エロパロ > 名無し > 音無と岩沢

『ロックバンドがステージ降りたあとっていえば酒池肉林って昔から相場が決まっておりますのよ』

音無にとって、岩沢という子が印象に残っていた理由はなぜかというと、『死んだ世界戦線』のアジトである校長室で目覚めたときに、
いや、より正確に言うと、トラップの直撃を食らって校舎からダイヴ、放物線を描いて地面に激突して即死して、また蘇生したときに、
たまたま視界に飛び込んできたのが彼女で、初めて見たその姿が脳にインプリンティングされてしまった… という訳ではもちろんなくて、
そのミュージシャンらしく華のあるルックスとは裏腹に、彼女の物腰があまりにシャイで無口だったからだった。
物静かということなら、部屋の隅っこで妙なセリフを連発していた椎名という人も負けず劣らずというか、不審なほど静かだったが、
この岩沢という少女、燃えるような赤い髪と、服の上からも目立つスタイルでありながら、妙に存在感が薄いというか、はかなげな感じがした。
そして、あの切れ長の目に宿る暗い影。
まるで人生の何もかも見てきたかようなその目付きが、音無の記憶にこびり付いた。

それはともかく。
入隊の初日、わけも分からず拳銃持たされていきなり実戦参加、天使とばったり鉢合わせしたのに頼みの銃はなぜかまったく効かず、
あとはひたすら逃げ回るだけ… と、さんざんな目に遭った音無だったが、作戦の無事終了後ようやく、皆と遅い夕食にありついた。
食べ終わったあと、食器を乗せたトレイを持って、返却コーナーの列に加わろうとすると、前にいるSSSの制服を着た女子生徒の姿が目に入った。
すらりと伸びた腿、長いすね。股のところに三角形のすき間ができるのが、スカートごしにうっすらと見える。
(あれ… この脚、さっき…)
音無は、目の前の脚をぼんやりと見つめた。
「あんた、初陣はどうだった?」
そう言われ、脚の持ち主の顔を見上げると、前髪のあいだから陰のある赤い瞳が、こちらを見つめていた。
「…岩沢」
「覚えてたんだ… あんた、音無だったね」
「うん。…やれやれ、今日はまったく酷い目に遭ったぜ」
「ふふっ、これからもよろしく」
先ほどの校長室でのメンバー紹介のときみたいに、静かな微笑みを口に浮かべた。
音無は、相手のトレイに目をやった。ロックンローラーはどうやら、焼きそばが好物なようだ。
バンドメンバーらしい連れの少女が岩沢に話しかける。
「だれ、新しいメンバー?」
「うん、今日入った音無。…こいつ、うちでリードギター弾いてるひさ子」

「ねえ、あんたマージャンやる?」出し抜けに、ひさ子が聞いてきた。
「いや、やったことない」
「そりゃあ残念。…そーだ、これから内輪でライブの打ち上げやるんだけど、良かったら一緒に来ない?」
「俺が? …いいのか?」
「うん、あんたの歓迎コンパも兼ねて」
「…それと」と岩沢が続ける。
「あたしらのボディガードも兼ねて」
「ボディガード?」
「うん、ライブのあとで、興奮したファンに取り巻かれちゃったりすることがあるから、誰か男の子が一緒にいてくれたらな~と」とひさ子。
「ああ、なるほど」
岩沢もきれいな子だったが、ひさ子も負けず劣らず美しかった。背の高いモデル体型をしていて、きれいな脚をしている。
彼女のおだやかな笑みは、まるでご近所のおねえさんのような親しみがあって、音無の心をなごませた。
ライヴを終えたばかりの彼女たちからは、かすかな汗の匂いがした。それを嗅いでいるうちに音無はなんだか頭がぼんやりしてきて、
彼女たちともっとお近づきになりたいもんだなと思った。
前のほうにいるゆりを呼ぶ。
「なあ、ゆり、そういうことだから俺、行ってくるけど」
ゆりは振り向いて、音無をちらっと見たが、何も答えず、ぷいっと前を向いた。
(…なんだ?)音無は、ゆりの態度を不審に思ったが、
「いくよ」と、ひさ子に言った。
「よっしゃ」


