アリス1
1スレ目 >>6
アリス、キミの言葉は僕には届いてるよ
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そうだ!
どうせ聞こえるなら、聞かせてやるさ!
アリス!
好きだァー! アリィース! 愛してい(略)
1スレ目 >>15
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1スレ目 >>34
「ハーレムビートは夜明けまで、だぜ?アリス…」
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1スレ目 >>63
昼下がりの博麗神社。陽だまりが暖かい縁側でアリスと魔理沙がいるのは別に不思議なことではない。
二人がお茶をすすっているのもいつものことである。
が、不意に口を開いた魔理沙の一言だけは尋常ではなかった。
「で、とどのつまり、お前はアイツのこと好きなんだろ?」
吹いた。某最年長野球選手も真っ青にお茶が見事な霧となって飛んでいった。
さり気なく虹になって綺麗である。
「ちょ……アンタ、なんで私があんな奴のことを!!」
もう既に顔が真っ赤なのは気のせいではないだろう。
「ん? 違うのか?」
「えっ? ……それは、アイツは人間だし、馬鹿だし、不気味な動きでかするし……」
だんだんとその声はフェードアウトしてか細くなってゆく。
「でも、嫌いとかそういうのじゃなくて…………ただ一緒にいられたらいいな、って」
最後の一言は、魔理沙にも聞き取れるかどうかは怪しいほどだった。
魔理沙はその一言を聞くと、してやったりの笑みを浮かべ、
「お~い○○(任意の名前で)~。アリスはああ言ってるが、お前はどうなんだ?」
立て付けの悪い障子が音も無く開き、その後ろから、たった今話題の渦中にいる男が姿を現した。
彼もまたそのまま発火しそうな勢いで顔を紅潮させている。
「お……俺もアリスのことが……好きだ、ぞ」
その一言だけ絞り出すように告白すると、そのまま倒れてしまった。
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1スレ目 >>333
「…結局、お前は俺を呼び出して何するつもりなんだ?」
深夜の魔法の森――こんな時間帯に出かけるなんてバカは俺くらいなもんだろう。
だが大事な人から呼び出されて、俺は結局ここに来ていた。
目の前に居る呼び出した少女、アリス=マーガトロイドは俺の問いに答えず
ただ、俺をじっと見ていた。
「あなたは私の事を、どう思っているの?」
唐突な質問だった。どう思っているかと聞かれれば、返す言葉が難しい。
「いきなり、唐突な質問だなアリス。何でそんな事を聞くんだ?」
とりあえず彼女から事情を聞かないと始まらない。
「…あなたの周りって、いつも…人がいるでしょ?霊夢とか魔理沙…レミリアとか…」
「あぁ…まぁ、居るけどさ」
俺が外の世界の人間だから、って理由で集まってるに過ぎないんだが。
それに霊夢が俺に近づいて、それから芋蔓方式でどんどんと繋がっているだけだし。
「だから気になったの。あなたが、誰を好きなのか」
目を逸らしながら、訊ねるアリスはどこか様子がおかしく
まるで大事なものを取られた子供のような雰囲気をもっていた。
「何でそんな事が気になるか分からないけどな…。俺が好きなのは――」
「…好きなのは?」
「お前だよ」
そうでもないと、こんな所に深夜に来たいとも思わないし、それに
「俺にとっては大事な人だ。もちろん霊夢も魔理沙も…俺の友達は全員好きだぞ?」
「…友達、ね」
「あぁ、お前に対してだけは、友達としての『好き』じゃなくて…異性として『好き』なんだけどな」
「ほん…と?」
嘘なんて吐けない。この騙されやすい純粋な少女に対しては。
「さて、用事は終わりか?終わりなら俺は帰るけどさ」
質問にはちゃんと答えたし、もう俺の出番は終わりだ。
「ま、待って!」
背を向けた途端、大事な少女から声がかかる。
半ば予想していた事だが、振り向くと顔を林檎のように真っ赤にしたアリスが
恥ずかしそうに俺の方を向いていた。
「え…えっと、私も…あ、あなた…が…好きです!」
その様子があまりにも愛しくて…俺は振り向いてその可憐な少女を
抱き寄せた。
「俺もだよ。アリス」
種族とか、姿形とか、そんな物は関係ないはずだ。
ただ愛せるかどうか。
「誰か言ってたな。愛の前には種族の違いなど瑣末なことよ、だったか?」
「私が魔法使いでも愛してくれる?」
「…違うよ。俺は魔法使いであるお前を愛したんだ」
月の光が照らす中で二つの影が一つになった。
それは――一つの愛が叶った証。
やばいな、友人に甘い物を書くって言ったが…自分でこれじゃ甘いか分からない。
そして>>45の引用があるのはこっそりと内緒だ。
誰か…ツンデレの極意を教えてください…
私にツンデレは書けません…
備考:>>>45の引用
45 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/08/03(水) 12:13:36 [ f0WH9NNU ]
愛の前には種族の違いなど瑣末なことよ
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1スレ目 >>359
なりふり構わない俺の妄想を聞いてくれ!
