SCP-596

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&font(#6495ED){登録日}:2016/11/24 (木) 23:19:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-596とは、怪異創作コミュニティサイト「[[The SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(The SCP Foundation)]] (SCiP) の一つである。 項目名は『忌まわしき再生の像(Cursed Regeneration Statue)』。[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(The SCP Foundation)]]は「Safe」に指定されている。 SCP-596は高さ63cmのブロンズ製の彫像で、胴体は蛇だが顔は人間のように見える。 「通常のプロトコルに従って警備された標準収容房に保管」という、極めてシンプルな収容手順のSCPであり、その効果も直接接触しなければ発揮されない。 しっかり保管しておけば何の危険性もない、典型的なSafeクラスオブジェクトである。 その異常性を端的に言うと「直接触れている者の怪我や傷を治療する」。 外傷は勿論、損傷した臓器の再生や失われた血液の造血も可能。 それどころか飢餓や脱水症状も防いでくれる上、睡眠をとらなくても衰弱しない。[[さながら究極生命体>カーズ(ジョジョの奇妙な冒険)]]じみた身体になれるのである。 脱水症状による細胞外液やその水分の欠落、飢餓による血糖やケトン体の流出といった要素すらも防いでしまう(恐らくはそれらの身体要素すらも自動で再生してくれるのだろう)あたりから察するに、明言こそされていないがウイルスや細菌による傷病も回復してくれる可能性が高い。 おまけに、この手の能力にありがちな「肉体や細胞の過剰な再生・増加により身体が限界を超えてしまい崩壊する」といったデメリットもない。 このSCPの効果は触れている者を健康な肉体に回復するところまでで止まるため、身体が通常時まで回復した時点でそれ以上の再生効果は起こらないのだ。 以上のことから、SCP-596はあの万能薬([[SCP-500]]:あらゆる病気を治す薬。在庫僅少)に代わる有用オブジェクトと言える。 腹痛や二日酔いに苦しむ財団職員の皆さん、これからはSCP-596の使用申請を提出するようにしてくださいね! ---- &link_up(△)メニュー &link_edit(text=項目変更)&link_copy(text=項目コピー) &link_diff(text=項目変更点)&link_backup()&link_upload(text=アップロードページ) ---- #center(){ &font(#ff0000){そんな夢のようなマジックアイテムが存在するとでも思っているのかね?} } 確かに、上記の特異性に嘘偽りは一切ない。 &bold(){「再生の像」としての効果}は正にこの通りである。 ……ではそろそろ、&bold(){「忌まわしき」}効果について説明していこう。 まず、SCP-596に触れたが最後、&bold(){二度と像から離れることはできない。} 怪我や不調が完治しても、触れた者(以下、被験者)は像から身体を引き剥がせないのだ。 加えて、&bold(){自力で像を動かすこともできなくなる。} 像を握ったまま移動することすらできなくなるため、被験者が移動するためにはゴム手袋等を装備した他の者にSCP-596を持ってもらい、それを動かしてもらうことで「それに誘導されて動く」という手順が必要になる。 ちなみに被験者の腕や指等、SCP-596との接触部分を切除して切り離した場合、&bold(){切り離された瞬間に被験者は死ぬ。そしてSCP-596に残った腕なり指なりから、元の被験者と同じ人格・記憶を備えた人間が再生する。} 切除したのが指一本だったとしても、像から切り離した瞬間に死ぬ。 以上のことから、事実上&bold(){被験者はSCP-596に触れた瞬間からその場に拘束され、二度と自由意志では動けなくなる}ということだ。 &font(l){この時点で既に十分えげつない気がするが本番はここからである。