。けど、カレーとしてこんなん入ってるのどうよ?」
○○がカレー鍋からおたまを引き上げると、真茶色のたくあんが丸ごと姿を現した。
山間部の伝統食品、いぶりがっこである。大根を煙でいぶした漬物で、かなりスモーク臭が強い。
「昨日はザザムシで一昨日はちょろぎ!一週間前にはごぼうとこんにゃくが山もりだったよ!もうやだこのカレー。」
「だって貢物でくれるし、受け取らないのも悪いし。」
「律義すぎるよ!アクトレイザーの神様にでも任せとけよそんなの!」
穣子はもくもくと口を動かしながらしゃべっていた。動じた様子はない。
やがてご飯が空になると、穣子はお代わりのため席をたった。
「だいたい何でカレーなんか作るんだよ、いくら継ぎ足しながら使えるからって…」
「作ったのは、食べてほしいからなんだけどな。」
不満を残す○○にむけて、台所からソプラノの声が響いた。釜の蓋の向こうで穣子がいたずらっぽく笑った。
「私、知ってるんだ。○○はいつもぶうたれるけど、最後までちゃんと食べてくれる。私のご飯は絶対残さない。」
長いスカートをひるがえし、山もりご飯片手に穣子が戻ってきた。
「それは…」
「私さ、」
愚痴を続けようとする○○を穣子がさえぎった。
「そういう○○、好きだよ。」
椅子に座りながら、はっきり○○の目を見て笑いかける。心からの笑顔だった。
もう○○は何も言えなかった。黙ってスプーンをとると、カレーとご飯を混ぜ始めた。
「おいしい?」
「…おいしい。」
「ありがとっ!」
反則だろ。穣子の底抜けに明るい笑顔を前に○○はそう考えていた。


33スレ目 >>503
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○○「外に居た頃はストーブで姫タラとかと炙って食ったなこれ。懐かしー。」
穣子「干し芋は炙ると美味しいですよねー。」
○「・・・あの穣子さん、今、春ですけど眠ってるのではなかったのですか?」
穣「(干し芋を勝手に食べながら)季節篭りと言ったほうが合ってますよ。
  時折外に出て他の実りが疎かになってないか見てますから。」
○「それと俺の家につまみ食いに来てるのとどんな関係が?」
穣「おいしそうな芋の匂いがしたらついつい寄ってしまうじゃないですか。」
○「とりあえず川魚の干物も干し柿もありますから良かったら一緒に食べますか?」
穣「後は温めのお茶をお願いしてもいいかな(上目づかい)」
○「ま、まあ穣子さんの頼みでしたら・・・。(どぎまぎ)」

○「あの上目づかいは反則だよな・・・。いや好いてるので弱いのは判ってるんだが。」
穣「へえー・・・○○って私の事を・・・好いているの?」
○「ぉぷばッ!って盗み聞きはダメじゃないですかっ!」
穣「で・・・どのくらい好きなの?ねえ(潤んだ目で上目)」

○「・・・ます・・・。」
穣「聞こえないから、はっきり言って下さいな。」
○「懸想・・・しとります・・・。」
穣「うわ可愛い。○○の真っ赤な顔ってなんか熟れた柿みたいで美味しそうな位かわい!」
○「それ以上は勘弁してください・・・恥ずかしくて倒れるかも知れないので・・・。」

34スレ目 >>248
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○○「天にまします我らの唯一神、穣子さま、お願いします。なにとぞお願いします。
  このままでは雨が降らず、ベト(土)にひびがいってしまい、稲が…」
穣子「だすけさあ(だからさあ)、神に願い事をするときには大事な言葉が要るろうて(要るでしょうよ)。」
○○「え?」
穣子「『結婚してください』ろ(だろう?)。」
○○「う…く…」
穣子「言えたら水くれるてがんに(水をあげますのに)(ニコー)」


(編者注:新潟弁? >>376で指摘あり)
34スレ目 >>374
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378 :374:2013/06/13(木) 19:58:59 ID:EpP.4fws0
  降った。信じられないけど今日雨降った。まじ降った。
    でもまばらなまま止んでしまった。
    もっと気合を入れて愛を伝えなきゃいけないようだ。
    スレのみんな、俺にちょっとだけ勇気を分けてくれ。
    代わりに糀味噌分けるすけ。


穣子「さあ、○○!雨は降らないわ!このまま稲を駄目にするか、私の力を借りるか選ぶのね!」
○○「……」
穣子「わかってるんでしょ、稲を枯らせた農家がどうなるか!」
○○「…わかってる。」
穣子「じゃあ!」
○○「けどあなたの助けは受けない。」
穣子「考え直してよ、○○!水は来てないのに…はっ!」
>>380「…考え直すのはあんたの方だ、豊穣の神様。農家にとっては田んぼはわが子も同じ。
  神様に頼って何とかしてもらおうなんて誇りが許さない。」
穣子「こ、これは水路に水が!どうして!?」
>>381「俺の畑の水、分けてやるすけ。後でなせよ(礼をよこせよ)、>>374」
○○「見ての通りだ、穣子さま。集落のみんなが、いや、俺の集落だけじゃない。
  この山に土地を持つみんなが水を回してくれている!」
穣子「そんなことをすればその人達の田んぼが…!」
○○「ここだけは枯らすわけにはいかないんだ。」
穣子「なんでなの!こんな山の上でコンバインも入れない小さな田んぼなのに…」
○○「……」
>>383「なあ、>>374。水だけじゃねえぞ、勇気だ。俺の勇気も分けてやる、お前を信じろ、お前の信じる嫁を信じろ。
  胸の内、バシッと伝えてやれや…。」
>>384「俺も今度子どもが生まれるんだけどよ、いいもんだぞ、愛する人がいるってのは。」
○○「…あなたに食べてもらいたかったからだ。」
穣子「え…?」
○○「籾から芽を出して、腰を痛めながら植えつけて、雨の日も風の日も水を見て、毎日雑草と虫を追ったのも、
  今回無理を言って頭を下げてまわったのも、みんなあなたに食べてもらいたかったから、あなたに認めてほしかったからだ!
  俺は、あなたが好きだ!離れられない!結婚してくれ!」
穣子「ちょ、ちょっと待って、そんな、いざ言われると、ふわわ、その、こ、心の準備が!
  だ、だいたい人間と神なのよ、そのあたりをよく考えてからでも…」
○○「俺が神を超えれば問題はない!つまり、神以上のパワーを持てば!神であるあなたを負かせられれば!
  みんな、この俺にちょっとずつだけイチャ分をわけてくれッ!いくぞッ!
  超!惚気玉(のろけだま)ァァァーーーーッッ!!!」