アリス! 俺のこd(幻想郷へ
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1スレ目 >>740
「ぶえーっくしょいっ!!」
森の小道に、思わず放ったクシャミが豪快にこだました。泡を食った鳥たちが慌てて飛び立つ音がバサバサと続く。
「……もう、手で押さえるくらいの事はしなさいよね」
「いや、悪い。いきなりだったもんで」
隣を歩く金髪の少女が、鼻を啜る俺に呆れて、苦笑いを浮かべる。
彼女はこの魔法の森に住む魔法使い、アリス・マーガトロイド。
俺がこの幻想郷に来てから初めて出逢った人物で、恩人でもある。
右も左も分からないまま、とりあえず森の外れに打ち捨てられた廃屋に居を構えた俺に、
アリスは、この森の地理や周辺の里への道程、あとは幻想郷での生活における心構えなどを教えてくれた。
最初に出逢ったのが彼女でなければ、今頃俺は、永遠亭で素敵な薬の実験台にされたり、
紅魔の湖の氷精に、ストローで尻から空気を吹き込まれたりしていた事だろう。ありがとう神様。
で、さすがに恩の受けっ放しというのはみっともないので、鉱石の採掘や家の周辺の掃除など、
女の子には少々重荷であろう肉体労働などを積極的に手伝う事にした。
半年ほどそんな生活をしていく内に、アリスは、幻想郷で俺の最も親しい友人になっていた。
ちなみに今は、彼女の家の周りの落ち葉掃除を手伝った後、手頃な所まで送ってもらっている道中だ。
「それにしても、随分と冷えるようになってきたな」
「もう秋も終わりだしね。あと一月もしたら雪も降り出すかもね」
「ふむ」
この深い木々に彩られた魔法の森に、真っ白な雪がしんしんと散る風景を、思い描いてみる。
「そっか……きっと綺麗なんだろうな」
「ふふ、まあ、あんまり長く積もったりしない内は、それなりに綺麗でありがたいものなんだけどね」
アリスの顔に苦笑いが浮かぶ。まあ、雪にまつわる難ってのは、外の世界でもよくある話だ。
「それはそうと、貴方、あのあばら家で冬は大丈夫なの?」
「ん?……あー……どうなんだろうなあ」
現在の愛しの我が家は、廃屋になっていたのが不思議なくらいにしっかりとした造りをしてはいるが、
思い返すと、窓の立て付けがぐらついていたり、防寒性という点について考えると、かなり不安になる。
「それに貴方、確かあまり衣服を持ってなかったわよね?そんな薄着しか無いんじゃ、冬は越せないわよ」
「お前は俺のお母さんか……」
色々と世話を焼いてくれるのは本当にありがたいのだが、時々度が過ぎる気がする。
他の子と話しているところを見ていると、そんな風には見えず、むしろドライな印象を受けたものだが。
「それくらい貴方が危なっかしいの。風邪引いた、なんて馬鹿やって、これ以上手をかけないでよね。
大体貴方はいつも……」
これはいかん、このままスーパー説教タイムに突入しそうな流れだ。
まったく、こんな可愛いらしい小娘にガキんちょ扱いされるとは。少しゾクゾクしたのは内緒だ。
それにしても、そんなに俺は生活能力が欠如しているように見えるのか……?
少し悲しくなったが、確かに言われたとおり、被服類の備えに不安があるのも事実だ。
今まで散々面倒を見てくれた人の言葉だし、しっかりと肝に命じておこう。
今度、里に出た時に見繕っておいた方がいいか。お金に関しては、今までアリスに分けてもらった鉱石で十分賄えるだろう。
……などと、来たる冬に皮算用を立てながら歩いているのが、話を右から左へ流しているように見えたらしく、
アリスは俺の服の裾を引っ張って、不機嫌そうに頬を膨らませた。
「もう、ちゃんと聞いてる?」
「ん? ああ、ちゃんと聞いてるよ。心配して言ってくれてるんだから、無下になんてできないよ」
「う……ち、違うわよ……野垂れ死にでもされたら、後味が悪いってだけで、そんな、心配なんて……」
俺の珍しく真面目な返答に不意を打たれたらしく、アリスがもごもごと声を詰まらせる。少し頬が赤くなっていた。
「あーもう、可愛いなあアリスは!!」
「な……」
しまった!! 思わず声に出してしまったではないか。
アリスの顔がみるみるトマトのごとく真っ赤に染まり、か細い肩がブルブル震えている。
「なななな何言ってるのよっ!!!」
どがんっっっ!