音無たちは残りのメンバーと合流して、女子寮のほうに向かった。
ドラム担当の入江、ベース担当の関根、それから会場進行係りの遊佐… みんなきれいな子ばかりだ。
彼女たちは、あちらの世界のアーティストの近況を聞きたがった。でも、バンドアパートだのスガシカオだのと聞かれても、音無には何のことか分からない。
「あんた、ミスチルも知らないの? ミスターチルドレンだよ?」ドラム担当の子が呆れたように言う。
「知らないなあ」
「ねえ音無、あんた好きな子は? 彼女とかいた?」ベース担当の子が音無のわきを小突く。
「それがさー、なんにも覚えてないんだよ」
「とぼけんなー」
「そーだよ、言っちゃえ言っちゃえ」
女の子たちに囲まれて、音無はすっかり幸せな気分になっていた。感動したといってもいいくらいだ。
初陣のストレスと緊張がだんだんと解けていって、殺伐とした今日一日の疲れがどこかへ吹っ飛んでいくような感じだった。
わいわい騒いでいると、あっという間に女子寮に着いた。
そのままずんずん入っていく一行に、音無はあわてた。
「ここって男子禁制だろ? 俺、入っちゃっていいのかな」
「最近じゃ、ファンの子たちは寮だろうとなんだろうと、構わず侵入してきます」と遊佐。
「でも、入ったらヤバいんじゃね?」
「見付からなければ問題ありません」と即答する遊佐。さすがSSSメンバー、顔に似合わず腹が据わっている。
「そうそう、もし見付かっても叩き出されるだけだし」ひさ子が笑う。
「教師が怖くてッ」
「ロックができるかーッ」そう叫ぶ関根と入江に引き摺られるようにして、音無も寮の中に入った。


全員で、岩沢の部屋の前まで来た。
「入って」
音無が通されたそこは、二人用の相部屋だった。
「ばいば~い」
「がんばってね~音無」
「ほどほどに」
そう言って、関根、入江、遊佐の三人は、自分たちの部屋に帰っていった。
岩沢は机の前の椅子に座って、きれいに足を組んだ。ひさ子ももうひとつの机の椅子に腰かけて、行儀良く両ひざを揃えるようにして座った。
どうやら、ひさ子が岩沢のルームメイトということらしい。
「あとの三人は?」音無は聞いてみた。
「おやおや、あたしたち二人だけじゃ足りないってか?」ひさ子がひやかすように言った。
「それとも、あっちのほうが好みだったかな?」と岩沢。
「いや、そういうわけじゃないって」
(…なに弁解してんだよ俺)と思いながら、音無は空いていた椅子に腰かけた。
「そこじゃない、あっち」岩沢が言った。
「は?」
「そこ空いてるよ」ひさ子が二段ベッドを指差す。
「いや、それはちょっと…」
本人の見ている前で、女の子のベッドに腰掛けるなんて、そんな度胸、音無にはこれっぽっちもない。

「ここでいいよ」と、懸命に首を横に振った。が、しかし、
「いーからそこに横になりなよ」
「そうだ、疲れてるんだろ、遠慮してないで横になれよ」と、部屋の住人たちも譲らない。
ずっと走り回って疲れていたので、言われたとおり横になってもよかったのだが、一度横になったら、そのまま爆睡してしまいそうで、
結局、音無は窓を背にして床に座り込んだ。
「なんだよ、そこがいいのか?」岩沢が笑った。
「…」
「そんなに固くならないで、別に取って食ったりしないから」ひさ子も笑った。
ぐったりと後ろにもたれかかり、深いため息をつく。
結果的に、やけに低い位置から彼女たちを見上げるようなかたちになってしまったなと、音無はちょっと後悔した。
(別に、スカートを下から覗きたかったわけじゃない、たまたまそうなっただけだ)と、心の中で弁解した。

とりあえず、ジュースで乾杯。
「ようこそ、『死んだ世界戦線』へ」と、ひさ子が言い、缶ジュースをグッとあおる。
「お疲れー」
岩沢はそう言うと、手に持ったミネラルウォーターのボトルを机の上に置き、組んでいた足をほどいて、反対に組み替えた。
あわててそっぽを向く音無。
と、ひさ子が、太腿に付けているフットバンドに手をかけた。そのまま、タイツでも脱ぐように、するするっと下にずらしていく。
すらりと伸びた脚線美のうえを、GDMのロゴの入ったバンドが、すべるように下りていった。
セクシーなその光景に、音無は思わず目を逸らしたが、デルタ地帯を覆う白い布が視界の隅にちらりと映るのまでは防げなかった。
どぎまぎして、音無は二人に聞こえないように念じながら、ゴクリと小さく喉を鳴らす。
その反応を楽しんでいるかのような二人。