} 更なる特異性として、SCP-596に触れている間、被験者は&bold(){極度の不快感と苦痛に晒される。} それはもう凄まじいらしく、後述の実験でこれにあてがわれた被験者は、実験開始から1ヶ月弱もの間、延々絶叫と身悶えをやめなかったそうな。 財団職員が色々調べたようだが結局それらの原因は一切不明。身体的にも精神的にも、これほどの苦痛を訴えるに足る兆候は見受けられなかった。 性質が悪いことに、SCP-596の治癒効果は被験者の意識が無い間は著しく妨げられる。 つまり鎮静剤等で苦痛を和らげようとすると満足に回復しない。鎮静剤が切れてからまた再生効果が発揮されていくのだ。&bold(){いやがらせか。} なお、後から別の人間がこの像に直接触れた場合、元から触っていた被験者は即座に死亡し、新しい方が被験者として上記の状態に陥る。 &bold(){苦しみから解放されるには、どう足掻いても死ぬしかないらしい。} さて、ここからはこのSCPの特異性を確かめるために財団が行った実験と、このSCPを活用するために行った実験の数々を、ごくごく簡潔に紹介していこうと思う。 ……活用? &bold(){02/17:}(年代は全て伏せられているので省略) 墓泥棒の嫌疑をかけられていた、このSCPの最初の持ち主(文字通り手に持った状態だった)がそのまま財団に身柄を移され最初の被験体に。 移送の際に打ったと思しき鎮静剤の効果が切れると、収容房の中で被験者は激しい苦痛を訴えのたうち回った。 無論、SCP-596本体は動かせないため、像を握る手首は微動だにせず身体だけを像の周りで転げ回したようだ。 &bold(){02/18:} 苦痛と不快感がひどすぎるせいか、職員からの質問や外部からの刺激に対して反応が鈍く、食物も摂取できないようなので被験者の衰弱死が懸念される。 &bold(){03/10:} 一向に衰弱の気配を見せず、睡眠もとらないため冗談抜きで1日中絶叫と身悶えを続ける被験者。担当の博士は&bold(){この時点では}、「もしもこの副作用をどうにかできれば回復・延命の手段として有用なオブジェクトになるかもしれないが、そうでないなら破壊も視野に入れるべき存在だ」という旨の考えを示していた。 &bold(){03/13:} 遂に絶叫が途絶えたので急遽鎮静剤を打って身体検査を実施。&bold(){叫びすぎて声帯がズタズタに裂けてしまったらしい。}しかし鎮静剤が切れてしばらくするとまた叫び始める。裂けた声帯が治癒したためである。 この実験結果を承けて、博士はこのSCPに関する新たな展望を得たらしいが… &bold(){03/14:} &bold(){治癒効果の範囲を確かめるために意図して被験者の身体を切断する。}鎮静化状態でつま先を切った時は再生せず、鎮静が切れると同時に再生が始まった。意識がある状態で右足を切除した時は即座に再生が開始し、同時に複数個所を切除した場合でも一方に遅れが出ることなく同時に再生が成された。 &bold(){03/15:} SCP-596を握る両手を腕から切除したところ、直ちに被験者が死亡。 像に残った腕の断面から再度被験者が再生された。 再生を続ける被験者は翌日、&bold(){運動器系と神経系が回復した時点でのたうち始め、呼吸器系が機能を取り戻した途端に叫び始めた。} &bold(){03/17:} 鎮静化した状態で採血を実施。ある程度採血すると血圧が低下し採取不可能となったが、&bold(){鎮静が切れると同時に血圧が高まり採血を再開できた。} 翌日までの24時間で&bold(){72パイント(1パイントは約500ml)を採取できた}ことから造血効果が確認され、博士は今後の実験のために&bold(){血液型がO型Rhマイナスの[[Dクラス>Dクラス(The SCP Foundation)]]の使用を要請した。} &bold(){03/19:} &bold(){要請が通ったらしく}O型RhマイナスのDクラスが投入される。元の被験者は&font(l){ようやく}死によってSCP-596から解放されたが、新たな被験者は&bold(){全身に複数個所の採血ポイントを設けることで、輸血や実験用の血液供給源として活用されることになった。} 博士は続けてAB型のDクラスの用意も検討している。 &bold(){04/12:} SCP-596被験者を&bold(){採血だけでなく臓器の供給源にもしようと考える。