思いっ切り尻を蹴り上げられた。稲妻のような衝撃が、尻から背骨を伝って脳天を抜けた。
「痛てええっっ!!! もっと!……じゃなかった、何しやがる!!」
「あ、貴方が変な事言うからじゃないの、このド級馬鹿っ!!」
ど、ド級馬鹿だと? …………返す言葉も無かった。
「……う、うぅぅ……生まれてごめんなさい……」
「いや、その、泣くほど謝られても困るのだけど……ほ、ほら、これ」
男泣き(偽)にむせぶ俺に、アリスが慌ててハンカチを差し出してくれる。
「……ああ、ありがとう」
複雑で凝ったフリルが目を引く、彼女らしく可愛らしいハンカチを、ありがたく受け取った。
そして大きく息を吸って、腹に力を込めて……
ちー―――――ん!!
「鼻をかむな馬鹿ぁっ!! ああっ、私のお気に入り……」
「ん、ありがとう。洗って返すよ」
「当たり前よ!」
そんなアホなやり取りを交わしつつ、帰りの家路をのろのろと進む。
季節の移ろい以外に、目立った変わり映えの無い景色。
大きな刺激も無いけど、気を病むような事も無い、温くのどかな生活。
それは、幻想郷に来る以前に、俺が求めて止まなかったものだった。
今、確かに俺は幸せなのだろう。
そんならしくない感傷に浸りつつ、アリスのありがたいお小言を聞きながら、
「ん、ここまででいいや。ありがとう」
「そう? それじゃ、風邪ひかないようにね。今日はどうもありがとう」
その日の別れを済ませた。
――――次の日、アリスは、日頃自分には縁の無い人里を訪れていた。
二、三件めぼしい店を回ると、寄り道も無く里を後にし、家路を急ぐ。
買い物の成果と、色づいた期待に、思わず口元が綻ぶ。いいきっかけだ、と思った。
さて、少し気の長い作業になる。早く戻ろう。
抱えた紙袋の中で、十を超える毛糸の玉が、ころころと転がっていた。
――――はてさて、それから二週間――――
「ふいーっ、買った買った」
麗しの我が家に帰るなり、息をついて買ってきた荷物をドサッ、と床に落とす。
この二週間で、厚手の衣服や毛布、カーテン等をしっかりと揃えた。まあ凍死しない程度の量は揃っただろう。
それにしても、少し急ぎ足で準備してよかった。
冬の入り口でこんなに寒いのだから、あと一月もすれば、相当厳しい気候になるのだろう。
今度、できる範囲で家の立て付けも直しておこう。
一息ついて、買って来た服を整理しようと広げていると、入り口から上品なノックの音が聞こえた。
「はーい、はいはい」
まあ、出るまでも無く、来客の想像はつくのだけど。
ちなみに、ウチへの来客の割合は、アリス8、その他2、といった割合だ。
一度、魔理沙に無理矢理連れ出されてキノコ狩りを手伝った事があったが、
あの時、毒見として食わされたキノコの味と、その日のそれ以降の自分の行動が、どうやっても思い出せない。
二度と行くもんか畜生! キノコ怖い。
さて、今はそんなカビ臭く暗い過去よりお客さんだ。
急いでドアを開くと、思ったとおりの顔がそこにあった。
「こんにちは。お久しぶり」
「ああ、アリス。いらっしゃい、入るだろ?」
ドアを大きく引いて、アリスを通すスペースを作った。
「う、うん……」
おずおずとアリスが入り口をくぐってくる。
見ると、いつものグリモワールと別に、何やら結構な大きさの紙袋を大事そうに抱えていた。
……おかしい。今日の彼女からは、何故か地に足がついていない感じを受ける。
「……どうした? トイレならあっちだぞ」
「違うわよっ!!」
ばがんっっっ!