ひさ子が岩沢に聞いた。
「あれ、『死んでたまるか戦線』だったかな? …岩沢、今はなんてったっけ?」
「なにが」
「あたしたちの『戦線』の正式名」
「さあ、なんでもいいんじゃない?」けだるそうにそう言って、岩沢はミネラルウォーターをあおった。
「『死んだら驚いた!戦線』、とか?」外したバンドを指でもてあそびながら、その匂いをくんくんと嗅ぐ。
「言えてる」そう言うと、岩沢もリストバンドを外した。
ひょっとしたらリスカの跡を隠しているのかもと思っていたが、そうじゃないらしい。というかそもそも、この世界では身体に傷は残らない。
「『進学就職戦線』、とか?」と言いながら、ひさ子が手にしたフットバンドを前の床にぽいっと放る。
意思に反して、ついつい、それに目をやってしまう音無。
「オバケの学校に、そんなもんはねえ」笑いながら、岩沢もリストバンドを床に放り投げる。
それがどんな匂いがするのか、手に取って嗅いでみたいという衝動に駆られる音無だったが、実行に移す勇気はなかった。
「じゃあ、『スイーツ食べたいな戦線』、てのは?」長い脚をこれみよがしに組んでみせるひさ子。
「あー、それいいな」どうでもよさそうな口振りの岩沢。
「そーれーとーもー、『セックスしたい戦線』?」ちらっと音無のほうを見るひさ子。
「何言ってんだよ、お前ら」しらばっくれようとする音無だったが、思わず顔がにやけてしまう。
自分が何を考えてるかなんて、この二人にはとっくにバレているような気がした。

「…ねえ、あれしない、音無」下を向いた岩沢が、さりげない口調で言う。
「え?」とぼけて聞き返す。
「だから、あたしたちとセックスしない?」何でもないことのように、岩沢が繰り返した。

「あんた大胆だな」
「なんだよ、そっちこそえらく大胆じゃないか、こんな夜中に女の子の部屋に押しかけるなんてさ」とがめるように、岩沢が目を細める。
「それもそうだな」
ひさ子が含み笑いを浮かべる。
「あんただって、そのつもりだったんだろ?」
「そのつもりって?」
「とぼけるのが上手いねえ。あたしらとヤりたいって思ってたんじゃないの?」
「まあね」と音無。
「やっぱりその気だったか」岩沢が肩をすくめてにっこりする。
「正直でよろしい」ひさ子もにっこり。
二人は立ち上がり、音無の前に並んで立った。
「どっちから?」二対の脚線美を眺めながら、音無は上ずった声で聞いた。
「じゃあ、まずあたしから」そう言うと、ひさ子がセーラー服の上着を脱ぎだした。
「待ってひさ子、あたしも一緒に」岩沢も負けじと脱ぎだす。
「いいよ、三人でたっぷり楽しもうぜ」ひさ子が脱いだスカートを放り投げた。
あっという間に、ブラとショーツだけになる二人。
「ちょ、いっぺんに二人とも?」
岩沢はしゃがみ込むと、手早い手つきで音無のシャツのボタンを外していく。
「初めて会ったとき、破れた服の下のあんたのカラダ見て、『いいな』って、思ってたんだ」