}しかし拘束中も激しく暴れるので外科処置が難しく、手っ取り早く腕を切除して死なせた場合は次の再生が完了するまで採血が滞るため課題山積み。 &bold(){頭部を切除することで抵抗を抑えつつ臓器摘出と採血を両立できる}が、脳幹が再生すれば再度切り落とす手間がかかる上、常時首の再生部を再切断し続けるのもやはり手間。 後日、博士は財団技術開発部門に対して&bold(){「自動脳幹除去装置」なる代物}を作れないかと問合せている。 &bold(){04/26:} 技術開発部の開発した新型装置がSCP-596実験現場で大絶賛の嵐。 &bold(){再生中の頭蓋骨内に取り付けると、自動的に脳幹を掻き混ぜて液状化し吸引してくれる小型装置}で、これの投入により頭部の切除と再生を許しても、脳幹の再生に伴う被験者の大暴れと絶叫を防止できる上、心置きなく頭部を切除・再生できるため&bold(){眼球と歯芽までも摘出できるようになった。} 以上が、SCP-596を使った実験に関する簡潔な説明である。 &bold(){読んでるこっちが叫びたくなるわ!} SCPを読み慣れてる方ならば、「財団は冷酷だが残酷ではない」というフレーズを目にしたことがあるだろう。 SCP-596の実験記録は、&bold(){「『冷酷』と『残酷』の違いって何だっけ…?」}という疑問を我々読み手に喚起させること請け合いである。 &font(l){つーか財団倫理委員会的にはこれグレーどころか真っ黒な気がする。} いずれにせよこの記事、それこそかなりSCPを読み慣れてる人でも相当きつい内容なのは間違いないだろう。 &bold(){有用なオブジェクトであるという冒頭の文に嘘はないけれど。} 最後に一点。 SCP-596の記事中では説明されていないため、&bold(){再生中の被験者に痛覚が残っているか否かは不明である。} 無傷で触れた時点から叫び出す以上、像本体に苦痛と不快感を催す性質があるのは確実だろう。 しかし、実験中の人体切除および再生サイクルの間で被験者が挙げる苦痛の声は、果たして像が持つ元々の不快感によるものだけなのだろうか。 追記・修正は像に触れてからお願いします。 ---- #right(){SCP-596 - Cursed Regeneration Statue by JonnyD http://www.scp-wiki.net/scp-596 http://scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-596(翻訳) この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,5) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 子供をクソとかげに食わせた馬鹿は処分されて、この活用法を考え出したクソが処分されないっておかしくない? -- 名無しさん (2016-11-24 23:26:25) - ↑多分「Dクラスだから」だと思う。子供は財団とは縁もゆかりもない(職員の子供というわけですらない)から問題視されたわけだけど、Dクラスは死刑囚とか政治犯とかだからさ -- 名無しさん (2016-11-24 23:28:47) - SCPに対してこれは言っちゃいけない気がするが誰がなんのために作ったんだか -- 名無しさん (2016-11-24 23:30:22) - ↑案外財団と同じことを考えた人がいたのかもしれない -- 名無しさん (2016-11-24 23:37:30) - こんな実験に卸される羽目になりたくなきゃ、Dクラスになるようなことしなきゃ良い -- 名無しさん (2016-11-25 00:19:29) - ↑なお国によって死刑理由が異なる模様 独裁者に楯突いて政治犯になったり、あるいは婚前交渉が駄目なせいでレイプされた側なのに死刑になるパターンもある しかも財団のTaleを読む限り死刑囚が確保できない場合は了承の上でホームレスなどを使ってるパターンもあるらしいから闇が深い -- 名無しさん (2016-11-25 00:21:22) - まあこれは多分楽しい財団がまだ主流だったころの作品なんだろう -- 名無しさん (2016-11-25 01:00:33) - 財団は有用ならどんな残酷なことでもやるだろ。