RPGツクール SUPER DANTE

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RPGツクール SUPER DANTE」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2015/02/01 (日) 21:44:04 
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます

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**概要
1995年にアスキーから発売されたSFC用のRPGコンストラクションソフトである。
当時のPC版で発売されていた「RPGツクール Dante98」の移植版であり、サブタイトルはその名残である。

**システム
主人公、マップとイベント、魔法、アイテム、敵キャラ、出現範囲、タイトルの設定等の編集を
それぞれメインメニューから選択して編集する。
メインメニュー→各編集メニューを選択して編集の流れは家庭用ツクールの基本構造となっている。

**今作の仕様
&bold(){購入者「よーし、これでDQやFFを超えるゲームを作ってやるぜ~」 経験者「無理です…」}

今作は家庭用ハードの仕様と容量制限、そしてRPGツクールの初期の頃の作品ということもあって
かなりの制約が課せられる。具体的には…

-フィールドはあらかじめ指定された4種類からの選択制
--短編の場合、プレイヤーが余計な所へ行ってしまいやすいので島を利用してその中でで完結させる、大陸を用いる場合はイベント等で上手く誘導する必要がある。

-マップは城、町、ダンジョンの三種類のみで様々なパターンで形成されたマップパーツを組み合わせて作る。


-主人公、敵に個性を付けづらい
--主人公の能力=成長率となる(力を5に設定するとレベルアップ毎の成長も5ずつ成長する)。各キャラのパラメーターをしっかり調整しないと格差が生じやすくなりやすい。
---職業、スキルといった要素は一切ない。
---また、初期装備も設定不可能。イベントなどで装備入手可能イベントを用いる必要がある。
---「味方加入→ボス戦」という流れだと新規加入キャラは大抵足でまといと化す。
--敵のグラフィックは1色のみ、ドロップアイテム設定も不可能。
---敵も魔法が効く効かない、2回攻撃と言った当時のドラクエ(Ⅳ~Ⅴ)レベルの設定しかできない。


-魔法は1人で10個しか覚えられない。それ以上覚えようとすると&bold(){古いものから忘れてしまう。}
--加えて魔法に関してもあらかじめ設定された効果を編集する内容の為に重複している攻撃、HP回復はともかく状態異常回復やテレポートなどは上手く設定しないと詰む可能性も…
--更に取得LVは「1~99」間の設定の為にLV99になると&bold(){どのキャラクターも攻撃魔法で魔法欄が埋め尽くされる。}
---魔法グラフィックを見ながら編集する事は出来ないので説明書や資料、戦闘テストを見ながらグラフィックを決める必要がある。

-所持アイテムはドラクエ方式で各自10
--重要アイテム扱いで捨てられないアイテムを設定できるが&bold(){所持品が一杯の時の強制廃棄時には捨てられる。}
--また、仲間から外れるキャラに持たせると簡単に詰んでしまう。
---あらかじめ「絶対に外れないキャラに所持させて、廃棄しないようにシナリオ上で説明させる。」、「スイッチ処理で代用し所持品とは別枠のアイテムという設定にする。」必要がある。


-乗り物を呼び出すアイテム等を設定できない。
--イベント設定等が無い島へ移動→テレポートで&bold(){簡単に詰む。}これとは別に場所移動を挟むイベントでテレポートでも最悪詰んでしまう事もある。
---あらかじめ各地を行き来を出来るイベントを設定しておくか乗り物を出さないようにする必要がある。

-容量がかなり厳しい
--イベントの容量はせいぜいドラクエ1から2の中間程度と思われる。
---メッセージによる容量消費が厳しいので説明や解説を増やすとあっという間に容量を使い切る。
--敵はフィールドとダンジョンでそれぞれ32種類、イベント専用で16種類のみ。
--今作に最初から入っているサンプルゲーム『Fate』は元はDante98の移植版なのだが今作の仕様に合わせて大幅にストーリーの簡略化、一部シーンの削除と言った縮小処理がされているにも関わらず容量ギリギリである。