二人のつるりとしたお腹を見ながら、音無は、今日自分が銃で撃った女の子のことを思い出していた。

二人の女の子は手際よく、音無の服を脱がしていった。まず上着、次いでワイシャツが脱がされ、靴とソックスが剥ぎ取られた。
「はい立って立ってー」
両腕を取られ、促されるままに立ち上がると、
「そーれッ」
すぐさまズボンとパンツが一緒くたになって引き抜かれた。
裸にひん剥かれたところで、二人がいっせいに触ってきて、上半身の筋肉や尻のかたち、足の長さなど、全身くまなくチェックされる。
(まるで捕らわれた宇宙人じゃねーか)と、音無は思った。
「岩沢の言う通り、確かにいいカラダしてる」音無をべたべた触りながら、ひさ子が満足げに言った。
「だろ?」
岩沢が音無の頭をくんくんと嗅ぐ。
「あんたの頭、なんかマッチを擦ったみたいな、火薬が燃えたような臭いがするんだけど」
「硝煙の匂いと言ってくれないか」そう答えながら、自分でも鼻をひくつかせる。
確かに臭かった。さっき皆が天使に向けて撃ちまくっているときに、その中にいたせいだ。
「じゃあ、一緒にシャワー浴びようか」
そう言うと、彼女たちもブラとショーツを脱いで裸になり、左右から猫のように音無の身体にまとわりついてきた。
裸の女の子に密着されて、そこは悲しい男の性、そのふくよかな感触に堪らず、思いきっり勃起してしまう。
「あ、立ってる立ってる!」ひさ子がニヤニヤしながら言った。
「結構大きいじゃん」岩沢も嬉しそうだ。
二人は膨張したムスコをもてあそぶように、やわらかい手でぺちぺちと触った。
音無も恐る恐る、二人の腰に手を回してみる。二人とも、とくに嫌がるようすもない。
これぞチャンスとばかりに、その魅惑的なカーヴを描く身体のあちこちを手で探ってみる。

あたりまえのことではあるが、同い年の女の子でも、さわり心地がそれぞれ微妙に違った。
すらっとしてスレンダーな岩沢はしなやか。そして、背の高いひさ子はめりはりのあるグラマー。
どちらの子もウェストがきゅっとくびれてお尻が小さく、引き締まったスタイルをしている。
これからこの肉体の芯を貫くのだと思うと、快楽の予感に音無はぶるっと武者奮いをした。
音無にさわられて、二人は身体をくねらせ、くすくすと笑った。
「あはは、積極的だねえ~」とひさ子。
「あとでいっぱいさわらせてあげるから、そうあわてんな」背中を押しながら、岩沢が言った。
二人は両側から腕を組んで、彼をユニットバスまで引き立てていった。
部屋に入ってすぐ横にあるユニットバスのドアを開け、一人ずつ中に入った。
「足元、気をつけて」
狭いユニットバスの中はきれいに片付けられていて、女の子の甘酸っぱい匂いでいっぱいだった。
入って正面には、ウォシュレット付きの洋式トイレと洗面台があり、奥には人ひとりが腰を下ろして足をのばせるくらいのバスタブがあった。
洗面台にはボディソープとシャンプー、リンスのボトルが一本ずつ並んでいる。二人共同で同じものを使っているようだ。
化粧品の類は見当たらなかった。
三人でバスタブの中に並んで立つ。
「はい、これ持って」岩沢にシャワーヘッドを渡される。
「どうするんだ?」
「それ持ってバンザイして、頭にかけて」
頭から熱いシャワーを浴びる。
きゃっきゃっという笑い声が耳に響きわたり、二人のオッパイが音無の胸と背中に触れたり離れたりした。

「目ェつぶって」
言われるまま目をつむると、頭にシャンプーがかけられ、四つのやわらかい手が音無の髪を洗い始めた。
「男のくせに、髪の毛サラサラじゃん」岩沢が羨ましそうに言う。
「ほんとだー。音無、気持ちいい?」ひさ子が聞く。
「うん」音無は答えた。
実際、二人のしなやかな指で、わしゃわしゃと頭を洗ってもらうのは、すごくいい気持ちだった。
「はいはい、いい子だね~」ひさ子があやすような口調で言う。
「なあ、ひさ子」音無の肩ごしに、岩沢が呼びかけた。
「ん?」
「たまには、カラオケとかいきたいよね~」
「あー、そ~だな」
「…ここにはカラオケボックスとかはないのか?」目をつむったまま、音無は聞いてみた。
「うん、学園の敷地内が、この世界のすべて」岩沢の濡れた髪が音無の首筋に触れた。
「あたしたちは、そのちっぽけな世界にロックで反逆してるってわけ」ひさ子が言った。
「そうなんだ」
「ライバルもいねーし、JASRACもいねーし、やりたい放題よ」ひさ子がのん気そうに言った。
「はい、一丁あがりー」岩沢が、シャワーの湯で残った泡を洗い流した。
「じゃあ、身体も洗おっか」と言って、ひさ子がボディーソープを自分の身体に塗りたくり始めた。
「え?…え?」
「あ~あ。ひさ子はいつもそんなふうにして甘やかすから、男がつけ上がるんだよ?」そうクギを刺しながらも、岩沢もボディーソープを身体につける。
岩沢とひさ子は、自分たちの身体をこすり付けるようにして、二人がかりで音無の全身を洗ってくれた。
彼女たちの肌はなめらかでつるつるしていて、うっすらと秘毛が生えた股のあたりだけが少しザラザラした。
淫らにうねる女体に挟まれ、音無は、もし天国というものが実在するのなら、これがそうだろうと思った。
激しい快感に、頭がイカれそうだった。