有用じゃないことに人の命を絶対に使わないだけで -- 名無しさん (2016-11-25 01:02:13) - 忌まわしいのはどっちなんだか -- 名無しさん (2016-11-25 05:21:00) - コイツに触れたらソレはもう人間じゃない。無限に肉体が再生する便利で有能で手の掛かるめんどくさいSCPだ。 -- 名無しさん (2016-11-25 07:56:38) - そういやコレ、人以外には効果はないのかね? -- 名無しさん (2016-11-25 07:57:48) - もしも人間以外にも効果があるならクソとかげをこいつにくっつければ良いと思う。 -- 名無しさん (2016-11-25 08:17:11) - ただ不快感あたえるだけで殺せないだろ 切ったら生えるし -- 名無しさん (2016-11-25 08:21:07) - ↑像が動かせなくなるから一ヶ所に封じ込められるだろ。 -- 名無しさん (2016-11-25 08:23:34) - 切り離した側のクソトカゲが死ぬとは確信できない むしろ恒久的にクソトカゲを量産しかねない -- 名無しさん (2016-11-25 08:33:18) - 結合面から身体の一部をガムみたいに -- 名無しさん (2016-11-25 08:44:00) - 延ばして「離れてないけど離れてる」状態で暴れ回るかもしれない あまりに突拍子もない考えだけどそのぐらいの考えじゃないと迂闊に682で実験できない -- 名無しさん (2016-11-25 08:45:05) - 少なくとも173や096は愚か、ほんのなかにいるすら躱すクソトカゲさんやぞ -- 名無しさん (2016-11-25 10:38:14) - まあ、有効活用しようとか考えるとこうなるわな。倫理的には大問題だけど、これに接触した人を解放する手段はもう像の破壊しかないわけで。残酷超えて外道の類だけど財団の本筋じゃないし、活用しないとするには勿体無い力 -- 名無しさん (2016-11-25 11:12:55) - もしかしたら今まで像に触れてきた人間が、像に触れている間に受けた苦痛や嫌悪感を溜め込んで、現在触れている人に反映しいるのかもしれない。つまり、触れている人間は何人分もの死傷を恒久的に味わい続けているのかも。 -- 名無しさん (2016-11-25 13:54:58) - この苦痛や怒りが溜まりに溜まって放出されてketerになるっていうの思い付いた -- 名無しさん (2016-11-26 07:11:12) - これ新しい人が触れたら一応古い人の体は離れてる、ってことでいいんかな -- 名無しさん (2016-11-26 20:06:28) - 結果的にはたった一人のDクラス職員が犠牲になるだけで血液と臓器が手に入り放題という夢のようなマジックアイテムになったというのが非常に皮肉的 -- 名無しさん (2016-11-26 20:16:12) - ↑2 ただし離れた側は即死 -- 名無しさん (2016-11-26 20:34:00) - 現在接続されているやつの脳が再生出来ない状態にされているのはせめてもの救いなのだろうか -- 名無しさん (2016-12-03 00:43:00) - わるい財団 -- 名無しさん (2017-02-07 18:19:26) - Dクラス「グァアアア!!ギャアアアア」←博士「あいつの血を輸血に使おう!」 鬼畜か -- 名無しさん (2017-02-20 19:22:46) - クズを一人犠牲にするだけで一体何人の重病患者が救えるんやろなぁ(恍惚) -- 名無しさん (2017-02-23 10:11:00) - これ使ったら115JPにかかるコストが実質タダにならんかなー -- 名無しさん (2017-03-28 15:58:57) - 仮に利用しなかったとして、収容の時点で常に一人は接触していないといけない状態になっているわけで、どうせ永遠の苦痛に苛まれるのが同じなら、臓器や血液を利用するのは特に残酷な行為とは言えない。倫理委員会が問題視するとしたら、別の血液型が欲しいからって収容上必要ない新たな犠牲者をわざわざ用意するところくらい。 -- 名無しさん (2017-09-01 14:53:09) - ある意味これほどGOCに回収、破壊された方が良かったかもしれないと思わせるオブジェクトもないな… -- 名無しさん (2017-09-01 18:21:46) - 倫理には悖るけれども、犠牲者を増やすようなことはしていないし助かる人間自体は増えているのが何とも言い難い -- 名無しさん (2018-01-03 15:53:05) - こんな形で採取した血や臓器が果たしてまともなものなのか……ある日突然すさまじい収容違反の引き金になりそう -- 名無しさん (2018-01-03 20:36:49) - これいっそ全員がオブジェクトのせいで研究チーム全員が精神汚染食らってるとかの方がまだありがたい -- 名無しさん (2018-01-10 17:34:17) - コメント欄にリアルに財団みたいな思考回路してる人間がいるのが怖い -- 名無しさん (2018-02-19 00:29:23) - huto -- 名無しさん (2018-02-21 18:32:38) - ↑ ごめんミス。ふと気になったけどこれアベルに持たせたらどうなるんだ? -- 名無しさん (2018-02-21 18:33:09) - 今日も一日596(ご苦労)さん なんちって -- 名無しさん (2018-02-21 18:36:04) - おい、そっちにトマトが飛んだぞ -- 名無し (2018-04-13 19:06:44) - 大丈夫、再生した -- 名無しさん (2018-04-13 21:16:52) - これ、像のほうを破壊すると何が起こるかが分からないってのがまた皮肉めいてる、そちらを壊せば普通に被験者は助かるというオチもあるんだよな、だとしたら当初の予定通りの万能薬になるわけで -- 名無しさん (2018-04-28 14:28:03) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2016/11/24 Thu 23:19:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-596とは、怪異創作コミュニティサイト「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]] (SCiP) の一つである。 項目名は『忌まわしき再生の像(Cursed Regeneration Statue)』。[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は「Safe」に指定されている。 SCP-596は高さ63cmのブロンズ製の彫像で、胴体は蛇だが顔は人間のように見える。 「通常のプロトコルに従って警備された標準収容房に保管」という、極めてシンプルな収容手順のSCPであり、その効果も直接接触しなければ発揮されない。 しっかり保管しておけば何の危険性もない、典型的なSafeクラスオブジェクトである。 その異常性を端的に言うと「直接触れている者の怪我や傷を治療する」。 外傷は勿論、損傷した臓器の再生や失われた血液の造血も可能。 それどころか飢餓や脱水症状も防いでくれる上、睡眠をとらなくても衰弱しない。[[さながら究極生命体>カーズ(ジョジョの奇妙な冒険)]]じみた身体になれるのである。 脱水症状による細胞外液やその水分の欠落、飢餓による血糖やケトン体の流出といった要素すらも防いでしまう(恐らくはそれらの身体要素すらも自動で再生してくれるのだろう)あたりから察するに、明言こそされていないがウイルスや細菌による傷病も回復してくれる可能性が高い。 おまけに、この手の能力にありがちな「肉体や細胞の過剰な再生・増加により身体が限界を超えてしまい崩壊する」といったデメリットもない。 このSCPの効果は触れている者を健康な肉体に回復するところまでで止まるため、身体が通常時まで回復した時点でそれ以上の再生効果は起こらないのだ。 以上のことから、SCP-596はあの万能薬([[SCP-500]]:あらゆる病気を治す薬。在庫僅少)に代わる有用オブジェクトと言える。 腹痛や二日酔いに苦しむ財団職員の皆さん、これからはSCP-596の使用申請を提出するようにしてくださいね! ---- &link_up(△)メニュー &link_edit(text=項目変更)&link_copy(text=項目コピー) &link_diff(text=項目変更点)&link_backup()&link_upload(text=アップロードページ) ---- #center(){ &font(#ff0000){そんな夢のようなマジックアイテムが存在するとでも思っているのかね?} } 確かに、上記の特異性に嘘偽りは一切ない。 &bold(){「再生の像」としての効果}は正にこの通りである。 ……ではそろそろ、&bold(){「忌まわしき」}効果について説明していこう。 まず、SCP-596に触れたが最後、&bold(){二度と像から離れることはできない。} 怪我や不調が完治しても、触れた者(以下、被験者)は像から身体を引き剥がせないのだ。 加えて、&bold(){自力で像を動かすこともできなくなる。} 像を握ったまま移動することすらできなくなるため、被験者が移動するためにはゴム手袋等を装備した他の者にSCP-596を持ってもらい、それを動かしてもらうことで「それに誘導されて動く」という手順が必要になる。 ちなみに被験者の腕や指等、SCP-596との接触部分を切除して切り離した場合、&bold(){切り離された瞬間に被験者は死ぬ。そしてSCP-596に残った腕なり指なりから、元の被験者と同じ人格・記憶を備えた人間が再生する。} 切除したのが指一本だったとしても、像から切り離した瞬間に死ぬ。 以上のことから、事実上&bold(){被験者はSCP-596に触れた瞬間からその場に拘束され、二度と自由意志では動けなくなる}ということだ。 この時点で既に十分えげつない気がするが、&bold(){&font(#ff0000){本番はここからである。}} 更なる特異性として、SCP-596に触れている間、被験者は&bold(){極度の不快感と苦痛に晒される。} それはもう凄まじいらしく、後述の実験でこれにあてがわれた被験者は、実験開始から1ヶ月弱もの間、延々絶叫と身悶えをやめなかったそうな。なぜ絶叫が途絶えたかって?叫び過ぎて喉が潰れたから。そして治癒効果で治り次第また叫び始めている。 財団職員が色々調べたようだが結局それらの原因は一切不明。身体的にも精神的にも、これほどの苦痛を訴えるに足る兆候は見受けられなかった。 性質が悪いことに、SCP-596の治癒効果は被験者の意識が無い間は著しく妨げられる。 つまり鎮静剤等で苦痛を和らげようとすると満足に回復しない。鎮静剤が切れてからまた再生効果が発揮されていくのだ。&bold(){いやがらせか。} なお、後から別の人間がこの像に直接触れた場合、元から触っていた被験者は即座に死亡し、新しい方が被験者として上記の状態に陥る。 &bold(){苦しみから解放されるには、どう足掻いても死ぬしかないらしい。} さて、ここからはこのSCPの特異性を確かめるために財団が行った実験と、このSCPを活用するために行った実験の数々を、ごくごく簡潔に紹介していこうと思う。 ……活用? &bold(){02/17:}(年代は全て伏せられているので省略) 墓泥棒の嫌疑をかけられていた、このSCPの最初の持ち主(文字通り手に持った状態だった)がそのまま財団に身柄を移され最初の被験体に。 移送の際に打ったと思しき鎮静剤の効果が切れると、収容房の中で被験者は激しい苦痛を訴えのたうち回った。 無論、SCP-596本体は動かせないため、像を握る手首は微動だにせず身体だけを像の周りで転げ回したようだ。 &bold(){02/18:} 苦痛と不快感がひどすぎるせいか、職員からの質問や外部からの刺激に対して反応が鈍く、食物も摂取できないようなので被験者の衰弱死が懸念される。 &bold(){03/10:} 一向に衰弱の気配を見せず、睡眠もとらないため冗談抜きで1日中絶叫と身悶えを続ける被験者。担当の博士は&bold(){この時点では}、「もしもこの副作用をどうにかできれば回復・延命の手段として有用なオブジェクトになるかもしれないが、そうでないなら破壊も視野に入れるべき存在だ」という旨の考えを示していた。 &bold(){03/13:} 遂に絶叫が途絶えたので急遽鎮静剤を打って身体検査を実施。&bold(){叫びすぎて声帯がズタズタに裂けてしまったらしい。}しかし鎮静剤が切れてしばらくするとまた叫び始める。裂けた声帯が治癒したためである。 この実験結果を承けて、博士はこのSCPに関する新たな展望を得たらしいが… &bold(){03/14:} &bold(){治癒効果の範囲を確かめるために意図して被験者の身体を切断する。}鎮静化状態でつま先を切った時は再生せず、鎮静が切れると同時に再生が始まった。意識がある状態で右足を切除した時は即座に再生が開始し、同時に複数個所を切除した場合でも一方に遅れが出ることなく同時に再生が成された。 &bold(){03/15:} SCP-596を握る両手を腕から切除したところ、直ちに被験者が死亡。 像に残った腕の断面から再度被験者が再生された。 再生を続ける被験者は翌日、&bold(){運動器系と神経系が回復した時点でのたうち始め、呼吸器系が機能を取り戻した途端に叫び始めた。} &bold(){03/17:} 鎮静化した状態で採血を実施。ある程度採血すると血圧が低下し採取不可能となったが、&bold(){鎮静が切れると同時に血圧が高まり採血を再開できた。} 翌日までの24時間で&bold(){72パイント(1パイントは約500ml)を採取できた}ことから造血効果が確認され、博士は今後の実験のために&bold(){血液型がO型Rhマイナスの[[Dクラス>Dクラス(SCP Foundation)]]の使用を要請した。} &bold(){03/19:} &bold(){要請が通ったらしく}O型RhマイナスのDクラスが投入される。元の被験者は&font(l){ようやく}死によってSCP-596から解放されたが、新たな被験者は&bold(){全身に複数個所の採血ポイントを設けることで、輸血や実験用の血液供給源として活用されることになった。} 博士は続けてAB型のDクラスの用意も検討している。 &bold(){04/12:} SCP-596被験者を&bold(){採血だけでなく臓器の供給源にもしようと考える。}しかし拘束中も激しく暴れるので外科処置が難しく、手っ取り早く腕を切除して死なせた場合は次の再生が完了するまで採血が滞るため課題山積み。 &bold(){頭部を切除することで抵抗を抑えつつ臓器摘出と採血を両立できる}が、脳幹が再生すれば再度切り落とす手間がかかる上、常時首の再生部を再切断し続けるのもやはり手間。 後日、博士は財団技術開発部門に対して&bold(){「自動脳幹除去装置」なる代物}を作れないかと問合せている。 &bold(){04/26:} 技術開発部の開発した新型装置がSCP-596実験現場で大絶賛の嵐。 &bold(){再生中の頭蓋骨内に取り付けると、自動的に脳幹を掻き混ぜて液状化し吸引してくれる小型装置}で、これの投入により頭部の切除と再生を許しても、脳幹の再生に伴う被験者の大暴れと絶叫を防止できる上、心置きなく頭部を切除・再生できるため&bold(){眼球と歯芽までも摘出できるようになった。} 以上が、SCP-596を使った実験に関する簡潔な説明である。 &bold(){読んでるこっちが叫びたくなるわ!} SCPを読み慣れてる方ならば、「財団は冷酷だが残酷ではない」というフレーズを目にしたことがあるだろう。 SCP-596の実験記録は、&bold(){「『冷酷』と『残酷』の違いって何だっけ…?」}という疑問を我々読み手に喚起させること請け合いである。 &font(l){つーか財団倫理委員会的にはこれグレーどころか真っ黒な気がする。} いずれにせよこの記事、それこそかなりSCPを読み慣れてる人でも相当きつい内容なのは間違いないだろう。 &bold(){有用なオブジェクトであるという冒頭の文に嘘はないけれど。} 最後に一点。 SCP-596の記事中では説明されていないため、&bold(){再生中の被験者に痛覚が残っているか否かは不明である。} 無傷で触れた時点から叫び出す以上、像本体に苦痛と不快感を催す性質があるのは確実だろう。 しかし、実験中の人体切除および再生サイクルの間で被験者が挙げる苦痛の声は、果たして像が持つ元々の不快感によるものだけなのだろうか。 追記・修正は像に触れてからお願いします。 ---- #right(){CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-596 - Cursed Regeneration Statue by JonnyD http://www.scp-wiki.net/scp-596 http://ja.scp-wiki.net/scp-596 この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,38) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd #comment_num2(num=30) }

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