思いっ切りグリモワの角で殴られた。ブレイジングスターもかくや、という程の星々が、目の前をキラキラと煌めく。
「ぐっ、ぐぉおおおぉぉぉ……!」
「はぁ……まったく、緊張して来たのが馬鹿みたい」
転がり回って悶絶する俺を見下ろしながら、よく分からないため息を吐いて、アリスは一人ですたすたと俺の部屋に入ってしまった。
「な、何なんだよ、一体……」
痛む頭をさすりながら、後を追って部屋のドアをくぐった。
「お邪魔します、と」
「ああ、適当に空いてる所に座ってくれ」
「うん。それにしても、また随分と買い込んだものねえ」
部屋の中央のスペースに腰を落として、周りの状態を見るなり、アリスが呆れた声を上げた。
「ああ、この前言われたとおり、冬の準備がまるで出来てなかったからさ。あれからあちこち回って、色々と揃えたんだ」
さあ俺を称えろ、と言わんばかりにふんぞり返るが、何故かアリスは浮かない顔をしていた。
「ん、どうした? そこに飾ってある、1500年前のバイキング衣装(ttp://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover /2goukan/north-s/viking6.JPG)が欲しいのか?」
香霖堂で見つけた逸品だ。
自分で買っておいて何だが、何故あの時の俺は、こんな物を欲しがったのだろうか……
「死んでもいらないわよ! お願いだから、それを着た状態で私の前に現れないでちょうだいね」
つれない台詞ではあるが、ここで話をこねくり回して「じゃあ今着て」なんて言われても、それはそれで困るので黙っておく事にする。
「そうじゃなくて、その……その、ね」
何だか歯切れが悪い。言いにくい事なのだろうか。
「マフラーは……もう用意しちゃった?」
「はい? いや、まだだけど」
かさばる物から先に揃えていこうと考えていたので、マフラーや手袋などの小物はまだ何も手をつけていない。
それを聞いたアリスの顔が、ほっとしたように綻ぶ。よく分からん。何なんだ一体?
「よかった……あ、あのね、これ…………」
恥じらうように顔を伏せて、持っていた紙袋を俺の胸板に押し付けてくる。
くしゃっ、と潰れる紙袋ごしに伝わる、このしっとり柔らかな感触は、まさか……
「えっと……開けるよ?」
一言断りを入れて、紙袋の口を開いて中を覗くと……
「おお、マフラー! おお、マフラー! おお、マフラー!」
いかん、喜びのあまり、三回も言ってしまった。しかも、だ。これは、多分、
「うん……私が、編んだの」
「っ…………」
踊り出したいくらいの喜びを、必死に抑えた。女の子から手作りのプレゼントだなんて、生まれて初めての経験だ。
「……ありがとう、嬉しいよ」
ぎゅっと袋を抱いて、胸に湧く限りの感謝を込めて、礼を言った。
「ええ、どういたしまして。……ねえ、今着けてみてくれる?」
アリスが、照れくさそうな笑顔を浮かべて、催促してくる。
「ああ」
心躍らせながら、いつかの雑談で覚えてくれていたのであろう、俺好みの深い灰色のマフラーを袋から取り出してみて……あれれ?
「なあ、アリス」
「何?」
「長すぎやしないか?これ」
両手で広げてみても、遥かにだぶついている。
「いいのよ、それで。とりあえず、着けてみて」
ううむ、これが幻想郷の標準的なファッションなのだろうか。
ひとまず疑問をさて置いて、たっぷりと首周りを二周させてみる。
……うん、あったかい。
編み手がしっかり手を尽くしてくれたのがわかる、優しく沁みる暖かさだった。
……いや、ね、それはありがたいんだけどさ。
「やっぱり、長すぎる……」
かなり緩めに巻いてみたつもりだったが、それでも俺の身の丈以上の長さが余っていた。
「だから、それでいいのよ。……これはね、こうやって使うの」
そう言うとアリスは、だぶついた方を手に取り、自分の首元に巻……
おいおい、ちょっと待った。
「アリス」
俺の声に、アリスの動きが止まる。
「何?」
「あのさ、自分が何しようとしてるか、分かってる?」
アリスは一瞬視線を下に落としたが、すぐに顔を上げ、頬に赤みの差した真剣そのものの表情で、こう言った。
「うん、分かってる。……全部、分かってる。
だから…………嫌なら、言って」
「えっ」
アリスの言葉の意味を理解した瞬間、脳を走る甘い痺れとともに、頭の中ですべての歯車が噛み合った。
――初めて会って以来、過剰とも言えるくらい世話を焼いてくれたのも。
――他の子たちと接する時と、俺と接する時で、様子がまるで違っていたのも。
あぁ、そういう事だったのか……
「……ははっ……」