音無も手を伸ばして、起伏に富んだ官能的なラインを思う存分いじくりまわした。
お椀を伏せたようなかたちをした乳房に触れて、ぴんと立ったピンク色の乳首をもてあそぶと、二人は気持ちよさそうに喉を鳴らした。
「ここもキレイにしとかないとね」ひさ子はそう言うと、亀頭の周りにボディーソープを塗りたくり、ソフトタッチで洗い始めた。
「大丈夫? 痛くない?」
「うん、痛くない」
痛くないどころか、今まで感じたことのない快感に、大量の血液を送り込まれたムスコはガチガチのビンビンに勃起してしまう。
あまりの気持ち良さに頭がぼぉーっとして、相手のなすがままになってしまう音無だった。
「どれどれ、私にもやらせて」と言って、岩沢も音無自身の茎の部分を握ってきた。
「…!」あまりの快感に腰が砕けそうになる。
「あとでたっぷり楽しませてあげるから、きれいにしとこうね」ひさ子が亀頭をやさしく手揉みする。
尾てい骨の辺りがムズムズうごめいて、奥のほうから快楽弾がずずっと盛り上がってくる強烈な感覚に、音無はうめいた。
「うああっ……」
ペニスをしごきながら、彼女たちの息もどんどん荒くなっていく。
「熱くなってきた」岩沢が押し殺した声で言い、いっそう激しくしごき始めた。
「イきそう?」ひさ子が聞きながら、亀頭への愛撫を早めてゆく。
さらに強い刺激が欲しくて、音無は本能的に腰を前後に動かした。
理性をなくしたように、女の手のひらを突き続ける。
「我慢しなくていいよ、このまま、あたしの手の中に出して」耳元でひさ子がささやいた。
もうたまらず、射精してしまう。
ひさ子のへそから股にかけて、ドロリとした精液が飛び散り、長い脚をつたってダラリと流れていった。
「出たあ」と、ひさ子が言った。
「ふふん」と、岩沢が鼻で笑う。
あまりの気持ちよさに、腰がビクビク動いて止まらなかった。

「さーて、こいつもきれいになったし!」ひさ子が音無の尻をパンパン叩く。
「あたしらもきれいになったし!」そう言いながら岩沢が、ひさ子の尻をぺしぺしと叩いた。
「こら、叩くんなら自分のケツ叩けよなー」悲鳴をあげるひさ子。
「さあ、やるか!」
「やるぞ!」
二人でやいやい言いながら、音無をベッドに連行する。
音無のほうも、もう我慢できずに岩沢に抱きつき、かかえ上げてベットに押し倒し、ひさ子も抱きかかえてベットに寝かし、その真ん中にダイブした。
「ぎえーッ、なんなのこいつ?」岩沢が笑った。
「野獣だーッ」ひさ子も笑った。
3Pセックスバトルのゴングが鳴った。
全員が並んで寝るには、そのベッドはいささか狭過ぎた。三人はお互いにマウントポジションを取ろうと上になったり下になったりしてもつれ合った。
絡みつく二人をなんとか押さえつけ、上から覆いかぶさって、交互にキスをする。
何度かディープキスを交わしているうちに、二人ともすっかりおとなしくなった。
柔らかくて、ぬくもりをもったクッション。肉布団と呼ぶには、いささかスリムだったが、その上に寝っ転がって、代わる代わるおっぱいを吸う。
重ねた肌ごしに、彼女たちの身体を駆けめぐる規則正しいビートを聞いていると、なぜかとてもリラックスした気分になる。
張りのある乳房をもてあそびながら音無は、記憶のない俺は、世の中の既成概念やモラルから、少し足を踏み出してしまったのかもしれないと思った。