-イベントコマンドは一般的なものしかない。
--「特定ボタン操作で発生」、「条件分岐」、「変数」と言ったコマンドは無い。
--選択肢も「はい」、「いいえ」のみでランダム分岐も無い。

-素材の追加は不可能
--あらかじめ用意されているグラフィックを用いてしか作れない。ファンタジーはともかくSFや時代劇や現代物を作るのは厳しい。

-カセット単体では1つ分のゲームしか保存できず複数保存するにはターボファイルが必要
--またハードの制約上、他者にプレイしてもらうにはゲームデータを保存したカセットが必要となる。


…以上の制約から長編RPGを作ろうとすると容量面や仕様の関係で暗礁に乗り上げてしまう。
仮にイベントを極限まで減らしたやりこみ系RPGにしようとしても成長システムや魔法制限での面でキャラクターの個性とバランスを取るのが困難になる。
イベント内容も一般的なものしかないし素材追加もできないので個性を出しづらい。
実際は「RPG作成ツール」というよりも「RPG制作ごっこソフト」と言った評価になってしまい易い。
ぶっちゃけると「本格的なのを作りたければDante98買え」なんて今作のガイドブック実践編に書かれている位である…

**今作の価値
では今作は完全な駄作であるのか?…答えはノーと言いたい。

上記の制約の大半は説明書に記載されている内容であり、システムやコマンド、計算式についてはしっかりと
説明書に記載されておツクールに不慣れなユーザーに対する配慮は考慮されている。
事実、続編で今作の問題の大半は解消されている。故に&bold(){今作の制約は初作品である為の仕様で決してバグではない。}


当時はまだパソコンが普及しておらずDante98自体のユーザーも少なかった。
また、制作ツール自体もそこまで普及しておらず特に家庭用ゲーム機での「ゲーム制作ソフト」は殆ど無かった。
今作は当時の自分用パソコンを持たないゲーム制作に憧れる年少者にゲーム制作の面白さと辛さ、
仕様上の制約を乗り越えたり活かす工夫の必要性を理解させる事となった。

出来ることが限られているという反面、「使い切れなくて持て余す」と言った事が
無いのも地味に評価できるポイントである。

そして今作で物足りないユーザーはDante98や後に発売されたツクールシリーズを購入して
より本格的な作品作りに没頭するようになる等、ゲーム制作への窓口と理解を広げる役割を果たし、
後のツクールシリーズを生み出す原動力となったのである。

また、他メーカーが発売した家庭用の制作ソフトも今作のような操作系になっているのも
今作のシステムが優秀だった事の証明とも言える…筈。

流石に現在では作成ツールとして使うのは厳しいが機会があればぜひ手に取って作品を作って頂きたい。
進化を重ね、出来ることが増えた現行版RPGツクールには無い限られた環境でのゲーム作成で自らのアイディアを
表現するのもいい経験となる筈である。

ただし、現状ではおそらくカセット内のバックアップ電池は切れているので記憶の為にターボファイルも用意する事を推奨する。



追記、修正お願い致します(できれば経験者推奨)


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#openclose(show=▷ コメント欄){
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- 後にPS1なのにイベント容量がこれと同程度のシミュツクってのが出てなあ。  -- 名無しさん  (2015-02-01 22:53:26)
- まだこの時はグラフィックが粗かった・・・2からは見違えるほど綺麗に。  一部のBGMは当時のDANTE98用素材に逆輸入されてたみたいです。  -- 名無しさん  (2015-02-01 23:04:20)
- この経験が後のRPGツクール2000に引き継がれるわけだな…  -- 名無しさん  (2015-02-02 11:43:00)
- ↑重箱の隅をつつくようで悪いけどコレと2000の間にPC版ではDante98Ⅱと95、そしてSFC版の2、PS版の3が出ているからね…  -- 名無しさん  (2015-02-02 14:47:26)
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