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穣子「んー、ばっかぅんめーねっか(とても美味しいですね)。いいあんべぇど(いい具合です)。
  今年の米もよーできたて。(よくできましたよ)」
○○「ヒエのごうぎんなった時は、せつねかったどもね(ヒエがよく生えたときは辛かったですよ)」
穣子「あっげなん、てぇしたことねーて(あんなのは大したことありません)。俺ったがかせいで何とかなったねっか(私たちががんばったから何とかなったでしょう)。」
○○「先生も見上げたもんだてや(あなたもすごいですね)。神様だがんに、力を使ってのめしもこかん(怠けて楽をしない)。」
穣子「あたりめぇだ。俺、おめに嫁いだんだすけ、おめだけ難儀にできんてがんに(あなただけ苦しい思いはさせられないでしょ)」
○○「…愛してるて」
穣子「何したぁ!?(どうしたの?)」
○○「…愛してるて言うたがんに」
穣子「おめ(お前)、もぞこき(わけのわからないことを言うな)!おめ、そっげなん、そっげ、何でいきなり言うんだてや!
  あ~~、しょーしいねっかや(恥ずかしいじゃないですか)、あ~~~」
○○「…いとしいてや(可愛いなあ)」


34スレ目 >>378,385(編者注:379-384に関連する書き込み多数有り)
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穣子「ねえ、今日うちに誰もいないの…」
○○「じゃあ、行っていいかな?」
穣子「う、うん!(きゃー○○ってば大胆)」
○○「明日、雨降ると厄介だしね。」
穣子「え?」
○○「うちの部落終わったから、コンバイン乗っていくよ。
  農協でモミ乾燥させるから、軽トラだけ貸して。」
穣子「…ありがと。(違うのよー!稲刈りの話じゃないのよー!この鈍感男ー!)」

34スレ目 >>565
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○○「お米や!」
穣子「うまいっ!」

○○「さんま!」
穣子「うまいっ!」

○○「松茸でゴザル!」
穣子「うまいっ!」

○○「栗!!」
穣子「うまいっ!」

穣子「まったく秋は最高だぜ!!」


穣子「(⊃Д⊂)」ゴシゴシ
体重計「幻想というぬるま湯に入り浸り、現実から目を背けてきたツケだ」
穣子「」
体重計「目を背けるな、幻想は終わったんだよ」

穣子「うわぁぁぁぁぁ!?」

○○「モンブラン!」
静葉「おいしーねー」
○○「穣っちゃん食べないん?」
穣子「全部秋のせい!!秋はひどいなー女子の敵だなー!!まったくなー!!どうしようもないなー!!」
○○「え?穣っちゃんもう女子なんて歳じゃ…」
穣子「は?」
○○「な、なんでもないです」

○○「どーしたん?」
穣子「だから、その、芋とか、秋の味覚食べ過ぎて…」
○○「食べ過ぎて?」
穣子「増えたんだよ!!察せよ!!太ったの!!」
○○「え?穣っちゃん元から…」
穣子「は?」
○○「な、なんでもないです」

穣子「秋はいかんなーどうしようもないやつだなー」
○○「秋のせいにすんな普段からカロリー高いもんガツガツ食うてるやろ、ポテチとか」
穣子「ポテチは野菜」
○○「ほんならガンガン食うたらええがな、野菜食ったって増えるもんは増えるんやからな」
穣子「ぐぬぬ」

○○「てゆーか増えたんならダイエットなりなんなりすればいいじゃないですか」
穣子「ダイエット食品こんなに食べてるのに痩せない!!詐欺だ!」
○○「心から太ってますやん、そら痩せへんわ」
穣子「女子に太い太い言うな!!」
○○「だから穣っちゃんもう女子じゃ」
穣子「はぁ!?」
○○「なんでもないです」

○○「穣っちゃん顔から太るタイプやからすぐわかる」
穣子「畑の肥料にすんぞ」
○○「僕はぽっちゃりしてる女の子の方が好みですけど」
穣子「…く、口説いたって婿に貰ってあげないからね…」
○○「女の子言うたやんけまだ女子のつもりでおんのか芋」
穣子「だれが芋だコラ」

○○「ダイエット無理なら無理でもうええやん、おいしいもん食べて笑顔の穣っちゃんが一番かわいいねん」
穣子「…」
○○「秋茄子食うで」
穣子「おう…」

静葉「なんだっけ…」

静葉「喧嘩するほど秋茄子がうまい…違うなぁーえっと」

静葉「まいっか!今日のご飯っはなんだろなー♪」

35スレ目 >>226
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最終更新:2019年02月16日 22:55