張りのある乳房から、下へ下へと辿っていくと、彼女たちの性器が目に入った。
彼女たちの顔立ちや背格好が違うように、二人の性器の大きさやかたちも微妙に違っていた。
試しに指を入れてみると、つるんと根元まで入ってしまった。中は熱く、ヌルヌルしていた。
「ちょっ、いきなりっ!」岩沢がびっくりしたような声をあげ、音無の頭を押さえつける。
「おうっ、みごとなこうげきだッ!」ひさ子が冗談めかして言った。
夢中でいじくり回していると、チーズのような匂いがしてきて、二人の息がどんどん荒くなっていく。
「あぁ…」岩沢が小さく声をあげた。
ひさ子のほうも、微かなあえぎ声を漏らす。
もはや本能で体が勝手に動いているかのようだった。
極上の美少女二人を並べて、女の花を代わる代わる取っ替え引っ換え、挿れちゃあ抜き、挿れちゃあ抜きを繰り返した。
片方の子にペニスを挿入して、腰をガンガン振りながら、もう片方の子のナニに指を突っ込んでかきまわすといったことを、延々とやった。
ぐりぐりと膣奥を穿るように腰を回してやると、彼女たちは歓喜の声を上げながら、その長い手足を絡ませてきた。
まるで動物だった。汗だくになって、ただ狂ったように腰を動かして、二人の穴を交互に犯した。
パンパンという激しい肉打ちの音と、彼女たちが漏らす歓喜のうめき声が部屋に響きわたる。
ひさ子の身体の奥深くまで突き込みを加えていると、その隣でお預けされている岩沢が、大きく股を開いて催促する。
音無は、ちょっと待ってろとばかりに、片手を伸ばして指で愛撫しながら、いっそう激しく腰を打ち付けた。
ひさ子が、声にならない叫び声を上げたと思うと、大きく身をのけぞらせて痙攣し、やがて果てた。
イキ疲れてぐったりしているひさ子から肉槍を抜いた音無も、もう限界だった。続けて岩沢に挿入し、最後のスパートを開始した。
音無のへばったようすを見て、岩沢が言った。
「中で出しても構わないよ」
突き上げながら、奥を穿るように腰を回してやると、岩沢はステージでも見せたことがないほど、狂ったように激しくヘッドスパンキングしながら、歓喜の声を上げた。
音無も一緒に、絶頂の坂をどんどんと駆け上がっていった。
勢いよくペニスを引き抜くと、二人の腹の上に精を吐き出していた。

ことが終わると、岩沢とひさ子はティッシュペーパーで身体についた精液をぬぐい、立ち上がっておしゃべりしながら、床に脱ぎ散らかされた
服を踏まないように歩いていって、ユニットバスに入った。しばらくして、シャワーの音が聞こえてきた。
音無は甘美な疲労感に包まれながら、ベッドに横たわっていた。
タマの裏側がヒリヒリと痛んだ。
(俺、もうとっくに死んじまってるのに、何でこんなことやってんだろう)と、音無は思った。

女の子たちの笑い声を聞きながら、音無は部屋の中をぐるりと見廻した。
彼女たちの部屋はよく整頓されていた。SSSの制服のほかには衣服も見あたらなかったし、壁ぎわに立てかけられた数本のギターを別にすれば、私物もあまりなかった。
彼女たちには、ここでやるべきことがある。
音無は、自分にも彼女たちのように、何かやるべきことがあるだろうかと考えてみたが、何も思い付けなかった。
そもそも、もう死んでしまった人間にやるべきことが残っているのだろうかと思った。
エレキギターに混ざって、一本のアコースティックギターが目についた。
音無は、そのギターが誰かにとって、とても大事なものだという印象を受けた。
歳月の重みとでも言うべきものが欠けているこの場所で、そのギターはなにかしら奇妙で、場違いなものという感じがした。
別にそのギターが古ぼけているのではない。使い込まれて傷だらけだったり、シールがべたべた貼られているわけでもない。
だが、なぜかその物体には個人の思い出というか、一人の人間が短いながらもそれまで生きてきた歴史のようなものが感じられた。
それは、この舞台装置のような学園に決定的に欠けているものだった。
ギターを眺めながら、自分はいったい誰だったんだろう、と音無は思った。
                                                おわり

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最終更新:2010年06月03日 21:24