自分の鈍さに、思わず苦笑が漏れた。
半年も顔を合わせていながら、アリスの気持ちにも、自分の気持ちにも、まるで気がついていなかった。
「馬鹿だな、アリスは……嫌なわけ、無いだろ」
できるだけ優しく言葉を紡いで、アリスの小さな頭をそっと撫でてやる。
「あ……」
彼女は呆けた様子で、俺の顔と、頭を撫でる手に交互に視線を動かした。
「教えて欲しいな。このマフラー、どうやって使うのか」
「…………うん…………これはね……」
頬を熱く染め、蕩けたような表情で、アリスは俺がしたのと同じように、マフラーを自分の首に二回巻いた。
アリスが紡いだ毛糸の架け橋が、二人の体を暖かく繋ぎ合わせる。
何とも言いがたい、不思議なぬくもりが体からあふれてきた。
「こうやって使うの」
まなじりに涙を浮かべて、幸せそうに笑いながら、アリスが俺の胸元に飛び込んできた。
「おっと」
大切な人の体をしっかり受け止め、両手を回して少しきついくらいに抱きしめた。
体から頭のてっぺんまで、マフラーよりも確かで強いぬくもりで満たされる。
……絶対に、放すもんか。
たった今自覚したばかりの自分の中の熱さを、思いの限り両腕にこめた。
外の世界にいた頃、街中で今の俺たちと同じようなマフラーをしているカップルを見て、ドン引きした事があった。
叶う事なら、今すぐ彼らの所に赴いて、土下座してでも謝りたい。
だって、今、俺は…………こんなにも幸せだ。
どれくらいの間、そうして抱き合っていただろうか。
アリスが、俺の胸元から顔を上げて、呟いた。
「あのね、私、初めて会ったあの日から……ずっと貴方が好きだった。
一度も会った事の無い……それも人間相手にそんな風になるなんて、自分でも信じられなかったんだけど」
「そうだったのか……俺は、どうだろう……さっき、気づいた」
「何それ。ひどい話ね」
別に機嫌を損ねるでもなく、アリスがくすりと笑った。
釣られて俺の顔からも笑みがこぼれる。
もう、冬の心配なんて、必要なかった。
春の陽だまりのようなあたたかな幸せが、すぐ傍にあるのだから……
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純愛の恋人形(1スレ目 >>777)
彼女は言った。
『妖怪と人間が相容れる事はありえない』と。
ある人間は言った。
『やってみなけりゃ、分からない』
『純愛の恋人形』
俺と言う人間が、この広い幻想郷に来てから既に二月が経過していた。
はじめは住む場所や、文化の違いで色々と戸惑っていたものだが、
人間というものは慣れるもので、今ではすっかりと、ここの生活が板についてきてしまった。
無論、俺と言う人間がたった一人で生活できるとは思わないで欲しい。
この幻想郷で初めて会った二人の人間と妖怪が、俺に色々してくれたお陰で
俺は生活するのにもあまり困らなくなっていた。
「よっ、元気にしてるか?」
「ほら来てやったわよ」
噂をすれば影が差す。
俺の住む、適当な木で作ったプレハブの家に二人の人間と妖怪が入ってきた。
どちらも金髪だが、一人は少年のように明るく人懐っこい少女。
もう一人は七色の服を着た、気の強そうな少女だった。
どちらが妖怪か、と聞かれてパッと分かる人も多くない。
それもそうだろう。
どちらも妖怪のような性格をしているのだから。
「おい、何か失礼な事を考えなかったか?」
「や、何でも無いよ」
人間である霧雨魔理沙は、こういうときの勘は鋭い。
そう言う状況の鋭さをもっと別の所に活かすべきだと思う。
そんな俺達の様子を、もう一人の少女――アリス=マーガトロイドは
じっと見ていた。
初めて彼女達に会ったのは、弾幕ごっこの最中だった。
右も左も分からない俺は適当に森の中を進むと、
ちょうど、彼女達の放った弾の直線上に居て、物の見事に直撃を食らったのである。
とりあえず、適度に理由や状況を話して、プレハブ程度の俺の家を作り上げた。
ちなみに建築には主にアリスに手伝ってもらった。厳密にはアリスの人形に、だが。
「て言うか、何の用だ?」
「何の用とはご挨拶だな。せっかく私が掃除をしに来てやったのに」
多分、魔理沙の場合は掃除じゃなくて、めぼしい物を漁りに来た。
という方が正しい気がする。
「アリスも?」
「わ、私は…別に、魔理沙の付き添いよ」
「そんな事言って、私がこいつに会いに行くって言ったら、すごい剣幕で『私も行く!』
とか言ったくせに」
「ホントか?」
「そ、そんな訳無いでしょ!」
にやにやして笑う魔理沙に対してアリス顔を真っ赤にして言った。
本当に怒っているのか、図星をつかれているからかどちらかは俺にも分からなかった。
「いや、まぁいいけどさ。とりあえず上がってくれ」
「邪魔するぜー」
「お邪魔するわ」
二人を家に上げて、茶の準備をする。彼女達はお茶にうるさい。
最低限に美味しい物を淹れなければ、口をつけることすらしないだろう。
お茶の淹れ方を教わったのもアリスからだ。
一番初めに、適当に淹れた紅茶を差し出すと
『この紅茶、あまり美味しくないわ』
と、素晴らしく辛辣な感想を貰い、美味しいお茶の淹れ方の基礎の基礎から
叩き込まれた。
スパルタ過ぎて、かなり辛かったのも事実だが。
「はい、どうぞ。お嬢様方」
温度も教わったとおり…のはずだ。
香りも俺の出来る最大限まで、お茶の香りを残すようにした。
「お、いただくぜ」
「…少しはマシになったみたいね」
まず、口をつけた師の感想は、相変わらず辛辣だった。
それでも誉めてくれているという事は分かる。
「ところで、お前ってさ。明後日に用事あるか?」
魔理沙は急に俺の予定を訊ねてきた。
もともと用事なんて無いに等しい。
むしろ、この幻想郷に着いてからは、暇だったり忙しかったりと
どっちになるか、いまいちよく分からない。
最近では暇な事が多いくらいだけど。
「…別に何も無いなぁ」
「よし。それならさ、私とちょっと図書館まで行かないか?」
図書館。
紅魔館という屋敷にあるらしい、図書館。
「紅魔館まで、俺にどうやって行けって言うんだ?」
「ま、何とかなるだろ」
こういうアバウトな所は魔理沙らしいというか何と言うか…。
「ま、最終手段としては、キノコ狩りに変えればいいか」
アレは食糧難になった時に、すごくいい。
まず、ご飯に困る事が無いし。キノコご飯、焼きキノコ、お吸い物。
キノコのフルコースが完成する。
…一度キノコ狩りをした時は、某配管工兄弟も、ビックリのキノコの量だった。
「それじゃ、な。アリス、行こうぜ」
「はいはい、ご馳走様。これからは、もうちょっと温度に気をつけることね。
お茶の基本は自分で探求する事。忘れないように」
「あいよ」
手をひらひらさせて、彼女に挨拶を返した。
的確すぎるアドバイスだ。これからも精進しよう。
「なぁ、アリス」
箒で前方を飛ぶ魔理沙に、急に振り向かれ、私は
空中で静止した。
彼女の様子はどことなく、いつもと違っている。
上手く言えないけど、何かを隠しているとか、そう言う感じを受ける。
「何よ?」
「お前ってさ。『あいつ』の事、どう思ってる?」
あいつ――彼女が言う『あいつ』といえば二月ほど前にここに辿り着いた
外来からの人間の事だろう。
最近では着々と活気付いている。
まるで急にお祭りの準備を始めるかのように、だ。
いや、それよりも
「どう思ってるって…?」
「決まってる。あいつのことが好きなのか、嫌いなのか、だ」
いきなり心の中に爆弾を放り込まれた気分だった。
彼の事を考えて、心が早鐘を打ち、頭がボーっとしてくる。
心なしか顔も熱い。
「…はぁ、その顔でもう分かったぜ」
同じように、彼女の顔も赤い。
これは、どうやら魔理沙もそういう事らしい。
「私は、明後日の帰る前に、『あいつ』に告白する。いいな、確かに伝えたぜ」
魔理沙は赤い顔をしながら、少年ような笑みを浮かべて
箒を急加速させた。
「ちょっと!待ちなさいよ!」
「待たないぜ!」
急加速する箒の後ろに辛うじて付いてくことが出来るが、
魔理沙の箒のスピードは本当に早い。
「―――ぁっ!」
後ろから、何とか大声を上げる事で、魔理沙は止まる。
「…ったく、何だ。言えるじゃないか。自分の気持ちを」
「…あ」
自分が何と言ったから反芻する事、数秒。私は自分が言った事に赤面した。
「明後日、勝負だぜ」
そう言って彼女は笑いながら、デコピンをした。
ホンのちょっとだけ痛かった。
あれから二日経った。
別段、彼女と会うことには意識なんてものはない。
これが、もうちょっと色気があるイベントならまだしもキノコ狩りなんてイベント
もう、何度も行っているイベントである。
色気よりも食い気、まさに花より団子だ。
「よっ、待ったか?」
箒に乗った魔理沙が到着した。
いつもよりも早い時間だ。
「ううん、今来たところ☆」
「……」
「……」
「……」
「…すまん、自分で言って気持ち悪かった」
と言うか、こういう時に限って、ネタにしかならない自分が怨めしかった。
それはともかく紅魔館の図書館は諦めてキノコ狩りとなった。
この幻想郷に生えているキノコは俺達の場所と同じ様なキノコもあれば、
これは別次元だろ、と言いたくなるようなキノコもある。
具体的に言えば、二次元キノコ、平べったい。
噛んでる感触もないし、あんまり美味くなかった。
どこかの蛇ほど雑食ではないし、さすがに、毒キノコを食って平気でいられるとは思えない。
「お、こいつはスーパーキノコだな」
彼女の足元には大きさが俺の腕以上もある、でかいキノコがあった。
「スーパーキノコ?」
「あぁ、この辺じゃブロックにしか生えない珍しいキノコだぜ」
ブロックにしか生えないキノコはもうキノコとは言わない。
それはむしろアイテムだ。
「…で、それはウマいのか?」
「栄養は満点だし、煮ても焼いても美味しく食える。最高のキノコだぜ?」
それは今日の夕食にちょうどいいかもしれない。
俺は迷わず引き抜いた。
…つぶらな目があるような気がしたが気のせいにした。
すっかりと暮れてきた。
既に夕暮れとなって、景色が紅く染まっていく。
日が早くに沈み、秋どころか冬すら思い浮かばせる。
息は白くなっている。これだけで十分、気温が低く、冬が近いことを嫌でも
思い知らされる。
「さて、帰ろうか魔理沙」
それまで夢中にキノコを狩っていた魔理沙の体が硬直した。
「あ、あぁ」
妙に彼女の顔が赤かった。
はじめは寒いせいか夕焼けのせいか、程度にしか考えてなかったけど、それもどうやら
違うようだ。
もっと別の…そう、どうやら何かを言いよどんでいるようだった。
「…なぁ、ちょっといいか?」
「用事?何かあるの?」
「そんなに時間はとらせないぜ。ただ、イエス、ノーで答えてくれれば良いんだ」
彼女にしては珍しく、回りくどい言い方だった。
どうやら本当に言うべきか迷っているようだ。
「私は…お前の事が好きなんだ。出来れば…返事をもらえないか?」
唐突だった。頭が真っ白になった。
俺は魔理沙を今まで友人程度にしか考えてなかった。
でも彼女は、俺の事を好きだと言った。
夢か…幻か…それともここにいる魔理沙がニセモノか?
そんな下らない考えまで浮かんできてしまう。
だが目の前の現実は変わりそうもない。
目の前の魔理沙は俺を好きだと言い、俺はその告白をどうするのか?
――ふと、アリスの顔が浮かんできた。
何故かは分からない。
しかし、どうしてこんな状況になってアリスの顔が浮かぶんだろう?
「悪い…」
「そっか」
魔理沙もある程度予想しているらしく、別段がっかりしている様子もなく、
はぁ、と軽く溜め息を吐いた。
「…アリスの顔が浮かんできたんだ。目の前にお前がいるんだけどな…」
はっきりと、事実を伝える。彼女にはきっと分かっているのだろう。
俺が、多分アリスが好きだと言うことを。
「じゃあ、振られた女から最後の忠告でもさせてもらうぜ」
その妙に明るく振舞いながらおどけた表情から
一転、真剣な表情に変わり、やはり真剣な表情で言った。
「妖怪と人間が相容れる事はありえない」
そんな事はわかっている。
だが――
「やってみなけりゃ、分からない」
いつも魔理沙が、俺に対して言っていた事だ。
失敗を恐れて、何もしないよりも、例え1パーセントでも可能性があるのならば
そっちに賭けた方が、まだ勇気がある。
「…だろ?」
「あぁ、行って来い」
バシン、と活気の良い音が俺の背中から響き、
魔理沙は箒で飛び立った。
「ははっ、予想はしてたんだけどな…ちょっとは堪えたぜ」
彼女が何事か呟いたのは、聞こえる事はなかった。
真夜中になり、月光だけが照らしている。
白い息が濃く見える。
俺は走っていた。自分の家だ。
ちょっとくらい俺にも気配と言うか、"気"を感じる力は身に着いているらしく
彼女の魔力を感じ取っていた。
それが指し示す方向は…俺の家だ。
「アリス…?」
ドアを開けて、彼女の姿を探す。
明かりなんてあるわけが無い。暗がりで目が慣れるのを待つ。
薄暗い中で、ほとんど手探りで、彼女の姿を探した。
この家の中に居るのは分かる。俺の感じた気もこの中なのだから。
「…居るのか?」
暗がりの中でようやく目が慣れ始めた頃、数少なく作った家具の、机の上に
一つの人形があるのに気付いた。
どうやら、これは俺を模しているらしく、俺の特徴が良く表れていた。
『部屋で待ってる』
俺の人形が、手紙を持っていた。
辛うじてそれだけ読み取ると、部屋の前に着いた。
不思議と心臓が高鳴っていた。
彼女の人形に手伝ってもらった、たった一つの部屋。
言うなれば、彼女が作った贈り物だ。
「よ」
「…うん」
部屋の中に入ると、俺のベッド…とも言えない寝床の上、質素な寝具の
毛布に包まって、彼女は居た。
「…魔理沙は?」
「いない、帰ったよ。…アリスは、帰らなくていいのか?」
「…魔理沙に、何か言われた?」
どうやら、事の始終は知っているらしい。
事前に言ったか何かだろうか?
「好きだって、言われた」
「…そう」
暗がりの中、彼女の声もどことなく低い。
彼女に好きだって言われたのも事実だ。
でも――
「断ったけどね」
「…え?」
これには彼女の方が驚いたようだ。
目を丸くして、俺の方を信じられない物を見るかのように見ている。
「俺が好きなのは、お前だからな」
言ってやった。
彼女は相変わらず暗い口調で言う。
「妖怪と人間は相容れる事はありえない」
「やってみなけりゃ、分からない」
この問答も、合言葉みたいなものだ。
彼女への想いは、いつの間にか大きくなっていたようだ。
「私は…あなたが好きじゃないかもしれないのよ?」
「だったらさ、どうしてあんなに丁寧な人形を作るんだ?」
先ほどの俺を模した人形を思い出す。
あれだけ作るのには、手間をかけなければならない事は、素人の俺でもわかる。
間違いない。アレは時間がかかって作られた物だ。
「…ほんの気まぐれじゃないの?」
「…気まぐれなら、お前はどうして泣いているんだ?」
この闇の中でも、彼女の目から涙が流れているのがわかる。
どうして彼女が泣くんだろう?
「…わた…私…あなたが……好きだった、の…」
「…あぁ」
「でも、でも…あなたを…ま、魔理沙に…と、取られると思った…の…」
涙声になる彼女の声は、あまりにも儚かった。
俺はもう覚悟を決めている。
妖怪と一緒になるという覚悟だ。
俺は彼女が泣き止むまで、しばらく彼女の近くに居た。
どのくらいの時間が流れたであろう。
彼女はようやく泣き止んだ。
「ねぇ」
「ん、何だ?」
「…こっち、来て」
毛布に包まりながら、顔を紅くして、彼女は俺をベッドに座らせた。
ふわっと花のような香りが広がった。
いつの間にか俺は毛布に包まれていた。
彼女の肌の温度を感じる。そのことに疑問を抱いた。
「…おい、服はどうしたアリス?」
「……」
何も答えないアリス。顔はトマトのように紅くはっきり見える。
「……」
「…寝るか」
ちょうどいい具合に眠気が訪れた。
このままだとちょうど添い寝の形になる。
「……うん、あ、こっち見ないでよ」
最後に釘を刺すとアリスは目を閉じた。
ちょっと残念だったが、彼女の肌を感じながら、俺は眠った。
翌日、霧雨魔理沙はいつもの通りに彼の家を訪れていた。
とりあえず、彼の部屋に起こしに行くと、普通は居る筈の無い人物が
彼のベッドで寝ていた。
居る筈の無い人物は、下着姿で毛布を取っていたから
風邪を引くこともなかったものの、彼は面積の少ない毛布で辛うじて眠って
いた。
どうやら、昨晩は何も無かったようだ。
「…起こすのも悪いか」
ベッドで寝ている二人は、幸せそうな寝顔で、夢の世界に居るようだった。
後書き――
==チラシの裏==
ごめん、なんか展開が同じっぽい
==ここまでチラシの裏==
はい、と言う訳でリクエストを承りました>>603氏。
この530(仮名)若い頃からリクエストの都合上、時間がかかった事があっても
SSそのものを放棄したことはない!このままガンガン書くッ!
最後に言いましょう。
書くって心の中で思ったならッ!その時、スデに行動は終わっているんだッ!
兄貴に言われました。
この台詞を胸に、伝えきれない心の中の愛を、みんなに伝えようと思っています。
ありがとう。
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最終更新:2010年05月17日 00:42